マンション売却時の内覧件数は平均どれくらい?少ない時の原因と増やすコツを徹底解説
一方で、適切な価格設定や見せ方を工夫することで、内覧件数を増やし、早期売却につなげられます。この記事では、マンション売却時の内覧件数は平均どれくらいなのか、少ない時に考えられる原因、そして今すぐできる改善策を詳しく解説します。
記事の目次
マンションの売却に必要な内覧件数

マンションを売却する際に、「どれくらいの内覧件数で売れるのか」は、多くの方が気になるポイントでしょう。一般的に、売却が決まるまでにおこなう内覧は、平均で3~10件程度と言われています。週末ごとに1組ずつ見学が入るペースであれば、売却までにおおよそ1〜3カ月は内覧対応をおこなうことになるでしょう。
一方で、購入を検討する側の平均内覧件数は約6件とされています。つまり、買主が6軒の家を見学してから決めるケースが多いため、売主側としても6組前後の来客があれば、契約につながる可能性が高い計算になります。
ただし、10件以上見ても決断しない方も少なくありません。そのため、内覧希望は多いわりに、なかなか申し込みに繋がらない場合でも焦る必要はなく「多くの方に見てもらうほどチャンスが広がる」と前向きに考えるとよいでしょう。
内覧の滞在時間も成約率を左右する
不動産業界では、内覧時間が30分を超えると成約率が上がりやすいと言われています。平均的な内覧時間は約17分とされていますが、見学者が30分以上滞在する物件ほど「居心地がいい」と感じられやすい傾向に。心理学的にも、「人は長く滞在した場所に好印象を持つ」と言われており、滞在時間の長さはそのまま購買意欲に影響します。
そのためには、内覧者が落ち着いて滞在できる空間づくりが大切です。会話の量も重要で、売主と買主のコミュニケーションが多いほど、購入につながる可能性が高まると言われています。
コロナ禍以降は必要最低限の対応を心がける傾向もありましたが、購入希望者に安心感を与えるためには、丁寧な会話やおもてなしの姿勢も欠かせません。「内覧時は静かに対応すべき」などの意見もありますが、心地よい雰囲気を演出することが最終的な成約率を高めるポイントになるでしょう。
内覧は単なる見学の場ではなく、購入をあと押しする大切な時間です。清掃・明るさ・におい・資料・会話など、細部にまで心を配ることで、購入希望者の印象は格段によくなります。
マンションを売却する際の内覧の流れ

不動産会社に仲介を依頼すると、チラシやポータルサイトなどを通して購入希望者を募集してくれます。その後、見学希望者から問い合わせが入り、不動産会社を介して売主へ内覧の日程が伝えられます。ここでは、内覧当日までの準備から、当日の対応、終了後の流れまでを順を追って見ていきましょう。簡単な流れは次のとおりです。
- STEP 1清掃と最終チェックをする
- STEP 2不動産会社が広告活動をおこなう
- STEP 3内覧希望者から連絡を受ける
- STEP 4日程調整をおこなう
- STEP 5内覧が始まる
- STEP 6内覧中の質問に対応する
- STEP 7内覧終了後の対応をおこなう
それぞれ詳しく見ていきましょう。
step1.清掃と最終チェックをする
見学の印象を左右するのは、まず清潔感です。内覧の前には、玄関・浴室・キッチン・トイレなどの水回りを中心に、軽く掃除をしておきましょう。また、部屋を明るく見せるために、すべての照明をつけておくのもおすすめ。昼間でも電気をつけることで、室内の印象が一気に明るくなります。
さらに、内覧者用のスリッパを3〜4足ほど用意しておくと、丁寧な印象を与えられるでしょう。家族連れで来ることが多いため、人数分を準備しておくと安心です。生活感を残しつつ、清潔で整った空間にすることがポイントです。
step2.不動産会社が広告活動をおこなう
まず、売却を依頼した不動産会社と媒介契約を結ぶと、会社側が広告活動をスタートします。ポータルサイトへの掲載、チラシの配布、社内ネットワークを使った情報共有などがおこなわれ、購入希望者の目に留まるように販売活動が進められます。
売主が直接おこなう作業はありませんが、「どのように掲載されているか」「どのくらい反響があるか」を定期的にチェックすることがポイント。特に、専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んでいる場合は、不動産会社からの定期的な販売活動報告が義務付けられています。報告内容はしっかり確認し、気になる点があれば遠慮なく相談しましょう。
step3.内覧希望者から連絡を受ける
広告を見た購入希望者や、買主側を担当する別の不動産会社から「内覧をしたい」との問い合わせが入ります。この連絡は、まず仲介を依頼している不動産会社に届き、そこから売主に伝えられます。レスポンスが遅いと、購入希望者の関心が他の物件へ移ってしまう可能性があります。スムーズに対応できるよう、不動産会社からの連絡にはできるだけ早く応じるようにしましょう。
step4.日程調整をおこなう
内覧の希望が入ったら、次は日程を調整します。希望する日時が合わない場合、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあるため、柔軟な対応が求められます。
多くの内覧は週末の昼間におこなわれることが多いため、販売活動が始まったら、土日の予定はできるだけ空けておくと安心です。日程が確定したら、清掃や片付けなど、内覧の準備を念入りに進めていきましょう。
step5.内覧が始まる
見学当日、不動産会社の担当者と購入希望者が到着したら、まずは玄関で軽く挨拶をして迎え入れましょう。部屋の説明は、基本的に担当者が進行します。売主は必要以上に話しすぎず、聞かれたことに丁寧に答える姿勢を心がけると好印象です。
案内は、玄関からリビング、キッチン、浴室、洗面所、トイレ、そしてバルコニーなどの順番でおこなわれるのが一般的。部屋の広さや収納、設備など、細部まで確認する人が多いため、30分〜1時間ほどの時間がかかると見ておきましょう。ペットや小さなお子さんがいる場合は、見学中は別室に移動させておくとスムーズです。
step6.内覧中の質問に対応する
見学者から質問を受けた時は、できるだけ正直かつ丁寧に答えることが大切です。「日当たりはどうか」「風通しはよいか」「周辺の騒音や買い物の便利さ」「近隣住民はどのような人か」など、よく聞かれる質問には事前に答えを用意しておくと安心です。
内覧の目的は、あくまで物件の状態を確認してもらうことです。価格に関しては、後日正式に「購入申込書」や「条件提示書」が届いてから検討すれば十分です。また、内覧者にお茶を出す必要は基本的にありません。
ただし、「この人になら売りたい」と思えるような方であれば、軽いお茶を出して会話を楽しむのもよい印象を与える方法です。やわらかい雰囲気を作ることで、購入意欲が高まる場合もあります。
step7.内覧終了後の対応をおこなう
最後に、必要に応じてエントランス・駐車場・ゴミ置き場など、共用部分についても簡単に説明しておくと親切です。共用部分の管理状態は、購入希望者にとって、大きな判断材料になります。
見学と質問対応が終わったら、内覧は終了です。玄関で丁寧にお見送りしましょう。当日は内覧が複数入る場合もあるため、見学後はできるだけ早く片付けをして、次の来客に備えましょう。
内覧後に返事がもらえるまでの期間

内覧が終わってから、購入希望者からの返答をもらえるまでの期間は、平均で1週間前後が目安です。「とりあえず見てみたい」などの軽い気持ちで来る方も多いため、すぐに連絡がない場合もあります。焦らず、不動産会社を通して状況を確認してもらうようにしましょう。
一方で、「実際に見て気に入った」と感じた方であれば、当日中に購入の意思を伝えてくるケースも少なくありません。特に立地や条件がいい物件は、見学当日に申し込みが入ることもあります。そのため、常に内覧時の印象をよく保つことが、早期成約への近道です。
内覧は「第一印象」がすべて
マンションを売却する際の内覧は、購入希望者が物件を「生活のイメージと重ねる」大切な機会です。清潔感のある空間づくりや誠実な対応を心がけることで、相手に安心感を与え、購入へとつながりやすくなります。
平均的な内覧回数は3〜10件と言われていますが、数にとらわれすぎず、一つひとつの出会いを丁寧に対応することが成功の秘訣です。不動産会社と連携しながら、購入希望者に「この部屋に住みたい」と思ってもらえる環境を整えていきましょう。
マンションの内覧日に買主がチェックしているポイント

マンションを見学する日に、購入希望者がどのような点を確認しているのかをご存じでしょうか。実は、購入希望者が見ているのは部屋の広さや設備だけではありません。清潔感やにおい、売主の対応など、細かな部分も印象を左右する重要な要素です。
例えば、十分な配慮が行き届いていないと、せっかく内覧しても「購入したい」と思ってもらえない可能性があります。結果として、内覧件数が徐々に減ってしまい、売れ残るリスクも高くなるでしょう。ここからは、購入希望者が特に注目しているチェックポイントを、それぞれ詳しく見ていきましょう。
質問に答えられるか
内覧時は、基本的に不動産会社の担当者が物件の説明をおこないますが、すべての質問に対応できるわけではありません。住んでいる人にしかわからないこと、例えば「朝日がどのくらい入るのか」「近隣の音は気になるか」「冬場は結露するか」など、売主自身が答える場面もあります。
そのため、想定される質問には、事前に準備しておくことが大切です。内覧当日に慌てないよう、不動産会社の担当者と質問対応の打ち合わせをしておくと安心でしょう。
また、正確に答えられない内容は無理に答えず、「確認してからお伝えします」と誠実に対応する姿勢が信頼につながります。購入希望者は物件の状態だけでなく、売主の対応も見ています。丁寧で誠実な受け答えができるかどうかが、契約に大きく影響することを覚えておきましょう。
玄関回りが汚れていないか
玄関は来客が最初に目にする場所であり、マンション全体の第一印象を決定づける大切なスペースです。たとえ室内がきれいに整っていても、玄関が汚れていると「管理が行き届いていない」などの悪い印象を与えてしまい、購買意欲を下げてしまう恐れがあります。
そのため、内覧前には玄関を丁寧に掃除し、靴はすべて靴箱に収納しておきましょう。傘や荷物など余分なものを置かず、スッキリとした空間に整えることが大切です。また、玄関マットを新しいものに替えるだけでも、印象がよくなります。
におい対策をしているか
どれだけきれいに掃除していても、においが残っていると一気に印象が悪くなります。特に浴室・洗面所・キッチンなどの水回りはにおいがこもりやすいため、日常的に掃除しておくことが重要です。
玄関やトイレには、消臭スプレーや芳香剤を使うのも効果的です。ただし、香りが強すぎると逆効果になることもあるため、無香タイプやほのかに香る程度のものを選ぶとよいでしょう。ペットを飼っている場合やタバコを吸う習慣がある場合は、普段の掃除だけではにおいが取れにくいことがあります。
その際は、ハウスクリーニング会社に依頼して、プロの手で徹底的に脱臭・清掃してもらうのがおすすめです。少し費用はかかりますが、購入希望者に好印象を与えるためには十分価値のある投資でしょう。
室内のキズや破損はないか
内覧時、床や壁にキズや汚れがあると、それだけでマイナスイメージを持たれてしまいます。「この部屋は手入れが行き届いていないのでは?」と感じさせてしまうため、できるだけ目立つ部分は事前に直しておきましょう。例えば、床の小さなキズやクロスの破れなどは、自分で補修できる場合もあります。ただし、広範囲の損傷やプロの技術が必要な場合は、不動産会社に相談すると、信頼できる内装会社を紹介してもらえます。
また、見た目だけでなく、設備の動作確認も忘れずにおこなっておくことがポイント。給湯器やエアコン、換気扇などに不具合があると、購入希望者は「修理費がかかりそう」と感じてしまいます。事前に点検・交換しておけば、安心感を与えられるでしょう。
部屋が狭くないか
居住中のマンションを案内する場合、家具や家電が置かれていることで、実際よりも狭く感じられてしまうことがあります。これは、購入希望者が「自分がここで暮らす姿」を想像しづらくなるためです。そのため、内覧前にはできるだけ部屋をスッキリさせることがポイントです。使っていない家具や小物は処分したり、一時的にトランクルームへ預けたりして、空間を広く見せましょう。
また、空き家の状態であれば、ホームステージングを利用するのも一つの方法です。ホームステージングとは、専門業者がモデルルームのように家具や小物を配置して、住まいを魅力的に演出する手法のこと。コンパクトな家具を配置するため、部屋を広く見せる効果もあります。なお、居住中の場合は料金が高くなる傾向があるため、注意しましょう。
内覧後に成約へつなげるためのポイント

内覧を経て購入希望者に「ここに住みたい」と思ってもらうためには、内覧時の印象がとても重要です。ここでは、成約率を高めるために意識したいポイントを紹介します。
徹底的に清掃する
内覧前には、部屋全体を入念に掃除し、清潔感を演出することが大切です。特に、水回り・玄関・リビング・バルコニー・クローゼットは、購入希望者が念入りに確認する部分であるため、細かい部分まで丁寧に磨いておきましょう。
時間が取れない場合でも、最低限キッチン・バス・トイレだけは清掃しておくのが理想です。自分では落とせない汚れがある場合は、専門のハウスクリーニングを利用することも有効です。
玄関を掃除する
内覧前に全体的な掃除をするのは当然のことですが、特に念入りにきれいにしておきたいところは玄関回りです。玄関は家の顔ともいえる場所で、ドアを開けた瞬間の印象がその後の見学意欲を大きく左右します。
靴はすべて下駄箱に収納し、できるだけ何も置かないスッキリとした空間を意識しましょう。備え付けの下駄箱がある場合は、内部を見られる可能性もあるため、中まで整理整頓しておくとベストです。
掃除の際は、まず掃き掃除をしてから掃除機をかけ、仕上げに雑巾で拭き上げるとより清潔感が出ます。玄関マットを敷いている場合は、砂やホコリをしっかり落としておきましょう。小さな手間ですが、清潔な玄関は「この家はきちんと手入れされている」と感じてもらえる大きなポイントになります。
設備の確認・交換をする
内覧の日までに、室内設備の不具合は修理または交換しておきましょう。購入を検討している方は、エアコンや給湯器、温水洗浄便座などがきちんと稼働するかどうかを細かくチェックします。
これらの設備が問題なく使用できることは、物件全体の印象にも大きく影響します。また、給湯器の設置時期や交換時期を気にする方も少なくありません。一般的に給湯器の寿命は10〜15年ほどですが、メーカーやメンテナンス状況によって変わるため、事前に確認しておくと安心です。
交換費用の目安は10〜40万円ほどで、機種やグレードによって幅があります。必要に応じて、内覧前に取り替えを検討しておくとよいでしょう。
キズの修繕をする
室内を少しでもきれいに見せるためには、壁や床などにある目立つキズを放置しないことが大切です。特にドアの角や壁紙の破れ、フローリングの傷みなどは、意外と見られやすい部分です。自分で補修しようとして失敗してしまうケースも多いため、無理をせず専門の修繕会社に依頼するのがおすすめ。プロに頼めば仕上がりも自然で、購入希望者に「丁寧に住んでいた」と好印象を与えられます。
荷物をできるだけ少なくする
室内に物が多いと、生活感が出すぎてしまい、実際よりも狭く感じさせる原因になります。また、荷物が多いと購入希望者が部屋の隅々まで見られず、印象が下がる可能性もあります。
理想は家具や荷物をすべて撤去した空き部屋状態ですが、住みながら売却する場合は難しいことも。その場合でも、不要なものを片付け、収納内も整理しておくことでスッキリとした印象になります。内覧のタイミングで荷物を減らしておくと、売却が決まったあとの引越しもスムーズになります。
部屋を明るく見せる
明るさは、第一印象を大きく左右します。内覧前にはすべてのカーテンを開け、照明をつけて部屋全体を明るくしましょう。また、窓ガラスを磨いておくことで自然光が入りやすくなり、より開放感を演出できます。汚れたカーテンは洗濯または交換し、窓際に置いた荷物はできるだけ片付けておくとよいでしょう。
部屋のにおいにも気を配る
どれだけきれいな部屋でも、においが気になると印象が悪くなってしまいます。自分の家のにおいには慣れていて気付かないことも多いですが、来客にとっては気になる要素です。内覧前にはしっかり換気をおこない、必要に応じて消臭スプレーや芳香剤を使用しましょう。
特に、ペットを飼っている場合や喫煙者がいる家庭では、念入りな消臭が欠かせません。もし自分では判断しにくい場合は、不動産会社の担当者ににおいの印象を確認してもらうことをおすすめします。
具体的な住居メリットを用意して伝える
不動産会社の担当者は物件の基本的な説明をおこないますが、住んでいる人だけがわかる情報は、売主が直接伝えたほうが説得力があります。購入希望者が知りたい代表的なポイントは以下のとおりです。
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●商業施設や商店街が近いかどうか(スーパーマーケットやコンビニエンスストアの距離)
- ●病院や診療所の有無とアクセスのよさ
- ●大きな公園や子育てに適した環境があるかどうか
- ●バス停や路線の利便性(本数の多さなど)
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●最寄り駅から物件までの道の治安(特に夜間の様子)
これらの情報は「徒歩何分」「バス何分」「目の前に〇〇がある」など、具体的な数字や状況で伝えると信頼性が増します。地図や写真、近隣施設のリストを簡単にまとめておくと、購入希望者に好印象を与えられるでしょう。
メリットだけでなくデメリットも正直に伝える
メリットばかりを強調すると、「何かを隠しているのでは」と疑念を持たれやすくなります。多少の欠点(朝夕の通行量、駅までの坂道、日照の弱さなど)がある場合は、正直に伝えたうえでどの程度妥協可能か、あるいは改善策を示すとよいでしょう。
例えば、「夜は少し車通りが多いが、防音窓を入れている」や「収納は少ないが、近隣にトランクルームがある」など、説明の仕方次第で安心感につながります。
過度なアピールは控える
熱心にアピールしすぎると、購入希望者は反発を感じることがあります。基本的な説明は不動産会社の担当者に任せ、売主は必要な補足だけをおこなうとベターです。売主本人にしか答えられない細かい生活情報(夜間の音、日当たりの時間帯、近所付き合いの雰囲気など)に限定して応じると、過度な押しつけ感を避けられます。
購入意欲を高める資料を用意する
物件の魅力を伝えるために、パンフレットや修繕履歴などの資料を準備しておくと好印象です。さらに、実際に住んでいるからこそわかる地域情報を共有するのも効果的です。例えば、近隣のスーパーマーケット・学校・公園など、日常生活に関わるポイントを整理して伝えられるようにしておくとよいでしょう。
ただし、内覧時に過剰に話しかけすぎることは逆効果です。見学者がゆっくり室内を見られるように配慮し、要点を押さえてアピールするといいでしょう。
内覧当日の注意点

内覧当日には注意しておくべきポイントがあります。以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。
売主は基本リビングで待機する
内覧時、売主は原則としてリビングで控えておくのが望ましいです。理由は単純で、売主が案内にずっと同行していると、見学者は「遠慮して聞きにくい」と感じがちだからです。まずは不動産会社の担当者に案内を任せ、必要な場面のみ売主が補足説明をする距離感が理想的です。見学者から個人的に尋ねられた場合は、その都度丁寧に答えれば問題ありません。
売主本人の身だしなみに気を付ける
見学者は物件そのものと同時に、誰から買うかも見ています。対応する売主の身だしなみに清潔感がないと、購入意欲が下がる可能性があります。具体的には、シワや汚れのない服、整った髪型、明るい表情を心がけましょう。あくまで自然体で、好印象を与える程度で十分です。
お茶出しは原則必要ない
おもてなしのつもりでお茶を出す売主もいますが、原則としてお茶出しは不要です。お茶を出すことで内覧時間が長くなり、かえって見学者が「決めにくい」と感じる場合があります。
また、気を遣わせてしまい、購入判断に影響を与えることもあります。どうしてもという場合は、内覧終了後に軽く会話が弾んだ時に差し出す程度に留めるとよいでしょう。
マンションの内覧予約が入らない時の原因と具体的な改善策

人気のある物件であれば、販売開始からすぐに内覧希望が入るのが一般的です。しかし、1〜2カ月経ってもほとんど予約が入らない場合は、何かしらの問題が潜んでいる可能性があります。ここでは、内覧予約が入らない時に見直すべきポイントを解説します。
売却価格を見直す
内覧希望が少ない時、真っ先に確認すべきことが売却価格の設定です。多くの売主は、値下げ交渉を見越してやや高めに価格を設定します。これは一般的な戦略ですが、相場よりも明らかに高く設定してしまうと、検索結果から外れてしまい、内覧までたどり着く前に候補から外されてしまうケースが少なくありません。
対応策
- 複数の不動産会社に査定を依頼して、相場を再確認する
- 直近の成約事例(同マンションや近隣エリアの販売実績)を比較する
- 一度、価格を5〜10%程度下げることで閲覧数や内覧希望が一気に増えるケースもある
価格を調整した直後は、ポータルサイトで「価格改定物件」として再度上位に表示されることも多く、注目を集めやすくなります。
売却時期を見直す
内覧希望が少ないのは、価格だけでなく売却のタイミングにも関係していることがあります。例えば、4月〜6月や9月〜11月は引越し需要が比較的高く、物件探しをする人が増える傾向にあります。逆に、年末年始や真夏の時期は動きが鈍くなり、問い合わせが減少することも。
対応策
- 繁忙期(春・秋)に合わせて再販売を計画する
- 一時的に掲載を停止し、写真や広告文をリニューアルして再掲載する
- 周辺エリアの販売動向を確認し、「今売るべき時期か」を不動産会社に相談する
市場の動きを見極めてタイミングを調整することで、購入希望者の目に留まりやすくなります。
不動産会社に相談、または他社へ変更する
内覧希望が伸び悩む背景には、不動産会社の対応や広告戦略に原因がある場合もあります。どれだけよい物件でも、魅力が十分に伝わっていなければ、問い合わせにはつながりません。確認すべきポイントは以下のとおりです。
- 掲載されている写真の質(明るさや構図)は十分か
- 物件情報に誤りや不足がないか
- 広告が複数のポータルサイトに出ているか
- 担当者がこまめに反響を報告してくれているか
情報に不備があれば、すぐに修正してもらいましょう。また、不動産会社によっては「一戸建て販売に強い会社」「高級マンションを得意とする会社」など得意分野が異なります。自分の物件タイプに合わない会社に依頼している場合、うまく反響を得られないこともあります。
他社に依頼する場合の注意点
他の不動産会社に乗り換える際は、現在の媒介契約が終了してから依頼を切り替えることが重要です。契約期間中に他社と重複契約をしてしまうと、仲介手数料を二重で請求されるなどのトラブルの原因になります。新しい不動産会社を選ぶ際は、以下の点をチェックしましょう。
- 担当者の対応が丁寧で、連絡が早いか
- 成約実績が多く、地域相場に詳しいか
- 広告活動(写真・文面・PR戦略)の提案力があるか
これらの点を確認し、信頼できる不動産会社に相談することが成約への近道です。
まとめ
マンションの売却時での内覧件数は、エリアや価格帯によって差はありますが、一般的には2週間〜1カ月で3〜5件程度が一つの目安とされています。もし1カ月経ってもほとんど内覧が入らない場合は、価格設定や広告内容、不動産会社の販売戦略を見直してみましょう。
内覧件数は購入希望者との出会いの数です。少ないと感じたら、その原因を早めに特定し、写真や価格、タイミングなどを柔軟に調整することで、反応は確実に変わります。小さな改善を積み重ねることで、マンション売却のスピードを上げられるでしょう。
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執筆者
民辻 伸也
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
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