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目透かし天井とは?メリット・デメリットから費用相場、施工実例まで徹底解説

目透かし天井とは?メリットやデメリット、費用相場について不動産の専門家が解説
目透かし天井とは、和室でよく見かける天井のひとつですが、呼び名まではご存じない方も多いのではないでしょうか。この記事では、目透かし天井の特徴やほかの天井との違い、メリット・デメリットを解説します。

費用相場や実例も紹介するため、家の新築やリフォームをお考えの方はぜひ一読して、目透かし天井の採用を検討してみてください。

目透かし天井とは?

目透かし天井の特徴とは?
目透かし天井の特徴とは?

目透かし天井(めすかしてんじょう)とは、天井材同士をぴったりと張るのではなく、意図的に5~15mmほどの隙間をあけて施工した天井をいいます。杉板などの無垢材のほか、石膏ボードや化粧板などを採用するケースも多く、素材によっては洋室にも馴染みます。

予算や希望するデザインに合わせて、素材やデザインを選びましょう。目透かし天井の費用は、後半で詳しく紹介します。

目透かし天井とその他の天井との違い

代表的な天井の種類は?
代表的な天井の種類は?

天井の種類はいくつかあり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、代表的な天井を5つ紹介します。

竿縁天井

竿縁天井とは?
竿縁天井とは?

竿縁天井(さおぶちてんじょう)とは、日本古来の伝統的な天井で、現代でもよく見かける工法です。天井を囲むように壁の上部に回した「回り縁」に、横木となる「竿縁」を30~60cm間隔で設置し、そのうえに天井板を乗せて仕上げます。

ちなみに床の間に対して直角に竿縁を施工することを、「床差し」といいます。武家社会では切腹する部屋に床差しが採用されていた説があります。床の間と平行になるように施工するのが一般的です。

格天井

格天井とは?
格天井とは?

格天井(ごうてんじょう)とは、太い角材を格子状に組み、その升目に平板をはめ込んだ天井です。京都の二条城の二の丸御殿の格天井が有名で、古来よりお城のほか寺院や神社など、格式が高い建物で見られます。

荘厳で重厚な見た目から、現在でも高級旅館や料亭で採用されています。素材選びを工夫すれば、モダンな印象にもなり、個人宅の和室や玄関ホールにもおすすめです。

折り上げ天井

折り上げ天井とは?
折り上げ天井とは?

天井の中央部分を、周囲より一段高くした天井を、折り上げ天井(おりあげてんじょう)といいます。15~30cmほど、高くするのが一般的です。

天井の高さに変化を持たせるとよいアクセントになり、空間が縦に伸びるため、実際よりも部屋を広く見せる効果を期待できます。段差部分に間接照明を忍ばせやすく相性もよいため、照明によって高低差を強調し、おしゃれな空間を演出しましょう。

船底天井

船底天井とは?
船底天井とは?

船底天井(ふなぞこてんじょう)とは、中心部分がV字状に高くなっている天井をいい、船底を逆さまにしたような形状をしていることから、その名がつけられました。比較的緩やかな勾配のタイプを船底天井、急勾配の天井は「拝み天井(おがみてんじょう)」とも呼ばれます。

折上天井と同様、空間が縦に伸びるため、開放感のある空間作りに向いています。ただし上階があるレイアウトの場合は、それほど高さを出せないため、採用する際はハウスメーカーや施工会社に相談しましょう。

目透かし天井のメリット

目透かし天井のメリットとは?
目透かし天井のメリットとは?

目透かし天井にはさまざまなメリットがありますが、ここでは代表的なメリットを4つ紹介します。

板の歪みや割れを防ぐ

天然の板材は湿度や乾燥で伸び縮みしますが、目透かし天井の特徴である隙間があるために、不具合を防ぎます。

例えば、湿気によって板材が膨張しても、隙間があるため板同士が押し合うことがなく、歪みや割れを防いでくれます。また乾燥によって板材が縮んでも、すでに隙間があるため、悪目立ちしないで済むでしょう。

装飾効果が期待できる

目透かし天井は、装飾効果も期待できます。無垢材の板材を採用すれば、天然材ならではのぬくもりを表現でき、空間に安らぎをもたらしてくれるでしょう。

また、隙間と板材のコントラストがアクセントになり、重厚感も演出できます。採用する素材や板材のピッチによって、印象を変えられます。希望するデザインや部屋に合わせて計画しましょう。

部屋を広く見せる効果がある

目透かし天井のまっすぐに伸びる直線が、奥行のある空間を印象付け、部屋を広く見せる効果があります。和室の場合、床の間と平行になるように張るのが一般的ですが、空間的な広がりを演出するために、長手方向に天井材を張るケースが多く見られます。どのように施工するかは、依頼先と相談のうえ決めるようにしてください。

通気性が向上する

目透かし天井には、5~15mm程度の隙間を意図的に設けています。板材の間に隙間を設けることで、板が伸縮しても逃げ場があるため湿気や熱がこもりにくくなり、木材の伸縮による反りや突き上げを抑えやすくなります。

湿気が多い日本ならではの工法であり、目透かし天井は居住性とデザイン性を兼ね備えた天井です。

目透かし天井のデメリット・注意点

目透かし天井のデメリットや注意点とは?
目透かし天井のデメリットや注意点とは?

メリットが多い目透かし天井ですが、注意すべきポイントもあります。ここでは、代表的なデメリットを4つ紹介します。目透かし天井の採用を検討する際は、ぜひ参考にしてください。

隙間にホコリが溜まりやすい

目透かし天井の特徴である隙間には、ホコリが溜まりやすいので注意が必要です。しかし無理に掃きだそうとすると、天井材を傷つけてしまったり、色ムラが生じてしまったりするおそれがあります。

定期的にやわらかいダスターやモップなどで清掃するようにし、それでもきれいにするのが難しい時は、高所での作業は危険をともなうため無理をせず、プロの手を借りるようにしてください。

施工に高い技術が求められる

目透かし天井の施工には、高い技術が必要です。隙間のピッチや板材の高さが揃っていなければ、残念な仕上がりになりかねません。

誰でも施工できるわけではなく、依頼できるハウスメーカーや施工会社が限定される可能性もあります。目透かし天井を希望する場合は、早い段階でその旨を伝えておき、施工実績の有無を確認しておきましょう。

施工費用が高くなりやすい

目透かし天井は、一般的なクロス仕上げの天井と比べて、コストが高くなりやすいのがデメリットです。施工には高い技術が必要なため、工事費は高くなる傾向があり、こだわりの素材を採用すれば、その材料費も上乗せになるからです。

無垢材ではなく化粧板を採用するなど、予算に収まる方法がないか、担当者に相談してみてください。

建築上の制限がかかる

目透かし天井に採用する素材や工法によっては、建築基準法の制限を受ける可能性があります。

火気を使用するキッチンでは、内装制限により天井や壁の仕上げに一定の防火性能が求められる場合があります。適用の有無や必要な性能は間取りや設備によって異なるため、設計者に確認しましょう。

目透かし天井の費用相場

目透かし天井の相場は?
目透かし天井の相場は?

ここでは、目透かし天井へ張り替えする際の費用相場を解説します。比較のためにクロス仕上げの天井にした場合の費用相場を紹介するので、予算を立てる際の参考にしてください。

板張り(目透かし天井を含む)の場合

6畳程度の天井を既存下地のまま張り替えする場合、10万~25万円が目安です。ただし、天井材の素材やグレードによっては高額になります。

天然の無垢材を採用する場合は、30万円以上かかるケースもあります。ある程度平米単価を確認してから、見積もりを依頼するとよいでしょう。

クロス張り替え(比較対象)の場合

6畳程度の天井をクロス張りで張り替えする場合、3万~5万円が目安です。ただし下地からやり替える場合は、別途費用がかかる可能性があります。

目透かし天井の建築実例

目透かし天井をどのように取り入れるべきか、具体的なイメージを膨らませるためにも、なるべく多くの建築実例を見ておくとよいでしょう。ここでは、3つの施工例を紹介します。

木のぬくもりに包まれたLDK

木のぬくもりに包まれたLDK
海の見えるワークルームのある家(出典:サンリーの家(株)サンリーハウス

「目透かし天井=和室」のイメージを持っている方にぜひ見ていただきたい、LDKの天井に採用した実例です。天井には淡い黄白色のシナベニヤを採用し、クリーンでスタイリッシュな空間に仕上げました。幅の広い化粧板をそのまま生かしており、デザイン性の高い照明や、ナチュラルなインテリアにもマッチしています。

また、テーブルやフローリングの木目やカラーとも相性がよく、天井がよいアクセントにもなっていますね。

木材を贅沢に使った日本らしい和室

木材を贅沢に使った日本らしい和室
【丹羽郡扶桑町】落ち着ける和室がある平屋(出典:桑原木材(株)

2つ目の実例は、和室に採用した目透かし天井です。床の間に縁側、雪見障子がある伝統的な和室には、やはり目透かし天井がよく合います。

床の間と平行になるように天井材を張っており、古くから忌み嫌われてきた「床差し」にならないように施工しているのがわかります。目透かし天井は長手方向に張るケースも多いですが、古来のルールにも配慮したいものです。

美しい木目を愉しめる和みの寝室

美しい木目を愉しめる和みの寝室
平屋のやさしさがあふれる、安らぎある暮らし【2階建て/3LDK】(出典:(株)木村建設

3つ目の実例は、寝室へ採用した目透かし天井です。下から照明の光を当てることで、木目の美しさが際立ち、漆喰と珪藻土の壁の造作も目に愉しく、リラックスタイムを過ごすのにぴったりな空間になりました。

壁に設けた間接照明が、よい仕事をしています。おしゃれな演出を加えたいと考えている方にとっては、ヒントになるのではないでしょうか。

目透かし天井に関するまとめ

最後に、目透かし天井の特徴やメリット、費用相場をおさらいします。

目透かし天井とは?

目透かし天井とは、天井材同士をぴったりと張らずに、意図的に5~15mmほどの隙間をあけて施工した天井をいいます。

目透かし天井のメリットは?

目透かし天井は板材の間に隙間があるため、歪みや割れが生じにくく、通気性がよいのがメリットです。また実益だけでなく装飾効果もあり、部屋を広く見せてくれるのが魅力です。

目透かし天井の費用相場は?

目透かし天井に張り替える場合の費用は10万~25万円が相場です。天井材の素材やグレードによっては高額になり、30万円以上かかるケースもあります。予算に合わせて天井材を選択し、難しい場合は代替品となる建材を提案してもらいましょう。

目透かし天井の施工には、高い技術が求められます。残念な仕上がりを見てから後悔しないためにも、施工実績の有無を確認し、施工実例などを見せてもらうとよいでしょう。

桜木 理恵

執筆者

桜木 理恵

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動中。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。

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