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カビの掃除方法は?場所別でカビをきれいにするポイントと対策まとめ

カビの掃除方法は?場所別でカビをきれいにするポイントと対策まとめ
生活していると、いつの間にか水回りや窓周辺などに発生してしまうカビ。見つけてキレイにしようと思っても、なかなか除去できない曲者です。うまく掃除することができず、諦めて放置している方もいることでしょう。本記事では、そんなカビの掃除方法を詳しくご紹介します。注意点や予防策などと併せて確認し、快適な生活環境を維持しましょう。

カビはどうして生える?

カビはキノコなどと同じ真菌類(しんきんるい)に含まれる微生物です。栄養や温度、湿度といった条件が揃うことで、繁殖してしまいます。まずはカビとは何なのか、そして繁殖条件について詳しく確認しておきましょう。

そもそも「カビ」とは?

先に述べたようにカビは微生物で、キノコや酵母などと同じ真菌類に含まれます。正式には糸状菌(しじょうきん)と呼ばれるもので、細菌などとは異なります。胞子と菌糸という部分があり、胞子が付着すると菌糸が伸び、大きく広がっていきます。
なお、カビにも「黒カビ」「青カビ」「白カビ」「赤カビ」などいくつか種類があります。このうち、一般家庭でよく見るのは黒カビですが、畳などでは「緑カビ」を目にすることがあるかもしれません。

カビが繁殖する条件は?

カビは栄養や温度、湿度といった条件が揃うことで繁殖します。逆に、これらの3つの条件を揃いにくくすることでカビの繁殖を予防できるでしょう。具体的な条件は以下のとおりですので、日ごろから意識しておきましょう。

  • 湿度が80%以上
  • 気温が20度~30度
  • カビの養分となる汚れ(ホコリ、ダニ、食べかすなど)

この条件を踏まえると、トイレやお風呂、キッチンなどの水回りはカビが繁殖しやすい場所といえるでしょう。おそらく、よくカビを見かける場所なのではないでしょうか。水回りは水気だけでなく、皮脂や食べかすなどカビの養分となるものも多くあります。また、窓やサッシの周辺なども結露が発生して湿るため、カビが繁殖しやすい場所です。

さらにエアコンの内部もカビが繁殖しやすい条件が揃っているほか、畳に使われる天然い草には空気の吸収や放出・湿気を調節する性質があり、湿度が高いと湿気を吸収し続けるため、カビが発生しやすくなるのです。

カビが繁殖しやすい場所のうち、意外と目が向きにくいのが寝具ではないでしょうか。寝汗や結露がつき、さらに体温で温められるため、カビが繁殖しやすい環境となりがちです。その他、クローゼットや家具の裏なども日が当たらず湿度が高くなりやすいので、知らないうちにカビが繁殖してしまうかもしれません。

特に梅雨の時期は気温も湿度も高いため、カビが繁殖しやすくなります。一方、寒い冬でも暖房を使うことで室温が高くなったり、加湿器を使用し結露が生じることで、カビの繁殖する条件が揃うことも考えられます。

カビ掃除に使う洗剤

カビ掃除には洗剤の使用が有効ですが、この洗剤にもいくつか種類があります。それぞれメリットやデメリットを確認し、ご家庭に合ったものを選んでください。

中性洗剤

中性洗剤とは日ごろキッチンで使う台所用洗剤や、トイレやお風呂を掃除する際に使う洗剤で、ご家庭ですぐに用意ができるのではないでしょうか。中性洗剤を使用して掃除をするメリットとデメリットは、以下のとおりです。

【メリット】 【デメリット】
カビ以外の掃除にも使うことができる
場所を選ばず使用できる
素材を傷めにくい
人への害が少ない(手肌にもやさしい)
除菌力が弱いため頑固なカビは除去しきれない

塩素系漂白剤

塩素系漂白剤を使うメリットとデメリットには、以下のようなものが挙げられます。特に風呂場などの水回りで使用するのにいいでしょう。「カビ取り剤」と呼ばれるものは、その多くが塩素系漂白剤です。

【メリット】 【デメリット】
除菌力が強いので頑固なカビも除去できる
掃除が簡単で手軽
人への刺激が強い
素材によっては使えないことがある

酸素系漂白剤

酸素の発泡により汚れを浮かして落とす、酸素系漂白剤でのカビ掃除は、以下のようなメリットとデメリットがあります。
塩素系漂白剤のような強い薬剤を使うのに抵抗がある場合や、つけ置きをしたい場合には酸素系漂白剤を使いましょう。

【メリット】 【デメリット】
布など繊維を傷めずにカビを除去できる
人への害が少ない
除菌力が弱いため頑固なカビは除去しきれない
手肌につくと荒れることがある

エタノール

エタノールをカビ掃除に使う際には、以下のようなメリットとデメリットがあります。なお、除菌用アルコールもエタノールに含まれます。エタノールや除菌用のアルコールはゴム製品などには使うことができないため、キッチンやコンロのカビ掃除におすすめです。

【メリット】 【デメリット】
除菌力が強いので頑固なカビも除去できる
人への害が少ない
使い方が簡単
拭き掃除などで使いやすい
カビ予防にも使うことができる
火気の近くで使用できない
漂白作用はない(黒ずみは落とせない)
素材によっては使えないことがある

重曹

重曹はカビ取り剤のような漂白効果はありませんが、弱アルカリ性でカビのたんぱく質を緩め、さらに働きを抑えます。また研磨作用を持つため、表面に生えたカビをこすり落とすのにも役立ちます。重層でのカビ掃除は、以下のようなメリットとデメリットがあります。

【メリット】 【デメリット】
人への害がない
環境にやさしい
除菌力が弱いため頑固なカビは除去しきれない
漂白作用はない(黒ずみは落とせない)
殺菌効果が高くない

カビ掃除の注意点

カビ掃除する際には、以下の点に注意しましょう。

換気をする

空気中にあるカビの胞子を吸い込んでしまうと、肺炎など健康被害が出る可能性があります。また、カビ取り剤や塩素系漂白剤を掃除に使用する場合、空気中の炭酸ガスと混ざることで有毒なガスを発生することがあるので注意しましょう。そのため、掃除する際には必ず換気をしてください。

他の洗剤とカビ取り剤を混ぜない

危険な有毒ガスを発生させてしまう可能性があるので、カビ取り剤や塩素系漂白剤を他の洗剤と混ぜることはやめましょう。例えば水回りなど他の洗剤を使用したあとにカビ取り剤を使う場合、混ざらないようしっかり洗い流してから使用することが重要です。

カビ取り剤の置く時間に気を付ける

カビ取り剤で掃除する際、洗剤を置く時間が短いとカビを除去し切れないことがあります。たとえ見た目にはきれいになったように見えても、実際には表面しかとり切れておらず、カビの根が残ってしまうことも。そうなると、せっかく掃除しても、再びカビが発生してしまいます。目安として、20~30分は置いておくようにしてください。

掃除した部分を乾燥させる

カビ掃除した場所は、いったん乾燥させることが大切です。濡れたままにすると、その湿気でカビが再発するかもしれません。カビ掃除したあとは、しっかり水分を切って乾燥させてください。

水拭きだけで済まさない

カビが発生している場所は、水拭きだけで掃除しないようにしましょう。水拭きでは洗浄効果が薄く、カビの根だけでなく表面すら除去し切れません。また、水拭きする際に雑巾の水分をカビに与えてしまい、かえってカビの成長を促してしまう可能性があります。

こすりすぎない

拭き掃除する際には、こすりすぎに注意しましょう。あまり強くこすると、カビを素材の奥まで押し込んでしまうことがあります。そうなれば、カビの除去が難しくなるでしょう。また、乾いた雑巾などで乾拭きするのも避けてください。乾拭きによってカビの胞子を周辺に広げる可能性があり、逆効果です。

掃除機を使わない

カビ掃除に掃除機を使うことも避けましょう。掃除機で吸い込んだカビの胞子が、排気口から周辺に拡散してしまいます。その結果、カビの発生範囲を広げることにつながりかねません。

場所ごとのカビ掃除方法

カビ掃除の効果的な方法は、場所によって異なります。ここで、場所別のカビ掃除方法をご紹介します。

お風呂

お風呂

必要なもの

  • ゴム手袋
  • マスク
  • ゴーグル
  • タオル(雑巾)
  • フロアモップもしくは長い柄のある掃除スポンジ
  • 中性洗剤もしくは塩素系漂白剤

掃除のステップ

掃除のステップ
  • STEP 1ゴム手袋・マスク・ゴーグルをつける
  • STEP 2窓などを開けて換気する
  • STEP 3塩素系漂白剤をカビ部分にスプレーする
  • STEP 420~30分を目安に放置する
  • STEP 5水が周囲に跳ねないよう気を付けながらシャワーで洗剤をよく洗い流す
  • STEP 6天井などはフロアモップなどに布を巻きつけ、中性洗剤を含ませて拭く
  • STEP 7タオルなどを使用して水分をしっかり拭き取る

ゴムパッキンの掃除はキッチンペーパーなどを水で湿らせてカビの発生箇所に貼り付け、その上に塩素系漂白剤を吹きかけます。20~30分を目安に放置したあと、きれいにシャワーなどで洗い流してください。

洗面台

洗面台

必要なもの

  • タオル(雑巾)
  • スポンジ
  • 中性洗剤もしくは塩素系漂白剤

掃除のステップ

  • STEP 1スポンジに水を含ませる
  • STEP 2中性洗剤をカビ部分にかけて軽くこする、もしくは塩素系漂白剤をスプレーして5分ほど放置
  • STEP 3洗剤をよく洗い流す
  • STEP 4乾拭きでしっかり水分を拭き取る
  • STEP 5乾燥させる

塩素系漂白剤をスプレーする場合、放置する際にラップをかけると浸透しやすくなります。なお、洗剤は残らないようにしっかり洗い流し、流水で難しい箇所は濡れ雑巾を使うなどして拭き取りましょう。

洗濯機

洗濯機

必要なもの

  • 酸素系漂白剤もしくは塩素系漂白剤
  • ゴム手袋
  • ゴミをすくうネット

掃除のステップ

掃除のステップ
  • STEP 1洗濯機のスイッチをオンにする
  • STEP 2お湯を洗濯槽に入れる
  • STEP 3酸素系漂白剤を指定分量にしたがって溶かす
  • STEP 4通常コースで5分ほど洗濯機を運転させる
  • STEP 5運転が止まったら2~3時間を目安に放置する
  • STEP 6再度、5分ほど洗濯機を運転させる
  • STEP 7汚れが浮いたらゴミすくいネットで取る
  • STEP 8ここまでを繰り返し、汚れが出なくなったら排水する
  • STEP 9水を溜めて塩素系漂白剤を入れる
  • STEP 102~3時間を目安に放置する
  • STEP 11「槽洗浄コース」か「通常コース」で運転させる

ゴミ取りネットや乾燥フィルターなど、細かな部品も一度外して洗いましょう。また、洗濯機の下に置く洗濯パンも汚れたりカビが発生したりしやすいので、定期的な掃除がおすすめです。パッキンや洗濯槽のフチなどは水分が残りやすいため、忘れずしっかりふき取ってください。

キッチン

キッチン

必要なもの

  • ゴム手袋
  • マスク
  • 中性洗剤と塩素系漂白剤
  • タオル(雑巾)

掃除のステップ

掃除のステップ
  • STEP 1ゴム手袋・マスクをつける
  • STEP 2換気扇を回したり窓を開けたりして換気する
  • STEP 3シンク全体を、中性洗剤を使って洗い流す
  • STEP 4雑巾などで水分を拭き取る
  • STEP 5カビのある部分に塩素系漂白剤をかける
  • STEP 620~30分を目安に放置する
  • STEP 7水でよく洗い流す
  • STEP 8乾いたタオル(雑巾)でしっかり水分を拭き取る

目に見えるシンクや三角コーナーなどはもちろん、収納などでよく使用されるシンク下もカビが発生しやすくなっています。シンク下はすべてのモノを取り出し、除菌用エタノールによる拭き取りなどで掃除しましょう。掃除後は扉を開け、しっかり乾燥させてください。

窓・サッシ

窓・サッシ

必要なもの

  • ゴム手袋
  • マスク
  • ゴーグル
  • 中性洗剤もしくは塩素系漂白剤
  • 消毒用エタノール
  • キッチンペーパー
  • タオル(雑巾)
  • 綿棒

掃除のステップ

掃除のステップ
  • STEP 1ゴム手袋・マスク・ゴーグルをつける
  • STEP 2窓枠やサッシにたまっているホコリや汚れをタオル(雑巾)や綿棒を使って取り除く
  • STEP 3キッチンペーパーをカビ部分に貼り付ける
  • STEP 4中性洗剤もしくは塩素系漂白剤をキッチンペーパーにスプレーする
  • STEP 520~30分を目安に放置する
  • STEP 6濡れたタオル(雑巾)でしっかりとカビと塩素系漂白剤をふき取る
  • STEP 7サッシに消毒用エタノールをスプレーする

窓・サッシのカビは結露が主な原因となるため、日ごろからこまめに拭き取ったり、定期医的に窓を開けて換気したりしましょう。

寝具(布団・マットレス)

寝具(布団・マットレス)

必要なもの

  • 重曹水
  • 除菌用エタノール
  • スポンジ
  • キッチンペーパー

掃除のステップ

  • STEP 1水で湿らせたキッチンペーパーでカビを拭き取る
  • STEP 2カビのあった部分に重曹水をかける
  • STEP 35分ほど放置する
  • STEP 4スポンジに重曹水を含ませ、カビのある部分を洗う
  • STEP 5カビのある部分に除菌用エタノールをかける
  • STEP 61時間ほど放置する
  • STEP 7キッチンペーパーで水分を拭き取り、半日ほど陰干しする

布団やマットレスのカビが深刻な場合には、買い替えも検討しましょう。カビを吸い込んでしまうことにより、健康を害する恐れがあります。毎日使うものなのでカビが生えないよう注意しましょう。

畳

必要なもの

  • ゴム手袋
  • マスク
  • 除菌用エタノール
  • 歯ブラシ

掃除のステップ

  • STEP 1ゴム手袋・マスクをつける
  • STEP 2窓などを開けて換気する
  • STEP 3カビに除菌用エタノールをスプレーする
  • STEP 4歯ブラシを畳の目に沿って動かす
  • STEP 5ここまでの手順を繰り返してカビを掻き出す
  • STEP 6カビがあった部分に除菌用エタノールをスプレーする
  • STEP 7畳の目に沿って布で拭き取る
  • STEP 8窓などを開けたまま乾燥させる

畳は水拭きすると、水分が入ってカビが発生しやすくなりますので避けましょう。掃除機も、吸い込んだカビが排気口から外に舞ってしまう可能性があります。畳が湿気を吸わないよう、こまめに換気したり除湿器を使ったりして、日ごろからカビの予防に努めてください。

エアコン

エアコン

必要なもの

  • ゴム手袋
  • マスク
  • エアコン用洗浄スプレー
  • 除菌用エタノール
  • キッチンペーパー
  • ビニール
  • 養生テープ

掃除のステップ

掃除のステップ
  • STEP 1壁や床などのエアコン周り、エアコンの洗浄箇所以外を養生する
  • STEP 2エアコンの電源を切って電源プラグを抜く
  • STEP 3ゴム手袋・マスクをつける
  • STEP 4エアコンのフィルターを外す
  • STEP 5フィンにエアコン用洗浄スプレーを吹きかける
  • STEP 630分を目安に放置する
  • STEP 7吹き出し口など、除菌用エタノールをつけたキッチンペーパー等で拭く
  • STEP 8フィルターをもとに戻す

エアコンはカビ除去だけでなく、定期的な掃除が欠かせません。以下で詳しくエアコン掃除について解説していますので、併せてご覧ください。

カビの繁殖を防ぐポイント

カビは掃除して除去するだけでなく、日ごろから繁殖させないようにしましょう。以下のようなポイントに気を付けることで、カビが繁殖しにくくなります。

換気をして湿度を下げる

先にご説明したように、カビが発生しやすい条件の一つに湿度が関係します。湿度が高い環境ではカビが繁殖しやすいため、こまめに換気して湿度を下げましょう。窓やドアなどを空けるほか、換気扇を回すのも有効な方法です。

こまめに掃除をする

ホコリや食べかす、ダニなどはカビにとって栄養になります。繁殖を促してしまうため、こまめに掃除して除去しましょう。きれいな状態を保てば、カビが繁殖するのに必要な養分がなくなります。

水回りを乾燥させる

カビが生えやすい水回りなどは、使用後に水分を拭き取るなどして乾燥した状態をできるだけ保ちましょう。風通しが悪いと乾燥せず湿気が溜まりやすいため、場合によっては除湿剤や除湿器を使用するのも一つの方法です。

まとめ

水回りや窓周辺などに発生しやすいカビ。一度発生してしまうと、頑固なカビは掃除しようとしてもなかなか除去できません。しかし、適切に対処することでカビを取り除けるほか、日ごろの工夫によって予防することもできます。本記事ではカビの繁殖しやすい環境、そして掃除方法や繁殖させないための対策などを詳しくお伝えしました。カビのないきれいな環境を保つために、ぜひ本記事を参考に実践してみてください。すでにカビが発生していても、決してあきらめる必要はありませんよ。

執筆者

三河 賢文

“走る”フリーライターとして活動。学生時代から15年以上の経験を持ち、現在はディレクションや編集業務も手掛ける。結婚後はライフステージの変化に応じて5回引っ越し。現在は都内の持ち家を手放して千葉県へ移住し、田舎暮らしを楽しむ。趣味はマラソンと薪割り。4人の子と1匹の犬と暮らす大家族フリーランス。ナレッジ・リンクス(株)代表、NPO法人HASHIRU理事、WILD MOVE主宰/ランニングトレーナー。

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