テーマ:二次創作 / ヘンゼルとグレーテル

お菓子の家

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とっさ、の、正直、なのかも、しれない。
 まぁまぁ、いいさ、これも。
で、なんとか。
ここで、落ち着きを、取り戻す。
ヘンゼルとグレーテル。

「あら、ヘンゼルとグレーテル」 

ウサギが。
銀縁のメガネを、右手で、整え、言った。
な、なんで、知ってる、ん、だよ!
 叫ぶ、ヘンゼル。
 ウサギが、ウサギが・・・。 
 驚きで、口が、きけない。
グレーテル。
 
 「驚かして、ごめんネ」
 
場の、雰囲気を、察して。
 ウサギが、気遣いを、見せた。
 そのことに、気付き。
 恥ずかしさを、感じる。
 ヘンゼルとグレーテル。
 もう、このあたりに、話が、進むと。
 親、実母? 継母?
 とにかく、親、に。
 捨てられた、ことなど。
 すっかり、抜け落ちて。
 今、直面している、事態に。
 のめり込む。
 ヘンゼルとグレーテル、だった、が。
 
 経験したことの、ない。
ここまでの、展開に。
疲れが、出たことも、あって。
段々、と。
夢見、状態に。
吸い込まれて、行き・・・。
 
 「390万トン」
「なにか、わかるー」
「食糧支援、よ」
「世界中から、集めた、数」
 「日本、だけで、この倍、も」
 「捨てているの、よー」
 「みんなの、家、から・・」
 「世界中に、欠食児童、うようよ・・」

  そして、意識を、完全に、失う。
  その、少し前に。
  
 「FM・ヘンゼルとグレーテル局、から」
 「今日は、食べ物」
 「食品ロス、の、お話し、でした」
 「では、良い、睡眠をー」

 こんな、声を、耳にした、ような・・。

 呆れる、わ、ねー。
 えっ! 呆れる、僕のこと、を。
 
 好ましくないこと、かい。
意外なこと、かい。
はなはだしさに、驚いた、・・・。

な、な、によー、急に、並べ立て・・・。

 えっ! えっ! えー。
 この! この! この・・・・。
 シーン。
 えー。

 合唱、の、ような。
 唱和を、繰りかえす。
 ヘンゼルとグレーテル。
 いやいや、すでに、男と女の、姿に。
 
シーン、は、続き。
 お菓子?
そう。
あの、お菓子、よ、ね。
なんだい、お菓子、知らない、のー。
バカに、しないで、よ!
家、の話、でしょ。
だから、お菓子の、家。
 呆れる、わ、ねー。
 えっ! 呆れる、僕のこと、を・・・。

 もう、もう、いいって、ばー。
 顔を、見合わる。
 男と女。

 この日から。
 ヘンゼルとグレーテル、の。
いや、男と女、の。
アンティークな、住まいから。
残飯入れ、とやら、が、姿を消し、た。
そして。
あの挿絵、どおりの。
お菓子の家。

お菓子の家

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