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空き家を手放したい人へ|処分する方法と知っておきたいポイントを解説

将来的に利用する予定がない空き家は早く手放したいところです
空き家を手放したいと考えていても、「どのように売却を進めるべきかわからない」「思うように売れない」など、悩みを抱えている人は少なくありません。空き家は放置するほど資産価値が下がりやすく、固定資産税や維持費も継続的に発生するため、早めに対処することが重要です。
手放す方法にはいくつかの選択肢があるため、状況に応じて適切な方法を選びましょう。

本記事では、空き家を早く手放したほうがよい理由を整理したうえで、具体的な処分方法を解説します。記事を読むことで、自身の状況に合った手放し方を判断できるようになるでしょう。

空き家を早く手放したほうがよい理由

空き家を早く手放したほうがよい理由を紹介します
空き家を早く手放したほうがよい理由を紹介します

空き家は所有しているだけでもさまざまなリスクがあります。そのため、所有し続けるかどうかを早い段階で判断し、必要に応じて手放す方向で動くことが重要です。空き家を早く手放したほうがよい理由を以下にまとめました。

管理責任が発生する

空き家を所有している場合、実際に住んでいなくても管理責任が発生します。「空家等対策の推進に関する特別措置法」の第5条でも定められているように、所有者には空き家を適切に管理する努力義務があります。この法律は、増え続ける空き家が周囲に悪影響をおよぼす前に、活用や適切な管理を促す目的で施行されています。

管理が不十分な場合は、行政から指導を受ける可能性があります。所有を続ける限り、管理責任からは逃れられません。管理する時間が確保できない場合は、早めに手放す必要があるでしょう。

固定資産税や維持費が負担になる

空き家は使っていなくても、固定資産税や都市計画税などの税金が毎年発生します。空き家に限らず不動産を所有している場合は、毎年税金を納めなければなりません。長期間保有するほど負担は大きくなりやすいでしょう。

自治体によっても異なりますが、一般的に固定資産税の税率は固定資産税評価額の1.4%、都市計画税は0.3%です。例えば、固定資産税評価額が500万円の空き家であれば、固定資産税は約7万円、都市計画税は約1万5,000円であり、年間で約8万5,000円の税負担が発生します。

また、税金に加えて管理に必要な維持費が発生する場合があり、清掃費や修繕費がかかるケースも。今後も使用予定がない空き家は、負担だけが積み重なりやすいでしょう。

時間経過で資産価値が低下しやすい

空き家は時間の経過とともに建物の劣化が進みやすく、資産価値が下がりやすい傾向があります。人が住んでいない住宅は換気や清掃が行き届かないことが多いため、湿気によるカビや腐食、設備の不具合が発生しやすくなります。

また、不動産市場では築年数の経過が市場価格に大きく影響します。築年数が古い住宅は、建物の価値が評価されず、土地のみの価値で評価されることも。空き家は放置するほど売却条件が悪化しやすいため、できる限り資産価値が保たれている時に手放すことを考えたほうがよいでしょう。

近隣トラブルに発展する可能性がある

適切に管理されていない空き家は、近隣トラブルの原因になることがあります。人が住んでいない状態が続くと、庭の雑草が伸び放題になったり、ゴミの不法投棄が起きたりすることで、周囲の景観や衛生環境に悪影響を及ぼす可能性も。空き家の周辺では害虫や害獣が発生しやすくなります。

また、老朽化した建物は外壁や屋根の一部が落下するリスクがあり、通行人や隣接する建物に被害を与えることも。また、空き家は不審者の侵入や不法占拠の対象になりやすく、防犯面でのトラブルに発展するケースも少なくありません。管理が十分でない場合は、近隣住民から苦情が入り、トラブルに発展する可能性があります。

特定空き家に指定される場合がある

空き家の管理状態が悪いまま放置していると、行政から「特定空き家」に指定される可能性があります。特定空き家は、倒壊の危険がある、衛生上問題がある、景観を著しく損なっているなどの空き家が指定されます。

特定空き家に指定されると、自治体から指導が入り、改善されない場合は勧告や命令へと段階的に措置が進みます。最終的には行政代執行によって解体され、その費用を所有者が負担するケースも。また、特定空き家に指定されると「住宅用地の特例」が適用されなくなります。

住宅用地の特例は、居住用の建物が建つ土地の固定資産税・都市計画税を軽減する制度です。住宅を取り壊した場合は適用されなくなり、特定空き家に指定された場合も固定資産税の負担が大幅に増える点に注意しましょう。

空き家を処分する方法

空き家を処分する方法を解説します
空き家を処分する方法を解説します

空き家を手放したい場合、処分方法には複数の選択肢があります。状況に合わない方法を選ぶと、思うように手放せないことも。どのような処分方法があるのかを整理し、自身の目的や物件の状態に合った手段を選ぶことが大切です。手放したい空き家を処分する方法をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

不動産会社の仲介で売却する

不動産会社の仲介で売却する方法は、売主が不動産会社と媒介契約を結び、購入希望者を探してもらう仕組みです。条件が合えば市場価格に近い金額で売却できる可能性があります。時間をかけてでもできるだけ高く売りたい場合に向いている方法です。

立地や建物の状態によっては長期間売れ残るケースもあり、売却活動中も固定資産税などの負担は続きます。そのため、購入希望者が見つかりやすい需要のある空き家の場合に有効な選択肢になるでしょう。

不動産会社に買取してもらう

不動産会社に買取してもらう方法は、不動産会社が直接買主となるため、仲介のように購入希望者を探す必要がありません。条件が合えば短期間で売却が成立します。建物の状態が悪い空き家でも、そのままの状態で買い取ってもらえる可能性があるでしょう。

ただし、買取価格は仲介での売却と比べて低くなる傾向があります。一般的には市場価格の7割前後になるケースが多いです。できるだけ早く空き家を所有する負担を解消したい場合に適した方法です。

空き家バンクを活用する

空き家バンクは、売却や賃貸を検討している空き家を自治体の制度を通じて紹介する制度です。利用すれば、地域への移住希望者や地元で物件を探している人に情報を届けられます。一般的な仲介による売却では買い手が見つかりにくい空き家でも、需要とマッチすれば売却できる可能性があるでしょう。

自治体によってはリフォーム補助や移住支援などの制度が用意されている場合もあり、購入希望者にとって魅力的な制度です。しかし、登録してもすぐに買い手が見つかるとは限りません。仲介による売却と同時に利用できるため、併用しながら購入希望者を探すことが現実的です。

相続土地国庫帰属制度を利用する

相続した空き家や土地は、一定の条件を満たせば「相続土地国庫帰属制度」を利用して国に引き取ってもらうことが可能です。売却が難しい物件や活用予定がない土地を手放す手段であり、所有権を国に移すことで維持管理の負担から解放されます。

ただし、建物が存在しないことが前提であるため、空き家の場合は事前に解体が必須です。さらに、境界トラブルがないことや、土壌汚染がないことなど、複数の条件を満たさなければなりません。管理に過度な費用や手間がかかる土地も対象外となるため、すべての物件で利用できるわけではない点に注意しましょう。

解体して更地として売却する

空き家の状態によっては、建物を解体して更地として売却する方法もあります。老朽化が進んでいる場合や、再利用が難しい空き家は、建物があることで購入希望者が見つからないことも。更地にすれば土地としての需要が高まり、売却しやすくなる可能性があります。

例えば、購入希望者が新築を前提に土地を探している場合、更地のほうが検討しやすくなります。一方で、解体には費用がかかります。建物を取り壊すことで住宅用地の特例が外れ、固定資産税が高くなる場合があるため、空き家の解体には専門的な判断が必要になるため、不動産会社に相談して進めましょう。

空き家を相続放棄で手放す場合の注意点

空き家を相続放棄で手放す場合の注意点を解説します
空き家を相続放棄で手放す場合の注意点を解説します

これから空き家を相続する予定がある場合、手放す方法として相続放棄があります。ただし、相続放棄は空き家を都合よく手放せる制度ではなく、複数の注意点があるため、利用する場合は仕組みを正しく理解する必要があるでしょう。
空き家を相続放棄で手放す場合の注意点について解説します。

空き家を含めてすべての財産を相続できなくなる

相続放棄は、被相続人の財産をすべて放棄する手続きです。空き家を含めて預貯金や有価証券などのプラスの財産も含めて、一切を引き継げなくなります。空き家は不要でもほかの資産は相続したい場合は利用できません。

また、相続放棄をしたあとは原則として撤回できないため、事前に被相続人の財産の内容を把握してから検討しましょう。空き家の管理負担だけを理由に安易に相続放棄を選ぶと、結果として大きな損失につながる可能性があります。

相続放棄しても管理責任が生じるケースがある

相続放棄をした場合でも、状況によっては空き家の管理責任が消えるわけではありません。民法の規定では、相続人が相続放棄をしても、次の相続人や相続財産の管理者に引き継がれるまでは、財産を適切に管理する義務が残ります。

例えば、相続放棄後も空き家に住み続けている場合や、鍵を保管して出入りを管理しているなど、実質的に建物を所有している立場にある場合は、管理責任を問われる可能性があるでしょう。管理責任が残る場合は、家庭裁判所に申し立てをおこない、相続財産清算人を選任してもらう対応が考えられます。

相続財産清算人は、相続人に代わって財産の調査や管理、清算をおこないます。空き家の相続放棄をした場合は所有権がないため、固定資産税・都市計画税などの負担はなくなりますが、管理責任は生じるケースがあるため注意が必要です。

相続の発生から3カ月以内に申請が必要

相続放棄をする場合は、手続きの期限が定められている点に注意が必要です。原則として、相続放棄は相続の開始を知った日から3カ月以内に家庭裁判所へ申請をおこなわなければなりません。この期限を過ぎると、原則として相続を承認したものとみなされ、空き家を含むすべての財産や負債を引き継ぐことになります。

3カ月の間に相続人は被相続人の財産を把握するために財産調査をおこなう必要があります。専門家に相談して財産の内容を調べるには、場合によっては1カ月以上の時間がかかることも。ただし、3カ月以内に調査や判断が難しい場合は、家庭裁判所に申立てをおこなうことで期間の延長が認められるケースもあります。

出典:裁判所|相続の放棄の申述

空き家を手放す場合に知っておきたいポイント

空き家を手放す場合に知っておきたいポイントを紹介します
空き家を手放す場合に知っておきたいポイントを紹介します

空き家を手放す場合に知っておきたいポイントを以下にまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。

相続して手放す場合は名義変更を忘れない

空き家を相続したあとに売却や処分を進める場合は、事前に名義変更をおこなう必要があります。不動産は登記上の名義人でなければ売却できないため、相続人へ名義を移す手続きである「相続登記」を済ませることが欠かせません。
現在は相続登記が義務化されており、空き家を手放さない場合でも一定期間内に手続きをおこなわなければ、過料が科される可能性もあります。

家財は処分しなくてもいい場合がある

空き家を手放す際、必ずしも家財をすべて処分する必要があるとは限りません。手放す方法によっては、家具や生活用品を残したまま引き渡しができるケースも。例えば、不動産会社による買取では、現状のまま引き取ってもらえることが多く、家財の撤去をおこなう手間を省けます。一方で、仲介で売却するなら、事前に家財の処分を求められる場合が多いでしょう。

リフォームや解体は専門家に相談する

空き家を手放す際にリフォームや解体を検討する場合は、自己判断で進めるのではなく、専門家に相談することが重要です。建物の状態や立地によっては、リフォームしたほうが売却しやすくなるケースもあれば、そのまま売却したほうが結果的に有利になるケースもなどさまざまです。
見込みだけで費用をかけると、投資した分を回収できない可能性も。また、空き家を解体すると住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税の負担が増える場合があります。

仲介による売却を依頼する不動産会社などの専門家に相談すれば、物件の状況や市場ニーズを踏まえて適切な判断がしやすくなるでしょう。

複数の不動産会社に相談する

空き家を手放す際は、1社だけで判断せず、複数の不動産会社に相談しましょう。不動産会社によって得意なエリアや販売戦略、査定基準が異なるため、提示される価格や売却方針に差が出ることも。空き家は立地や状態によって売却の難易度が大きく変わるため、販売力や実績のある不動産会社を選ぶことが重要です。
担当者の対応や提案内容を比較して、信頼して任せられる会社を見極めましょう。

売却する場合は特別控除を利用する

空き家を売却する場合は、税負担を軽減できる節税制度を利用しましょう。空き家の代表的な節税制度には、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」があります。一定の条件を満たせば、空き家の売却で得た利益から最大3,000万円を控除できる制度です。

相続によって取得した空き家が対象となり、相続日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。不明点があれば税理士などの専門家に相談したうえで、確定申告をおこなって特別控除を利用しましょう。

空き家を手放す方法に関するよくある質問

空き家を手放す方法についてよくある質問を以下にまとめました。

築年数が古い空き家でも買い手は見つかる?

築年数が古い空き家でも、条件次第で買い手が見つかる可能性はあります。特に、立地がよい場合や土地としての需要がある場合は、建物の状態に関わらず購入されるケースがあります。ただし、仲介で売却を進める場合、時間がかかることも多いため、状況に応じて買取会社の利用を検討しましょう。

空き家を無料で譲ることはできる?

空き家を親族や知人などに無料で譲ることは可能ですが、いくつかのハードルがあるため難しいでしょう。譲渡する場合でも登記費用や契約手続きが必要になります。また、贈与税の対象になり、固定資産税などの税負担も発生します。空き家自体が無料でも費用が発生し、手間もかかりやすいことから、引き取り手が見つかりにくいでしょう。

隣地の所有者に空き家を売却できる?

敷地を広げたいと考えている隣地所有者であれば、空き家と土地を売却できる可能性があります。特に空き家が建っている土地の形状が悪く利用しにくい場合は、一般の買い手よりも前向きに検討されやすいです。仲介による売却が難しい場合は、隣地所有者に売却を持ちかける選択肢もあります。

まとめ

空き家は所有しているだけでも管理責任や税負担が発生し、時間の経過とともに資産価値も下がりやすくなります。そのため、使用する予定がない場合は、早めに手放すために動くことが重要です。

状況に合った方法を選び、負担が大きくなる前に行動すれば、後悔せず空き家を手放せるでしょう。必要に応じて専門家に相談したうえで、適切に対応することが大切です。

民辻 伸也

執筆者

民辻 伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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