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ダブルローンで新居購入!住宅ローンで損しないための行動とは

住宅ローンは妻名義で組めますがいくつかの注意点があります
住宅ローンに関する判断には、悩みがつきものです。例えば新しい家に引越す際、前の家を売却したあとに新居を購入するのか、ダブルローンを組むべきか悩んでいらっしゃる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、住宅ローンをダブルローンにする時に多くの人が知っておきたいと思う情報をまとめています。ダブルローンの概要や、利用できる人の条件、メリットやデメリットを解説するほか、ダブルローンで損をしないための重要なポイントもご紹介。ダブルローンを検討している方は必見です。

ダブルローンの概要

ダブルローンとはどのような住宅ローンなのかを解説します
ダブルローンとはどのような住宅ローンなのかを解説します

住宅ローンのダブルローンとは、現在住んでいる家の住宅ローンがある状況で、新しい住宅を購入する際に、2つの異なる住宅ローンを同時に利用する方法です。ダブルローンは通常、住宅の買い換えやアップグレードを検討する際に選択されます。住宅ローンの支払いは、新旧同時におこなっていかなければならず、以前住んでいた住宅のローンが完済するまで続きます。

ダブルローンを組む条件

ダブルローンを組むには、いくつかの条件を満たす必要があります。
まず、ダブルローンを組んでも返済が滞りなくできることが前提になります。一般的な基準として、年収の30%以下が返済比率の上限とされています。しかし、金融機関によって詳細は異なるため、具体的な条件は金融機関に相談して確認しましょう。

例えば、年収が400万円の場合、年間合計返済額の上限は120万円となります。返済上限額は、住宅ローンだけでなく借り入れのあるローンを合算して算出されます。もし、車のローンなど他の借り入れがある場合はその返済額も考慮されます。返済比率を超える金額の借り入れはできないので注意が必要です。

住宅ローンの審査では、返済能力だけでなく、健康状態や年齢に関する審査項目も重要です。一般的に金融機関は、70歳~80歳までのローン完済を前提としています。しかし、家の買い替えを検討することが多いのは、40代~60代の方々です。

この年齢層の方々は、定年までの返済期間が短く、完済が70歳を超える可能性が高くなります。そのため、ローンの期間が長いと審査を通過するのが難しくなる恐れがあります。返済能力だけでなく、審査基準や返済期間も審査されることに留意しましょう。

ダブルローンで住宅ローンを組む時のメリット

ダブルローンを利用すると3つのメリットがあります
ダブルローンを利用すると3つのメリットがあります

では、ダブルローンを利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

現在住んでいる家を売買するタイミングが自由に決められる

ダブルローンを利用するメリットの1つ目は、家の購入と売却のタイミングを自分で決められることです。そのため、売却の時期に左右されず、ゆっくりと住宅市場を検討し、最適なタイミングで売却や購入を進めることが可能です。

通常、住宅を購入しようと思うと、現在住んでいる家を売却してから新しい家を購入しなければなりません。もし、現在住んでいる家の買い手が見つからなかった場合、いつまでたっても新居を購入できなくなってしまいます。住宅市場は流動的なので、気に入った住宅はすぐ購入しなければ、他の買い手が見つかってしまうと焦るかもしれません。

しかし、ダブルローンを利用すれば、現在住んでいる家を売却せずに新しい住宅ローンを組むことができます。焦って新居を探したり、急いで売却する必要もなくなります。
ダブルローンを活用すると、現在住んでいる家の売却と新しい家の購入の時期は完全に分離でき、自分の好きなタイミングで売買を進めることができます。

内見がしやすい

ダブルローンのメリット2つ目は、以前住んでいた家の内見がしやすくなることです。通常、住宅を売却する際、はじめから空き家の状態にはなりません。現在の家に住みながら内見を受け入れるのは、多くの人にとって煩わしいものです。
もし内見を受け入れるなら、普段の生活ができなくなったり、プライバシーを侵害される懸念が生じます。しかし内見を受け入れなければ、家のアピールが不十分になる懸念があります。

そこでダブルローンを活用すれば、現在住んでいる家を売却する前から新しい住居に入居できます。
以前の住居は空き家となり、内見に制約がなくなります。住人が不在のほうが自由に物件を見られるので、内見に来る買い手や仲介会社に対して効果的に物件をアピールできます。

仮住まいの費用がいらない

ダブルローンのメリットの3つ目は、仮住まいのために家を借りる費用がいらないことです。

現在住んでいる家を売却して新しい家を購入する際、一時的な仮住まいが必要になる場合があります。仮住まいを確保するには、家賃だけでなく敷金や礼金などの初期費用も必要です。加えて、仮住まいに引越す際には、引越し費用も発生します。さらに、仮住まいから新しい家への引越し費用も必要になるので、かなりの費用がかかってしまいます。

しかし、ダブルローンを活用すると、現在の住宅ローンを継続しながら、新しい家の住宅ローンを追加で組むことができます。現在の家に住み続けることができるため、仮住まいの必要はありません。そのため、仮住まいにともなう初期費用や家賃を節約でき、経済的な負担やストレスを軽減できます。

ダブルローンで住宅ローンを組む時のデメリット

ダブルローンを利用するデメリットは何でしょうか
ダブルローンを利用するデメリットは何でしょうか

ダブルローンの利用にはデメリットもあります。それぞれ見ていきましょう。

返済金額が多くなる

ダブルローンを組む時のデメリット1つ目は、当然ながら返済金額が多くなってしまうことです。
そもそも返済能力がなければダブルローンは組めません。しかし返済能力があっても、返済金額が多くなれば生活の圧迫は避けられないため注意が必要です。

古い家のほうの住宅ローン控除は受けられない

デメリットの2つ目は、古い家の住宅ローン控除を受けられないことです。

住宅ローン控除とは、一定の金額までの住宅ローン残高に応じて、税金の控除を受けられる制度です。新しい住宅に対する住宅ローンは、税制を優遇してもらえる住宅ローン控除の対象となります。しかし、前の住宅を売却せずにそのまま残していても、住んでいなければ住宅ローン控除は適用されません。住宅ローン控除の適用要件は、自身が居住していることが条件となっていて、居住していなければこの条件を満たすことができないからです。

したがって、古い家に対する住宅ローンの支払いには、税制上の優遇が適用されず、新しい家に関連する住宅ローンにしか控除が受けられません。控除が受けられない場合、税金負担が増加する可能性があるので注意が必要です。

古い家を賃貸に出せない

デメリットの3つ目は、古い家を賃貸に出せないことです。新しい家に引越ししたあと、前の家を貸して家賃収入を得て、返済費用に充てられたらと考える方もいらっしゃるかもしれません。魅力的なアイデアに思えますが、実際にはルール違反です。住宅ローンは、自分が住むための家を購入するために借り入れるものです。したがって、前の家が売却予定であっても、住宅ローンを利用している限り、他人に貸し出すことはできません。

住宅ローンを借り入れている金融機関に黙って家を賃貸に出せば、契約違反とみなされる懸念があります。すると、住宅ローン残債を一括返済しなければならない可能性もあります。ただし住宅ローンを契約している金融機関によっても契約内容は異なるので、事前に確認するようにしましょう。

ダブルローンで住宅ローンを組む時に損をしないポイント

ダブルローンを利用する時に損しないためのポイントをご紹介します
ダブルローンを利用する時に損しないためのポイントをご紹介します

ダブルローンには、メリットもあればデメリットもあります。支出が増えることはどうしても避けられませんが、結果として損をしないようにするためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。この章では、ダブルローンで損をしないポイントを紹介します。

ダブルローンを組む時は金利が低い時にする

ダブルローンを組む際には、金利の低い時期を選ぶようにしましょう。金利は住宅ローンの支払いに大きな影響を及ぼす要素です。低金利のタイミングでローンを組むのが賢明な選択です。

とはいえ、ダブルローンを組みたい時に都合よく低金利のタイミングがくるとは限りません。住宅ローンの金利をチェックするのは当然ながら、日頃から、金融市場の動向を注意深く観察しましょう。また、日銀の金利や経済の状況などもよく確認しておくようにして、タイミングを逃さないようにしましょう。

不動産価格が高い時に家を売却する

家を売却するタイミングを不動産価格が高い時にするのもポイントです。不動産市場は常に変動しており、住宅の価格は時折高騰する場合があります。そのため、タイミングを逃さず前の家を売却するのは、ダブルローンを組む時に損をしないために重要です。

とはいえ、金利が低い時を狙うことと同様に、都合よく不動産価格が高騰する保障はありません。それでも前の家を低い価格で売却せざるを得ない状況になるのは避けたいところです。日頃から、不動産市場を注意深く観察しておくのはもちろん、専門家にも相談してアドバイスを受けるなど、万全の準備をしましょう。

この記事のまとめ

最後に、ダブルローンについてよくある質問をまとめてみました。

ダブルローンとはどのような住宅ローン?

ダブルローンとは、すでに住んでいる家の住宅ローンがある状況で、新しい住宅を購入する際に、2つの異なる住宅ローンを同時に利用する方法です。

ダブルローンを組む条件は?

ダブルローンを組むには、いくつかの条件があります。条件は借り入れをする銀行によって異なりますが、まずはダブルローンを組んでも十分返済ができることが前提になります。具体的には、返済比率は年収の30%以下とされます。さらに、返済能力だけでなく、健康状態や借り入れ時の年齢、完済時の年齢などが審査されます。

ダブルローンで住宅ローンを組む時のメリット・デメリットは?

ダブルローンで住宅ローンを組む時に、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

メリット

  • 現在の家を売買するタイミングが自由に決められる
  • 前居の内見がしやすい
  • 仮住まいの費用がいらない

デメリット

  • 返済金額が多くなる
  • 古い家を賃貸にできない
  • 古い家のほうの住宅ローン控除は受けられない

ダブルローンを選択するかは、メリットとデメリットをよく検討して判断しましょう。

ダブルローンで住宅ローンを組む時に損をしないポイントは?

ダブルローンを組む時に損しないためのポイントは何でしょうか。

  • ダブルローンを組む時は金利が低い時にする
  • 不動産価格が高い時に家を売却する

ダブルローンを組むと、当然ながら返済負担が増えてしまいます。そのため、できるだけ返済負担を下げる方法や、売却予定の家をできるだけ高く売却する方法を検討しましょう。

ダブルローンの検討中に、都合よく金利が低くなったり、家の売却価格が高くなる確証はありません。少しの変動も見逃さず察知して動けるよう、日頃から不動産価格や経済の状況に関心をもち、情報収集するようにしましょう。住宅の売買に関わる不動産の専門家や有識者とつながりを作ったり、情報誌やWebサイトなどをチェックする努力が重要です。

本記事では、住宅ローンをダブルローンにする時に多くの人が知っておきたいと思う情報をまとめました。ダブルローンにはメリットもあればデメリットもあります。ダブルローンを検討する際には、それぞれをよく理解したうえで、慎重に判断をしましょう。

長谷川賢努

執筆者

長谷川賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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