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汚いマンションを売却するためのポイントは?売却方法と注意点を徹底解説

汚いマンションでも工夫次第で売却できます
保有しているマンションの劣化が進んでおり、汚れが目立つ場合は売却が難しくなります。マンションを売却する際には、買い手に悪印象を与えないために、できる限りキレイにして販売することが基本です。しかし、マンションの状態によって改善が難しい場合や、現状をよくするためにどうするべきかわからない場合もあるでしょう。

この記事では、マンションが汚いと売却が難しい理由を解説したうえで、汚いマンションの売却方法を紹介します。また、売却するためのポイントと注意点をあわせて解説。記事を読むことで、売却を検討しているマンションの汚れが気になる場合にどのように売るべきかわかるようになるでしょう。

マンションが汚いと売却が難しい理由

マンションが汚いと売却が難しい理由を解説します
マンションが汚いと売却が難しい理由を解説します

マンションを売却する際に、室内や共用部分が汚れている状態にあると、売却が難しくなります。汚れていることを理由に、売却がスムーズに進まなかったり、値下げを要求されて売却価格の低下を招くケースなどの不都合が生じやすくなるでしょう。

最悪の場合、買い手が見つからない可能性もあります。マンションが汚れていると、売却が難しくなる理由を以下にまとめました。

第一印象が悪い

マンションの売却では、物件の第一印象が果たす役割が大きくなります。マンションが汚れていれば、それだけで買い手の候補から外されてしまうかもしれません。

買い手は基本的に複数の物件を比較して購入するため、最初の段階で悪印象を持たれることが多ければ、不動産市場での競争力が大きく下がります。汚れている状態にあれば印象が悪くなり、買い手が離れてしまう可能性が高まるでしょう。

住んだ時のイメージを想像しにくい

買い手が内覧で重視するのは、実際に自身が暮らす姿を想像できるかです。汚れがひどく、生活感が強い状態は、買い手に住んだ時のイメージを想像してもらうことが難しくなります。また、汚れた部屋を見れば、粗末に扱われているため不具合が生じるのではと不安を感じるでしょう。

特にキッチンやバスルームなどの衛生面が重視される水回りの設備は、汚い状態であるほど不快感を持たれやすくなります。マンションを売るには買い手に「ここに住みたい」と感じてもらうことが重要であるため、汚れている状態ではそのように考えてもらうことは期待できません。

建物の劣化や欠陥を疑われる

マンションが汚れている状態にあれば、買い手は悪印象を持つだけでなく、建物自体の劣化や欠陥を疑う可能性もあります。例えば、キッチン周りの汚れがひどければ、配管設備がすでに劣化していると考えられても不思議ではありません。実際には設備に欠陥がない場合でも、買い手は汚れから見えない不具合を意識してしまうでしょう。

マンションの売買では、信頼を得て安心して物件を購入してもらわなければなりません。少しでも疑念を持てば購入意欲が下がり、契約に至らない可能性も。見た目がキレイであれば、適切にメンテナンスされた物件である印象を持たれやすいため、物件に対する信頼を得られます。マンションの汚れはひどいほど、建物の劣化や欠陥を疑わせることになるでしょう。

汚いマンションの売却方法

汚いマンションの売却方法を解説します
汚いマンションの売却方法を解説します

汚れたマンションを売却するには大きく分けて、汚れた状態のまま売却する方法と、売却前に対策をおこなってキレイにしてから売却する方法の2種類があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

そのままの状態で不動産会社に買取を依頼する

マンションを汚れた状態で売却するには、不動産会社に買取を依頼する方法があります。一般的な仲介売却と異なり、買い手を探す必要がなく、不動産会社自身が買主となってくれるため、汚れた状態であっても売却が成立します。

室内が汚れていたり、設備が古くても、不動産会社はリフォームやリノベーションを前提に購入するため、問題はありません。現状のまま売れるため、清掃・修繕にお金や手間をかけることなく手放せます。さらに、仲介売却よりも短期間で売却が成立しやすいため、汚れたマンションを早く手放せるでしょう。

ただし、不動産会社に買取を依頼する場合は、仲介で売却するよりも売却価格が安くなる傾向にあります。マンションを手放すことを優先するのではなく、できる限り高く売りたいと考えている場合は、仲介による売却を考えたほうがいいでしょう。

対策してから仲介で売却する

汚れているマンションであっても売却前に対策を講じれば、仲介による売却でも買い手を見つけられる可能性があります。清掃・修繕が必要になるケースもあり、時間と費用がかかりますが、買取よりもマンションを高く売却しやすくなります。

仲介売却は3カ月~6カ月ほどの時間がかかるため、自身で掃除する時間を含めて、時間に余裕をもって売却できる方に向いているでしょう。対策を厚くするほどマンションはキレイになりますが、費用がかかる対策を選ぶ場合は、費用対効果を考えなければ損をしてしまう場合も。
そのため、マンションの汚れを無計画に対策するだけでは、適切な売却ができません。売却するための効果的なポイントを理解することが重要になります。

汚いマンションを売却するためのポイント

汚いマンションを売却するためのポイントを紹介します
汚いマンションを売却するためのポイントを紹介します

汚いマンションを売却するためのポイントを以下にまとめました。

  • できる限り自分で片付け・掃除をする
  • 不用品を処分して生活感をなくす
  • ハウスクリーニングを依頼する
  • 最低限の修繕をおこなう
  • 広告を工夫する
  • 現状渡しで売却する

それぞれ詳しく解説します。

できる限り自分で片付け・掃除をする

汚いマンションを売却する場合は、専門業者に依頼する前に、まずはできる範囲で片付けや掃除をおこなうだけでも、印象を大きく変えられます。特に玄関やリビング、キッチン、浴室などを中心に、日常的に目に入りやすい場所をキレイにしましょう。

ホコリが床に落ちている状態や、ゴミが散乱している状態は汚い物件のイメージが付き、評価が下がります。市販の掃除道具・洗剤で改善できる場所があれば、低コストで問題が解決可能です。また、自分で掃除をすれば、どの部分が特に汚れているのか、専門業者による清掃・修繕が必要な箇所がどこにあるか把握できるでしょう。

不用品を処分して生活感をなくす

室内が汚いと思われる理由は、モノが多過ぎるために狭くなり、雑多な印象を感じることが挙げられます。不用品を処分してなるべく生活感をなくせば、汚いと思われる理由の一つを解消できるかもしれません。

買い手にとっても余計なモノがない部屋のほうが、部屋を広く見せることができ、自分が住んだ時のイメージを想像しやすくなるでしょう。大型家具・家電は処分費用がかかる場合もありますが、リサイクルショップなどの買取を利用すれば売却益を得られるケースもあります。

ハウスクリーニングを依頼する

自分で掃除をしても落とせない汚れや、長年の使用による蓄積汚れがある場合は、ハウスクリーニングを依頼しましょう。専門業者は専用の洗剤や機材を使用するため、一般的な掃除では落とせない水垢、油汚れ、カビなどを徹底的に除去できます。

ハウスクリーニングの費用は、部屋の広さや依頼内容によって異なります。そのため、部屋全体の清掃を依頼するのではなく、汚れた部分を集中してスポットで依頼すれば費用が安くなることも。キッチンや浴室、トイレなどの水回りの汚れが特にひどい場合は、水回りのみを選択して清掃を依頼しましょう。

最低限の修繕をおこなう

マンションの汚れや設備の古さを解決するために、軽微な修繕をすると印象を変えられる可能性があります。修繕は費用対効果を考えて、費用を抑えて清潔感をアップしたり、よい状態に保てる内容を選択します。具体的には、破れた壁紙の部分的な貼り替え、ドアの立て付けの調整などが挙げられるでしょう。

ただし、修繕する箇所や範囲が広くなり、全面的なリフォームになれば費用が大きく増加するため注意が必要です。リフォームをおこなっても、その費用を売却価格に上乗せできなかったり、買い手によっては自分でリフォームをしたいと考えている可能性もあるため、媒介契約を結んだ不動産会社と相談しながら効果的な修繕をおこないましょう。

広告を工夫する

マンションの売却では、不動産ポータルサイトや広告に掲載される写真が、第一印象を大きく左右します。室内が汚い状態で広告を掲載すれば、内覧前に候補から外される可能性が高くなるため、できる限りキレイにした状態で広告用の写真を撮影しましょう。

少しでも買い手にいい印象を与えたい場合は、ホームステージングがおすすめです。モデルルームのように家具や小物を配置し、照明や色合いを工夫して室内を整えることで、買い手がここに住みたいと思える空間を作り出します。費用はかかりますが、普通に撮影した写真で広告を作成するよりも、買い手にいい印象を与えやすくなるでしょう。

一方で、どうしても汚れが目立つ場合は欠陥を隠すのではなく、価格を安くしてリフォーム前提で購入できることを訴えるなどの販売戦略が重要になります。

現状渡しで売却する

マンションの汚れた状態の改善が難しい場合は、現状渡しで売却する方法があります。現状渡しは、マンションを現在の状態のまま買主に引き渡す売却手段です。通常よりも売却価格は低くなりますが、リフォームを前提に購入するターゲット層に対しては需要があるでしょう。

売主は汚れや劣化をそのままにして手間や費用をかけない代わりに、買主は物件を安く入手できます。マンション自体の立地がいい場合は特に有効です。マンションの汚れが深刻である場合や、費用対効果に優れた有効な対策が存在しない場合は、現状渡しを検討しましょう。

汚いマンションを売却する際の注意点

汚いマンションを売却する際の注意点を解説します
汚いマンションを売却する際の注意点を解説します

最後に、汚いマンションを売却する際の注意点について詳しく解説します。

売却のためのリフォームは不動産会社に相談する

汚いマンションを売却する際に、リフォームをすれば問題を解決できると考える方も少なくありません。大規模なリフォームは、物件の印象や機能性を大きく改善できる可能性があるでしょう。しかし、リフォーム費用が高額になれば、売却価格で費用を回収できない場合があります。

リフォーム後に不動産会社の買取を依頼する場合や、現状渡しで売却した場合と比較して、手元に残るお金が少なくなるなら本末転倒です。しかし、マンションの印象を改善するにあたって必要な清掃・修繕を一人で判断することは難しいかもしれません。よって、個人で判断するのではなく、不動産会社に相談したうえで、必要な施策を考えることをおすすめします。

水回りは特に力を入れる

マンションの売却で汚れを対策する優先度の高い場所は、水回りです。キッチン・浴室・トイレ・洗面所は日常的に使用頻度が高く、清潔感が生活の快適さに直結します。多くの買い手が内覧時にチェックするポイントでもあるため、対策にも力を入れましょう。

キッチンのコンロ周りの油汚れ、浴室のカビ、トイレの黄ばみは、特に買い手に不快な印象を与えやすく、価格交渉の材料にされることも。自分で掃除ができる場合は問題ありませんが、難しい場合はプロのハウスクリーニングに依頼しましょう。

ニオイにも気を配る

ニオイは、購入希望者を逃してしまう可能性がある問題です。汚れは軽度であってもニオイがひどい状態だと、買い手が見つからなくなることも。タバコ、カビ、下水のニオイは染みつくと、取り除くことが難しいだけでなく、嗅覚が慣れて異常に気付けない可能性もあります。

軽度である場合は、換気を徹底し、消臭スプレー・脱臭機をかけることでニオイの問題を解決できます。しかし、ニオイの原因がエアコン内部・排水管にある場合は、ハウスクリーニングを依頼して根本的な原因を取り除く必要があるでしょう。マンションの売却は、汚れなどの視覚的な問題以外でも、悪印象を与える可能性があります。

ベランダの掃除も怠らない

マンションの室内の掃除や修繕は十分であっても、ベランダが汚れていると買い手にマイナス印象を与える場合があります。ベランダは雨風にさらされる場所であるため、何も対策していなければ、汚れていることも珍しくありません。まずは自身でできる範囲の掃除から着手し、床面、排水口、手すり、窓ガラスをキレイにしましょう。

ただし、ベランダは共用部分に該当するケースもあるため、勝手に大規模な修繕・リフォームはできません。よって、自分でできる範囲の掃除や簡単なメンテナンスを中心に整えましょう。

共用部分が汚い場合は管理組合に相談する

マンションは室内の専有部分だけでなく、エントランス・廊下・エレベーター・駐車場などの共用部分も、買い手にとって重要な判断材料です。室内をキレイに整えても共用部分が汚れていれば、悪印象を持たれる可能性があります。

共用部分の問題は、個人で勝手に改善できず、管理組合への相談が必要です。定期清掃の強化を依頼し、共用部分の修繕計画を確認します。マンション全体が汚い場合は、できる限り周りの環境を意識して整えるようにしましょう。

まとめ

汚れているマンションを保有している場合でも、売り方を工夫すれば、適正価格での売却が可能です。最低限の対策で、できる限りきれいに使える状態に整えることが重要になります。ただし、キレイな状態にして仲介で売却するには時間がかかるため、時間と手間をかけずに手放すことを重視するなら、不動産会社の買取や現状渡しも選択肢になるでしょう。

掃除・片付けをおこなう前は汚い印象を持ってしまうマンションであっても、小さな手入れで第一印象が大きく変わることもあります。現状の問題を一つひとつ整理して、効果的な対策を考えるようにしましょう。

長谷川 賢努

執筆者

長谷川 賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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