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住宅ローンの引き落としができなかったらどうする?残高不足時の対処法を紹介

残高不足で住宅ローンの引き落としができなかった時の対処法を紹介します
「住宅ローンの引き落としが残高不足でできなかった時はどうしたらいい?」「住宅ローンの返済を滞納するとどうなるの?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では残高不足で住宅ローンの引き落としができなかった時の対処法や、滞納しないための予防策を紹介します。
うっかり住宅ローンを延滞してしまったことがある方はぜひ参考にしてください。

住宅ローンの引き落としが残高不足で遅れてしまった時の対応

住宅ローンの引き落としができなかった場合は迅速な対応が必要です

住宅ローンの引き落としが残高不足で遅れてしまった経験がある方もいるかもしれません。万が一残高不足で引き落としができかった場合は、迅速かつ誠実な対応が必要です。まずは住宅ローンの引き落としができなかった場合の対応方法を紹介します。

  • STEP 1借入先の金融機関に連絡する
  • STEP 2資金を返済口座に入金する

借入先の金融機関に連絡する

残高不足で引き落としができなかったことに気付いたら、早めに住宅ローン借入先の金融機関に連絡を入れましょう。金融機関の信頼を失わないためにも、すぐ支払う意思があることを明確に伝えることが大切です。その後の対応は金融機関によりますが、基本的には再引き落としされるか、金融機関指定の口座への振込をおこなう必要があるでしょう。

資金を返済口座に入金する

連絡が済んだら、金融機関の指示に従い、返済口座へ資金を入金しましょう。引き落としが約定返済日に間に合わない場合、遅延損害金が発生します。約定返済日とは金銭消費貸借契約証書で定められている返済日のことです。遅延損害金の年利は金融機関によって異なりますが、引き落とされるはずだった元金に対して年利14%ほどで日割り計算するケースが多いです。

住宅ローンが残高不足で引き落としできなかったらブラックリスト入り?

引き落としが遅れたらブラックリストに載ってしまうのでしょうか

「住宅ローンの引き落としが遅れたら、ブラックリストに入ってしまうのでは?」と不安に思う方もいるでしょう。
ここからは住宅ローンの滞納によるブラックリスト入りについて解説します。

数日の滞納ではブラックリストに載る可能性は低い

結論、1回残高不足で数日住宅ローンを滞納してしまっただけでは、ブラックリストに入ることはほとんどありません。
一般的には61日以上の延滞、もしくは3回以上の滞納で個人信用情報に事故情報が記録されます。
ただし数日の滞納を繰り返してしまうとブラックリストに載る可能性があるため、入金を失念しないよう厳重に注意しましょう。

ブラックリスト入りした場合の影響

数日でも住宅ローンの滞納を繰り返す、もしくは61日以上滞納が続いた場合は個人信用情報に事故情報が登録されてしまいます。
万が一ブラックリスト入りした場合は、今後の生活に以下のような影響があるでしょう。

  • 新たな借り入れができない
  • クレジットカードを作成できない

一度ブラックリストに載ってしまうと5年間は情報が残ってしまうため、うっかり残高不足にならないよう十分気を付ける必要があります。

住宅ローンを滞納するとどうなる?

住宅ローンを長期間滞納し続けると家を手放すことになるかもしれません

住宅ローンを滞納し続けると残高の一括返済請求をされ、最終的には住宅が競売にかけられてしまいます。滞納から1年ほどで自分の家を失い、ローンも返済し続けることになります。最悪の事態を避けるためにも、住宅ローンの滞納は迅速な対応が必要です。ここからは住宅ローンを滞納し続けたあとの流れを解説します。

滞納して1カ月~2カ月

滞納から1カ月経過すると、金融機関からハガキなどで引き落としができなかった旨の督促状が届きます。
金融機関から督促の電話連絡が入るケースもあるでしょう。
滞納してしまった場合は、返済金額の元金に遅延損害金を上乗せして支払う必要があります。
遅延損害金は日割り計算で加算されるので、無駄なお金を支払わないためにも、なるべく早めに対応することが大切です。

滞納から2カ月~3カ月

滞納から2カ月を経過すると、個人信用情報に金融事故情報が登録され、いわゆるブラックリスト入りしてしまいます。金融機関からは封書にて催告書が届きます。催告書には今後も滞納が続く場合、ローンの残高を一括で返済する必要がある旨が記載されています。
本来、住宅ローンには期限の利益があるため長期間分割での支払いが可能です。しかし滞納が続くと期限の利益を喪失するため、ローン残高の一括返済が必要です。

滞納から6カ月以降

滞納から6カ月が経過すると、住宅ローンの期限の利益を喪失します。今までのように分割で支払うことはできなくなるため、金融機関からローン残高を一括請求するよう求められます。毎月の返済を滞納していた場合は、金融機関の一括請求に応じることも難しいでしょう。
契約者が返済できない場合は、保証会社がローンの返済を肩代わりする代位弁済を実施します。保証会社から代位弁済通知書が届いたら、契約者は保証会社にローン残高と遅延損害金を一括で返済しなくてはいけません。
代位弁済通知書も無視を続けた場合は、裁判所から競売開始決定通知が届き、住宅が競売にかけられます。落札者が決まると強制的に退去させられるため、物件に住み続けることはできなくなります。

住宅ローンの返済が難しい時の対処法

住宅ローンの返済が難しくなってしまったらどうするべきなのでしょうか

住宅ローンは長期的に返済を続けるものであり、さまざまな理由により途中で返済が難しくなることもあるかもしれません。ここからは、住宅ローンの返済が難しい時の対処法を紹介します。

家計を見直す

住宅ローンの返済が厳しいと感じたら、まず家計を見直して収入と支出のバランスを整えましょう。
特に固定費で節約できる部分がないか考えることが大切です。
電力・ガス会社を切り替えたり、携帯電話の料金プランを変更したりするのがおすすめです。
固定費を見直すことで大きな節約につながり、住宅ローンの返済が楽になる可能性があります。

金融機関に相談する

病気やケガで働けず、一時的に収入が途絶えるなどで返済が難しくなるケースもあるでしょう。その場合は早めに金融機関に相談し、返済計画を見直すことが大切です。金融機関に相談すれば、一時的に返済方法を変更して毎月の負担を減らしてもらえる可能性があります。返済方法を変更した場合、毎月の負担が減るかわりに総返済額が大きくなる可能性には注意が必要です。

住宅ローンの借り換えを検討する

契約中の住宅ローンの金利が今よりも高い場合は、低金利の住宅ローンに借り換える選択肢もあります。
一般的には以下の3つの条件を満たす場合、借り換えのメリットがあるといわれています。

  • 残りの返済期間が10年以上
  • 住宅ローン残高が1,000万円以上
  • 借り換え後の金利差が年1%以上

ただし住宅ローンの借り換えには事務手数料などの諸費用もかかります。
借り換えのコストを考慮したうえで、メリットがあるか慎重に検討することが大切です。

任意売却をおこなう

返済が難しく今後も見通しが立たない場合は、競売にかけられる前に住宅の任意売却をおこなうことも視野に入れましょう。任意売却とは、住宅ローンの返済ができない場合に金融機関の了承を得てローン残高のある不動産を売却することです。
任意売却をおこなえば、競売での売値よりも高い金額で物件を売却できる可能性が高くなります。任意売却の手続きは、期限の利益を喪失してから競売の落札者が決定する前までにおこなう必要があります。落札者決定後は任意売却ができないので、住宅ローン返済が難しくなった場合は早めに任意売却を検討しましょう。

住宅ローン引き落としの残高不足を防ぐ方法

残高不足を防いで住宅ローンを滞りなく返済しましょう

住宅ローンの滞納を繰り返すとブラックリスト入りしてしまうリスクもあるため、できる限り引き落としの残高不足は避けたいものです。ここからは、住宅ローン引き落としの残高不足を防ぐ方法を紹介します。

給与振込と返済の口座を同一にする

給料など収入が入ってくる口座と住宅ローンの返済口座を同じにしておくと、引き落としの残高不足を防げるでしょう。住宅ローンの返済口座を分けている場合、常に口座の残高を管理する必要があります。返済口座を給与振込口座と同じにしておけば、毎月自動で入金があるため、引き落としの残高不足になる可能性を軽減できます。

振込予約や自動送金サービスを活用する

住宅ローンの返済口座が変更できない場合や、どうしても個別に管理したい場合は、振込予約や自動送金サービスを活用しましょう。毎月手動で入金するよりも手間が省けて、より確実に口座の残高不足を防げます。金融機関によって提供されているサービスが異なるので、残高不足対策ができる機能やサービスがあるかチェックしてみましょう。

あらかじめ多めに入金しておく

資金に余裕がある方は、住宅ローンの返済口座へ多めに入金しておくことをおすすめします。余裕を持って入金しておけば、うっかり毎月の入金を失念しても残高不足にならずに済みます。資金状況にもよりますが、少なくとも1~2カ月分の返済額を入金しておけば安心できるでしょう。

住宅ローン引き落としの残高不足はすぐに金融機関へ相談しよう

住宅ローン引き落としが残高不足でできなかった場合は、すぐに金融機関に連絡して支払う意思があることを伝えましょう。住宅ローンの滞納を繰り返したり、長期化したりすると、ブラックリストに載って新しいローンやクレジットカードが契約できなくなります。6カ月以上滞納すると期限の利益を喪失し、住宅が競売にかけられて強制退去になる可能性もあります。

購入した住宅を失うリスクもあるため、住宅ローンの残高不足には十分注意しましょう。万が一長期的に住宅ローンの返済が難しくなった場合は、金融機関への相談が大切です。また、うっかり入金を忘れるのを防ぐためにも、この記事で紹介した残高不足を防ぐ対策を検討してみてください。

民辻伸也

執筆者

民辻伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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