テーマ:二次創作 / ヘンゼルとグレーテル

お菓子の家

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 いったい、何、なんだ!
 何、よー。
 と、驚愕、しつつ、も。
 あたりを、見渡し。
 森の中を。
歩きだす、少年と、少女。
 いや、ヘンゼルと、グレーテル。
 童話。
 そう、グリム童話。
 その挿絵、そっくりの、だ。
 
 君、かわいいね。
 なに、言ってるの、よ。
 かわいい、よ。
 そんな、感じ、かも。
 ほんと。
 あなたも、よ。
 ハハハハハ。
もしかして、これ、ドイツ、じゃない?
ドイツ?
そうよ、えーと、グリム。
ああ、グリム、だ!
そうよ、挿絵に、出てくる、やつよ。
それだ!
ヘンゼルと、グレーテル。
それよ、それよ。
なぜか、納得、する、二人。

腹、へった。
私も。
しばらく、森を、歩き続けた、二人の。
意見が、かみ合った。
と、その時。
どうにも、たまらない、匂い。
クッキー。
それも、バター・クッキーだろう。
容赦なく。
森の奥から。
漂ってきた、のだ、から。
たまらない。
二人は、顔を、見合わせ。
行こう!
発声が、ピッタリ。
こんな、かみ合い、は、奇跡だよ。
まぁ、そんな、こと、いい、か。
変身前の。
日常での、こと、だろ。

あった!!
これも、同時、だ。
少年と少女。
ここでは。
グリム童話の、挿絵。
あの、ヘンゼルと、グレーテル。
と、しておこう。
では、さっそく。
ヘンゼルと、グレーテルは、走り出した。
勿論。
その先には、お菓子の家。
なんと、なんと。
それも、挿絵の。
そう、あの、お菓子の家。
レープクーヘンの、壁。
様々なお菓子の、屋根。
すき通った砂糖の、窓。
まぁ、素材は、いい。
飛びついた、ヘンゼルと、グレーテル。
食べる、食べる、食べ続けた。
歯に、悪い。
こんな、小言は、ない、し。
欠食児童、さながらに。
食べ続けた。

グレーテルが。
ヘンゼルの、顔を、覗き込んだ。
何? と、グレーテル。
あなた、欠食児童、て、言った?
えっ、欠食児童?
トボケてる、の?
言ってない、よ。
そう、なら、その意味、は?
知、知らない、よ。
トボケ、て、る。
知らないふり、だって、言う、の、かい。
そうなの?
 戦後世代、だろ、意味、知ってるの。
 だから、なに、よ。
だって、俺、少年だぜ。
 だから、何。
 違和感、ある、よ。
 ない。
 おおっ! 強気だ、ね。
 ヘンゼルとグレーテル、子捨て、話よ。
 子捨て、話。
 そうだった!
 口減らしの話、よ。
 親に。
森に、捨てられる、やつだ。
 トボケてる、余裕なんか、ない、時代、よ。
 また、トボケの話、かよ。
しっこい、なー。
 違う。
 決めつけだ、って。
まぁ、いつものことだ、けど、ね。

お菓子の家

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