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【アンケート】DINKsとは?後悔する?メリット・デメリットと住まいの選び方を解説

DINKsとは?メリット・デメリットと住まいの選び方について解説します
夫婦の共働きが浸透するなど、価値観の多様化が進んできている昨今では、人生の選択肢も幅広くなってきています。そこで近年、高い関心を集めはじめているのが、「DINKs(ディンクス)」と呼ばれる人生観です。DINKsとは、結婚した夫婦の家庭の一つのあり方で、最近の数年で認知度が高まってきている考え方でもあります。

そこで今回はこのDINKsに注目し、一般のみなさんからのアンケートも交えつつ、具体的なメリット・デメリットや生活環境などについてご紹介していきます。

記事の目次

DINKsとは?どんな世帯を指す?

DINKsとはどのような世帯を指すのでしょうか?解説します
DINKsとはどのような世帯を指すのでしょうか?解説します

DINKsとは、正式には英語で「Double Income No Kids」と定義されている考え方で、和訳すると「夫婦ともに収入源があって、子どもを持たない夫婦」という意味になります。夫婦の双方ともに職に就いており、自らの意思で子どもを持つ選択をしなかった世帯を指すのがDINKsです。例えば子育てを望んでいるものの何かしらの事情で子どもが持てない、これから子作りを考えるなど夫婦も存在しますが、こうしたケースは厳密にはDINKsとされません。あくまで自分たちのライフプランとして、子どもを持たない人生を選んでいる夫婦がDINKsとされています。

DINKsの世帯は増加傾向に

厚生労働省がおこなった調査によると、上記のグラフにもあるように、DINKsを含んだ夫婦のみ世帯は年々増加している傾向にあります。ちなみに国内の夫婦のみ世帯の割合は、1992年時点の17.2%に比べて、2022年時点では7.3%上昇の24.5%。DINKsのような夫婦のみ世帯は、この30年間で、およそ1割近くにわたって増えている状況です。

また、厚生労働省管轄機関の国立社会保障・人口問題研究所による、夫婦に関する調査では、理想または予定している子どもの数が徐々に減っている傾向も見られました。特にDINKsのように「子どもを持たない」とする夫婦の割合は、年を追うごとに増えている様子もあり、将来設計や家庭に対する考え方も変化してきていることがわかります。

【なぜDINKsを選択した?】DINKsのメリット

DINKsのメリットとは?
DINKsのメリットとは?

ここからは、実際にDINKsを選択した夫婦のみなさんからのアンケートをもとに、今のライフスタイルで実感しているメリットをご紹介。みなさんのリアルな声も交えつつ、DINKsを選んでよかったと思える具体的な利点を解説していきます。

経済的な余裕ができる

DINKsを選ぶ背景として、経済的理由を挙げる夫婦も多く存在しています。やはり子どもを育てるには、生活費や教育費などにかかるコストとして、数千万円単位で想定しておかなければなりません。一方で、夫婦二人の生活なら養育コストがかからない分、経済面でゆとりを持ちやすくなるのはメリットでしょう。例えばおしゃれなファッションアイテムやインテリアなどにお金をかけやすかったり、夫婦の趣味を満喫しやすくなったり、さまざまな楽しみにもつながりやすい利点があります。

    みんなの声
  • 夫婦ともに子どもが好きではないから。経済的な余裕が欲しいから。(30代/女性)
  • 経済的に余裕が欲しい、2人で楽しみながら生活したい。(40代/男性)

夫婦や個人の自由な時間ができる

特に子どもが小さいうちは、どうしても育児に手がかかりやすく、なかなか夫婦二人や個々の時間を確保するのは難しい一面も。例えば、自分たちの趣味や夫婦二人で過ごすのを重視したい場合など、DINKsを選ぶケースも少なくありません。先ほどのような経済面だけでなく、時間的にも余裕ができやすく、比較的自由な生活がしやすいのもメリットです。

    みんなの声
  • 時間の余裕がほしい。自由に過ごしたい。(20代/女性)
  • ふたりで十分楽しい。(30代/女性)
  • 夫婦で身軽に遊びにいったりおいしいものを食べに行ったりするのが楽しいから。(30代/女性)
  • 自由がほしいから。(50代/女性)

DINKsを選んだ人のなかには子育てへの不安を感じる人も

こちらはメリットとは少し異なりますが、「自分たちが親になれるのか不安」というように、子育てに対する自信のなさからDINKsを選んでいるケースも。なかには、「そもそも子どもが苦手」「夫婦の体調面を考えて子どもを持たなかった」などの声もありました。DINKsならではのメリットというよりは、育児に向けた心がまえや体力的な部分などを考慮して、子どもを持たない選択をする夫婦も一定数います。

    みんなの声
  • 子どもを持つことで余計な悩みや負担を増やしたくないから。お金や時間を自分たちのために使いたいから。(40代/女性)
  • 母になる自信を持てなかったから。(40代/女性)
  • 晩婚だったので、子育てのことを考えると不安だったから。(50代/男性)
  • 子どもを育てる自信がないこと。(60代/男性)

仕事・キャリアを優先できる

特に女性は身体的な理由もあり、妊娠・出産時に今までと同じように働くのは、なかなか難しい部分もあります。さらに子どもが生まれたあとも、しばらくは育児の優先順位が高くなりやすいこともあり、お互い仕事だけに専念するのは厳しくなる一面も。一方で子どもを持たないDINKsなら、妊娠・出産や子育てに気を取られることもなく、自分の仕事に集中しやすいのもメリットです。
育児にかかる費用や時間を考慮する必要がない分、転職・起業・ノマドワーカーなど、新たな働き方を自由に選びやすいのも利点。もしくは資格取得や専門スキルの習得に向けて、勉強したり学校に通ったりなど、キャリアアップも目指しやすいでしょう。

    みんなの声
  • お互い自由に働きたいから。(40代/女性)

住宅・インテリアを自由に選べる

子どもを持つことを考えると、例えば間取りやインテリアなど、子育てに適した環境に整える必要があります。一方でDINKsであれば、夫婦二人が快適に暮らせる住まいを自由に選べて、好みの空間演出がしやすいのもメリットです。例えば子どもがぶつかったり転倒したりするなどの心配もないため、デザイン性を重視した内装やインテリアにしやすいのも利点。子育て用のアイテムを置くこともないので、大人らしいセンス感を全面的に出した住まいづくりもしやすいでしょう。

多様なライフスタイルを選べる

DINKsは大人二人の生活となるため、例えば近所に保育園や学校があるなど、育児を意識した居住地を選ぶ必要もありません。その他にも仕事や趣味に没頭したり、好きな場所に移住したり、大人二人の生活だからこそ身軽に動きやすいのもメリットです。また結婚生活も、夫婦二人が納得していれば自由なスタイルを選択しやすく、週末婚や別居婚などの生活を選びやすいのも利点でしょう。

【DINKsで後悔したことは?】DINKsのデメリット

DINKsを選ぶデメリットも事前に確認しておきましょう
DINKsを選ぶデメリットも事前に確認しておきましょう

アンケート調査では、DINKsを選んで「後悔していない」との回答が57%を占めており、半数以上は現状の選択に満足している結果となりました。とはいえ、なかには実際にDINKsを選んだことで、デメリットを感じている人も。では具体的に、DINKsを選択するうえで、どのような注意点があるのか見ていきましょう。

世間体が気になる

かつては一般的に「夫は仕事、妻は家庭」といった考え方が根付いていたこともあり、「結婚=子ども」とする価値観も広く浸透していました。こうした背景からも、なかにはDINKsのライフスタイルに大きな違和感を覚えてしまう人も。特に年齢層が高い世代には、なかなか受け入れてもらうのが難しい部分もあるようです。場合によっては、両親や親族に理解してもらえないケースもあるかもしれませんが、時間の経過とともに納得してもらえるパターンもあります。

    みんなの声
  • 両親は理解してくれましたが、実家に帰省するたびに祖父祖母に子どもは~、と聞かれる。(20代/女性)
  • 親からのプレッシャーが面倒。(30代/女性)
  • 世間体が気になる、後ろめたい気分になる。(30代/女性)

親に孫の顔を見せられない

親側からすれば、自分たちは子どものいる人生を歩んできて、息子や娘にも同じように育児を経験してほしいと望むケースは珍しくありません。そのため親の気持ちを知りながら、子どもを持たない選択をすることに後ろめたさを感じることもあるようです。とはいえDINKsも、立派な生き方の一つ。親としては、「子どもたちが本当に幸せに感じる生き方が一番」と考える場合も多く、過剰に罪悪感を持つ必要はないでしょう。孫に会わせられない申し訳なさはあるかもしれませんが、代わりに自分たちが楽しく過ごしている様子を見せたり、親を含めた家族と過ごす時間を意識したりするのも大切なことです。

    みんなの声
  • 後悔はしていないが、親に孫の顔を見せられず申し訳なさはある。(40代/女性)

子どもがいる友人と話が合わなくなる

子どものいる人生を選んだ人にとっては、子育てをしながら生きていくのが当然の価値観になってしまうのも無理はありません。そうするとDINKsの生き方があまり理解されずに、話が合わなくなってしまうことも。また周りに子どものいる友人が多くなると、育児の話題に付いていくのが難しくなる一面もあるようです。しかし、周りの友人たちも育児が落ち着けば考えが変わる可能性はありますし、同じようにDINKsを選んでいる仲間もいるでしょう。話が合わないように感じる時には、無理に付き合わない方法を選ぶのもいいかもしれません。

    みんなの声
  • SNSが友人たちの子どもの投稿ばかりで疲れる。(20代/女性)
  • 価値観の合わないひとに馬鹿にされる。(50代/女性)

将来的に価値観が変わる可能性がある

何年も結婚生活を続けるうちに、DINKsを選んだ当初とは、考えが変わってきてしまう可能性もあるでしょう。将来的に、「やっぱり子どものいる生活もよかったかもしれない」と感じてしまうケースも考えられますが、それはどのような人生を選んでも同じです。正解があるわけではないので、いずれ価値観が変化してしまう場合も想定されるのは、ある程度は覚悟のうえでDINKsを選ぶ必要があるでしょう。

将来への不安を感じる

仮にパートナーに先立たれしまうことを考えた時、子どもがいないことで、「孤独になってしまうのでは」などの不安を感じることもあるようです。また子どもがいないことで、離婚の決断も比較的しやすくなることから、漠然とパートナーとの将来が心許なく思えてしまうことも。
子どもがいるから孤独にならなかったり、離婚しなかったりする保証はありません。まだ何もわからない先の心配をするよりも、今の状況を前向きに考えて、DINKsのライフスタイルを楽しむのがベストでしょう。

    みんなの声
  • 家などを残す相手がいないこと。(40代/女性)
  • 老後一人になるのが不安。(40代/女性)
  • 歳を取ると老後が心配になってきたこと。(50代/女性)
  • 後継ぎがいないこと。(50代/男性)

DINKsに向いているのはどんな人?

どのような夫婦がDINKsに向いているのでしょうか?
どのような夫婦がDINKsに向いているのでしょうか?

ではここまでに見てきたメリット・デメリットを踏まえつつ、実際にどのような夫婦がDINKsに向いているのか、簡単にまとめていきます。

子育てより仕事や趣味を優先したい人

なかには子どもがいない生活に寂しさを覚えてしまう人もいますが、仕事や趣味などに人生の意義を感じているのであれば、さほどその心配はないでしょう。今すでに何かに打ち込んでいるなら、その夢中になれるものに全力を注ぐのも、豊かな生き方の一つです。もちろん子育てを経験する人生も素晴らしいですが、何かしら達成感を得られることがあるなら、存分に充実した毎日を過ごせるでしょう。

夫婦だけの生活に幸せを感じる人

DINKsは子どもがいない分、夫婦二人で過ごす時間は非常に長くなります。そのため仮に、子どもと接するのも息抜きに感じるような場合は、あまりDINKsには適していないでしょう。一方で、例えば「いつまでも恋人のような関係でいたい」「夫婦同士の好きなものが同じで、二人でいるのが楽しい」などの場合なら、DINKsのライフスタイルは向いているといえます。

お互い子どもや子育てに強い関心がない人

夫婦のどちらもともに、例えば子どもが苦手だったり育児より優先したいことがあったりする場合には、DINKsが向いています。夫婦の価値観として、同じように子育てに強い関心やこだわりがないのであれば、DINKsを選んでも将来的に後悔する可能性は低くなりやすいでしょう。反対に、どちらか一方が少しでも子育てをしたい気持ちがあるなら、夫婦で十分に検討する必要があります。

DINKsを選択して後悔しないためのポイント

DINKsを選んで後悔しないために夫婦で事前にポイントを確認しましょう
DINKsを選んで後悔しないために夫婦で事前にポイントを確認しましょう

DINKsの生活を続けていくうえで、夫婦の暮らしを後悔なく満喫するために、心がけておきたいポイントを解説していきます。

夫婦のコミュニケーションを大切にする

夫婦二人だけで過ごす時間が長くなるからこそ、きちんとコミュニケーションを取りながら絆を深めていくことも大切です。子どもがいる夫婦の場合、親同士で協力しなければならないシーンも多くなり、自然とお互いの関係性が強くなっていくケースも多々見られます。一方でDINKsの場合、子どもがいない分、それぞれ独立的になりやすい一面も。そうなるとお互いに関心が薄れてしまい、だんだんと夫婦関係に溝ができてしまうパターンもあります。
存分に夫婦だけの時間を楽しめるのがDINKsの魅力でもあり、普段からこまめなコミュニケーションを意識して、二人の仲を深めることで充実の毎日も過ごしやすくなるでしょう。

お互いの価値観を大切にする

DINKsの場合は、それぞれ仕事や趣味などに打ち込んでいるケースも多く見られます。もし個々でやりたいことがあるなら、その価値観を尊重し合うのも大切です。お互いのやりたいことに理解がないと、共同生活が成り立たないケースも。場合によっては、うまく分担できずに家事が溜まったり、片方だけに負担が偏ったりするなどの可能性も考えられます。また個々でやりたいことに集中していると、夫婦の時間が十分に確保できないパターンも。
忙しいなかでも、夫婦ならではの共同生活を続けていくには、それぞれが心地よく過ごすための工夫も必要です。なかなか時間が取れないようであれば、例えば時短家電や家事代行を利用したり、平日は別々に過ごして週末婚でコミュニケーションを取ったりなど。子どもがいない分、柔軟なライフスタイルにしやすい利点をうまく活用して、DINKsの生活を満喫できるようにするのがベストです。

家計について話し合う

子どもの養育コストがかからない分、家計に対する意識が向きにくい一面もあり、思ったよりも経済的な余裕がないケースも少なくありません。夫婦それぞれで自由に収入を使えてしまう分、浪費がしやすい部分もあるでしょう。もちろん夫婦が思うようにお金を使って楽しむのもいいことですが、あまりに計画性がないと「老後の資金が足りない」などの事態に陥ってしまうリスクもあります。例えば、毎月どれくらい貯金に回すのか、生活費はどちらがどう負担するかなど、家計がうまく回るようにしっかりと相談しておきましょう。

将来のことを話し合う

DINKsに限ったことではありませんが、生涯のパートナーとして夫婦二人で今後を末永く過ごしていくためには、将来に向けて十分な話し合いをしておくことも重要です。なかでも、次のようなテーマに関しては、しっかりと相談しておくようにしましょう。

老後について

DINKsの場合、介護が必要になったり死別したりした際に、子どもと連携することができません。そのため自分たちでどこまでカバーするのか、老後の生活はあらかじめ十分に想定しておく必要があります。場合によっては、自分たちの力だけでは対応しきれないケースも。やむを得ない事態に陥った時に、頼れる人や支援制度なども検討しておきましょう。
ゆくゆくは老人ホームなどのサービスを利用したり、高齢者住宅やシニア向けの物件に住み替えたりするのであれば、その備えとしての資金も用意しておかなければなりません。こうした老後の見通しもしておかないと、生活に苦しんだり思わぬトラブルに巻き込まれたりする可能性もあるので、きちんと定期的な話し合いをしておくことをおすすめします。

相続について

子持ち夫婦の場合、もしパートナーが亡くなってしまったら、法定相続人は配偶者(5割)と子ども(残り5割)として遺産が分配されます。一方で子どものいない夫婦の場合、配偶者に加えて、直系の親や兄弟姉妹も法定相続人となります。法定どおりだとDINKsの場合、配偶者だけが相続人になるわけではないため要注意。事前に相続方法を決めておかないと、遺産の分配方法で揉めるなどのトラブルになりかねません。
もし希望する相続方法があるなら、あらかじめ遺言書で分配に関して示すなど、念のための備えをしておく必要があります。親族間の関係性を維持する意味でも、遺産相続の方法は、なるべく生前のうちに明確にしておきましょう。

子どもが欲しいと思った時の想定をしておく

前述にもあるように、夫婦生活を続けるなかで、子どもを持ちたいとの考えに至る可能性もあります。自分または相手の片方だけ子どもが欲しくなったり、もしくは双方ともに意見が一致したりするケースも考えられるでしょう。こうしたパターンを想定しながら、子どもを持ちたいと感じた時にはどうすべきなのか、あらかじめ相談しておくのが無難。
いざ子どもが欲しいと思ってから話し合いをしはじめると、「約束が違う」などのように価値観のすり合わせがうまくできず、場合によってはお別れする結果にもなりかねません。時間の流れとともにお互いの心情が変わることもある事実を受け入れたうえで、そうした事態に直面したらどうすべきなのか、しっかりと話し合いをしておきましょう。

DINKsにおすすめの物件とは?

DINKs夫婦の場合は、子ども用のスペースを確保する必要がない分、より柔軟に住居を選びやすい一面があります。そうしたなかでも、特にDINKsの住まいに適した物件として、どのようなタイプがあるのか詳しく見ていきましょう。

6 DINKsにおすすめの物件とは?
回答サンプル数:31

実際のDINKsのみなさんからアンケートを取った結果、住んでいる物件としては、「マンション」との回答が半数以上を占めました。

DINKsとして自由な生活が送りやすい物件を選ぶ際、まず注目しておきたいポイントは広さです。基本的には夫婦二人が暮らす想定のため、子育て世帯に比べて、さほど大きな面積はなくても事足りるのが一般的でしょう。

ちなみに国土交通省が発表する「住生活基本計画における居住面積水準」によれば、二人世帯で快適に暮らせる広さの基準は、30平米としています。さらに余裕を持たせることを考えるなら、都市型マンションであれば、55平米ほどの広さが理想ともされています。

こうした背景もあり、現在はDINKsにおすすめの住居として、30~60平米の「コンパクトマンション」と呼ばれる物件も出てきています。なお資金面でいえば、40平米以上の新築物件かつ年間所得1,000万円以下の世帯なら、住宅ローン控除の対象となる可能性もあります。

ここまでに出てきたポイントを総合すると、心地よい面積と住宅ローン控除の双方を考慮するなら、40平米を目安とした物件選びをするのがおすすめです。

DINKsが暮らしやすい間取り

DINKsが暮らしやすい間取り
回答サンプル数:36

DINKsの夫婦が住む間取りとして一番多かったのは「3DK~3LDK」で、次いで「2DK~2LDK」と「1DK~1LDK」がほぼ似たような割合となりました。

「3DK~3LDK」なら、二人の共有スペース+個室3つの間取りとなります。部屋が多い分、各スペースの柔軟な使い方がしやすく、比較的ゆとりのある住まいにしたい場合におすすめです。なお「2DK~2LDK」なら、二人の共有スペース+個室2つの間取りのため、シンプルに夫婦のリビングと個々の部屋として使いたい場合にぴったり。また「1DK~1LDK」だと、二人の共有スペース+個室1つなので少し狭いかもしれませんが、リビング+二人の寝室として生活空間を分けられます。双方の荷物が少ないなどのケースでは、「1DK~1LDK」でも十分な広さでしょう。

ではここからは、もう少し詳しく、それぞれの間取りにおける住みやすさをご紹介。以下からは、3LDK・2LDK・1LDKの間取りに分けて解説していきます。

3LDKの暮らし

前述にもあるように3LDKでは、リビングダイニング以外に、3つの部屋を使うことができます。ちなみに部屋割としては、次のような例が挙げられます。

  • リビングダイニング+夫婦それぞれの個室・寝室+フリールーム
    (フリールーム例)コレクションなどの収納、趣味・仕事の作業スペース 他

  • リビングダイニング+夫婦それぞれの個室+主寝室
    (個室例)個々のワークスペース、趣味部屋 他

上記のように、夫婦それぞれの個室を設けても1部屋余るため、将来的に子どもが欲しくなった時にも使いやすいメリットがあります。3LDKであれば、間取りにかなり余裕があるので、例えば「夫婦のどちらも荷物が多い」「寝室と他のスペースで分けたい」などの場合におすすめです。

2LDKの暮らし

【テレワーク】 マンションリノベーション事例「普段はそれぞれの個室で仕事に集中。眺め最高の共有スペースでリフレッシュ!」
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2LDKでは、先ほども出てきたように夫婦の個室も二人の共有スペースも、どちらも確保しやすいのが利点です。なお部屋割の具体例としては、次のようなものがあります。

  • リビングダイニング+夫婦それぞれの寝室・個室

  • リビングダイニング+フリールーム+夫婦共有の主寝室
    (フリールーム例)ワークスペース、収納、趣味部屋、書斎 他
マンションリノベーション事例「バーカウンターとライブラリーを実現!趣味人夫妻の住まい」
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もしお互いに独立した空間が必要であれば、2部屋をそれぞれの個室も寝室も兼ねた部屋割がベスト。もしくは例えば夫婦のいずれかが在宅仕事だったり、趣味のコレクションが多かったりするなどの場合には、1部屋をフリールームにする方法もあります。いずれにしても、さほどの広さはなくても、少なくともお互いに別々の時間が過ごせる空間は欲しい時におすすめです。

1LDKの暮らし

【59㎡】マンションリノベーション事例「シンプルな白い空間で明るさと広がりを実現」【DINKS】
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1LDKでは、ここまでの間取りに比べると部屋数が少なく、シンプルに「リビングダイニング+夫婦の主寝室」として使うのが定番です。例えば似たような生活リズムだったり、できるだけ夫婦揃って行動したりしたい場合などには、1LDKもおすすめできます。なお1LDKの物件であれば、広さがない分、他の間取りに比べて価格が抑えやすいのも大きなメリットです。できるだけコスト面を重視したい時には、1LDKの物件も視野に入れながら検討してみるとよいでしょう。

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DINKsにおすすめの条件

DINKsのようなライフスタイルにおすすめできる物件の条件としては、次のような例が挙げられます。ぜひ、より快適な住まい選びの参考にしてみてください。

  • 交通利便性がよく駅から近い
  • 周辺エリアの治安がいい
  • 常時ゴミ出しができる
  • 商業施設が充実した立地
  • 高層階

例えば交通利便性や商業施設の充実度などは、夫婦ともに仕事が忙しい場合に、通勤や日々の買い物・食事の便利さを考えるとおすすめできる条件です。ゴミ出しも、時間に関係なく出せる物件のほうが、家事負担の軽減にもつながるでしょう。さらに帰りが遅くなることが多いなら、周辺エリアの治安にも注目しておくとベスト。また安全面などの関係から、小さな子どもがいると高い階数は選びづらい部分もありますが、大人だけの住まいなら高層階も選択しやすくなります。見晴らしや防犯などの意味で、高層階を選ぶのもよいでしょう。

DINKsにおすすめの設備

DINKsの場合、仕事などで家を空けたり忙しくなったりしやすいことを考えると、次のような設備もあると便利に生活しやすくなります。

浴室乾燥機・室内物干しユニット

浴室乾燥機や室内物干しユニットのある物件なら、天気を気にせずにいつでも洗濯ができ、家事効率アップにつながるメリットがあります。忙しい合間で洗濯を済ませたい場合にも、浴室乾燥機や室内物干しユニットが便利に活用できます。

パントリー

パントリーとは、元々は配膳室や食料庫などを意味する言葉で、一般的にはキッチンに近接した収納スペースを指します。食材や日用品のストック置き場として活用できるため、なるべく買い溜めをして家事の負担を抑えたい場合におすすめ。例えば、休日などを使ってまとめて家事を済ませたいDINKsなどにとっても、便利に使いやすいスペースです。

ディスポーザー

ディスポーザーとは、キッチンのシンクで、簡単に生ごみを粉砕処理できるシステムです。排水溝に生ごみと水を流すだけで、そのまま下水に処理できる特徴があります。いやなニオイや虫などの対策を考えると、何かと処理するのがわずらわしいですが、ディスポーザーがあれば手軽に生ごみを捨てることが可能。忙しいなかで、なるべく家事負担を抑えたいDINKsにもおすすめです。

宅配ボックス

宅配ボックスがあれば、不在時でも荷物の受け取りができるため、家を空けることが多いDINKsには特におすすめです。再配達などの手間もなく、日時を気にせず宅配を依頼しやすいので、オンラインショップなどをよく利用する際にも便利でしょう。

まとめ

DINKsは、おもに子どもを持たない生活を自主的に選択している夫婦を指し、近年、価値観が多様化するなかで注目されはじめている人生観です。比較的新しい考え方でもあり、親族や知人・友人からの世間体が気になるなどの一面もありますが、あえて子どもを持たないことで金銭面や時間的な余裕が作りやすく自由な生き方がしやすい魅力もあります。また夫婦二人だけの住まいだからこそ、デザイン性や利便性など、さまざまな部分にこだわった住まい選びがしやすいのも特徴です。夫婦としてのスタイルに悩んでいる際には、DINKsの選択肢も視野に入れつつ、どのような家庭を築きたいのか検討してみましょう。

■アンケート概要
DINKs(共働きで意識的に子どもをもたない選択をした夫婦)の方に質問です。
①DINKsを選択した理由を教えてください。
②DINKsを選んで後悔したことを教えてください。
③現在、お住いの住宅タイプと間取りを教えてください。
調査方法:インターネットリサーチ
回答サンプル数:38人
対象:10代~80代男女(全国)
調査時期:2024年10月

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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