6月期
テーマ:お隣さん
文鳥
料理を試食し合って、いくつものタッパーに詰め終わる頃には、もう朝がきていた。
私と夫と息子は、隣の家にサプライズを感づかれないように、玄関ではなく、息子の部屋の窓から、指のように並んで山下さんを見送った。
山下さんが隣の家のなかに消えたすぐあと、スーツケースを引いた奥さんが坂道を登って、家に向かうのが見えた。
文鳥