不動産投資か株式投資をやるならどっちがいい?徹底比較と向いている人の特徴を紹介

では、投資のよしあしはどのような観点で見ればよいのでしょうか。本記事では、不動産投資と株式投資のそれぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。また、投資目的に合わせて、どのような人がそれぞれの投資に向いているかも紹介。自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、不動産投資か株式投資のどちらがよいのか判断できるようになるでしょう。
記事の目次
不動産投資と株式投資ならどっちがよい?

不動産投資か株式投資のどちらがよいかは、それぞれの特性によって左右されます。そこで本章では、投資で重視する観点を挙げ、どちらの投資手法がよいかを判断していきます。
投資初心者でも始めやすいのはどちらか
投資初心者でも始めやすいのは、株式投資です。その理由は、株式投資は少額から始められる点と、手続きが簡単な点が挙げられます。
株式投資は数千円程度からでも購入でき、インターネットを通じて証券会社の口座を開設すれば、すぐに取引が可能。また、株式投資は情報が豊富で、専門知識がなくても基本的な分析や投資判断をおこなうツールが揃っているため、初心者にとって始めやすい環境が整っています。
一方、不動産投資は初心者にとってハードルが高いかもしれません。まず、初期投資額が大きく、数百万円から数千万円の資金が必要になる場合が多く、融資を利用する可能性も高いです。また、不動産の購入や管理には手続きが多く、専門的な知識や経験が求められる場面が多々あります。さらに、不動産は流動性が低く、売買してすぐに現金化できるわけではない点も、初心者にとって不安要素となるでしょう。総合的に見ると、株式投資は初期投資額の少なさ、手続きの簡単さで、初心者でも始めやすい投資手段となります。
分散投資でリスクヘッジしやすいのはどちらか
分散投資でリスクヘッジをしやすいのは、株式投資です。その理由は、株式投資はさまざまな銘柄に少額で投資できることが挙げられます。
少額からでも多様なポートフォリオを構築できるため、リスク分散が容易です。例えば、ある業界に属する企業の株価が下落しても、他の業界や地域に投資している株式が好調であれば、全体としての損失を抑えられるでしょう。
一方で、不動産投資はリスク分散が難しい面があります。不動産は高額な資産であり、複数の投資物件に分散投資をおこなうためには、多額の資金が必要です。また、初心者で複数の投資物件を所有することは大きな負担になるでしょう。以上の点から、リスクを効果的に分散するためには、少額から複数の資産に投資できる株式投資が有利です。
現金化しやすいのはどちらか
現金化しやすいのは、株式投資です。なぜなら、株式は流動性が高く、必要なタイミングで売却できるから。株式市場は平日の取引時間中であれば、売却したい時にすぐに取引が可能です。特に、人気の高い大手企業の株式は買い手も多く、売りたいタイミングで即座に売却できるため、短時間で現金化できます。株式投資では、部分的に現金化するのも容易なので、保有している株式の一部を売却して、必要な分だけ現金を手に入れる選択もできるでしょう。
一方、不動産投資は現金化が難しい面があります。まず、投資物件は高額なので、短時間での売却はできません。投資物件の売却には買い手を見つける必要があり、交渉や契約手続きが複雑で、売却完了までに数カ月かかる可能性も高いです。さらに、投資物件は部分的に売却する方法もないため、資産の運用で柔軟性が低くなります。総合的に見て、株式投資は流動性が高く、必要に応じて迅速に現金化できます。そのため、現金化のしやすさでは、不動産投資よりも優れた選択肢となるでしょう。
利回りが高いのはどちらか
高い利回りが期待できるのは不動産投資です。それは、不動産投資は安定した家賃収入と物件価値の上昇によるキャピタルゲインを同時に得られる可能性があるから。特に、投資物件の立地や状態がよければ、家賃収入は定期的に得られ、空室リスクを低く抑えられます。さらに、投資物件の価値が上昇すれば売却時に大きな利益を得られ、高い利回りをもたらす要因になるでしょう。
また、不動産投資では融資を利用して、自己資金に対するリターンを大幅に引き上げられます。レバレッジ効果を利用すると、さらに高い利回りを追求できる点も魅力です。一方で、不動産投資には管理や維持の手間がかかり、初期投資額も大きい側面があります。しかし、これらを考慮しても、不動産投資は高い利回りを期待できるでしょう。
安定性が期待できるのはどちらか
安定性が期待できるのは不動産投資です。その理由は、不動産投資が株式投資に比べて市場の変動に強く、長期的に安定した収益を得やすいから。特に、投資物件を保有している場合、定期的な家賃収入が見込めるため、収益の安定性が高い点が特徴です。投資物件の立地や質がよければ、長期間にわたって空室リスクを低く抑えられるため、より安定したキャッシュフローを期待できるかもしれません。
また、不動産市場は株式市場に比べて価格の変動が緩やかで、大きな経済的ショックにも比較的強いとされています。株式投資は業績の影響を受けやすく、短期間で大きな価格変動が発生しがちな一方、不動産は物理的な資産としての安定性があり、価格が急激に上下する可能性は低めです。
さらに、不動産はインフレーションに対するヘッジ効果がある点も、安定性を裏付けるでしょう。インフレが進むと一般的に不動産の価値や賃料が上昇するため、投資物件を所有している投資家は、資産価値の維持や増加を期待できます。不動産投資は、インフレ時にも実質的な資産価値を守り、経済状況に左右されにくい安定した投資です。
融資でレバレッジを効かせられるのはどちらか
融資でレバレッジを効かせられるのは不動産投資です。その理由は、不動産は担保価値が高いためで、金融機関からの融資を受けやすく、少ない自己資金で大きな投資をおこなえます。投資家は比較的少ない自己資金で高額な投資物件を購入でき、自己資本に対して大きなリターンを狙えるでしょう。
一方、株式投資でも証拠金取引や信用取引を利用してレバレッジを効かせられますが、その倍率は比較的低く、またリスクが高い側面があります。株式市場は日々の価格変動が激しく、証拠金取引で損失が出た場合、追加の保証金が必要になるかもしれません。
このため、リスクを取る一方で、損失が拡大する可能性も高く、初心者にはハードルが高いです。株式投資でレバレッジを効かせる手段は限られており、不動産投資に比べると効果は少ないです。以上の点から、融資を活用して効率的にレバレッジを効かせ、大きなリターンを狙えるのは不動産投資になります。
節税効果が高いのはどちらか
節税効果が高いのは不動産投資です。その理由は、不動産投資にはさまざまな節税対策が用意されているためで、これを活用すると所得税や住民税を減少させられます。具体的には、不動産投資に関連する経費を計上できる点がポイント。投資物件の購入費用や維持管理費、修繕費、ローンの利息、さらには減価償却費などが経費として認められます。これらを収益から差し引けるため、課税所得を減らせます。特に、減価償却費は現金の支出をともなわない経費で、投資物件の耐用年数に応じて毎年一定額を計上する会計処理です。現金の支出がなくても税負担を軽減できるため、手元に資金を残しながら節税できるでしょう。
また、不動産投資ローンの利息も経費として計上できるため、借入金を活用してレバレッジを効かせた投資をおこなう際にも、税負担を軽減できます。さらに、不動産を相続した場合の節税にも効果的です。相続税の計算では、不動産の評価額は実際の市場価格よりも低く、相続税の負担が軽減されるでしょう。
一方、株式投資では、売却益や配当金に対して課税されるキャピタルゲイン税や配当所得税が発生し、これらを節税する方法は限られています。総じて、不動産投資は多岐にわたる節税対策ができ、所得税や住民税、相続税の節税に効果的です。
生命保険の代わりになるのはどちらか
生命保険の代わりになるのは不動産投資です。不動産を保有すると、長期的に安定した収益を得られるだけでなく、団体信用生命保険(以降、団信)を利用して生命保険の役割を果たせます。団信とは、不動産投資ローンを組んだ時に、債務者が死亡や高度障害などで返済ができなくなる事態を防ぐために加入する生命保険。一部例外を除き、加入することになるため、資産形成とリスクヘッジの両方を補い、不動産投資が生命保険の役割を果たしてくれるでしょう。
一方、株式投資では資産の変動が激しく、短期間で価値が大きく変わる可能性があります。生命保険の代わりにするにはリスクが高く、安定した保障を受けるには制限が大きいです。総じて、不動産投資は安定した収益をもたらし、物理的な資産として長期的に価値を保持できるため、生命保険の代わりとしての役割を果せるでしょう。
不動産投資と株式投資のメリット比較

ここまでは、投資で重視する観点から、不動産投資と株式投資のどちらがよいかを判断してきました。ここからは、投資の収益性だけでない双方のメリットをまとめます。
不動産投資のメリット
本章では、不動産投資の5つのメリットを説明します。
将来的に資産として残る
不動産投資のメリットは、資産になって長期間残せる点です。投資物件は物理的な資産で、安定した価値を持つため、将来的に相続や売却を通じて次世代に引き継げるでしょう。また、将来保有し続けると、万が一の事態に備え、家族に経済的な支援を提供できる生命保険のような側面も期待できます。
インフレリスクに強い
不動産はインフレーションに対して強いです。インフレが進むと、投資物件の価値や賃料は上昇する傾向があります。現金および一般的な金融商品は、インフレによって資産の実質的な価値が減少してしまいますが、不動産は長期的に安定した価値の維持ができるでしょう。一方、株式投資は市場の変動に影響されやすく、インフレリスクに対する対策は限定的です。
相対取引のため、売値の半額で買えることもある
不動産市場では、相対取引が一般的で、投資物件の購入価格が市場価格よりも大幅に割引される場合があります。例えば、売主の事情や不動産市場の状況によって、通常の価格の半額以下で購入できるかもしれません。これにより、低価格で高価値の投資物件を取得し、将来的に利益を上げる可能性が高まります。株式投資では、取引は常に公開市場でおこなわれ、個別の割引取引は難しいです。
家賃収入が年金対策にもなる
不動産投資では、投資物件から得られる家賃収入が、長期的な年金対策として利用できます。定期的な家賃収入は、退職後の生活費や生活の安定に寄与し、年金だけでは不安な場合の補完的な収入源になるでしょう。株式投資では、配当金が得られる場合もありますが、家賃収入のような安定した長期的収益を確保することは難しいです。
相続税対策になる
不動産投資は、相続税対策にも有効です。相続税の計算で、不動産の評価額は市場価格よりも低くなる傾向があるため、相続税の負担を軽減できます。また、投資物件を所有していると、相続時の資産の分配や価値の維持がしやすいでしょう。株式投資では、相続時に株式の市場価格がそのまま評価額になり、相続税対策には限界があります。
これらのメリットを踏まえると、不動産投資は将来的な資産形成や年金対策、インフレリスク対策、相続税対策で優れた選択肢になります。
株式投資のメリット
ここからは株式投資の4つのメリットを説明します。
配当金や株主優待を受け取れる
株式投資の大きな魅力の一つは、配当金や株主優待の受け取りです。配当金は、企業が利益の一部を株主に分配するもので、定期的な収入源になるでしょう。企業の業績がよければ配当金が増える可能性もあり、投資家は安定的な収益を得られます。
また、株主優待として提供される商品やサービスも魅力で、これらの特典は投資の楽しみを増やしてくれるでしょう。これに対して、不動産投資では家賃収入が主な収益源で、株主優待のような特典は存在しません。
企業の経営に関与できる
株式を保有すると、企業の経営に一定程度関与できます。株主としての権利を行使し、株主総会での議決権を持つと、企業の方針や経営戦略に意見を述べたり、投票で意思決定への参加が可能です。このような参加は、企業の成長に直接影響を与える可能性があり、投資家としての役割を感じられるでしょう。一方、不動産投資では、経営に直接関与はできず、投資物件の管理や運営に留まります。
経済や金融の知識が身につく
株式投資をおこなうと、経済や金融の知識が自然と身につくでしょう。企業の決算報告書を分析したり、経済指標を調査したりする過程で、金融市場や経済の動向を深く理解できます。これにより、投資のスキルが向上し、将来的には他の投資先や金融商品にも幅広い対応が可能です。一方、不動産投資も市場の知識が必要ですが、株式投資ほど幅広い経済や金融知識を要求されるわけではありません。
購入・売買以外で特にすべきことがない
株式投資は、一般的に「やることがない」とされています。特に、長期保有を前提にしたインデックスファンドやETFなどの投資信託を利用すると、頻繁に取引をおこなう必要はありません。具体的にすることは、株式を購入後、企業の動向を定期的にチェックするだけです。
これに対し不動産投資では、投資物件の管理や修繕、賃貸契約の管理など、継続的に手間がかかります。これらの管理業務は、投資家の時間と労力を要するため、比較すると株式投資のほうが手軽で簡単でしょう。
株式投資は配当金や株主優待、経営への関与、経済知識の習得、そして運用の簡便さなどで、特有のメリットを持っています。
不動産投資と株式投資のデメリット比較

ここまでは、不動産投資と株式投資のどちらかを選ぶ際に重視する観点や、収益性だけでないメリットも見てきました。そこで本章では、不動産投資と株式投資のデメリットをまとめます。投資を選ぶ際の判断材料にしてください。
不動産投資のデメリット
本章では、不動産投資の5つのデメリットを説明します。
初期費用が高い
不動産投資でネックになるのは初期費用の高さです。投資物件の購入には、物件価格の他に、仲介手数料、登記費用、税金などが必要で、これらの費用を合わせると大きな出費となります。特に都市部の投資物件は高額で、数百万から数千万単位の資金が必要になるでしょう。一方、株式投資は少額から始められ、証券口座を開設するための手数料も低いため、比較的少ない初期投資で始められる点が魅力です。
不動産投資ローンの借り入れが必要
投資物件を購入する際には、不動産投資ローンを借り入れることが一般的です。頭金を支払い、その後ローンの利息も支払う必要があります。不動産投資ローンの利息は長期間にわたり支払い続ける必要があり、投資の総コストは高くなります。
また、不動産投資ローンの返済が収益に対する圧迫要因となり、経済的負担を増加させるかもしれません。株式投資では、証券口座の開設や取引に対して借り入れをする可能性は少なく、自己資金で運用するのが一般的です。
専門知識が必要
不動産投資を成功させるためには、専門的な知識が必要です。不動産の市場動向、投資物件の選定、法的な規制、管理業務など、多くの知識とスキルが求められます。また、投資物件の管理や修繕の対応も必要であり、これには時間と労力が欠かせません。株式投資も知識は必要ですが、専門知識が少なくても運用ができる手法があります。
空室・家賃滞納などのリスクがある
不動産投資には、空室リスクや家賃滞納リスクなどのリスクが付きものです。投資物件が空室になると収益が途絶えるだけでなく、管理費用や修繕費用が発生し、収益性が大きく損なわれます。株式投資では、こうしたリスクは存在せず、保有する株式の価値や配当の変動はあるものの、空室リスクや家賃滞納リスクのような具体的な問題はありません。
建物・設備の経年劣化で多額の修繕費用がかかる
不動産は時間とともに経年劣化し、建物や設備の修繕が必要になります。これには多額の修繕費用がかかる可能性があり、突発的な大規模修繕が必要になると、予想外のコストが発生するかもしれません。株式投資は物理的な資産を保有するわけではないため、こうした修繕や維持管理の負担はなく、投資コストが比較的安定しています。
これらのデメリットを考慮すると、不動産投資は初期費用が高額だったり、不動産投資ローンの借り入れが必要だったりと、経済的負担が大きくなる可能性があります。株式投資と比較しても、手軽さやコスト面での優位性があり、リスク分散の方法も異なるため、自身の投資スタイルや目標に応じて選択する点が重要です。
株式投資のデメリット
本章では、株式投資の5つのデメリットを説明します。
平均利回りが低い
株式投資の平均利回りは、長期的に見るとそれほど高くありません。特に、成長株や配当金を重視しない投資戦略を採る場合、年間のリターンが期待外れになる可能性もあります。インデックスファンドやETFの利回りも市場全体の動向に依存し、劇的なリターンを期待することは難しいです。対照的に、不動産投資は家賃収入と資産価値の上昇からのリターンが期待でき、特に好立地の物件や高需要の物件は安定した高利回りを見込めるでしょう。
信用取引で多額の損失が発生する可能性がある
株式投資では、信用取引を利用してレバレッジをかけられますが、これには大きなリスクがともないます。市場が予想に反して動いた場合、借り入れた資金に対する損失が膨らみ、多額の損失を被るかもしれません。一方、不動産投資は自己資金や不動産投資ローンでの購入が基本で、リスクはコントロールしやすいとされています。
少額資金の現物取引は大きな利益が見込みにくい
株式投資では、少額の資金で現物取引をおこなう場合、大きな利益は見込みづらくなります。株式市場の価格変動を利用して短期的に利益を上げるのは難しく、特に少額投資では手数料や取引コストが利益を圧迫するかもしれません。これに対して、不動産投資は初期投資が大きいものの、安定した家賃収入や資産価値の上昇からのリターンが期待でき、長期的に見れば安定した利益を上げやすいです。
個別株は価格が0円になる可能性もある
株式投資では、企業が倒産した場合、保有する個別株の価格が0円になる可能性があります。特に小型株や新興企業株では、破綻リスクが高い場合も。一方、不動産投資では、投資物件が完全に価値を失うケースは少なく、経済的な価値が維持されるのが一般的です。万が一の事態でも物理的な資産として残るため、破綻するリスクは比較的低いとされます。
企業の財務諸表が読めないと銘柄の選定が困難
株式投資では、知識が少なくてもとりくめるものもありますが、基本的には企業の財務諸表や業績指標を分析しなければ、適切な銘柄選定は難しいです。財務分析や市場の動向を理解する能力が求められ、これが初心者にとって高いハードルとなるでしょう。これらのデメリットを考慮すると、株式投資はリスクやリターンの変動が大きく、利益を増やそうとするなら特に初心者にとって難しい面が多いです。
不動産投資と株式投資のどっちに向いている?

ここまでは、投資で重視する観点から見てどちらの投資手法がよいか、不動産投資と株式投資それぞれのメリットやデメリットを見てきました。本章ではそれらをまとめて、不動産投資に向いている人と株式投資に向いている人の特徴を示しました。
不動産投資に向いている人
不動産投資に向いているのは以下の人です。
- 安定した収益を求める人
- 将来の自分年金を確保したい人
- 節税・相続税対策を重視する人
- 大手企業に勤めており、不動産投資ローンを組める人
- レバレッジを活用したい人
不動産投資に向いているのは、安定性を重視する人です。また、不動産投資は安定した家賃収入を得られるため、老後の年金代わりとしての収入源を確保したい人には適しているでしょう。
他にも不動産投資は、資産の価値を活用して節税効果や相続税対策を実現できる手段でもあります。投資物件を引き継ぐと相続税を軽減する効果があり、税制上のメリットを得られるでしょう。さらに、大手企業に勤める会社員は、安定した収入と良好な信用履歴があるため、不動産投資ローンを組みやすいです。不動産投資ローンを利用してレバレッジを効かせられると、少ない自己資金で大きな資産を運用できるため、より投資の効果を増幅できるでしょう。
株式投資に向いている人
株式投資に向いているのは以下の人です。
- 市場の動きを資料から分析できる人
- 資産に流動性を求める人
- 資産の維持コストをカットしたい人
- 少額から投資を始めたい人
- 分散投資をしたい人
株式投資は企業の業績や市場の動きを分析する能力が求められます。情報収集や分析が得意な人には向いていますが、そうでない人は不動産投資のほうが合っているでしょう。また、流動性の高さを重視する人にも株式投資が向いています。
次にコスト面ですが、初期費用を抑えたい人、維持費用も抑えたい人にもおすすめです。さらに、国内外のさまざまな業種や国の企業に分散投資をしたい人も、株式投資が向いているでしょう。
これらの基準をもとに、株式投資と不動産投資、それぞれの特徴を理解し、自分に最適な投資方法を見つける参考にしてみてください。
不動産投資と株式投資どっちがよいかに関するよくある質問
不動産投資と株式投資どっちがよいかに関するよくある質問をまとめました。
不動産投資と株式投資ならどちらがよいか?
一概に、不動産投資と株式投資どちらがよいと判断はできませんが、投資で重視する観点に分けると優位性がわかりやすくなります。例えば、投資初心者には株式投資が適しているでしょう。理由は、少額から始められ、手続きが簡単だからです。分散投資によるリスクヘッジや現金化のしやすさでも株式投資のほうが優れています。
一方、高利回りを狙うなら不動産投資が有利でしょう。不動産は安定した収益と資産価値の保全、節税効果が高く、生命保険の代わりにもなります。融資でレバレッジを効かせられる点でも不動産投資が有効ですが、流動性の高さでは株式投資が優位です。
不動産投資と株式投資のメリットは?
不動産投資のメリットは以下です。
- 資産の長期的な保有ができる:物理的資産として将来的に相続や売却が可能。
- インフレ対策になる:投資物件の価値や賃料はインフレに強く、資産価値の保全に優れている。
- 割引購入ができる:相対取引で市場価格より安く購入できることがある。
- 年金対策になる:定期的な家賃収入が長期的な収入源として利用できる。
- 相続税対策になる:評価額が市場価格より低く、相続税軽減に効果的。
株式投資のメリットは以下です。
- 配当金と株主優待がある:定期的な収入と特典を受け取れる。
- 経営へ関与できる:株主として企業の方針や戦略に影響を与えられる。
- 経済・金融知識を習得できる:経済や金融市場の知識が自然と身につく。
- 簡便さ:購入後の管理が少なく、手間がかからない。
不動産投資と株式投資のデメリットは?
不動産投資のデメリットは以下です。
- 初期費用が高い:物件価格や諸費用が大きく、資金が多く必要。
- 不動産投資ローンの借り入れが必要になる:長期間のローン返済が必要で、経済的負担が大きい。
- 専門知識が必要になる:市場動向や管理業務の知識が求められる。
- 空室・家賃滞納などのリスクがある:収益の途絶や管理費用が発生する可能性がある。
- 修繕費用が高い:経年劣化による修繕が多額になる場合がある。
株式投資のデメリットは以下です。
- 平均利回りが低い:長期的なリターンが不動産投資より低いことがある。
- 信用取引のリスクがある:レバレッジ取引で多額の損失が発生する可能性がある。
- 少額投資の利益が少ない:少額では大きな利益を上げにくい。
- 株価が0円になるリスクがある:企業倒産時に全損する可能性がある。
- 財務諸表の分析が必要:銘柄選定には企業の財務分析が求められる。
不動産投資と株式投資のどちらに向いているか判断するには?
以下の志向にあてはまるかで、不動産投資と株式投資のどちらに向いているか判断してみましょう。
不動産投資に向いている人
- 安定した収益を求める人
- 将来の自分年金を確保したい人
- 節税・相続税対策を重視する人
- 大手企業に勤めており、不動産投資ローンを組める人
- レバレッジを活用したい人
株式投資に向いている人
- 市場の動きを資料から分析できる人
- 資産に流動性を求める人
- 資産の維持コストをカットしたい人
- 少額から投資を始めたい人
- 分散投資をしたい人
自分の目的や状況に応じて、最適な投資方法を選ぶことが大切です。
まとめ
本記事では、不動産投資と株式投資の比較を通じて、どちらの投資がどのような人に合うのか、またそれぞれのメリットやデメリットを詳しく解説しました。不動産投資は安定した収益や資産価値の保全、節税効果が特徴ですが、初期費用や専門知識が必要で、空室リスクや修繕費用も考慮しなければなりません。
一方、株式投資は少額から始められ、流動性が高いですが、平均利回りの低さや、財務諸表の分析が求められる点がデメリットです。ご自身の投資目的や状況に応じて、どちらの投資方法が最適かを判断する参考にしてください。

執筆者
長谷川賢努
AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士
大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ