手取り15万円で一人暮らし、家賃や生活費と節約方法＆生活事例を紹介

手取り15万円は月収で約19万円

給料には額面額と手取り額があり、規定された額面額から雇用保険などの社会保険料、所得税などの税金を引いた金額を手取り額と呼びます。手取り15万円の人なら、月収額は約19万円。ボーナスの有無により異なりますが、年収は約228～290万円になるでしょう。

手取り15万円で一人暮らしはできる？

「手取り15万円」と聞くと、部屋を借りて１人で生活をしていくには厳しいと感じてしまう人が多いかもしれません。しかし、給与の手取り金額が15万円あれば、条件によりますが一人暮らしは可能です。具体的に、手取り15万円では、いくらくらいの家賃の部屋に住むことができるのでしょうか。ここで詳しく見ていきましょう。

手取り15万円の家賃目安は５万円以下

家賃に支払う額は、手取り金額の３分の１以下が理想といわれています。これにあわせて手取りが15万円と想定すると、家賃の目安は５万円以下です。なお、この５万円のなかには、管理費（共益費）も含めて考えておきましょう。また、昨今は物価高の影響により光熱費なども高騰しています。できれば4.5万円以下で探すことをおすすめします。

家賃4.5万円は一般的な相場より低い？

手取り15万円では、おおよそ4.5万円の家賃が妥当ということがわかりましたが、そもそも家賃はどれくらいするものなのでしょう。東京特別区・東京都下・政令指定都市のワンルーム・１Kの家賃相場を調べてみました。

首都圏（相模原市除く）、大阪市、京都市、福岡市の家賃相場はオーバーしていますが、その他エリアの家賃相場は4.5万円未満が多いことから、全国的に見てみると4.5万円の家賃は低いとはいえないようです。

手取り15万円の生活費シミュレーション

家賃や食費など、毎月いくらかかるのか、実際にシミュレーションしてみましょう。

生活費は毎月いくらかかる？

一人暮らしをすると、家賃以外にも食費や水道・光熱費などの生活費が毎月かかります。何にどれくらいのお金がかかるのかあらかじめ知っておきましょう。
総務省統計局の「家計調査報告2024年」によると34歳以下の単身者の一カ月の生活は以下のとおりです。

主な出費のうち、家賃以外の生活費は平均して10万円という結果がでています。もし家賃（管理費含む）５万円の部屋に住んだ場合、手取りの月給では足りません。さらに、このなかから交際費や趣味のお金、貯金などをしていくことになります。ただし、水道・光熱費や物価など地域差もあるので、この点も考慮しておきましょう。

家賃別で見る生活費シミュレーション

つづいて、家賃が３万円、3.5万円、４万円、4.5万円、５万円では、毎月かかる生活費にどれくらい差がでるのかシミュレーションしてみましょう。

家賃の目安は、先に述べたように「手取りの３分の１以下」といわれていますが、物価高で以前に比べて生活費も上昇傾向にあります。上記の表を見る限り家賃は4.5万円以下に抑える必要があることがわかります。

家賃4.5万円はどんな部屋？

家賃4.5万円（管理費含む）ではどのような部屋を見つけることができるのでしょうか。駅徒歩10分以内を条件に、「不動産情報サイト アットホーム」で実際に探してみました。

この結果を見ると、管理費込み4.5万円で住める部屋の多さに安心できるのではないでしょうか。東京都だと、予算内で探せる物件は圧倒的にワンルームと１Kが多くなっています。しかし、その他のエリアであれば１LDKや２DKなど、ある程度の広さのある間取りの物件でも選ぶことが可能です。

【東京23区】家賃4.5万円はどんな部屋？

では、実際に東京23区内で家賃4.5万円（管理費含む）駅徒歩10分以内を条件に検索すると、どのような部屋があるのでしょうか。実際に掲載されている物件をピックアップしてみました。（2025 年４月時点）

足立区：１Kアパート

近年再開発が活発におこなわれている足立区の物件です。１Kですが８帖と広いため、ベッドやデスク以外にソファも置くことができそうです。風呂トイレはユニットですがきちんと完備されています。洗濯機置き場は室外ですが、洗濯が終わったらそのままバルコニーに干すことができるため、家事の時短に繋がります。

板橋区：１DKマンション

こちらの物件は、都内のなかでもファミリー層が多く住んでいて治安が比較的よいといわれる板橋区に位置する物件です。ダイニングキッチンが4.5帖もあるため、食事は自炊がメインで料理器具にもこだわりたい方にもぴったりです。
窓も多く、室内にたっぷりと日差しが入るのもポイント。室内で観葉植物を育てたり、野菜の水耕栽培を楽しむこともできそうですね。

【インテリア実例】家賃4.5万円以下の部屋

東京都内で考えたとき、家賃4.5万円以下の部屋ではどのような暮らしができるのでしょうか。一人暮らしの先輩が過ごす、部屋のインテリア事例をご紹介します。

墨田区:ワンルーム

11帖もあれば、家具の置き方や収納スペースの取り方次第で生活空間をうまく分けられるでしょう。ちなみに、この部屋は、キッチンの前にもう１つテーブルを置いてダイニングスペースのように使っています。ワンルームや１Kの間取りでも、インテリアやレイアウトによって見え方はガラッと変わるもの。いろいろと工夫してみると、理想的な部屋にできるのではないでしょうか。上記のように少し広さのある物件だと、室内の雰囲気も自由に変えやすくなります。そのため、おしゃれな部屋作りがしたい方はなるべく広さを重視するとよいでしょう。

日野市：１K

東京23区の東、八王子市の隣にある日野市。東京都内でも23区外にあり、駅から離れるなど少し条件を妥協すると、家賃を抑えられます。こちらの物件は１Kですがロフト付き。お風呂とトイレはセパレートで、大型の机や２シートのソファを置いて、さらに１人掛けの椅子まで置ける広さです。さらにベランダがあり、窓からは公園の緑が見えるため生活はかなり快適そう。築年数の古い物件でも、原状回復の可能なはがせる壁紙を貼ったり、穴を開けずにフックで家電を壁掛けしたりするなど、DIYでカフェのようなおしゃれな空間を演出できます。

生活費を節約するには？

限られた収入の中でやりくりしていくためにも、なるべく生活費は節約しておきたいところ。ここでは、生活費の節約方法についてご紹介します。

食費を抑える

毎日必ずかかる出費といえば食費です。毎日かかるからこそ、コツコツ節約すれば結果が出やすい費用といえます。具体的にどのように節約できるのか、詳しく説明していきます。

自炊をする

仕事が忙しくて自炊する時間がない、あるいは料理するのが苦手などの理由から自分で作らずに、テイクアウトや外食に頼りがちになる人も多いと思いますが、ランチと夕食を外食にするとなると１日1,500円～2,000円かかることになります。
自炊をすれば夕食の残りを次の日のお弁当に入れたり、残ったおかずやあまりの食材でアレンジレシピを作ったりなど、工夫次第でいくらでも節約できます。さらに、継続することで料理の腕も上がり、食事メニューのバリエーションも増えていきそうですし、健康管理面においてもプラスになるでしょう。

買い物はまとめてする

スーパーによっては、特売日があったりタイムセールをおこなったりしているので、それらを狙って買い物をするとよいでしょう。
ただし、生鮮食品など安いからといって大量に買い、使いきれなくて腐らせてしまうと本末転倒。フードロスにもなりますので、必要なものを必要な量だけ購入しましょう。まとめ買いした食材は、まとめて常備菜を作ったり茹でて冷凍しておいたりと、賞味期限を切らさないように注意してください。１回の買い物で使う上限額を決めておくと、無駄な買い物をしないのでおすすめです。
コンビニやスーパーに頻繁に行くとついつい無駄遣いしがちになる人も少なくないと思います。なるべく出費を減らすためにも、買い物に行く機会を減らすよう心がけましょう。

水道・光熱費を抑える

水道・光熱費は月々必ずかかる固定費で、とくに電気代は季節によって変動が激しくなります。中でもウェイトを占めるのがエアコン代。初めての一人暮らしで、冬のエアコン代の高さに驚いたという人も多いでしょう。
なぜ、冬にエアコン代が高いのか。例えば夏の外気温が32度で冷房温度を25度に設定するとしたら、その差は７度です。しかし、冬の外気温を10度、暖房温度を25度とした場合の差は15度。外気温とエアコンの設定温度の差が大きくなるほど消費電料が多くなるため、金額が上がります。寒がりの人なら、冬の光熱費が１万円を超えることも珍しくないでしょう。室内でも暖かい服装を心がけるだけで節約に繋がります。

通信費を抑える

インターネットがないと不便で仕方ないという人も多いでしょう。サブスクで音楽を聴いたり動画を観たり、近所のおいしい店を検索したり。もはやインターネットは、現代において生活の一部といっても過言ではないかもしれません。そのため、携帯電話の通信費用に関しては、格安SIMに乗り換えるなど。契約プランを定期的に見直すことで節約になる可能性もあるでしょう。

また、リモートワークなどが増え、自宅のインターネット通信環境の整備も必要性が増しています。こちらも少しずつ料金改定されていますが、個人で契約する場合、そこまで大きな割引は期待できません。一括でプロバイダ契約しているマンションであれば、インターネット料金がかなり安かったり家賃に含まれていたりする場合もあります。インターネットが無料の物件に住むことで、月々3,000円〜5,000円程度の費用が不要になるでしょう。

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物件情報をチェックしていると、「インターネット対応」「インターネット完備」といった記載を目にすることがあります。

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家賃を抑える

家賃は固定費のなかでも、光熱費なとどは異なり工夫次第で節約できるものではありません。そのため、部屋探しをする際にきちんと予算を考えておかなければなりません。家賃をなるべく抑えるためにはどのような物件を探せばいいのでしょう。

主要エリア以外で物件を探す

交通の便がよい主要エリアは、駅周辺にもお店も多く、買い物に至便などの理由で「住みたい」と思う人も多いです。そのため人気のエリアではすぐに借り手も見つかるため、家賃相場も高めの傾向にあります。しかし、主要エリアから少し離れると同条件の物件でも、数千円～１万円と家賃相場が下がることも少なくありません。予算内でなかなか物件が見つからない場合は、主要エリアから少し離れた場所を探してみるのもよいでしょう。

駅から離れた物件を探す

駅近物件には根強い人気があります。雨や雪など天気の悪い日などは、とくに駅までの移動距離が短いに越したことはありません。逆に駅から離れるほど人気がなくなり、家賃も低くなる傾向があります。駅が遠いと面倒だと思うかもしれませんが、例えば20分以上のウォーキングを毎日続けると、健康のためにもよくダイエットに繋がります。
また、駅周辺は人が多いため賑やかですが、駅から離れた閑静な住宅街であれば落ち着いて過ごせるのもポイントです。駅からの距離をポジティブに考えることで、物件の選択の幅も広がります。

急行や快速が停車する隣駅で探す

各駅停車しか停まらない駅は、急行や快速が停車する駅に比べてやや不便です。しかし、都心であれば駅と駅との距離がそれほど離れていません。急行や快速が停まる駅から１駅、２駅隣であれば、そこまで不便に感じることも少ないでしょう。

築年数の古い物件を探す

できることなら最新設備の整った物件に住みたいと考える人が多いため、築年数の古い物件はどうしても敬遠される傾向があります。しかし、新築物件に比べて出回っている物件の数も多いためお宝物件が見つかる可能性もあるでしょう。どうしても古さが気になる人には、DIY可能な物件や、リフォーム・リノベーションされた物件もおすすめです！DIY可能な物件であれば、自分好みの部屋に作りあげることもできますよ。

和室の物件を探す

築年数の古い物件に多いですが、和室・和式トイレの物件は同じ条件の洋室・洋式トイレの物件に比べて家賃も低い傾向にあります。ベッドや家電、家具を置いたり移動させたりする場合は、フローリングの方が圧倒的にラクでしょう。しかし、和室で布団生活すると、部屋を広く使えるという利点があります。また、畳の上からフロアマットを敷いたり工夫次第で過ごしやすい空間を作ることができます。

北向きの物件を探す

南向きの物件は日当たりがよく、冬でもしっかりと日照時間が確保できるため人気です。逆に北向き物件は日照時間が少なく、少し暗く感じるため南向きの物件よりも家賃が下がる傾向にあります。しかし、強い日差しや暑さが苦手な人には、むしろ北向き物件の方が過ごしやすく感じるかもしれません。また、家具やカーテンなどの日焼け防止にも繋がります。

敷金・礼金なしの物件を探す

毎月のランニングコストも重要ですが、一人暮らしをするには初期費用もかかります。初期費用には、家賃の他、敷金・礼金、仲介手数料などがかかり、初期費用の相場は、一般的に「家賃の５～６カ月分」といわれています。
敷金・礼金なしの物件であれば、初期費用を抑えることができます。しかし、敷金・礼金なしの物件を借りる時は、退去時や契約の解除について細かいルールが定められているケースもあるため、契約時に賃貸借契約書をしっかりチェックしましょう！

フリーレント物件を探す

フリーレント物件とは、一定期間だけ家賃が無料になる契約形態です。期間は物件によって異なりますが、１カ月～３カ月というケースが多いでしょう。無料期間が終わると通常の家賃が発生しますが、新生活をはじめる何かと物入りな時期に、家賃の支払いが不要なのはとても助かりますね。
多くのフリーレント物件には、短期間での解約は不可としており、契約を違反すると違約金を支払うことになる可能性もあるため注意が必要です。

繁忙期を避けて探す

賃貸物件の需要が高まるのは、新学期や新年度の始まる前の１月～３月と、転勤シーズンの９月～10月です。それ以外の時期は動きも悪いため、値引き交渉できる可能性もあります。繁忙期を避ければゆっくり時間をかけて物件を探せるのもポイントです！気に入った物件が見つかったら、周辺の家賃相場を調べて不動産会社や大家さんに交渉してみるといいかもしれません。

まとめ

手取り15万円では一人暮らしはむずかしいのでは……と思われがちです。しかし、多少は条件の譲歩が必要かもしれませんが、一人暮らしをすることは十分に可能です。限られた予算の中で、工夫しながら暮らすことも一人暮らしならではの楽しさではないでしょうか。駅からの距離や築年数など、人気条件を避ければ、お宝物件が見つかるかもしれません。ここでご紹介した内容を参考に、快適な住まいを探してしてみてください。