テーマ:二次創作 / ヘンゼルとグレーテル

お菓子の家

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そう、あの、お菓子の家。
と、言っても。
手のひらサイズの、ミニ、だ。
勿論、グリム童話の、挿絵のだ。
それが。

ギーギー、ギーギー。
 
ロッキングチエアーが、奏でる。
アンティークな、住まいの。
アンティークな、床との、コラボ。

ギーギー、ギーギー。

これを、合図に。
なんと、なんと、現れ
それに、聞き入る。
えーっ!
聞き入る?
そう、お菓子の家、から。
聞こえる、やつ、に、だ。

「FM・ヘンゼルとグレーテル局、から」
 「アンティークな、お住まい」
「そこでの、ライフを、楽しまれている」
「なんと、なんと、お二人への」
「インタビューが、実現、しました」
「では、さようなら、良い、睡眠をー」

聞き入る。
アンティーク的、な、男と女。
これが、お決まり、と、なった、の、だ。
かみ合うこと、の、稀だった、日常。
その、二人の、睡眠前の。
なんと、お決まり、に、だ。
お菓子の家が、消えてゆき。
それを、合図に、ベッドへ。
寝床、から。
お菓子の家、ワッペン、ついた。
ナイトキャップを、並べての、睡眠。
飾り棚の。
ウサギの、ぬいぐるみ。
それ、指さし。
声、出さずに、大笑い。

 で、めでたく、終わる。
 ところ、なのかもしれない、が。
 人生、いや、人の、サガ、は。
 そんなに、甘くない、のだ。

 「スヤスヤ、寝てる」
 「夢みる、お二人さん」
 「食べる夢、見てる、のかい?」
 「もう、食べ物、手に入らない、ん、だよ」
「ここでは、ね」
「後悔、しても、もう、遅い」
「ヒヒヒヒヒ」

 とんがり帽子。
 曲がった、鼻先。
 魔女。
 そう、お決まりの、だ。
 ヘンゼルとグレーテル。
 あの、挿絵の、やつだ。
 二人が眠る、ベッドに。
 ヒタヒタと、近づく。
 
 凍り付く。
 飾り棚の、ウサギ。

 ここは、どこ?
 草原に、ポッンと、建っている。
 アンティーク、な。
 とても、アンティークな。
評価の、分かれる。
一軒家。

ギギ、ギギー。
密かに。
戸が、開いた。
 三つ揃え、スーツに、コート、姿の。
 ウサギが。
 カンテラを、手に。
 辺りの、様子を、見ている、ようだ、が。
 真相は、分からない。
 
「ヒヒヒヒヒ」

お菓子の家

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