住みタイム 東京都八王子市

東京都八王子市の中心地「八王子駅」は、JR3路線が乗り入れ、付近には京王八王子駅があるターミナル駅。東京都八王子市内各方面に延びる路線バスの利用客も集まり、交通の要所としてにぎわっています。多くの人が行き来する朝のコンコースには、リュックサックを背負った家族連れの姿もちらほら。天気のよい今日はピクニック日和、高尾山にお出かけでしょうか。子どもたちの弾ける笑顔に、ワクワクする1日の始まりを予感させられます。

まずは駅の北口方面を散策してみましょう。商業施設やオフィスビルが建ち並ぶ駅前を抜けて甲州街道へぶつかると、打って変わって、昔ながらの古い建物が目につきます。なかには、珍しい土蔵造りの建物も。そう、東京都八王子市は長い歴史を持つ街。江戸時代には街道有数の大きな宿場町として栄え、山に囲まれた地形を活かして養蚕や織物産業が発展しました。織物技術は現代にも受け継がれており、「多摩織」と呼ばれる伝統工芸品は、その繊細な生地とデザインの美しさから海外でも高く評価されています。東京都八王子市北部にある「澤井織物工場」は、そんな多摩織の技術を100年以上にわたって継承する数少ない工房。早速、見学と体験に行ってみました。

レトロな工房に入ると、織機の前で職人さんたちが手作業に励んでいます。年季の入った織機は、「つるの恩返し」に出てきそうな古風な見た目です。「昔ながらの手織りで丁寧に作ることで、上質な布づくりができるんですよ。」と語るのは、4代目の澤井伸さん。大ベテランの指導のもと、織物体験に挑戦です。両手を使い、足元の踏木を交互に踏んで、糸を交差させていきます。工場内にトントンと音が響き、まるで職人さんになった気分。集中すること約30分で、手作りの布製コースターのできあがり！ きめの細かい糸が織り成す微妙なグラデーションと、柔らかい手ざわり。数百年にわたって受け継がれた伝統をめでるように、世界にひとつだけの逸品を、何度も何度もなでてしまいました。

集中したせいか小腹がすいてきたので、再び八王子駅へ。お昼どきが近づき、ランチを求める会社員で街が活気づいています。そんな人の流れに付いていくと、八王子駅直結の「セレオ八王子北館」に到着。ユニクロやロフト、無印良品などの人気店をはじめ、全11フロアにたくさんのショップやレストランが揃っています。1階入り口を入ってみると、そこは惣菜、弁当、洋菓子、和菓子など、約60店がひしめき合う食品フロア。食欲をそそる香りに引き寄せられながら、ガラスケースに並ぶ彩り豊かな食料品を見ていると、お腹がグーグー鳴ってきます。今日は手のひらサイズにカットされたサンドイッチを買って、屋上の休憩スペースへ。青空の下、心地よい風に吹かれながらブランチをいただきました。