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宅配ボックスの使い方やメリット、自分で設置する際の注意点を解説

住まいに関する設備の中でも宅配ボックスは年々需要が増えています
みなさんは物件を探す際、どのような設備を重視して部屋探しをしていますか?人気の設備として常に上位にランキングされる宅配ボックスは、コロナ禍によりさらに注目が集まっています。最近では、宅配ボックスを完備しているマンションやアパートも増えてきました。最近では、個人で購入して玄関先に設置できるものなどもあります。宅配ボックスが設置されていると具体的にどんなメリットがあるのか、種類別の特徴とあわせて見ていきましょう!

宅配ボックスとは?

宅配ボックスは宅配便などで届いた荷物を、配達員と対面せずにロッカーの中に入れてもらうことで受け取れるアイテムです。不在時にも再配達を依頼せずにすむだけでなく、在宅していても忙しくて出られない、対面したくない際に利用できます。暗証番号等を利用することで、マンションやアパートなどの集合住宅でも自分以外は荷物を取り出せません。

【アンケート】7割が「宅配ボックスは欲しい」と回答

では、実際にお部屋探しをする際に「宅配ボックス」はどれくらい重要視されているのでしょうか。

アットホームが一人暮らしをしている18歳~29歳の学生・社会人、計2,072人にアンケートをおこない「次に部屋探しをする際、宅配ボックスは欲しいか」を聞いたところ、学生・社会人共に7割の方が宅配ボックスは欲しいと回答しました。

出典:アットホームアンケート調査「UNDER30 2021賃貸編

宅配ボックスのメリット

留守中でも荷物が受け取れる

宅配ボックスの一番のメリットは、荷物が届くからといって、家で配達員を待つ必要がないことです。宅配ボックスがない場合、荷物の届く時間に合わせて家に帰らなければならないなど、予定を調整しなくてはいけません。しかし、宅配ボックスさえあれば、時間を指定せずに届けてもらうことが可能です。
また、コロナ禍もあり、なるべく人と接したくないという人もいるでしょう。あるいは部屋着やノーメイクで人前に出たくないときでも、対面で受け取らなくてもよい宅配ボックスがあると便利です。

再配達依頼をかけなくてよい

コロナ禍によるオンラインショッピングの利用増加にともない、宅配会社の配達員の労働環境の悪化が社会問題になっています。再配達の用紙を見て「何度も来てもらうのは悪いな」と感じる人も少なくないのでは。
また、再配達の際に時間指定をしても数分の差で間に合わず再々配達となってしまった……。なんて経験をした人もいらっしゃると思います。
しかし、宅配ボックスがあれば荷物の受け渡しは宅配ボックスを事前に指定することも可能なため、再配達依頼をする必要がなくなります(宅配ボックスがすべて使用済みの場合を除く)。

クリーニングの受け取りにも利用できる

宅配ボックスの利用方法といえば配達物等の受け取りが主な用途ですが、実はそれ以外に宅配クリーニングの受け取りにも利用可能です。集荷・配達をおこなっているクリーニング店であれば宅配ボックスで受け取りが可能です。平日に受け取りに行くことがなかなかできず、「明日着ていくワイシャツがない!」、「明日から衣替えなのに制服を取りに行くのを忘れた」なんてこともないため、一人暮らしや共働きファミリーも安心です。

防犯対策にもなる

近年、宅配会社の配達員を装った犯罪が増えてきているといいます。とくに女性や高齢者の一人暮らしは心配になりますよね。しかし、注文時に届け先を宅配ボックスに指定しておけば、そのようなトラブルに巻き込まれる心配もありません。

宅配ボックスの種類と使い方

宅配ボックスはいくつかのタイプに分かれており、それぞれ使い方が異なります。ここからは、宅配ボックスのタイプ別に使い方をご紹介していきます。

機械式(ダイヤル式)

機械式の宅配ボックスは、ボックスの扉にダイヤル式の鍵が埋め込まれているタイプです。据え置き型のものが多く、玄関や庭先などに設置します。事前に設定した暗証番号で開けることが可能です。

機械式(ダイヤル式)宅配ボックスの使い方

機械式(ダイヤル式)の宅配ボックスは、配達したものを宅配ボックスに入れたら、宅配会社の配達員が任意に設定した暗証番号で施錠するタイプです。具体的な使い方は以下のような流れです。

  1. 配達員が宅配ボックスに荷物を入れる
  2. 配達員が暗証番号を設定し、施錠する
  3. 配達員が、ボックスの番号と暗証番号を不在票に記載しポストに投函する
  4. ポストから不在票を受け取り、記載された番号のボックスを解錠し荷物を受け取る

電気式のタイプに比べると、停電時にも使えることや、鍵や暗証番号を覚えておく必要がないので簡単に使えることがメリットです。なお、配達員が暗証番号を間違ってしまったり、不在票を紛失してしまうと取り出すことができないため、注意が必要です。

電気式

電気式の宅配ボックスは、タッチパネルを利用して配達員が施錠し、部屋ごとに事前に決められた暗証番号・カードキー・非接触キーなどで開けるタイプのものです。

電気式宅配ボックスの使い方

電気式宅配ボックスは、以下のような手順で使用します。

  1. 配達員が宅配ボックスに荷物を入れる
  2. 配達員がタッチパネルや音声ガイドに従い施錠する
  3. 配達員が、ボックスの番号を不在票に記載しポストに投函する
  4. ポストから不在票を受け取り、記載された番号のボックスを解錠し荷物を受け取る

電気式の優れた点は、操作履歴が残ること。いつ扉を開閉されたのか、後からでもすべてわかるため防犯・セキュリティ面においてもとても安心です。ただし、停電時には使えない可能性がある点を理解しておきましょう。

マンションの宅配ボックスの大きさは大きく分けて3種類

一般社団法人 リビングアメニティ協会によると、宅配ボックスの大きさは以下の3種類に分類されることが多いようです。

宅配ボックスS・M・Lのおおよそのサイズ(出典: 一般社団法人 リビングアメニティ協会

マンション等に設備される一般的な宅配ボックスはS・M・Lの3サイズ。Sサイズは標準的なサイズの箱なら、宅配便の100サイズくらいであればすっきりと受け取れます。Mサイズで140サイズ、Lサイズであればゴルフのキャディバッグ程度の大きさのものも入ります。

宅配ボックスで受け取れないもの

お中元やお歳暮などの贈りものが多い時期も宅配ボックスがあると便利ですね

便利な宅配ボックスですが、すべての荷物に対応しているわけではありません。直接手渡さなければいけない郵便物など、受け取りに利用できないものもあります。

代引きや着払いの荷物

代引きや着払いの荷物は、お金を支払わないと受け取れません。そのため、必然的に宅配ボックスでの受け取りはNGです。

冷凍・冷蔵が必要な荷物

生鮮品など宅配ボックスに入れると傷んでしまう食料品は、常温発送が可能なものではない限り宅配ボックスでは受け取ることはできません。

現金書留や配達証明で発送された荷物

現金書留や配達証明された郵便物は、直接の手渡しが義務付けられています。そのため、ポストや宅配ボックスで受け取ることはできません。

受取通知または保険付の国際郵便物や税付郵便物

海外から発送されていて受取通知が必要なもの、あるいは関税がかかるものは、宅配ボックスでは受け取れませんので注意しましょう。

宅配ボックスがない場合、個人で設置していい?

宅配ボックスがない場合、自分で設置してもいいのでしょうか。また、設置できるものにはどのようなタイプがあるのか、詳しく説明していきます。

集合住宅(マンション・アパート)の場合

もし、自分が住んでいるマンション・アパートに宅配ボックスがない場合、自分で購入して設置しても大丈夫か悩むかもしれません。最近はオンラインショッピングなどでも配達方法で「置き配」を選べるようになってきたため、集合住宅で部屋の前などに折りたたみ式の宅配ボックスを設置している人も多く見られます。
ただし、マンション・アパートの廊下は共用部分です。宅配ボックスの大きさや設置場所によっては他の住人の迷惑になる可能性もあります。そのため、設置する前には必ず不動産会社や管理会社、大家さんに相談しましょう。

一戸建ての場合

一戸建ての場合は、共用部分などを気にせず宅配ボックスを設置できます。現在、市場に流通している宅配ボックスは大きく「折りたたみ式の簡易タイプ」「工事不要の設置タイプ」「住宅壁に埋め込むタイプ」の3種類に分けられます。

  • 折りたたみ式の簡易タイプ
    メリットは、持ち運びが楽で安価なこと。普段は家にいることが多く、旅行などで出かける場合のみ使いたい人などは、必要なときだけ設置しておけばよいので玄関先をすっきりと保てます。一方、デメリットはセキュリティが高くないこと。ワイヤーなどでロックはできますが、簡易なため防犯のリスクがあります。また、普段設置されていない宅配ボックスが外にあることが留守の目印になってしまうこともあり、一長一短といえるでしょう。

  • 工事不要の設置タイプ
    メリットは、簡易のタイプに比べセキュリティも高いうえ、工事せずに後付けができること。アンカー用の穴があって固定できますし、固定せず床に置いておくだけでも利用可能です。雨風に強い素材で作られているものが多く、常時外に置いておいても心配ありません。すっきりとしたデザインでサイズ展開も多様なため、好みのものを選べます。

  • 住宅の壁に埋め込むタイプ
    メリットは、セキュリティも高いうえ、家の中から荷物が受け取れるので、雨の日などにも便利です。玄関横の壁などに宅配ボックスを埋め込まなければならないため、すでにお住まいの戸建住宅に設置するには工事が必要です。安易に設置することができないため、リフォーム、リノベーションや建て替えをおこなう際に検討してみてもよいでしょう。

まとめ

マンション・アパートの人気設備のひとつである宅配ボックス。最近では安価な商品も販売されているので、個人でも購入できますが、最初から宅配ボックスが設置されている物件を選んだほうが、防犯上も安心でしょう。もし個人でマンションやアパートに設置する場合は、他の住民の邪魔にならないよう配慮すると共に、必ず管理会社や大家さんに事前の許可を取るようにしましょう。

なお、郵便局から届く荷物にも宅配ボックスを利用した置き配に指定したい場合は、住んでいるエリアの配達郵便局に「指定場所配達に関する依頼書」を届け出ないと対応してくれません。意外と知らない人が多いので、希望する際には忘れず手続きしましょう。

また、不動産情報サイト アットホームでは、「宅配ボックス」をはじめとするさまざまな設備をこだわり条件で選択できます。お部屋探す際に、ぜひご利用ください!

執筆者

小西尋子

京都ライター事務所

京都市内を拠点にフリーランスの編集ライターとして活動。大学卒業後、出版・広告業界に20年以上携わる。間取りを見ながら引越しを妄想するのが趣味。レトロ物件好きで、取り壊しのために2度の立ち退き経験あり。宅建士の資格取得に向けて勉強中。

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