このページの一番上へ

手取り14万円で一人暮らしはきつい?家賃目安や生活費、生活事例を紹介

手取り14万円で一人暮らしはきつい?家賃目安や生活費、生活事例を紹介
高校を卒業したら就職と同時に一人暮らしをしたいと考えている人もいらっしゃると思います。厚生労働省が発表した「令和元年賃金構造基本統計調査」によると高卒の初任給の平均は16万7,400円。手取りにするとおおよそ13万〜14万ほどになります。2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたため、親の同意がなくても部屋を借りることができるようになりました。
しかし、実際に手取り14万円で一人暮らしをしてやっていけるのか不安になりますよね。そこで、この記事では手取り14万円でどのような部屋に住めるのか、家賃や生活費を抑えるポイントとともに紹介していきます。

手取り14万円で一人暮らしはできる?

手取り14万円で一人暮らしができるのか不安に思っている方もいると思いますが、14万円で一人暮らしをすることは可能です。

ちなみに手取りというのは、給料の総支給分から最終的に手元に残る金額を指します。例えば時給1,100円のフルタイムで働くとして、月に1日8時間×21日勤務したとしましょう。そうすると、1日8,800円×21日=18万4,800円が月額となりますが、単純にこの金額が丸々手渡されるわけではないので注意が必要です。

手取り14万円は月収で約18万円

なぜ、月給と手取りの金額が異なってしまうのでしょうか。これは、所得税などの税金や社会保険料が給料から天引きされるためです。納税分を雇用主が代わりに支払うので、給料分から差し引かれる仕組みになっています。ですから、生活費を考慮する時には、手取り額をもとに計画していきましょう。

こうして考えていくと、手取り14万円になるのは月収で大体18万円。年収だと210万円~230万円程度ですが、ボーナスの有無などによっても異なります。月々の手取りが少なく見える場合であっても、例えば賞与額が多かったり業績にともなう決算ボーナスがあったりすると、年間の支給額は大幅に変わるケースも。単に「月給の手取りが低い=年収が低い」というわけではありません。生活費を考えるうえでは、勤務先の待遇もきちんと細かくチェックしておくとよいでしょう。

手取り14万円の家賃目安は4.6万円

一般的に、ある程度の余裕が持てる生活をするには、家賃の金額が手取りの3分の1になるのが理想といわれています。そのため、月に手取り14万円の場合は、家賃の目安が約4.6万円です。もし家賃が4.6万円を超えてくると、他の食費や交際費など、かなり節約しないと厳しいのが現実でしょう。

家賃4.6万円は一般的な相場より低い?

手取り14万円では、おおよそ4.6万円の家賃が妥当ということがわかりましたが、そもそも家賃はどれくらいするものなのでしょう。各都道府県別にワンルーム・1Kの家賃相場を調べてみました。

 

北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福岡県
3.4万円 3.5万円 4万円 4.2万円 4.2万円 3.7万円 4.3万円
東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県 群馬県 栃木県 茨城県
7.5万円 6万円 5.6万円 5.6万円 3.9万円 3.9万円 4.2万円
愛知県 静岡県 岐阜県 三重県 石川県 新潟県 富山県
5.3万円 4.2万円 3.9万円 4万円 3.7万円 4.2万円 3.7万円
長野県 福井県 山梨県 大阪府 兵庫県 京都府 滋賀県
4.2万円 4.6万円 3.9万円 5.1万円 5.1万円 4.8万円 4.4万円
奈良県 和歌山県 広島県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県
3.9万円 4.1万円 4.7万円 3.4万円 4.4万円 3.9万円 3.5万円
鹿児島県 沖縄県
3.6万円 4.9万円

※「不動産情報サイト アットホーム」に公開されていた2022年8月末時点での間取り別家賃相場です。最新の情報はコチラ
※小数点第二位以下は切り捨てしています

首都圏や、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府、沖縄県の家賃相場はオーバーしていますが、その他の県の家賃相場は4.6万円未満が多いことから、全国的に見てみると4.6万円の家賃は低いとはいえないようです。

それぞれの相場を見ていくと、政令指定都市のある北海道、宮城県、福岡県、静岡県などでも、家賃4.6万円以下で住める可能性は十分にあります。全国的に見て特に安い家賃ではなく、4.6万円以下でも物件の選択肢はあるので安心してください。

手取り14万円の生活費をシミュレーション

家賃や食費など、毎月いくらかかるのか、実際にシミュレーションしてみましょう。

生活費は毎月いくらかかる?

一人暮らしをすると、家賃の他にも食費や水道・光熱費などの生活費が毎月かかります。なににどれくらいのお金がかかるのかあらかじめ知っておきましょう。
総務省統計局の「家計調査報告2021年」によると34歳以下の単身者の一カ月の生活は以下のとおりです。

食料 37,939円
光熱・水道 7,675円
家事用品 1,155円
洋服や靴など 6,778円
保険医療 4,712円
交通 3,934円
通信 7,059円
その他 16,734円
合計 85,985円

※総務省統計局「家計調査報告2021年 (単身世帯)」の34歳以下を基にアットホームで算出

上記の表を見てみると、家賃以外の生活費として想定されるのは約8.6万円。ただし、あくまで平均値なので一概にはいえません。例えば食費なら、自炊と外食メインとでは必要なコストは大きく異なります。その他でいえば、光熱費は地域による差もありますし、通信費なども契約方法次第で変わってくるでしょう。さらに趣味や交際費でかかる費用も考えていくと、生活費に個人差が出てくるのは当たり前のことです。まずはしっかりと自分の生活スタイルを見直したうえで、削れそうな費用とどうしても削れない費用に分けて考えてみることをおすすめします。

家賃別で見る生活費シミュレーション

つづいて、家賃が3万円、3.5万円、4万円、4.5万円、5万円では、毎月かかる生活費にどれくらい差がでるのかシミュレーションしてみましょう。

 

家賃別生活費
家賃 30,000円 35,000円 40,000円 45,000円 50,000円
食料 37,939円 37,939円 37,939円 37,939円 37,939円
光熱・水道 7,675円 7,675円 7,675円 7,675円 7,675円
家事用品 1,155円 1,155円 1,155円 1,155円 1,155円
洋服や靴など 6,778円 6,778円 6,778円 6,778円 6,778円
保険医療 4,712円 4,712円 4,712円 4,712円 4,712円
交通 3,934円 3,934円 3,934円 3,934円 3,934円
通信 7,059円 7,059円 7,059円 7,059円 7,059円
その他 16,734円 16,734円 16,734円 16,734円 16,734円
合計 115,985円 120,985円 125,985円 130,985円 135,985円

※総務省統計局「家計調査報告2021年(単身世帯)」をもとにアットホームで算出。
※家賃は管理費含むことを想定

先ほどの生活費も含んで考えてみると、手取り14万円でも余りが出る家賃の金額は、やはり約4.6万円が上限でしょう。家賃5万円でも生活はできそうですが、シミュレーションの時点で数千円しか余剰がありません。月によって収入が減ったりする可能性が考えられるのであれば、固定費のなかでも多くを占める家賃をできる限り抑えたほうが安心といえます。もし、一人暮らしをしていけるのか心配であれば家賃3万円台の部屋から検討していくのも一つの方法です。ある程度お金を貯めてからランクアップしていくのもいいかもしれませんね。

家賃4万円はどんな部屋?

家賃4万円(管理費含む)ではどのような部屋を見つけることができるのでしょうか。駅徒歩10分以内を条件に、「不動産情報サイト アットホーム」で実際に探してみました。

 

  1R 1K 1DK 1LDK 2K 2DK 2LDK 3K 3DK 3LDK 4K 4DK 4LDK以上
東京都 470 499 14 2 15 3              
神奈川県 250 321 10   20 1     1        
千葉県 76 217 40 10 23 28     2        
埼玉県 108 171 23 4 26 38 3 3 1        
北海道 44 51 203 144   14 40     1     2
宮城県 22 195 15 2 25 10   8 2        
愛知県 488 894 87 10 46 67 6 5 9 2      
大阪府 464 848 134 23 41 65 7 4 18   2 3 1
京都府 314 1,303 98 2 66 23 1 11     4    
広島県 154 380 145 4 17 43 4 3 10 1   1 1
福岡県 288 780 116 37 96 127 35 2 39 5      

※「不動産情報サイト アットホーム」に公開されていた物件数(2022年8月末時点)

駅から徒歩10分以内という比較的立地のいい物件でも、ワンルームや1Kといった間取りであれば、実は家賃4万円で住める物件も多くあります。例えば就職や将来の夢のために首都圏へ上京したとしても、安く部屋を借りられるケースは十分にあるので、手取り14万円でも生活は可能です。また、上記の表は「駅から徒歩10分以内」という条件付きのため、ここを緩めると選択肢はさらに広がります。一人暮らしならワンルームや1Kなど、部屋数が少なくてもさほど不便には感じないケースが多いでしょう。収入面が気になる時には、都心部であっても安めの家賃から物件を探してみることをおすすめします。

【東京23区】家賃4万円はどんな部屋?

東京23区内に絞って、家賃4万円以下ではどのような部屋があるのか調べてみました。
全体的に、「木造のアパート」、「築年数は30年以上」、「15平米以下の和室」の物件が多い印象です。なかには、キッチン、トイレ、バスが室内になくトイレは共同の物件などもありました。(2022年8月末時点)

新宿区:1Kアパート

間取り:1K(和室4.5帖)
面積:12平米
築年数:51年
交通:最寄り駅から徒歩約5分

上記は、和室でキッチンとトイレが完備されているパターンです。お風呂は付いていませんが、こうした物件の場合は近所に銭湯があるケースが多く見られます。お風呂がない分、自分で掃除をする必要もないため、人によってはメリットとも感じるかもしれません。このように部屋が小さくまとまっていると、掃除の手間がかからないので、コンパクトな暮らしがしたい人にはおすすめです。また、洗濯機置き場が上記の間取り内には見られませんが、なかには屋外に設置できる物件もあります。
洗濯が2~3日に1度のペースであるならば、コインランドリーでまとめて洗う方法でも問題ないでしょう。

板橋区:ワンルームアパート

間取り:ワンルーム(6帖)
面積:20平米
築年数:35年
交通:最寄り駅から徒歩約6分

部屋自体は約6帖と、特別広いわけではありません。しかし、バルコニーやユニットバスが付いていて、設備面は十分に整っています。収納場所も下駄箱を含めると2つあるので便利でしょう。また、上記の間取りならきちんとキッチンの空間が確保されており、簡単なダイニングスペースを作ることも可能。冷蔵庫やレンジ台なども置きやすく、自炊する人にとっては使いやすい間取りです。

お風呂とトイレが一緒になっていると、気になる人がいるかもしれません。しかし、清潔にしていれば何の問題もありませんし、水場が一カ所にまとまっているので実は掃除も楽に済むというメリットも。さらに、この物件の場合はバルコニーもあるので、いつでも布団などが干せるのもポイントです。

【インテリア事例】家賃4万円以下の部屋

東京都内で、家賃4万円以下の部屋に住んでいる人はどのような暮らしをしているのでしょう。築年数が古い物件でも工夫次第ですてきなインテリアにすることも可能なので、ぜひ参考にしてください。

中野区:ワンルーム

 2面に窓があるため、日当たりもばつぐんです!こだわり部屋FILE「自分の時間が流れるバンドマンの高円寺生活 」)
家賃:2.7万円
間取り:ワンルーム(6帖)
築年数:40年
交通:最寄り駅から徒歩約15分
この部屋のセールスポイント:風通しが良く日当りもよいし、しゃれてないけどかわいいところ。

こちらのお部屋は、お風呂が付いておらず、トイレは共同トイレのようです。やはり3万円以下となると、23区内で、室内にバストイレ完備を探すには難しいかもしれません。
賃料2.7万円ですが、銭湯代を考えると実質的な家賃は約3万5,000円~4万円ほどになるようです。

日野市:1K

築年数も経っていて壁の汚れが目立っていたので、DIYで張り替え(こだわり部屋FILE「自然に囲まれたワンルームカフェSTYLE 」)
家賃:3.8万円
間取り:1K(6帖)
築年数:47年
交通:最寄り駅から徒歩約15分
この部屋のセールスポイント:横に公園があるので、窓から緑が見えること。

東京23区の東、八王子市の隣にある日野市。東京都内でも23区外にあり、駅から離れるなど少し条件を妥協すると、家賃を抑えられます。こちらの物件は1Kですがロフト付き。お風呂とトイレはセパレートで、大型の机や2シートのソファを置いて、さらに1人掛けの椅子まで置ける広さです。さらにベランダがあり、窓からは公園の緑が見えるため生活はかなり快適そう。築年数の古い物件でも、原状回復の可能なはがせる壁紙を貼ったり、穴を開けずにフックで家電を壁掛けしたりするなど、DIYでカフェのようなおしゃれな空間を演出できます。

生活費を節約する方法は?

たとえ毎月黒字だったとしても、収入のギリギリまで生活費で使ってしまうのでは不安でしょう。できれば貯金できたほうが安心ですし、欲しいものがなかなか買えないのは、せっかく働いていてもなんだかつまらないですよね。ここからは、なるべく生活費を抑えるための節約術をご紹介します。

家賃を抑える

ここまでにお伝えしたように、毎月料金が変わることなく、必ず支払わなければならない家賃を抑えるのがやはり節約の近道です。家賃の金額でいえば4.6万円が基準になるので、なるべく下回る物件のほうが無難でしょう。物件を探す際は条件を変えることで賃料も変わってくるため、妥協できる部分とそうでない部分を切り分けて検討してみてください。
例えば設備面を重視するのであれば、駅からは少し離れた立地の物件にして、移動には自転車を利用するとよいでしょう。自分にとって何が外せない条件なのか、まずは整理してみることが重要です!

また、一人暮らしをはじめる際に必要になるのは、家賃だけではありません。物件によっては敷金・礼金が求められるケースもあり、入居する時点である程度のまとまった費用を出さなければならないこともあります。そのため、初期費用を抑えるためには、敷金・礼金ゼロの物件を見つけるのも一つの方法。さらに、賃貸のなかにはフリーレントという一定期間の家賃が無料になる物件もあるので、一度見てみるのもいいでしょう。

食費を抑える

生活費のなかでも、特に節約しやすいのは食費です。デリバリーや外食が多くなると食費が高くなってしまうので、できるだけ自炊したほうがコストは抑えられます。食材も安いときに購入するのがおすすめ。作り置きした料理や下準備をした食材を冷凍しておけば、多めに食料を買っておいても保存が利きますし料理する際の時間短縮にもなります。また、職場にもお弁当やマイボトルを持参すれば、余計な出費をしなくなるメリットも。ランチや飲み物を頻繁に買っていると、いつの間にか支出が増えてしまうものです。できるだけ、自分で用意して節約につなげましょう。

水道光熱費を抑える

水道・光熱費は固定的に支払うものですが、使用量によって料金が異なる変動費でもあるので、実は節約することも可能です。例えば水道なら、お風呂の残り湯を洗濯に使用するなど、できるだけ水量を少なく使う方法を考えるのがおすすめです。

また、光熱費についても最近では、低価格の電力会社が選べたり、ガスと電気の支払い方法で安くしたりすることが可能です。
携帯キャリア各社からも、電気・ガスなどをセットにすることでリーズナブルに契約できるプランが出てきていますので、事前に調べておくとよいでしょう。

リサイクルショップやフリマアプリを利用する

一人暮らしをするには、家具・家電が必要となりますが、すべてを揃えるとなると意外にお金がかかります。そのため、リサイクルショップやフリマアプリで購入するのも一つの方法です。なかにはほとんど使われていないような、いわゆる新古品が購入できるケースもあります。
また、不要になったものも捨てるのではなく、リサイクルショップやフリマアプリを活用して売れば、ちょっとしたお小遣い稼ぎも可能です。特に家具などの大型の不用品は、捨てるのにもお金がかかるので、少額でも売れるのであれば断然お得です。一人暮らしに向けた必要品の購入や不用品の処分にも、リサイクルショップやフリマアプリが役立ちますよ。

まとめ

月々の手取り14万円というと、諸々の天引き前の月収にして約18万円。特に社会人になったばかりの収入としては、一般的に考えられる金額です。決して贅沢はできませんが、しっかり工夫して生活すれば、都内でも一人暮らしはできるでしょう。しかし、家賃をなるべく抑えたりきちんと節約したりしないと、やはり金銭的には多少厳しい面もあるでしょう。ただし、何にどうコストを使うのか、十分に考慮しながら工面していくことも今後の人生には大切なこと。お金の使い方を学べる、いいチャンスかもしれませんね。ぜひ本記事を参考にしながら、はじめての一人暮らしを満喫しましょう!

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引っ越しを繰り返す好奇心旺盛人。

関連する記事を見る
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る