このページの一番上へ

折り上げ天井とは?メリット・デメリット、おすすめの設置場所と建築実例を紹介

折り上げ天井とは?設置するのにおすすめの場所や建築実例をご紹介
折り上げ天井と聞いて、すぐにどのような天井なのかイメージできる方は少ないかもしれません。聞きなれない言葉ですが、注文住宅の建築実例ではよく見かけるデザインです。知らず知らず目に留めている方も多いでしょう。

この記事では、折り上げ天井の特徴やメリット・デメリット、おすすめの設置場所や、費用相場を解説します。実際に折り上げ天井を採用した実例も紹介するので、どうぞ最後までお付き合いください。

折り上げ天井とは

折り上げ天井とは?
折り上げ天井とは?

折り上げ天井とは、周囲より一段高く施工した天井をいいます。空間やデザインに格式の高さを表現できるため、古くから和室に採用されてきた建築技法です。

四角い形状で高さを出すケースもあれば、円形状に仕上げるケースもあります。折り上げ天井の形状にルールはなく、さまざまなデザインで実現可能です。

折り上げ天井と折り下げ天井の違い

折り上げ天井と折り下げ天井との違いは?
折り上げ天井と折り下げ天井との違いは?

折り上げ天井に似た天井に、折り下げ天井があります。折り下げ天井とはその名のとおり、天井の一部が周囲よりも一段低くなっている天井をいいます。

【折り下げ天井の実例】

【折り下げ天井の実例】
モノトーンで品良くコーディネートした、いつもきれいを保てる家(出典:タマホーム(株) 成田支店

折り上げ天井が開放感を演出できるのに対し、折り下げ天井は「おこもり感」を出したい時や、部屋をゆるやかにゾーニングしたい時などに活用されています。

折り上げ天井のメリット

折り上げ天井のメリットとは?
折り上げ天井のメリットとは?

すでに折り上げ天井で計画している、もしくは採用を検討しているのであれば、どのような効果があるのか、あらかじめ把握しておきましょう。ここでは、折り上げ天井の5つのメリットを解説します。

部屋を広く見せることができる

折り上げ天井で一部を高くすると、空間が縦に伸びるため、実際よりも部屋を広く見せられます。部屋が狭いなどで、圧迫感を軽減したい時に有効です。

室内をゾーニングしやすい

天井の高さに変化を持たせると、室内をゾーニングしやすくなるのも魅力です。例えば、リビングとダイニングで天井の高さを変えれば、空間を緩やかに区分でき、低い天井の下には安らげる空間を作り出せます。

自然光を取り入れやすくなる

天井に高さを出すことで、自然光を取り込みやすくなります。窓から差し込んだ光が天井にも反射するため、より明るい空間に感じられるでしょう。

空間に開放感を与えられる

折り上げ天井で空間に高さを出すことで、空間的な広がりが生まれ、開放感を演出できます。十分な広さを確保できない時にも有効で、リビングに採用するケースが多いです。

おしゃれな空間を演出できる

おしゃれな空間にしたい方には、折り上げ天井がおすすめです。折り上げ天井は凹凸があるため、自然と光の陰影が生まれます。間接照明との相性もよく、魅力的な空間を作る手助けをしてくれるでしょう。

折り上げ天井のデメリット

折り上げ天井のデメリットとは?
折り上げ天井のデメリットとは?

メリットが多い折り上げ天井ですが、デメリットもあります。採用してから後悔しないためにもポイントを理解しておきましょう。

冷暖房効率が悪くなる

折り上げ天井は、冷暖房効率が悪くなる可能性があります。温かい空気がその高くなった部分にとどまりやすく、また天井を高くした部分に、十分な断熱材を入れられないケースがあるからです。サーキュレーターを設置するなど、対処法も考えておきましょう。

空間のバランスが崩れる可能性がある

折り上げ天井の段差が大きすぎたり、面積が小さすぎたりすると、バランスが崩れてしまい、おしゃれとはいえない仕上がりになりかねません。折り上げ天井を採用する際は、ハウスメーカーや施工会社と相談し、施工例などを参考にするとよいでしょう。

上階の物音が伝わりやすくなることがある

折り上げ天井の高さや面積によっては、上階との間の空間を確保できず、物音が伝わりやすくなることがあります。遮音材の採用や、二重天井構造にするなどして、物音が伝わりにくくなる工夫をしましょう。

施工によっては後悔につながる

折り上げ天井はフラットな天井よりも手間や工期がかかるため、その分工事費は高くなりやすいです。折り上げ天井が効果的でなかった場合、後悔につながるかもしれません。予算やデザイン性など総合的に判断し、採用するか否かの判断をしましょう。

折り上げ天井のおすすめの設置場所

折り上げ天井を設置するのにおすすめの部屋は?
折り上げ天井を設置するのにおすすめの部屋は?

折り上げ天井は、どこに設けるとよいのでしょうか。ここでは、おすすめの設置場所を4つ紹介します。

リビング

折り上げ天井がよく採用されるのは、主にリビングです。空間がより広く、かつ明るく感じられるため、家族がリラックスして過ごせる空間が演出できるでしょう。

寝室

寝室では、自然と天井を見上げることになります。折り上げ天井と間接照明も併用すれば、一日の疲れを癒すのに適した、癒しの空間になるでしょう。

玄関・玄関ホール

玄関や玄関ホールは、訪問者を最初に受け入れる空間です。天井の高さに変化を持たせれば、空間に奥行きが生まれ、開放感と重厚感を演出できます。玄関は窓を設けるのが難しいケースが多いため、暗くなりがちです。明るい雰囲気にしたい時にも、折り上げ天井は適しています。

ダイニング

隣り合わせてレイアウトすることが多いリビングとダイニングは、天井の高さを変えて、緩やかにゾーニングしましょう。リビングの天井は高さを出して開放感、ダイニング部分は低くし、おこもり感を出すのがおすすめです。

折り上げ天井の費用相場

折り上げ天井を設置するにはいくらかかる?
折り上げ天井を設置するにはいくらかかる?

折り上げ天井を設けておしゃれな空間にしたい、開放感を出したいと思う一方で、コストが高くなるのではないかと、心配している方も多いでしょう。
たしかに、一般的なフラットな天井に比べて施工の手間と工期がかかるため、追加費用がかかったり、割高になったりします。

新築時に折り上げ天井を設ける場合、一般的な規模であれば10万~30万円が目安です。1平方メートルあたり、1万~3万円程度と想定しておくとよいでしょう。

なお間接照明を設置する場合は、照明器具代と天井の補強工事が別途かかります。実際にかかる費用は、見積もりを確認するようにしてください。

リフォームで折り上げ天井を設ける場合、既存の天井を解体し、あらたに折り上げ天井を設けるため、新築時に比べて高くなる傾向があります。また、通常は住みながら工事するため、どのくらいの工期がかかるのか、生活に支障が出るのかなど、事前に確認しておきましょう。

折り上げ天井の建築実例

おしゃれな折り上げ天井を実例で紹介します
おしゃれな折り上げ天井を実例で紹介します

折り上げ天井の建築実例を、写真を添えて6例紹介します。どの実例も、素敵な空間作りに折り上げ天井が一役買っています。注文住宅を計画している方はぜひ参考にして、折り上げ天井の採用を検討してみてください。

間接照明がおしゃれなラグジュアリーハウス

間接照明がおしゃれなラグジュアリーハウス
【2階建/2LDK+2S】格調高いモダン仕様のラグジュアリーハウス(出典:(株)石田工務店

重厚感とラグジュアリーな印象が目を引く、折り上げ天井の実例です。折り上げ天井の段差部分にぐるりと間接照明を配置し、天井までの高さを強調しました。

また、奥の壁には石目調のアクセントタイルを施工し、上部から照明を照らすことで、美術館を思わせる設えになっています。ホワイトとグレーのコントラストが美しく、施主の希望どおり格式の高い、モダンテイストに仕上がっています。

家族のきずなが深まるダウンフロアリビングの家

家族のきずなが深まるダウンフロアリビングの家
笑顔を育むダウンフロアリビングの家(出典:(株)ウンノハウス

折り上げ天井とダウンフロアを併用した、おこもり感とぬくもりが共存する素敵な実例です。折り上げ天井には梁を見せるデザインにして、木の温かみを感じられるデザインに仕上げました。

間接照明を部分的に設置することで、明るくなりすぎず、リラックスできる空間になっています。ダウンフロアにしたことで縁側のような腰掛ができ、休日は日向ぼっこや読書を楽しんでいるそうです。

家事動線を考え抜いた平屋のおうち

家事動線を考え抜いた平屋のおうち
【平屋/4LDK/29坪】家事動線にこだわったナチュラルテイストな平屋のおうち(出典:(株)エースホーム

大きく折り上げた天井と、あえて天井を暗くした和室とのコントラストが楽しい実例です。リビングの天井を最大限高くし、間接照明で上部を照らすことで、開放感を表現しました。テレビまでの距離や大きな窓が潔く、すっきりとした印象が際立っています。

一方、隣接する小上がりの和室は天井を暗くし、照明も最小限に抑えています。お昼寝はもちろん、洗濯物をたたんだり、作り付けのデスクで宿題をしたりと、小上がりの和室は、いろいろな用途に使える多目的なスペースになりました。

アカマツとお気に入りの照明でとっておきのリビング

アカマツとお気に入りの照明でとっておきのリビング
きれいな空気に包まれた空間も、造作家具も予算内で!明瞭な価格案内で不安の少ない家づくり(出典:(株)グッドリビング北関東 アヴィエスホーム

アカマツの梁を活かした、明るく開放的な折り上げ天井の実例です。暖かい空気は上部にとどまってしまうため、シーリングファンライトを設置しました。

また、足元から温められる床暖房も設置して、冷暖房効率の対策も万全です。棚やデスクなど造作工事もあり、随所に工夫が見られます。希望をかなえつつ予算内に収まったのは、「バランスを考えた家づくりだったから」そうです。ご夫妻は、コスト面も理想どおりだったと満足されています。

折り上げ天井で立体感のあるリビング

折り上げ天井で立体感のあるリビング
リビングの和室と折り上げ天井が映える落ち着きある住まい(出典:(株)旭建設

リビングに設けた折り上げ天井が、間接照明によって立体感を増し、高級感も演出している実例です。隣り合う4.5畳のオープンスタイルな和室は、あえて小上がりにして、くつろぎのスペースとして活用しています。

間接照明とダウンライトを併用しており、過ごす時間帯によって明るさを調整できるのも参考にしたいポイントです。また、こちらのご自宅には、晴れた日には富士山が見える円窓もあるそうで、運気の上昇も期待できそうですね。

開放的でゆったりくつろげるお部屋

開放的でゆったりくつろげるお部屋
憩いの家(出典:(株)鹿熊組

多趣味の家族が暮らす、折り上げ天井が似合う家です。折り上げ天井にはウッディな梁を配置し、テレビは壁掛け、カウンターは埋め込みなど、参考にしたいポイントが随所に見られます。

和室の壁は華やかな朱色ですが、チグハグな印象にならなかったのは、多趣味な施主の感性が活かされているからでしょう。高台にあるため風通しもよく、気持ちの良い空間になりました。

まとめ

最後に、折り上げ天井の特徴とメリット、おすすめの設置場所をおさらいします。

折り上げ天井とは?

折り上げ天井とは、天井の一部を高くした天井をいいます。日本では、和室に格の高さを表現したい時などに採用されてきた手法です。ちなみに、一部を低くした天井を、折り下げ天井といいます。

折り上げ天井のメリットは?

折り上げ天井にすると視界が縦にも広がるため、空間的な広がりと、開放感を演出できます。また自然光を取り込みやすくなるため、明るい印象になります。おしゃれで洗練された空間にしたい方には、折り上げ天井がおすすめです。

折り上げ天井のおすすめの設置場所は?

折り上げ天井がおすすめなのは、リビングやダイニング、玄関・玄関ホール、寝室です。どのようなイメージの部屋にしたいのか明確にし、ハウスメーカーや施工会社に相談してみましょう。

折り上げ天井にはメリットが多い一方で、デメリットもあります。またフラットな天井に比べて、コストは高くなります。効果的な配置なのか、バランスが悪くないかなど、よく検討したうえで採用を決めましょう。

採用する際は、ハウスメーカーに施工例を見せてもらうなど、デメリットへの対処もしたうえで、ぜひ計画するようにしてください。

桜木 理恵

執筆者

桜木 理恵

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。

関連する記事を見る
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る