【実例】玄関土間とは?メリット・デメリットと活用方法、おしゃれに使うためのポイントを解説!
そこで今回は、玄関土間のメリット・デメリットをはじめ、具体的な使い方や取り入れる際のポイント、おしゃれな施工事例などをご紹介していきます。
記事の目次
玄関土間とは?

玄関土間とは、屋外からの出入り口となる玄関と、土足のままで過ごせる土間を連結させた間取りを指します。通常の玄関は、屋外から室内への通路の用途のみで使われるのが一般的で、基本は靴の脱ぎ履き・収納をするスペースとなります。一方で玄関土間は、土足で動ける面積を広く確保した土間と出入り口がつながったスペースで、アウトドア用品や子どものベビーカーの収納をはじめとして、さまざまな活用が可能です。
簡単にまとめると、通常の玄関は出入りするだけのコンパクトなスペースで、玄関土間は土足部分を広めに取ることで、幅広く使いやすいスペースといえるでしょう。
玄関土間のメリット

屋外と室内の中間スペースとして、靴を履いたままでも出入りできる玄関土間は、次のような利便性に期待できるメリットがあります。
汚れを気にせずに使える
玄関土間は、基本的に砂や泥が付いた靴のまま出入りするスペースで、床材にはコンクリートやタイル、モルタルが使用されているため元から床が汚れるのを前提としています。そのため、例えば土が付いたアウトドア用品や園芸用品、雨の日に使った傘・レインコートなどを置いても問題ないのがメリット。土間に収納を付けると、汚れたものを居室空間に持ち込まずに済むのも玄関土間を取り入れる利点でしょう。
天候に左右されず居住スペースと分かれた作業場になる
玄関土間は、屋内空間ながらも土足で過ごせて、家の外のような感覚で使えるスペースでもあります。本来なら屋外でおこなう作業も、砂や土などの汚れも気にならない玄関土間でできるのがメリット。雨風をしのげる屋内でありながら、通常の居住空間とは切り分けた作業場にできる利便性があります。なおかつ家の出入り口にもなる玄関土間は、リビングダイニングなどの生活音が出やすいスペースから離れた間取りになることもあり、黙々と静かに集中したい時の作業場にもできます。
掃除しやすい
砂・土・ホコリなどの汚れが気になる時でも、玄関からそのまま屋外に掃き出すだけできれいになるので、掃除の手間が比較的かかりにくい利点もあります。基本的に土足で過ごす場所なので、汚れが入ってきやすいスペースではありますが、掃き掃除をするだけで済むのは便利でしょう。あまりに汚れが気になる時には、拭き掃除や洗い流しが必要ですが、すぐに乾くので水を使う掃除もしやすいのもメリットです。
夏は涼しく感じる
玄関土間は、屋外からの出入り口も兼ねたスペースとなるため、外気が入りやすく風通しもいい場所となります。また、玄関土間に使われる床材はひんやりとした熱を蓄えにくいものが多く、夏場でも涼しく活用できるのも特徴。日当たりを避けたいアイテムの保管や、暑い夏場に体を動かすような作業などをしたい時にも便利です。
スムーズな動線の確保ができる
玄関土間は、出入りの通路だけでなく、収納や作業ができるスペースとして使えます。玄関土間の広いスペースを活用し、外出時または帰宅後のルーティンに使いやすい場所を確保できれば、よりスムーズな動線をつくることも可能。仮に玄関土間から直接バスルームに移動できる動線ができれば、帰宅後すぐにでも着替えたり、汗を流したりすることもできます。その他にも、例えば玄関土間からキッチンに直行できる動線なら、買い物品の片付けなどの手間も省きやすいでしょう。
このように玄関土間を通じて、生活・家事動線を短縮したレイアウトにしやすいのもメリットです。
玄関土間のデメリット

玄関土間は、屋内ながら土足で使えるスペースとしてのさまざまな魅力がある一方で、次のような注意点もあります。
居住スペースが狭くなる場合がある
玄関土間は、通常の玄関よりも大幅に面積を取ることになるため、敷地の広さによっては他の居室を圧迫してしまう可能性があります。1階のフロア面積があまり確保できない時には、そもそも玄関土間を配置する余裕がないケースも。
他の居住空間とのバランスにも配慮し、場合によっては1階に配置したいスペースを2階に移すことも考えるなど、必要に応じて調整しながら検討してみましょう。
冬は床冷えしやすい
玄関土間は、夏場に涼しくなるような通気性があるうえに蓄熱しない床材を使う反面、冬場には冷え込みやすくなる特徴もあります。特に冬の冷気は空間の下方に溜まりやすく、床材もひんやりしているため、底冷えを感じやすいでしょう。また地面の冷えが床材から伝わってきやすいことから、玄関周りが肌寒くなりやすい部分もあり、必要に応じてあらかじめ断熱施工も検討しておくとよいでしょう。
湿気が気になる
玄関土間は換気のいい場所ではあるものの、屋外との温度差による結露が生じやすく、湿度が高くなりやすい場合もあります。特に冬場のように、家のなかが閉め切った状態だと、なかなか湿気を逃せずにじめじめとこもってしまうことも。
床材や壁紙などで吸湿性の高い内装にしたり、換気口を取り付けたりなどの工夫をしておくことをおすすめします。
こまめな掃除が必要
汚れを気にせずに使いやすいとはいえ、人が出入りするスペースでもあり、来客時には必ず通る場所でもあります。砂や土などが溜まりやすい分、こまめに掃除してきれいにしておくことも大切。さほど掃除の手間はかからないスペースですが、あまりに放置しすぎても汚れが溜まりすぎてしまうため、簡単にでも日頃からお手入れしておくのがおすすめです。
玄関土間は活用方法が豊富

玄関土間は、家の出入り口に位置する場所としての特徴を活かしつつ、便利に使える方法が幅広くあります。そこで以下からは、玄関土間の用途として、代表的な一例をご紹介していきます。
収納スペース

玄関土間の活用例としてよくあるのが、大きめの収納スペースを併設するパターンです。例えば玄関土間を使って、ウォークイン型の広い収納を確保できれば、屋外で使うような大型アイテムを片付けるのにも便利。ベビーカーをはじめ、自転車やスポーツ用品などのアウトドアグッズ、DIY・ガーデニングに使う道具というように、幅広いアイテムの収納に活用できます。
さらにアウターやバッグなどのファッションアイテムを置くことができれば、玄関先で身支度をしてそのまま外出し、帰宅後にはすぐに片付けができて動線の省略も可能。その他にも、普段はあまり使用しないような荷物を保管するなど、倉庫代わりの用途でも使いやすいでしょう。

趣味・作業スペース

広々とした玄関土間を活用して、趣味・作業スペースを設けることもできます。玄関土間のような汚れが気にならないスペースでは、例えばDIYや観葉植物を育てるのにもぴったり。また、アウトドアやスポーツ用品などのお手入れをする場所でも活用しやすいでしょう。
なかには玄関土間をガレージにして、バイクや自転車のメンテナンスができるスペースにするケースもあります。その他にも広々としていて静かな玄関土間では、ワークスペース・書斎・アトリエなど、黙々と集中したい時の作業場にすることもできるでしょう。
家に入る際の最初に目に付く玄関土間では、例えばコレクションスペースとして収集品を飾ることで、こだわりの空間として楽しむこともできますよ。

子どもやペットの遊び場
雨などの天気に関係なく、のびのびと過ごすことができる玄関土間は、小さなお子さんやペットが遊ぶ場所にもぴったり。土足スペースながらも、屋内に位置する玄関土間なら、庭や公園で遊ぶよりも汚れの心配がないうえに目の届く範囲で遊ばせられることができるでしょう。例えばすべり台やトランポリンを置いたり、ちょっとしたクライミングウォールを取り付けたり、遊び場として工夫してみるのもおすすめ。さらに自宅内なので、防犯はもちろん、道路事故なども防ぎやすく安全面も確保しやすい遊び場にできます。
また玄関土間は、ペットとのボール遊びなどにも使える他、足洗い場を設置しておけば、散歩帰りに足を洗ってきれいにすることも。ブラッシングなどのケアスペースにも活用しやすく、きれいにお手入れした状態で室内に上げる動線でも、玄関土間が役立ちます。
家事スペース
土間は、かつて台所に使われていた空間でもあり、家事スペースにもおすすめ。汚れが気にならないメリットを活かすなら、ごみの一時保管所にしたり、家庭菜園や畑で収穫した野菜などの置き場に使用するのに向いています。。もしくは日当たりのいい玄関土間なら、物干し竿を置いてランドリースペースにすれば、外出先から帰って着替えた時の洗濯物を出す動線もスムーズになるでしょう。
その他にもキッチンとつながる玄関土間にできれば、食材などを収納するパントリーとしても使えて、買い物から戻った時の荷物もすぐにしまうことができて便利です。
コミュニケーションスペース

玄関土間をコミュニケーションスペースにすれば、来客時の応接間のような使い方もでき、在宅仕事などで顧客を招く時にも便利。その他にもご近所さんや親戚・友人など、ちょっとした用事で家に来てもらった際にも、玄関土間のコミュニケーションスペースでゆったり世間話を楽しむこともできます。

トレーニングルーム
夏場でも涼しく過ごしやすい玄関土間は、健康のために体を動かしたり筋トレしたりする、トレーニングルームとして使う方法も。玄関土間なら屋外で使うようなスポーツ用品も一緒に保管でき、運動スペースとして活用も可能です。
玄関土間をおしゃれにするポイント

実際に、玄関土間を設置する場合に、よりセンスのある印象を演出するために注目しておきたいポイントも見ていきましょう。
床材にこだわる
床材は、“家の顔”ともいえる玄関土間の雰囲気に大きく影響する部分で、和風や洋風など全体のテイストにも関係してきます。また土足で出入りする玄関土間は、スペースとしての使い方にもよりますが、ある程度の強度も重要。特に重たい荷物を出し入れしたり、動き回ったりするような用途の場合には、強めの床材を使用するのが無難でしょう。
なお玄関土間で活用されやすい床材の代表例としては、次のような種類が挙げられます。
コンクリート
コンクリートは、おもにセメント・砂・砂利を原料とする資材で、少しざらついたような硬派な仕上がりになるのが特徴です。建物の基礎構造などにも使用されやすいほどの強度がありつつ、どのような空間にもなじみやすく、シックな印象にできる床材でもあります。
モルタル
コンクリートと同じものから生成される素材ですが、より粒子の小さな原料を使っていることから、光沢のないマットな表面ながらも少し滑らかな感触になります。コンクリートと同様にシンプルなデザインで、またビー玉や玉砂利などを使用して模様付けする、「洗い出し」と呼ばれる仕上がりにも使われやすい床材です。
タイル
つるりとした光沢のある陶磁器製の床材で、さまざまな見た目に仕上げしやすい特徴があります。タイルといえば洋風なイメージがあるかもしれませんが、例えば石畳風など、和テイストなデザインも。表面の触り心地から色・模様まで、多彩なタイプからデザインを選びやすいのも利点です。
また、あえて表面に凹凸を付けて、滑り止め機能を持たせた種類にすることもできます。
天然石
天然石は、石材の風合いをそのまま使った床材で、よくあるのは大理石を使用しているタイプです。その他にも、御影石・火山岩・石灰岩・花崗岩など、さまざまな石材が活用されます。いずれも素材の天然な模様がおしゃれな印象になり、重厚的でラグジュアリーな仕上がりになるのが特徴。どこか品のある雰囲気にしたい時におすすめです。
三和土(たたき)
石灰・砂利・赤土などの原料から生成される床材で、漆喰と同じような仕上がりになる無垢な素材感が特徴です。日本では古くから取り入れられている伝統的な床材で、和テイストな雰囲気に合う床材でもあります。またやわらかな印象で、他の床材に比べて蓄熱しやすいのも利点でしょう。
照明にこだわる
玄関土間は、比較的暗くなりやすい空間です。。そこで照明を取り入れることで、明るくおしゃれな印象に演出できるでしょう。
照明は、一般的に天井に付けるイメージがあるかもしれませんが、壁や足元などの場所に変化を出すことでセンスのある雰囲気にもできます。またデザイン性の高い間接照明もうまく活用すれば、空間の奥行感やこだわりのインテリア感も出やすくなります。さらに電球の種類(LEDや蛍光灯)によっても、スペースの見え方は異なるので、まずはどのようなイメージにしたいのか検討してみましょう。
窓を設置する

閉鎖的に見えがちな玄関土間では、窓を取り入れてみるのも、おしゃれに見せるアイデア術です。太陽の自然な光が入る窓を設置しておくと、日中にはやわらかな明かりが入り、開放的で洗練された印象に。また玄関土間は湿気がこもりやすいスペースでもあるので、窓があると換気口にもでき、通気をよくして快適にできる効果も見込めます。
扉・カーテンを設置する

玄関土間を収納として使う場合、必要に応じて生活感を隠すために目隠し扉やカーテンを付けましょう。玄関土間内に設置する仕切りのデザインや素材にも注目して、こだわりのものを取り入れると、空間のアクセントとなっておしゃれな印象に見せることが可能です。
また、扉のような仕切りを玄関土間と居室空間の間に設けることで、外からの冷気や玄関特有のにおいをふせぐことも。
例えば、写真のようなカーテンレールを活用すれば、普段は開放してオープンな空間でありながら来客時などにはカーテンを閉めて目隠しすることもできます。
間取りを工夫する
玄関土間では、全面的にオープンな空間にする間取りや、少し入り組んだ場所を設けて目隠しできるスペースにする間取りも考えられます。またどの居室につながるようにするのか、玄関土間の設置の仕方次第で動線も変わってくるため、見た目も機能性も含めて検討していくのがおすすめです。玄関土間の活用方法に応じて間取りや併せて設置する設備も異なってくるため、まずは用途をしっかりとイメージしたうえでレイアウトなど考慮していきましょう。
玄関土間がある注文住宅の実例6選
ここからは、玄関土間を取り入れている、おしゃれな注文住宅の実例をピックアップしてご紹介。注文住宅で玄関土間の設置を考える際に、用途やレイアウトなどの参考にしてみてください。
趣味を楽しむ明るい玄関土間

こちらは玄関出入り口から、勝手口まで一直線に伸びるようにレイアウトした実例です。奥行きのある空間を活かして、自転車や観葉植物などの趣味アイテムを見せるように配置したり、細長をテーブルも置いてくつろぎのスペースを実現。また天井近くに設置された窓からは、やわらかな光が差し、温かみのある雰囲気を演出しています。
リビングとつながるゆとりある玄関土間

こちらはLDKに隣接するように配置された、広々とした玄関土間です。大きな掃き出し窓とLDKの間にレイアウトすることで、たっぷりと日の光を取り込んだどこか昔ながらの縁側のような空間を実現。LDKまでの通路として使うとともに、レトロモダンなほっとくつろげる雰囲気のスペースです。
吹き抜けとボルダリングウォールがある玄関土間

こちらは高い吹き抜けの壁を活用し、大きなボルダリングウォールを設けている遊び心満載の玄関土間です。のびのびと動き回れる広いスペースに加えて、階段と天井付近の窓の下には、少し目隠しができるような空間を併設。収納や書斎のようにも使いやすい玄関土間となっています。
収納力たっぷりの玄関土間

この実例は収納をメインとした玄関土間で、引き戸付きの大きなファミリークロークもつながっています。3帖もある玄関土間は大型アイテムも置ける豊富な収納力と、併設されているファミリークロークを通って和室やLDK、玄関ホールへと回遊できる動線など高い機能性も持ち合わせています。また天井近くの窓とモダンなタイルの床材で、明るくスタイリッシュな空間を実現しています。
玄関扉から縦に広がる玄関土間

こちらはLDKに並ぶように配置された玄関土間で、突き当りには物置部屋、出入り口のすぐそばには手洗い場も設けて、機能性を充実させた実例です。帰宅時のエチケットを済ませてLDKに入るまでの動線がスムーズで、なおかつ手洗い場に一体化した台と棚を使って、小物を置いたり収納したりするのにも便利になっています。
生活動線が工夫された玄関土間

こちらは個性的な照明と、スケルトンな階段がアクセントになっている、ハイセンスな玄関土間です。両サイドには大きな収納と、洗面所も併設し、シックでおしゃれな空間ながら生活動線も高い玄関土間を実現。さらに階段下のライトアップにより、こだわりの空間を演出しています。
まとめ
玄関土間は、家の中に入って最初のスペースとして、“家の顔”としておしゃれな空間演出にも幅広い用途にも活用できる魅力があります。レイアウトや内装・設備などにもこだわることで、住まいとしての利便性もセンス感も高くできる効果に期待できるでしょう。心地よさも実用性も叶える住まいをお考えの際には、ぜひ本記事も参考に、玄関土間の採用も検討してみてください。
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