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猫の防災グッズを準備しよう!避難・被災時に必要なもの14選

日本は災害大国。地震や豪雨災害、土砂災害、火山の噴火などは、いつどこで発生してもおかしくありません。災害が発生したときには自分身だけでなく、飼っている猫の安全を確保することも必要です。万が一の際に飼い猫をどうやって守るのか、避難経路や行動計画、避難準備は万全ですか?
いざというときに慌ててパニックにならないよう、普段から準備を整えて、すぐ避難できるようにしておきましょう。今回は災害が起きたときどうすればよいのか、猫と非難するときに何を準備しておくべきなのか具体的に解説します。

災害が起きたらどうする?猫と一緒に避難しよう

災害が発生した際には「自助」「共助」「公助」の3段階の対応が考えられますが、基本となるのは自らの命を守る「自助」です。
これは、飼っている猫についても同様。まずは命を守り、水やキャットフードなどを用意して、避難先で「共助」「公助」に頼らなくても済むよう準備を整えておきましょう。以下では、避難対応の内容について詳しくご紹介します。

同行避難、同伴避難とは?

環境省が定めた災害対策マニュアルである「人とペットの災害対策ガイドライン」には「同行避難」と「同伴避難」という言葉が出てきます。同行避難とは災害が発生した際、飼い主が飼っている猫を連れて一緒に避難すること。避難する際に必要なキャリーケースやリード、ハーネスなどを事前に準備しておくことが大切です。

これに対して同伴避難とは、同行避難した先の避難所で飼い主が猫をお世話することです。ただし、飼い主と猫が同じ室内で避難所生活ができるとは限りません。それぞれの避難所が定める規定に従う必要があります。

参照:人とペットの災害対策ガイドライン(環境省)

避難所はペット不可?

避難所では、一緒に連れて避難してきた猫と一緒に生活できるとは限りません。ペット不可の避難所もあり、ペット可でも人の居住スペースとペットが暮らす場所とが切り離されていることもあります。あらかじめ、自治体のホームページなどで確認しておきましょう。

猫との避難方法は?

災害時に猫を連れて避難する際は、キャリーバッグやケージに入れて指定緊急避難場所へ向かいましょう。
自助が基本なので、本来は猫の餌や水なども持参すべきといえます。しかし緊急事態であれば、とにかく自分と猫の命を守ることを最優先に考えて行動してください。

キャリーバッグやケージに入れて移動する際は、扉が開かないようガムテープを貼っておくと、猫の脱走防止に繋がります。ハーネスなどもつけておくとより安心です。

避難所以外の選択肢もある?

災害時には避難指示や勧告が出されますが、必ず従わなくてはいけないわけではありません。例えばコンクリート造の堅牢なマンションなどに住んでいて、避難するよりもとどまった方が安全な場合もあるでしょう。

また、猫を避難所に連れていきお世話するのは大変です。猫にとっても、普段の環境とは異なる場所で、ケージやキャリーバッグ内で生活することはストレスになるでしょう。周囲の避難者にも迷惑がかかるかもしれません。

そのような場合は知人や親戚を頼り、一時的に預かってもらうのも一つの方法です。災害時にペットを預かってくれるボランティア団体や動物病院などもあるので、いざというときのために調べておくとよいでしょう。

避難所ではなく、自動車のなかで過ごすという方法もあります。有事に備えて、猫を連れて車中泊を試してみるのもいいでしょう。どうしたら車で快適に寝られるのか、猫の排泄物をどうすればよいのか、自分の食事はどのようにして調理して猫の餌はどういう方法で与えるのかなど、車中泊をしてみることでさまざまなことを学べます。

避難のために準備しておくことは?

病院や移動用のキャリーバッグは持っているけれど、ハーネスは使うシチュエーションがなく用意していないという方も多いのではないでしょうか。しかし、脱走などのリスク防止のため、あらかじめ用意しておきたいアイテムです。災害が発生したとき即座に持ち出せるよう猫用の避難袋を用意して、ハーネスや数日分の非常食、水などを装備しておきましょう。
もちろん、猫が安全に避難するためには、飼い主自身の安全が大前提です。自分のための防災グッズも忘れずに揃え、万が一に備えておいてください。

被災時に猫と過ごすために必要なもの

災害時に猫と過ごすのは、避難所とは限りません。自宅や友人・親戚の家、あるいは車中泊などさまざまなケースが考えられます。
いずれの場合でも困らないよう、猫にとって必要なものを用意しておきましょう。ここでは災害が起きた際、猫と過ごすために必要なものをご紹介します。

猫の健康や命にかかわるもの

キャットフード、水

猫と一緒に避難する際には、フードと水を忘れないようにしてください。最低でも5日分程度は用意しておくといいでしょう。その際、普段からどのくらい食べるのかを具体的に把握しておくと安心です。
また、水は人間と同じく猫にとっても命にかかわるものです。猫の1日に必要な水分量は体重1kgにつき50ml程度が目安。例えば体重5kgの猫なら、1日に250mlの水が必要です。

食器類

猫と非難しているときに使う猫用の食器は、猫用のものでなくてもかまいません。例えば車中泊で過ごすなら、キャンプ用のシェラカップを食器として用いることもできるでしょう。あるいは、避難グッズの定番であるキッチンラップや紙皿を食器代わりに使用することもできそうです。
もちろん猫用の食器を持参して避難できればいいですが、荷物になってしまうのでなかなか難しいかもしれません。あらかじめ、どのようなもので代用できるかを考えておきましょう。

常備薬

猫の常備薬を持っている人は少ないかもしれません。しかし避難の際は、飼い猫に何かあっても動物病院で診てもらうことが難しいため、最低限の常備薬を持っておくと安心です。

猫は避難生活のストレスで、下痢になることが多いといわれています。そのため、かかりつけの動物病院で下痢止めのお薬を処方してもらい、常備しておくとよいでしょう。また、よく嘔吐する猫なら、吐き止めのお薬を処方してもらいましょう。いずれの症状も酷くなると脱水症状を引き起こすので、避難生活では十分な注意が必要です。

ケージ、キャリーバッグ

ケージやキャリーバッグなどは日常でもよく用いるため、猫を飼っていればすでに保有している方も多いかもしれません。もし持っていなければ、この機会にあらかじめ用意しておいてください。
慣れないうちは入りたがらなかったり暴れることもあります。いざという時にスムーズに避難できるよう、普段から慣らしておくことが重要です。

ハーネス、リード

避難先ではハーネスやリードを使い、迷子にならないようつなぎ止めておくことが重要です。災害時の避難所生活に備えてハーネスやリードを用意して、猫用防災バッグに入れておきましょう。また、首輪などに「迷子札」を付けておくと、万が一迷子になってしまったとき見つけやすくなります。

トイレ用品

いつもと同じトイレがあることが望ましいですが、大きいトイレ容器を避難所まで運ぶのはなかなか大変ですよね。避難時には折りたたみ式のポータブルトイレや、段ボールとビニール袋を使った簡易トイレ、ペットシートなどを組み合わせて代用してもいいでしょう。鉱物系の猫砂は重いので、軽量タイプの猫砂に慣らせておくこともひとつの手です。こちらも数日分用意しておきましょう。

飼い主と猫の情報がわかるもの

猫の写真

猫の画像があると、万が一はぐれてしまったときに探しやすくなります。猫の写真と名前、飼い主の連絡先の入ったものを携帯しておき、迷子になった際にはコピーを配布して捜索に役立てましょう。

飼い主の連絡先、緊急連絡先

猫の首輪に迷子札をつけて、そこに飼い主の連絡先、緊急連絡先などを記載しておきましょう。そうすると、猫を見つけた人が連絡してくれる可能性が高くなります。

ワクチン接種証明書や動物病院の診察券

飼い主が避難所生活している間、ボランティア団体や動物病院が猫を預かってくれることがあります。しかし、その際にはほかの猫に病気などを感染させないため、ワクチン接種証明書を求められるかもしれません。

また、避難先で体調を崩してしまい、動物病院や派遣された獣医師に診断してもらうことも想定し、過去の既往症などは情報提供できるようまとめておきましょう。いつも利用している動物病院の診察券も持っておくと、何かあったときに適切な処置を受けやすくなります。

猫の日用品

ブラシ

避難するときには、普段から使用しているブラシを持参しましょう。

お気に入りのおもちゃ

猫じゃらしなどのおもちゃなどを持っておくと、猫のストレス発散になります。

匂いのついたタオル

猫は自分のにおいのついたものを嗅ぐと、安心する性質があります。避難所生活でも、いつも使用しているタオルがあることで精神的に安定して過ごせるでしょう。

おやつ

食事以外に、ちょっとしたおやつなども持参しておくと猫がリラックスしやすくなります。

衛生用品

便や砂で固めたおしっこなどを回収するための、ビニール袋やスコップ、消臭スプレー、シートなどの衛生用品も備えておきましょう。

被災時に猫と過ごす際の注意点

災害時に猫と過ごすために必要なものを用意すると共に、以下のような点にも注意してください。

周囲の人たちへ配慮する

猫と非難するときには、ほかの避難者への配慮も欠かせません。なかには猫アレルギーの人がいるかもしれませんし、動物が苦手だったり匂いや鳴き声に不快感を持ったりする人がいる可能性もあるでしょう。
また、猫の排泄物のにおいは強いので、処理やその後の対応にも注意が必要です。ビニール袋に入れた排泄物は、すぐに外のゴミ捨て場へ持っていくなど配慮しましょう。

猫の体調に気を配る

避難所生活では、人間だけでなく猫にも大きなストレスがかかります。ストレスは思わぬ病気の引き金になることがあるので、体調変化に気を配ってあげましょう。とくに「食欲がない」「あまり水を飲まない」「身体を頻繁になめて毛づくろいする」といった行動は、ストレスが溜まっているサインかもしれません。

猫が脱走しないよう気を付ける

いつもと環境の違う避難所では、人見知りしたり、人の多さに怖さを感じたりしてパニックを引き起こすケースが少なくありません。そうした際に脱走するようなことがないよう、ハーネスやリードでしっかりとつないでおくことが大切です。飼い主

まとめ

災害時に猫と非難するとき、必要になる防災グッズについてご紹介しました。
災害が発生した場合は、自分と飼っている猫の命を自ら守るという「自助」の対応が大原則です。また、環境省の定めた災害対策マニュアルでは、飼い主が猫を連れて一緒に避難する「同行避難」が推奨されています。災害が発生したらすぐ猫を連れて避難できるよう、キャリーバッグやハーネス、リードのほか、食料や水、トイレなど、避難所での生活に必要なものを事前に用意しておきましょう。準備する量は、5日間分ほどが目安となります。

ただし、災害が発生したからといって、自治体が指定する避難所へ直ちに避難しなくてはならないというわけではありません。状況を見て、例えば自宅の方が安全なら自宅で待機して様子を見るなど、柔軟な対応が必要です。また、友人や知人、親戚に頼る方法も選択肢のひとつ。車中泊に慣れているなら、猫と車で数日間を過ごすという方法もあります。ここでご紹介した内容を参考に、万が一の備えを整えておきましょう。

執筆者

ヤマシタ ユキマル

美大卒業後、デザイン事務所に勤務。クリエイターとしてデザインコンセプトやクライアントへ業務改善策などについて提案する文章作成業務をきっかけにライター業へ転身。ライター歴15年。

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