持ち家と賃貸どちらを選ぶべき?メリット・デメリットと費用、向いている人の特徴を比較
本記事では、持ち家か賃貸の最近トレンドや、持ち家と賃貸のメリット・デメリットを解説します。それぞれの費用の比較や向いている人の特徴も説明するので、どのような住まいを選ぶのがベストかを考える際の参考にしてください。
記事の目次
データで見る持ち家と賃貸の最新トレンド

はじめに、持ち家の人はどれくらいの割合なのか、総務省の「住宅・土地統計調査」の最新版である、2023年の調査結果をもとにご説明します。
2023年の全国の持ち家数は3,387万6千戸で、持ち家住宅率は60.9%でした。また、1993年から2023年までの30年間では、持ち家住宅率は横ばいで60%前後を推移しています。さらに、2023年の全国の賃貸住宅戸数は1,946万2千戸で、借家率は35.0%です。
全国の持ち家住宅率や借家率を見ると、持ち家の人が増えているわけではありません。しかし、都道府県の持ち家住宅率を見ると興味のある結果が出ています。特に持ち家住宅率の高い地域は秋田県、山形県、富山県で70%を超えています。
反対に持ち家住宅率の低い地域は東京都、福岡県、大阪府と大都市に集中しており、特に東京都は44.7%と50%を切っています。大都市は地方に比べ地価が高騰し、加えて建築材料費や人件費も高騰していることから、家を購入したくても費用面で難しい状況にあることが考えられます。一方で、大都市には高所得層も多く、あえて住宅を購入せず、ライフスタイルや仕事に合わせて住み替えができる賃貸住宅を選ぶ人も少なくないでしょう。
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 調査の結果」
持ち家のメリット

マイホームを購入してゆったり過ごしたいと考えている人も少なくありません。自分の所有物となる持ち家にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは持ち家のメリットを解説します。
資産として残る
持ち家は自分の資産となります。子や孫へ形のある資産として譲渡したり、売却して現金化したりすることが可能です。
自由にリフォームができる
持ち家は自由にリフォームできます。内装を自分の好みのものに変えられ、家族構成の変化やライフスタイルに合わせて間取りを自由に変えられます。また、必要になれば最新設備に取り換えることも可能です。
老後の住居費を抑えられる
持ち家を所有していれば、老後の住居費を抑えられます。家を購入する際は住宅ローンを組むため、返済期間は負担が増すかもしれません。しかし、住宅ローンを完済すれば住居費を抑えられるので、年金生活になる老後の負担を減らすことができるでしょう。
持ち家のデメリット

持ち家はメリットも多いですが、費用の負担や税金の納付などデメリットになる面もあります。ここでは持ち家のデメリットを解説します。
高額な初期費用がかかる
持ち家には高額は初期費用がかかります。家を購入する時には頭金や諸費用などまとまった費用が必要です。ただ、住宅ローンを組む際に頭金を入れると、その後の返済額を減らせる点は留意しておきましょう。
税金や維持費が負担になる
持ち家では税金や維持費の負担が発生します。土地や家屋などの固定資産を所有すると、固定資産税や都市計画税の納付が必要です。また、マンションを購入すれば管理費や修繕積立金の負担も増えます。さらに、持ち家は定期的にメンテナンスが必要になるため、その費用は負担になるかもしれません。
ライフスタイルの変化に対応しづらくなる
持ち家になると容易に引越しができないため、ライフスタイルの変化に対応しづらくなる点はデメリットになるでしょう。例えば転勤になった時、場合によっては単身赴任や売却が必要になるかもしれません。
賃貸のメリット

住む場所の選択肢が広がる賃貸ですが、賃貸ならではのメリット・デメリットがあります。ここでは賃貸のメリットを見ていきましょう。
住み替えの自由度が高い
賃貸のメリットは、住み替えの自由度が高い点です。ライフスタイルが変化した時も、その状況に合わせて自由に住まいを変えられます。例えば、家族が増えた時は間取りの多い部屋に住み替えができ、転勤になっても気軽に引越しができます。
初期費用・維持管理の負担が少ない
賃貸の場合、初期費用や維持管理にかかる費用は少なく済みます。初期費用には敷金、礼金、仲介手数料がありますが、持ち家に比べると負担は抑えられるでしょう。また、賃貸では設備に不具合が生じた時、修理費はオーナーの負担になるケースが多いため維持費を抑えられます。
固定資産税や都市計画税がかからない
賃貸の場合、持ち家でかかるような税金の負担はありません。固定資産税や都市計画税の納付は不要です。
賃貸のデメリット

住み替えの自由度が高く、初期費用や維持費の負担が少ない賃貸ですが、デメリットになる部分もあります。ここでは賃貸のデメリットを4つ紹介します。
資産形成につながらない
賃貸はオーナーの所有物になるため、どれだけ長く住んでいても借主の資産にはなりません。賃貸は資産形成につながらず、家賃の負担が続きます。
高齢になると新規契約が難しくなる場合がある
高齢になると収入が年金のみになり、滞納が懸念されることや認知症、孤独死のおそれがあることから、賃貸の審査が厳しくなり新規の賃貸契約が難しくなる傾向があります。ただ、2025年10月から住宅セーフティネット法が改正され、高齢者の賃貸への入居を支援する制度が整えられています。
出典:政府広報オンライン「単身高齢者などの賃貸住宅への入居の不安を解消!改正「住宅セーフティネット法」がスタート」
設備や内装のグレードが低い
賃貸では家賃を抑えるため内装や設備は低いグレードのものを採用する傾向があります。最初から据え付けられた設備を最新のものに変えることは難しいでしょう。
内装の自由度が低い
賃貸では内装が決まっているため、自分好みに変えられません。オーナーの許可があれば内装を変えられる場合もありますが、原則として退去時に原状回復を求められます。
持ち家と賃貸、どちらがお得?費用を比較

持ち家と賃貸では、費用面でどちらのほうがお得になるのでしょうか?ここでは持ち家と賃貸にかかる主な費用の種類と、50年住む場合にかかる総費用のシミュレーションをご紹介します。
持ち家にかかる費用の種類
持ち家にかかる主な費用は以下のとおりです。
- 住宅ローンの返済額
- 住宅ローンの頭金
- 住宅ローンの諸費用
- 固定資産税、都市計画税
- リフォーム費用
- 火災保険料、地震保険料
- 管理費、修繕積立金(マンション購入の場合)
頭金を入れなくても住宅ローンを組めますが、一定割合の頭金を入れたほうが返済の負担を抑えられます。また、住宅ローンの契約では火災保険の加入は必須です。
賃貸にかかる費用の種類
賃貸でかかる主な費用は以下のとおりです。
- 家賃
- 共益金
- 更新料(2年ごとに家賃1カ月分)
- 敷金、礼金
- 仲介手数料(家賃1カ月分+消費税)
- 家財保険料(火災保険の家財補償)
- 引越し費用
賃貸物件によっては、敷金・礼金が不要な場合もあります。火災保険の家財補償に加入するのは自由ですが、災害などのリスクに備えて加入しておくのもよいでしょう。
50年でかかる総費用をシミュレーション
ここで、持ち家と賃貸ではどれくらいの費用がかかるのかシミュレーションしてみましょう。
持ち家と賃貸のどちらがお得かを見るために、一戸建てを購入した場合と賃貸マンションに住み続けた場合の50年間に渡るコストを試算します。
<想定する家族>
世帯主35歳、会社員、妻、子ども1人の3人家族
<一戸建て>
- 購入価格:4,000万円
- 頭金:500万円
- 住宅ローン借入額:3,500万円
- 住宅ローン返済額:13.1万円(総返済額4,696万円)
- 利用する住宅ローン:フラット35(全期間固定金利)、金利2.06%
- 諸費用:借入額×1.87%
- 返済期間:30年
- 火災保険と地震保険に加入:年間38,000円
- 固定資産税:一戸建ての平均的な額で試算(年間10万円)
- 都市計画税:平均的な額で試算(年間3万円)
<賃貸マンション>
- 家賃:12万円
- 共益金:1万円
- 敷金、礼金:家賃1カ月分
- 仲介手数料:家賃1カ月分+消費税
- 引越し回数:1回(60歳に家賃12万円から8万円の部屋へ)
- 火災保険の家財補償に加入:年間2,000円
試算の結果は以下のとおりです。
□ 50年間の総費用シミュレーション
| 持ち家 (一戸建て) |
賃貸 (マンション) |
|
|---|---|---|
| 初期費用 |
・頭金:500万円
・諸費用:65万円
|
・敷金、礼金:40万円
・仲介手数料:22万円
|
| 毎月負担する住居費 |
・住宅ローン総返済額:4,696万円
|
・家賃、共益金:6,504万円
|
| その他の住居費 |
・リフォーム費用:500万円
|
・更新料:232万円
・引越し代:8万円
|
| 税金 |
・固定資産税:500万円
・都市計画税:150万円
|
なし |
| 火災保険料 |
・建物+家財、地震保険料込み:190万円
|
・家財のみ:10万円
|
| 総費用 | 6,601万円 | 6,816万円 |
50年間のコストをシミュレーションした結果、持ち家は6,601万円、賃貸は6,816万円で、賃貸のほうが215万円多く費用がかかる結果となりました。持ち家の費用を左右するのは住宅ローンの金利です。金利が上がれば返済額も増えます。
今回は全期間固定金利で試算していますが、変動金利を選べば固定金利よりも金利が低いので、返済額が下がる可能性はあります。とはいえ、今後は変動金利も上昇する可能性があるため、当初の予定よりも返済額が増えるかもしれない点は注意が必要です。
賃貸の場合、住み続ける限り毎月家賃がかかり、住居費の負担は大きくなりがちです。しかし、自由に住み替えができるため、家賃を抑えた物件に引越しをすれば負担を減らせます。
ここでご紹介したのはあくまでも試算です。選ぶ物件や住宅ローン、準備する初期費用などによっては試算結果が変わるので、一例としてご覧ください。
持ち家と賃貸、どちらがおすすめ?向いている人の特徴

「自分は持ち家と賃貸のどちらが向いているか」と気になりませんか。ここでは、持ち家と賃貸に向いている人の特徴を解説します。
持ち家
持ち家に向いている人の主な特徴を見ていきましょう。
将来のライフプランが明確な人
転勤の可能性が低い人、あるいは、住みたい地域がある人、子育て環境を整えたい人などライフプランが明確に描けている人は持ち家に向いています。
DIYやリフォームを楽しみたい人
自由にリフォームできるのが持ち家の利点です。生活のなかでDIYを楽しみたい人や、ライフスタイルや自分の好みに合わせて自由にリフォームしたい人は、持ち家なら希望を叶えられるでしょう。
定年退職までにローンを完済できる見込みがある人
年金収入のみになった時にローンが残っていると、生活費を圧迫する可能性があります。その点、十分な収入や貯蓄があり、定年退職までに住宅ローンを完済できる見込みのある人は、持ち家でも経済的な安定を得られるでしょう。
資産形成や相続を考えている人
資産形成として形のある資産を持っておきたい人や、子や孫に家を残したい人は持ち家に向いています。
賃貸
次に、賃貸に向いている人の特徴を見ていきましょう。
ライフスタイルが流動的な人
転勤が多い人や、ライフスタイルに合わせて柔軟に住まいを変えたい人は賃貸が向いています。また、将来は実家に戻る予定の人も賃貸のほうが住み替えしやすいでしょう。
住居費をコントロールしたい人
収入や生活状況に合わせて住居費をコントロールしたい人は賃貸が向いています。持ち家の場合、滞納なく返済を続ける必要がありますが、賃貸は生活水準に合った家賃の家に住み替えることが可能です。
定期的に引越しをしたい人
仕事や家族の状況に合わせて定期的に引越しをしたい人、あるいは、一カ所に定住することを望まない人は、気軽に住み替えできる賃貸を選ぶのがよいでしょう。
長期的なローンの支払いを避けたい人
持ち家の場合、高額な借り入れが必要になるため、長期に渡りローンを返済していかなければなりません。そのため、長期的なローンの支払いを避けたい人は賃貸が向いています。
まとめ
ここでは、持ち家と賃貸のどちらにするか選択する際に押さえておきたい項目をピックアップしました。
それぞれのメリット・デメリット、向いている人の特徴を確認しておきましょう。
持ち家のメリット・デメリットは?
持ち家には、自分の資産になる、自由にリフォームできる、家賃が不要なので老後の住居費を抑えられるメリットがあります。反対にデメリットとしては、初期費用が高額になること、税金や維持費の負担が発生すること、ライフスタイルの変化に対応しづらい点が挙げられます。
賃貸のメリット・デメリットは?
賃貸のメリットは、自由に住み替えでき、初期費用や維持費の負担が少なく、税金がかからない点です。ただし、資産形成にならない、高齢になると契約しづらい、設備などのグレードが低い、内装の自由度が低いデメリットもあります。
持ち家に向いている人、賃貸に向いている人の特徴は?
将来のライフプランが明確な人、リフォームを自由に楽しみたい人、定年退職までにローンが完済できる人、資産形成や子、孫に形のある資産を残したい人は持ち家に向いています。逆に、転勤が多い人、生活水準に合わせて家賃をコントロールしたい人、定期的に引越ししたい人、長期の住宅ローンの支払いを避けたい人は賃貸に向いているでしょう。
持ち家は住宅ローンの返済があり、一時的に負担になるかもしれませんが、ローンを完済すれば住居費を抑えられます。賃貸は初期費用の負担は抑えられますが、老後も家賃負担は続きます。持ち家と賃貸のどちらにもメリットもあればデメリットもあります。持ち家か賃貸か悩めるところですが、自分のライフスタイルや今後のライフプラン、経済状況を考えて、最適な住まいを選択しましょう。
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