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任意整理後に住宅ローンは組める?申し込みにおすすめの時期と審査ポイントを解説

任意整理後に住宅ローンは組めるのでしょうか
「任意整理後に住宅ローンを組める?」「任意整理が審査に影響する可能性は?」
借金の返済負担を減らす任意整理をおこなった後に住宅ローンを組む予定の方は、審査への影響を気にしているのではないでしょうか。

そこで本記事では、任意整理後に住宅ローンを組めるかを解説します。審査でチェックされるポイントや通過のコツも紹介します。記事を読めば、任意整理後に問題なく住宅ローンの審査に通過するポイントをつかめるでしょう。

任意整理後に住宅ローンに申し込むことは可能?

任意整理後に住宅ローンに申し込むことは可能なのでしょうか
任意整理後に住宅ローンに申し込むことは可能なのでしょうか

任意整理や個人再生などの債務整理をおこなったあとに、住宅ローンを組めるか疑問を持つ方も多いでしょう。債務整理のなかでも特に利用者数が多いと推定される任意整理をおこなったあとに、住宅ローンを組めるかを解説します。

住宅ローンへの申し込みは可能

任意整理後に住宅ローンに申し込むことはいつでも可能です。家が欲しいと思ったタイミングで申し込めるでしょう。ただし、申し込み条件を満たしていない場合は断られるため、まずは金融機関別の条件をチェックすることが大切です。三菱UFJ銀行によると、申し込み条件は以下のとおりです。


  • 18歳以上70歳未満で80歳までに完済できる
  • 団体信用生命保険の審査に通過している
  • 日本国籍、または永住権を取得している外国人

よい条件を提示している住宅ローンを見つけたら、まずは申し込み条件を確認しましょう。条件を満たしている場合は、すぐに申し込むことができますが、信用情報に債務整理の情報が登録されていると、審査に通過するのが難しくなる点には注意が必要です。

任意整理から5年後に申し込むことがおすすめ

任意整理後に住宅ローンに申し込む際は、手続き完了から5年後がおすすめです。

任意整理後すぐに住宅ローンに申し込むことは可能ですが、審査への通過は難しくなります。住宅ローンに限らず、借り入れの際には債務整理の情報が登録される信用情報がチェックされるからです。

債務整理は借金の返済が難しくなった人がおこなう手続きです。信用情報に債務整理のことが登録されていると、返済能力が不安視されるため、審査に通過しにくくなります。

債務整理の情報は、契約期間中および契約終了後5年以内に削除されます。信用情報機関別の情報登録期間をまとめました。

信用情報機関 情報登録期間
株式会社日本信用情報機構 契約継続中および契約終了後
5年以内
株式会社シー・アイ・シー 契約期間中および契約終了後
5年以内
一般社団法人全国銀行協会 契約期間中および契約終了後
から5年を超えない期間
(自己破産と個人再生は破産・民事再生手続き開始決定日から7年を超えない期間)

株式会社日本信用情報機構と株式会社CICの情報登録期間は、5年以内です。一般社団法人全国銀行協会の場合、任意整理は5年以内ですが、自己破産と個人再生は7年を超えない期間になっているため、手続き内容によって期間が異なると覚えておきましょう。

任意整理中に住宅ローンを組むことは難しい

任意整理中の場合は住宅ローンを組むことは難しいため、情報が削除されてから申し込むことがおすすめです。

任意整理の手続きを開始すると、信用情報に任意整理のことが登録されます。住宅ローンの審査に申し込むと任意整理の情報がチェックされるため、審査に通過する可能性が低くなります。

情報が削除された後、年収や借入希望額などに問題がなければ、問題なく審査に通過できるでしょう。

任意整理後の住宅ローンでチェックされる審査ポイント

任意整理後に住宅ローンの審査でチェックされる審査のポイントを紹介します
任意整理後に住宅ローンの審査でチェックされる審査のポイントを紹介します

任意整理後の住宅ローン審査では、さまざまな情報がチェックされます。どのようなポイントが確認されるかを把握しておけば、ローンに通るためのコツをつかめるでしょう。チェックされる項目は以下のとおりです。

  • 信用情報
  • 住宅ローン完済時の年齢
  • 申込者の健康状態

チェック項目別に、詳しく解説します。

信用情報

住宅ローンに限らず必ずチェックされ、審査に大きな影響を及ぼすのが信用情報です。

信用情報は債務整理の情報だけではなく、申込者に関するさまざまな情報が登録されます。例えば、クレジットカードの返済履歴やローンの延滞履歴などです。もし、延滞の情報が登録されていると、貸付後の返済が不安視されるため、審査に落ちやすくなるでしょう。

また、ローンへの申し込み件数も心証を悪くする可能性があります。信用情報にはローンへの申し込み履歴も6カ月登録されます。短い期間にも関わらずローンの申込件数が多いと、他の金融機関で問題ありとみなされたと判断され、審査に通りづらくなります。一度に多くの住宅ローンに申し込まず、期間を置いて1件ずつ申し込むことがおすすめです。

ローン完済時の年齢

ローン完済時の年齢も審査で重視されるため、申込時の年齢と返済期間を慎重に検討しましょう。住宅ローンは一般的には最長35年まで返済期間を選べます。金利の支払い負担が多くなるものの、月々の返済額が少なくなるので、余裕をもって完済を目指せるでしょう。

ただし、40代以上で35年の返済期間を選ぶ際には注意が必要です。金融機関では80歳までに完済することを申し込み条件としているところもあるため、申込時の年齢によっては35年の返済期間が選べません。

45歳以上で35年のローンに申し込むと断られる可能性が高まります。審査に通過するためにも、頭金を多めに用意したり、返済期間を短くしたりするなどの工夫が必要です。

申込者の健康状態

住宅ローン審査では申込者の健康状態もチェックされるため、不安がある方は金融機関に相談しておきましょう。

住宅ローンのなかには、団体信用生命保険への加入を申し込み条件としているところもあります。団体信用生命保険とは、加入者が死亡、または事故や病気によって高度の障害を負った際に、団体信用生命保険がローンの残りを代わりに支払うものです。団体信用生命保険に加入しておけば、遺された家族の負担を大幅に減らせます。

団体信用生命保険に加入する際は、自身の健康状態を伝えておかなければなりません。内容によっては加入ができず、住宅ローンの審査にも落ちてしまいます。

持病があって団体信用生命保険に加入できなかった、または健康状態に不安がある方は、ワイド団信への申し込みを検討しましょう。ワイド団信は、持病があっても加入できる可能性のある団体信用生命保険です。加入できれば住宅ローンの通過の可能性も上げられます。

任意整理後に住宅ローン審査に通過するコツ

任意整理後に住宅ローンの審査に通過するコツを紹介します
任意整理後に住宅ローンの審査に通過するコツを紹介します

任意整理後に住宅ローンに申し込むのなら、審査に通過するコツを覚えておきましょう。コツを把握した状態で申し込めば、住宅ローンを組む可能性を上げられます。

  • 任意整理の情報が削除されたかを確認する
  • 任意整理をしていない銀行を選ぶ
  • 借金をできるだけ減らしておく
  • 頭金を用意する
  • 配偶者とペアローンを組むことを検討する

それぞれのコツを詳しく解説します。

任意整理の情報が削除されたかを確認する

住宅ローンに申し込む前に、任意整理の情報が削除されたかを必ず確認しましょう。登録期間を覚えておらず、あいまいな状態で申し込むと、審査に落ちる可能性があります。

任意整理は、手続き後に借金がゼロになるわけではありません。お金を借りている金融機関に借金を減らしてもらうよう交渉し、手続き後は減額された残債を完済する必要があります。

完済から確実に5年以上が経過しているのであれば、情報は削除されていると考えられます。しかし、5年が経過しているかあいまいな状態なら、信用情報の開示請求をおこなうと安心です。

信用情報開示請求はインターネット・郵送・窓口のいずれかでおこなえます。株式会社日本信用情報機構の、インターネットでの開示請求の流れを見てみましょう。

  • STEP 1専用アプリ「スマホ開示」をインストール
  • STEP 2トップページで「信用情報を開示する」をタップ
  • STEP 3「クレジットカードと電話認証」か「本人確認書類2点」のどちらかを選択
  • STEP 4必要事項を入力
  • STEP 5手数料の支払い方法を選択
  • STEP 6アプリ、または郵送で開示情報を受け取る

情報が削除されていることを確認できれば、任意整理が審査に影響を及ぼす心配もありません。不安な方は、事前に開示請求をしておきましょう。

任意整理をしていない銀行を選ぶ

住宅ローンを選ぶ際、任意整理をした金融機関は選択肢から除外しましょう。

任意整理の情報は、信用情報であれば5年以内に削除されます。しかし、金融機関が独自に過去の履歴情報を保管している可能性もあり、審査に影響するかもしれません。

任意整理の情報が削除された状態で、取引のない金融機関を選べば、審査に通過する可能性を上げられます。

借金をできるだけ減らしておく

現在も返済中の借金があるなら、できるだけ減らしておくことが大切です。借金の額が多いと、毎月滞りなく返済してもらえるかを不安視されます。審査に通過しにくくなるため、借金を減らしてから申し込みましょう。

頭金を用意する

頭金を多めに用意しておけば、住宅ローンの借入額が少なくなるため、審査に通過しやすくなります。

頭金とは、住宅ローンの借り入れとは別に用意するまとまったお金です。ある程度の頭金を用意しておけば、住宅ローンの借入額を減らせるため、通過の可能性を上げられます。

頭金の金額に定めはありませんが、借入希望額の10〜20%が目安です。借入金額別の頭金の目安をまとめました。

借入希望額 頭金の目安
1,000万円 100~200万円
2,000万円 200~400万円
3,000万円 300~600万円
4,000万円 400~800万円
5,000万円 500~1,000万円

借入希望額にあわせて必ず用意する必要はありませんが、できるだけ多くの金額を用意することがおすすめです。頭金が多ければ借り入れ後の返済も楽に済むため、余裕をもって完済できるでしょう。

配偶者とペアローンを組むことを検討する

共働きの場合は、配偶者とペアローンを組むこともおすすめです。

ペアローンとは、夫婦それぞれが住宅ローンを契約するものです。借入希望額を分割すれば審査通過率を上げられるため、不安な方はペアローンも検討しましょう。

ペアローンはお互いがローンの連帯保証人になります。借入額に応じて住宅の持分も異なるため、それぞれが借り入れる額をよく話し合ったうえで決定しましょう。

任意整理後に住宅ローンを組む時の注意点

任意整理後に住宅ローンを組む時の注意点を紹介します
任意整理後に住宅ローンを組む時の注意点を紹介します

任意整理後に住宅ローンを組む時は、信用情報から情報が削除されたかを確認するだけではなく、ほかにも注意点があります。気を付けておきたいポイントは以下のとおりです。

  • 立て続けに住宅ローンの審査に申し込まない
  • 信用力の低さに注意する
  • 申し込み前に転職をしない

それぞれのポイントを解説しましょう。

立て続けに住宅ローンの審査に申し込まない

住宅ローンの審査に申し込んだことは信用情報にも登録され、6カ月ほど残ります。審査に落ちてからすぐにほかの金融機関に申し込むと、つい先日住宅ローンの審査に落ちた情報が見つかります。先に審査に落ちたことを不安視されれば、審査に落ちる可能性も高まるでしょう。

住宅ローンの審査に落ちてしまったら、すぐにほかの金融機関に申し込まず、6カ月の期間をあけて申し込むことがおすすめです。

信用力の低さに注意する

信用力にも注意が必要です。信用力とは、申込者のこれまでの経歴から、信用できる人物かを判断するための要素です。支払いや返済を滞りなくおこなっている人は信用力が高いため、通過の可能性を上げられます。

これまでに延滞した経歴がある方は、信用力を上げるために、今ある支払いを遅らせないよう気を付けましょう。信用力が高い状態で申し込めば、審査で問題視される点が少なくなります。

申し込み前に転職をしない

転職を考えるタイミングで住宅ローンの審査に申し込まないよう注意しましょう。

住宅ローンの審査項目には、勤続年数も含まれています。勤続年数が長いほど退職の可能性が低く、完済まで安定した収入を得られるとみなされます。転職したばかりのタイミングだと、収入が不安定になることを問題視され、審査に影響を及ぼすかもしれません。

転職を考えているなら、転職前に住宅ローンを契約するか、転職してから数年後に住宅ローンを組むのがおすすめです。

まとめ

任意整理後に住宅ローンを組むことは可能です。しかし、審査時にチェックされる信用情報には任意整理をした情報が登録されているため、審査落ちの可能性が高まります。

任意整理の情報は5年以内に削除されます。契約期間および契約期間終了から5年経過したころに、信用情報の開示請求をしてみましょう。自身の信用情報に任意整理のことが記載されていなければ、問題なく住宅ローンに申し込めます。

審査が不安な方は、通過するためのコツを参考にしましょう。コツを実践すれば住宅ローンの審査に通過しやすくなるため、念願のマイホームを手に入れられます。

民辻伸也

執筆者

民辻伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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