このページの一番上へ

4DK・4LDKマンションが売れない理由は?売れない時の対処法も解説

4DK・4LDKマンションが売れない理由や売れない時の対処法を解説します
「4DKマンションや4LDKマンションは売れない」と耳にしたことがある方もいるでしょう。購入希望者が現れなければ、売却スケジュールが後ろ倒しになり、引越しが予定どおり進まなかったり、維持管理費がかかり続けることになります。

本記事では、4DK・4LDKマンションが売れにくい理由や売れない時の対処法を解説します。また、売却時に後悔しないために、購入時にチェックしておきたいポイントも紹介。4DK・4LDKマンションの売却を考えている方も、これから購入を考えている方もぜひ参考にしてください。

4DK・4LDKマンションが売れない理由

4DK・4LDKマンションが売れない理由を解説します
4DK・4LDKマンションが売れない理由を解説します

4DK・4LDKマンションがなぜ売れにくいといわれているのか詳しく見ていきましょう。

価格が高い

4DK・4LDKマンションは専有面積が広いことから、価格も高くなる傾向にあります。下の表は、公益財団法人東日本不動産流通機構の「年報マーケットウォッチ2024年・年度」のデータから、間取り別に見たマンションの成約件数、専有面積、価格をまとめたものです。

地名 項目 ワンルーム 1DK・
1LDK
2DK・
2LDK
3DK・
3LDK
4DK・
4LDK
5DK・
5LDK以上


成約
件数
1,151件 5,117件 5,759件 5,266件 429件 10件
専有
面積
25.43平方
メートル
39.47平方
メートル
61.22平方
メートル
73.94平方
メートル
94.12平方
メートル
123.43平方
メートル
価格 2,429万円 4,783万円 8,037万円 8,243万円 8,424万円 6,743万円


成約
件数
1,241件 5,430件 6,703件 7,310件 766件 19件
専有
面積
25.33平方
メートル
39.61平方
メートル
61.09平方
メートル
73.43平方
メートル
94.43平方
メートル
125.63平方
メートル
価格 2,332万円 4,659万円 7,381万円 7,087万円 6,567万円 5,132万円


成約
件数
45件 265件 949件 2,773件 362件 7件
専有
面積
21.11平方
メートル
43.11平方
メートル
60.70平方
メートル
70.21平方
メートル
88.40平方
メートル
116.37平方
メートル
価格 755万円 2,191万円 2,522万円 3,110万円 3,366万円 1,676万円


成約
件数
31件 225件 1,002件 2,899件 516件 17件
専有
面積
29.73平方
メートル
46.83平方
メートル
62.62平方
メートル
73.76平方
メートル
92.58平方
メートル
118.06平方
メートル
価格 999万円 1,994万円 2,496万円 3,044万円 3,310万円 2,743万円



成約
件数
262件 1,069件 2,354件 4,814件 667件 10件
専有
面積
24.17平方
メートル
41.08平方
メートル
63.08平方
メートル
72.67平方
メートル
92.03平方
メートル
119.95平方
メートル
価格 1,111万円 2,717万円 3,901万円 4,107万円 4,566万円 3,443万円

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ2024年・年度
※リンクは公益財団法人東日本不動産流通機構「REINS TOWER」トップページへ遷移します。

これを見ると、どの地域も4DK・4LDKマンションの成約件数は、数百件台と1DK・1LDK〜3DK・3LDKマンションと比較して一桁少なくなっています。また、価格を見ると、東京都以外では4DK・4LDKマンションが一番高くなっていることがわかるでしょう。このように価格が高いことが、4DK・4LDKマンションの売れにくい理由の一つです。

一戸建てが競合相手になる

4DK・4LDKマンションが売れにくい理由の一つに、一戸建てが競合相手になることが挙げられます。下の表に、マンションと一戸建てのメリットとデメリットをまとめました。

  メリット デメリット
マンション
・セキュリティ面で安心感がある
・共有部の管理が不要
・修繕計画がしっかりしている
・設備が充実している
・管理費や修繕積立金、駐車場代の支払いが必要になる
・管理組合への参加義務がある
・騒音トラブルになりやすい
一戸建て
・プライバシーを確保できる
・増築や建て替えが自由にできる
・駐車場代や管理費、修繕積立金がかからない
・土地が資産になる
・維持管理にまとまった費用が必要になる
・防犯対策が必要になる

4DK・4LDKマンションの購入希望者はファミリー層であることが多く、広さを求める傾向にあります。また、一戸建ては土地も資産として残り、プライバシーを確保しやすいことから、購入する際の比較対象に。

なお、4DK・4LDKマンションに限った調査ではありませんが、不動産情報サイト アットホームの「マンション購入者の視点から探る理想の住まい探し調査」によると、「一戸建てとマンションで比較検討した」と回答した人が47.4%と、実際に比較検討する方が多いことがわかります。

少子化や核家族化が進行している

国内で少子化や核家族化の進行により、マンションに広さを求められなくなっていることも、4DK・4LDKマンションが売れにくい理由の一つです。かつては、二世帯や三世帯などの拡大家族が一般的でしたが、現在は、夫婦のみや夫婦と子どものみの世帯といった核家族が主流です。実際に、厚生労働省の「令和5年(2023)人口動態統計」によると、15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計した、合計特殊出生率は1.20。

また、厚生労働省の「2024(令和6)年国民生活基礎調査の概況」によると、全国の世帯総数である5,482万5,000世帯のうち、単独世帯が34.6%の1,899万5,000世帯ともっとも多くなっています。

4DK・4LDKマンションの売却ターゲット

4DK・4LDKマンションを購入する人はどのような人なのでしょうか
4DK・4LDKマンションを購入する人はどのような人なのでしょうか

4DK・4LDKマンションの購入を検討する人は、どのような人がいるのでしょうか。ターゲットを知ることで、売却活動の際に効果的なアピールができるでしょう。本章では、4DK・4LDKマンションの売却ターゲットとなる人を解説します。

世帯人数が多い人

4DK・4LDKマンションの主要な売却ターゲットは、ファミリーなど世帯人数が多い人です。具体的には、子育てしている人や親世帯と同居する人が挙げられます。例えば、子どもが2人いる場合、4DK・4LDKマンションであれば、それぞれ子ども部屋を与えることができます。また、親世帯と同居する場合でも、寝室を分けることで、プライバシーを確保できるでしょう。

来客が多い人

来客が多い人も、4DK・4LDKマンションの売却ターゲットになるでしょう。具体例として、両親や友人が泊りに来る機会が多い方が挙げられます。例えば3LDKの場合、夫婦の寝室、子ども部屋ですべて埋まり、ゲストルームを設けられません。来客があった際は子ども達が夫婦の寝室で一緒に寝るといった対応が必要です。しかし、4DK・4LDKであれば、一部屋をゲストルームとして確保でき、ゲストに気兼ねなく過ごしてもらうことができるでしょう。また、それぞれのプライバシーを守ることもできます。

仕事部屋・趣味部屋が欲しい人

4DK・4LDKマンションの売却ターゲットとして、仕事部屋や趣味部屋が欲しい人も考えられます。4DK・4LDKマンションは部屋数が多いため、仕事に集中できるスペースや趣味に没頭できる部屋を確保しやすくなります。特にコロナ禍以降、リモートワークやテレワークが普及し、「自宅に仕事部屋が欲しい」というニーズが増えました。

国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」によると、4DK・4LDKマンションに限ったデータではありませんが、既存(中古)集合住宅取得世帯で「在宅勤務に専念できる個室がある」と回答した人は34.2%となっており、仕事に専念できる部屋に一定の需要があることがわかります。

和室が欲しい人

4DK・4LDKマンションの売却ターゲットとして、和室が欲しい人も挙げられます。4DK・4LDKマンションのなかには、一室が和室になっているケースがあります。和室はこたつを置けば居間になり、布団を敷けば寝室として利用できるなど、汎用性が高い点がメリット。

また、畳の香りや柔らかい感触はリラックス効果もあり、高齢者がいる世帯や小さな子どもがいる世帯から人気があります。

4DK・4LDKマンションの売却時に後悔しないための購入時のチェックポイント

4DK・4LDKマンションの強みとなるポイントを確認しましょう
4DK・4LDKマンションの強みとなるポイントを確認しましょう

アピールポイントが少ない4DK・4LDKマンションを購入してしまうと、売却しにくくなります。本章では、これから4DK・4LDKマンションの購入を検討している方に向けて、購入時のチェックポイントを解説します。また、これから売却を考えている方も、売却活動でアピールできるポインを考える際のヒントになるでしょう。

立地がいいか

売却が成功するかは、マンションの立地に左右されます。国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」によると、既存(中古)集合住宅取得世帯において、住宅を選択した理由として「住宅の立地環境が良かったから」と回答した人は42.2%。「価格/家賃が適切だったから」についで2番目に多くなっています。具体的に立地がいいとは、次のような条件が挙げられます。

  • 最寄り駅からの距離が近い
  • スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどが近くにある
  • 学校や保育園、公園などが近くにある
  • 治安がいい

特に、4DK・4LDKマンションの売却ターゲットはファミリー層になるため、教育施設の有無や治安のよさは重要です。購入する前には、実際に現地に足を運び、インターネットだけでは得られない情報も得るようにしましょう。

収納スペースは十分か

収納スペースの広さも確認しましょう。4DK・4LDKマンションの購入を検討する層は、ファミリー層が多く、子どもの成長にともない荷物が増えることを想定しています。不動産情報サイト アットホームの「マンション購入者の視点から探る理想の住まい探し調査」では、妥協した物件の条件で、1位に「収納スペース」が挙げられています。これから、十分な収納力が購入希望者にとって大きなメリットになることがわかるでしょう。

設備や共有スペースが充実しているか

4DK・4LDKマンションを購入する際は、設備や共有スペースの充実度もチェックしておきたいポイントです。設備の具体例としては、食器洗い乾燥機や宅配ボックスなどが挙げられます。また、共有スペースの例としては、ゲストルームやフィットネスジム、キッズルームなど。

例えばキッズルームがあれば、雨の日でも子どもを広々とした空間で遊ばせることができ、マンション住民との交流が生まれることもあるでしょう。どのような設備や共有スペースがあるか、事前に確認しておくことをおすすめします。

また、売却を考えている方も、どのような設備や共有スペースが役立ったか、内覧時に話すことで、購入希望者の購入意欲を高められる可能性があります。

リビングが間取りの中心にあるか

マンションを購入する際は、リビングが間取りの中心にあるかも確認しましょう。リビングが中心にあると、自然と家族が集まりやすくなり、コミュニケーションが活発になります。例えば、キッチンで料理をしながら、リビングで子どもが遊ぶ様子を見守ることも可能です。そのため、リビングが間取りの中心にあるマンションは、子育て世帯に人気があります。

親の部屋と子ども部屋が離れているか

親の部屋と子ども部屋が離れているかも、4DK・4LDKマンションを購入する際のチェックポイントです。繰り返しになりますが、4DK・4LDKマンションの売却のメインターゲットは、ファミリー層です。

特に子どもが思春期を迎えると、親子のプライバシーの確保が重要になります。親の部屋と子ども部屋が離れていると、お互いの生活音を気にすることなく、それぞれの時間を過ごせるでしょう。また、子どもが友人を部屋に招いた際や夜遅くまで勉強する際なども、お互いに気を遣うことがないため、ストレスを減らせるでしょう。

4DK・4LDKマンションを売るためのコツ

4DK・4LDKマンションを売却するためのコツを解説します
4DK・4LDKマンションを売却するためのコツを解説します

これまで見てきたように、4DK・4LDKマンションは他の間取りと比較して、購入希望者が少なくなる傾向にあります。コツを押さえることで、スムーズな売却につながるでしょう。

ターゲットを明確にする

4DK・4LDKマンションを売却するために、まずはターゲットを明確にしましょう。ターゲットを明確にすると、効果的な売却戦略を立てられます。ひと口にファミリー層といっても、ライフスタイルは家庭によって異なります。

例えば、共働きで忙しい夫婦であれば、食器洗い乾燥機や浴室乾燥機など、時短につながる設備を重視するでしょう。もし、在宅ワークが中心の夫婦であれば、ワークスペースを確保できるかが重要です。マンションの間取りや共有スペースなど、物件の強みとなる部分から、どのような層がターゲットになるかを考えてみましょう。

ホームステージングをおこなう

ホームステージングをおこなうことも、4DK・4LDKマンションを売却する際のコツです。ホームステージングとは、物件に家具や小物、照明などを配置し、モデルルームのように演出する手法のこと。これにより、購入希望者が生活するイメージをしやすくなり、購入意欲も高まると考えられます。

空室のままの場合、部屋の広さや家具の配置のイメージがつきにくく、生活する想像が湧きにくいでしょう。アメリカではよくおこなわれている手法で、売却につながりやすいとされています。

適切な売り出し価格にする

適切な売り出し価格に設定することも、4DK・4LDKマンションを売却する際のポイントです。市場価格より高すぎる場合、購入希望者が敬遠し、売却活動が長期化するおそれも。反対に安すぎる場合も、「何か問題があるのでは?」と疑念を抱き、買い手がつかない可能性もあります。

購入希望者は、最初から一つの物件に絞っているわけではありません。常に複数の物件を比較しており、立地や築年数、広さなど、条件が似ている物件がある場合、価格は重要な判断材料の一つとなります。そのため、周辺相場や類似物件の相場を調べ、適切な売り出し価格を設定しましょう。

内覧前にハウスクリーニングをする

4DK・4LDKマンションを売却する際には、内覧前にハウスクリーニングをすることもポイントの一つです。隅々まで徹底的に清掃することで、物件の印象が良くなり、購入希望者の購入意欲の向上を期待できます。特に、キッチンやお風呂などの水回りは、毎日使う場所であるため、内覧時に念入りにチェックされます。

また、内覧時に汚れが目立つと、値引き交渉の材料にされることも。納得のいく価格で売却するためにも、ハウスクリーニング代を負担してきれいにしたほうが売却に有利になるでしょう。

複数の不動産会社に査定を依頼する

4DK・4LDKマンションを売却する際のコツとして、複数の不動産会社に査定を依頼することも挙げられます。複数社に査定を依頼すれば、物件の適正価格を把握できます。一社の査定だけでは、査定価格が妥当なのかを判断できません。

また、不動産会社によって得意なエリアや物件、営業担当者の能力は異なります。複数社に査定を依頼することで、査定価格の根拠、売却戦略や担当者の対応などを比較でき、信頼できる不動産会社を選べるでしょう。

不動産情報サイト アットホームの「不動産会社一括査定依頼サービス」では、複数の会社に同時に査定を依頼できます。全国の不動産会社が加盟しているため、売却したい物件周辺の不動産会社も見つかるでしょう。

4DK・4LDKマンションが売れない時の対処法

4DK・4LDKマンションの売却活動がなかなか進まない時の対処法を解説します
4DK・4LDKマンションの売却活動がなかなか進まない時の対処法を解説します

実際に売却活動が始まってもなかなか売れない、もしくは購入希望者自体が現れないこともあるでしょう。売却活動が長引くと、固定資産税や管理費なども継続してかかるため、経済的な負担が大きくなります。本章では、なかなか売却できない場合にどう対処すべきか、具体的な方法をご紹介します。

売り出し価格を見直す

売却活動が始まってもなかなか売れない場合、売り出し価格を見直してみましょう。購入希望者は、不動産ポータルサイトなどを利用し、複数の物件を比較しています。相場より高く設定している場合、そもそも検討対象に入らない可能性も。

また、売却活動が長引くと、何度も価格を下げなければならず、結果的に売却価格が大幅に低下するおそれもあります。売却活動が思うように進まない時は、売り出し価格を見直してみましょう。

不動産会社を変更する

4DK・4LDKマンションの売却活動が長引いている場合、不動産会社を変更することも一つの方法です。現在の不動産会社の活動状況を振り返り、ターゲット設定や販売戦略が適切だったのかを評価してみましょう。媒介契約の期間が終了すれば、別の不動産会社と契約を結び直すことができ、新たな視点で売却活動を始められます。売却実績や口コミも確認し、信頼できる不動産会社を選びましょう。

買取を検討する

4DK・4LDKマンションが売れない時の最終手段として、買取も検討しましょう。買取とは、不動産会社が物件を直接買い取ることです。通常の売却では、買主を探すために広告活動や内覧対応が必要です。しかし、買取では不動産会社が買い取るため、それらの手間がかかりません。

また、買取は数週間〜1カ月程度で引き渡しまで完了するため、現金化がすぐにできる点もメリットです。ただし、買取価格は通常の売却よりも低くなる点に注意が必要。売却活動が思うようにいかない時には、選択肢の一つとして検討してみましょう。

まとめ

4DK・4LDKマンションは、少子化や核家族化が進んでいたり、価格が高いことから、売却しにくい傾向にあります。しかし、キッチンやトイレなどの水回りをきれいにしたり、ホームステージングで購入後の生活をイメージさせることで、購入希望者の購入意欲を高められるでしょう。

また、マンションの立地や間取りなど、強みとなる部分を見直すことも、効果的な売却活動にするために重要です。複数の不動産会社に査定を依頼し、信頼できるパートナーを見つけ、売却活動を着実に進めましょう。

民辻 伸也

執筆者

民辻 伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
関連する記事を見る
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る