飼い主に聞いた!犬の多頭飼いって大変?メリット・デメリットや飼う際の注意点

家族が出かけるときになかなか離れようとしなかったり、悲しそうな鳴き声を聞いたりすると、後ろ髪を引かれる気持ちになりますよね。そんなとき、「愛犬にお友達がいたら寂しくないのでは?」と考えることも少なくないでしょう。そこで、多頭飼いのメリット・デメリットや、多頭飼いする前に準備しておくべきことなどをご紹介します。
記事の目次
飼い主に聞いた!多頭飼いのメリット・デメリット

多頭飼いをして、飼い主の生活はどう変わったのでしょうか……。 多頭飼いをしたことがある飼い主さんに、多頭飼いのメリット・デメリットについて聞いてみました。
犬の多頭飼いのメリットは?
多頭飼いをしてみないとわからない、多頭飼いならではのメリットについて聞いてみました。
多頭飼いのメリット | 回答数 |
---|---|
にぎやかで楽しい | 28 |
癒される・かわいい | 26 |
犬の社会性を学べる | 16 |
それぞれ個性がありおもしろい | 14 |
犬たちが楽しそう | 13 |
寂しくなさそう | 6 |
その他 | 3 |
回答サンプル数:119人 ※複数回答可
多頭飼いしてみると、1匹だけ飼っていたときとは違う喜びやメリットが、飼い主にとっても犬にとってもあるようです。
にぎやかで楽しい
人数が増えるとにぎやかになるように、犬の数が増えても同じくにぎやかで楽しくなります。犬同士がじゃれ合ったり、くっついて歩いたりといった仲のよい姿が見られるのは、飼い主にとっても喜びです。
- 賑やかだし楽しい。(30代/男性)
- 犬同士がじゃれあったりしているのを見るのが楽しい。(40代/男性)
- 2匹がとにかく仲がいいので、いつもくっついている姿を見るのが楽しい。(50代/女性)

癒される・かわいい
同じクッションに2匹一緒にくつろいでいたり、並んで同じ方向に首をかしげていたりすると、かわいさが2倍に!寄り添うように丸まって眠っている姿を見ているだけで、2倍の癒しが得られそうです。
- 2倍癒やされます。(20代/女性)
- かわいらしさや喜びが2倍。(60代/男性)
- 仲良く寝ている姿を見ると癒やされる。(60代/女性)

犬の社会性を学べる
犬はもともと社会性の高い生き物です。先住犬のしつけが行き届いている場合、あとから迎えた犬をうまく教育してくれることもあります。最初は難しさを感じたり、懐かないと思っていたりする犬でも、もともと住んでいる犬の姿を見ながら学んでくれるので、手がかかりにくいでしょう。
- 犬同士の関係を見られます。(30代/女性)
- 後から来た子が先住犬の教育的指導を受けながら成長してくれることです。(30代/女性)
- 犬同士の上下関係を学べる。(40代/女性)

それぞれ個性がありおもしろい
犬種ごとに性格には違いがあり、もちろん個体差もあるので、同じ種類でもさまざまな個性を発見できるのは多頭飼いならではの楽しさかもしれません。1匹ずつの個性に合わせて、接し方やしつけの方法などを考えながら飼育していくことで、生き物を育てる醍醐味もより実感しやすくなるでしょう。
- 性格がさまざまで見ていておもしろい。(20代/女性)
- それぞれ違う性格が可愛い。賑やかで楽しい。(50代/男性)
- 犬によってそれぞれ個性があり、その違いを知るのがおもしろい。(60代/女性)

犬たちが楽しそう
犬同士で楽しそうに過ごす様子が見られる時には、なんだか飼い主としては喜ばしいですよね。特になかなか構ってあげられない時には、犬同士で賑やかに遊んでくれていれば、寂しい思いもさせずに済んで安心できるでしょう。犬同士でしっかりと絆ができていく姿を伺えるのも、多頭飼いの魅力といえます。
- お互いが遊び相手になること。(30代/女性)

犬の多頭飼いのデメリットは?
多頭飼いで大変だと思うことはどのようなことなのでしょうか。詳しくみていきましょう。
多頭飼いのデメリット | 回答数 |
---|---|
散歩が大変 | 46 |
お金がかかる | 42 |
世話がかかる | 14 |
犬同士の相性や性格が合わない | 7 |
犬同士のトラブル | 6 |
病院に連れていくとき労力がかかる | 4 |
しつけが大変 | 4 |
体調管理に気をつかう | 3 |
1匹が吠えるとつられて吠える | 2 |
回答サンプル数:119人 ※複数回答可
多頭飼いが大変だと感じる理由には、「散歩が大変」、「お金がかかる」など、なるほど、確かに……と思える理由が上位にランキングしています。犬同士がケンカする、一方がいじめるなど、犬同士の相性で問題が起こる場合もあるようですね。
散歩をするとき
毎日の散歩が欠かせない犬。2匹の犬の相性がよくなかったり、犬種が違って歩くスピードが違ったり。また、犬の生活リズムが違うなどの理由で、1匹ずつ散歩をさせることもあるようです。毎日2回の散歩が理想とされるところ、2倍となると1日4回散歩に行くことになります。
2匹同時に散歩できる場合でも、それぞれの行こうとする方向が違うためリードがからまったりすることも。1匹だけの散歩のときには思いつかなかったような事態に、苦労している飼い主さんもいるようです。
- 散歩の回数が2倍。(30代/男性)
- お散歩の時リードがからまる。(30代/女性)
- 散歩の際、行きたい場所が違う。(50代/男性)

お金がかかる
1匹から2匹になると、食費が倍かかるのはもちろんのこと、意外と大きな負担になるのがトリミング代。犬種や利用するサロンによってさまざまですが、1回のトリミング料金の相場は5,000円〜20,000円程度。およそ2カ月に一度の出費が倍になります。日常にかかるお金だけではなく、ワクチン接種の回数や費用も2倍。旅行に出かけるときに利用するペットホテルの料金も2倍と、いろんなことでお金が倍かかります。
- トリミングと病院でしゃれにならないぐらいのお金がかかるところ。(40代/男性)
- 金銭面。虫関係の予防薬が高かった記憶があります。(40代/女性)
- 病院や餌代、旅行に出るときのペットホテル代などの経費がかさむので大変でした。(60代/女性)

世話がかかる
食事や散歩、掃除など、お世話にかかる時間も倍になります。爪切りや耳掃除など頭数が増えたからといって、手を抜いてしまうわけにはいきません。犬にも性格があり、それぞれに心地よいお世話のされ方も違います。どちらにもやきもちを焼かせることなく、1匹ずつを大切に丁寧に世話しようとすれば、倍以上の時間がかかりそうです。
- お世話が倍になるから大変。(20代/女性)
- フンの始末が大変。(60代/男性)
- お世話のタイミングが違うところ。(70代/男性)

犬同士の相性や性格が合わない
犬同士の特性があまりに違いすぎると、それぞれで大きく飼育方法を変えなければならないなど、何かと苦労してしまうケースもあるようです。例えば個々でお散歩や遊び方などの好みが異なってしまうと、双方が仲良くなれなかったり、手間がかかりやすくなったりする可能性も。さらに犬同士の相性が悪いと、うまく関係性ができずに、揉め事などが起きやすくなる場合も考えられます。
- 2頭間の関係性がうまく行くかどうか。(20代/女性)
- 犬同士の相性。(30代/女性)
- 2匹の性格、習慣が真反対だった(片方は外に出たい、片方は室内犬向き)。(70代/男性)

犬同士のトラブル
たとえ犬同士でも、お互いに気にくわないことがあれば、喧嘩をする場合もあります。またコメントにもあるように、血のつながった血縁関係の犬同士でも、どうしても相性が悪いケースも見られます。多頭飼いで常に同じ空間にいるからこそ、トラブルが起きやすくなる一面もあるのかもしれません。
- 喧嘩したり、トラブルが多いこと。(30代/女性)
- 子育て期が終わった途端に親犬が子犬に対して攻撃的な態度を取るようになった。(40代/女性)
- 先住犬があとから来た犬を支配しいじめたことです。(60代/女性)

犬を多頭飼いするきっかけは?最多で何頭?
みなさんはどのような理由で多頭飼いをすることになったのでしょうか……。多頭飼いすることになったきっかけと、最多で何頭かったことがあるのか聞いてみました。
犬を多頭飼いするきっかけは?
多頭飼いすることになった理由 | 回答数 |
---|---|
もう1匹欲しくなった | 31 |
飼い犬が出産した | 21 |
親戚・知人から譲ってもらった | 18 |
捨て犬・迷い犬を保護した | 11 |
保護犬を引き取った | 10 |
ペットショップなどでひとめぼれ | 10 |
1匹だと寂しいと思った | 9 |
ペットロスになるのが怖い | 4 |
その他 | 5 |
回答サンプル数:119人 ※複数回答可
多頭飼いするようになった理由は、単純に「もう1匹欲しくなった」というのが一番多い結果となりました。ひとめぼれした、ペットロスになるのが怖いなど2匹目も積極的に飼いはじめた人が多い印象です。
一方で、捨て犬を拾った、飼っている犬が出産した、親戚や友人が飼えなくなって譲ってもらったりと、ひょんなことから2匹目以降のペットを飼いはじめたという人も……。
もう1匹欲しくなった
アンケートを見てみると、飼い主によってもう1匹飼いたいと思うきっかけは三者三様のようです。なかには、自分以外の家族にだけ懐いているので、自分に懐いてくれる犬が欲しかったという人も。
- 1匹飼っていて家族に懐いた姿を見て自分に懐いた犬が欲しいとワガママを言ってもう1匹飼ってもらった。(30代/女性)
- 多頭飼いをしている知人を見て欲しくなった。(30代/女性)
- 違う犬種を飼育したかった。(60代/男性)
- 一頭飼っていたが、長男が「もう一頭飼ってくれ」といってきたので。(70代/男性)

飼い犬が出産した
もともと飼っているペットに避妊や去勢手術をしておらず、出産して子どもが増えた場合にも多頭飼いになります。かわいい愛犬の産んだ子どもであれば、家で飼ってあげたくなりますよね。
- 赤ちゃんが産まれたから。(20代/女性)
- 母犬が2匹子犬を産み、オスの子はもらわれていきましたが、メスが残りわが家で飼うことに。(40代/女性)
- 親犬が出産し、また他のところからも預かりました。(50代/男性)
- 飼い犬がお見合いをして子どもを産んだから。(50代/女性)

親戚・知人から譲ってもらった
すでに犬を飼っている人は、犬のしつけや飼い方にも慣れていますし、犬の命の大切さも知っています。そのため親戚や知人から「一緒に飼って欲しい」と頼まれるケースが多いようです。たまに写真を送ってあげたり、家に遊びに来てもらったりすることで元の飼い主も安心できそうです。
- 先住犬に加え、知り合いの方のところから譲り受けることになったので。(20代/女性)
- 家庭の事情で飼えなくなったという子を引き取った。(40代/女性)
- 友人が飼えなくなったとのことで。(50代/男性)
- 引越しをする親戚に頼まれた。(70代/女性)

捨て犬・迷い犬を保護した
すでに犬を飼っている愛犬家だからこそ、捨て犬や迷い犬に遭遇してしまうと、見なかったことにはできずに保護するケースも多いようです。犬の飼い方に慣れている分、勝手がわかっているので、迎え入れるハードルが低くなりやすい一面もあるのかもしれません。
- 捨てられているのを見過ごせなかった。(30代/男性)
- 迷子犬を保護したことがキッカケです。(30代/女性)
- 柴犬を飼っていて、散歩していたら、雑種の犬が付いてきてしまった。(70代/男性)

保護犬を引き取った
捨て犬や迷い犬と同じように、愛犬家として、なかなか受け入れ先のない保護犬を迎え入れる場合も多々あるようです。なかには元々お世話をするのが好きで、飼い犬を増やしたいと考えた時に、ペットショップではなくあえて保護施設を選んで引き取るケースもあるでしょう。
- 主人が引き取り手のいなかった保護犬をもらってきたからです。(30代/女性)
- 保護犬を保護したことがきっかけ。(20代/男性)
- 道で保護した犬や愛護センターで保護した犬、知り合いからもらった犬などを同時期に飼うことになったから。(60代/女性)

ペットショップなどでひとめぼれ
1匹目を飼う時でもよくあるパターンですが、ペットショップなどで見て惹かれてしまうと、どうしても諦めきれずに新たにお迎えするケースは少なくありません。「うちの子と遊んでる姿を想像したら……」などのように考え出してしまったら、余計にお迎えしたくなってしまいますよね。貴重な巡り合わせと感じてしまったら、元々は飼う気がなかったとしても、もう1匹増やしたくなる場合もあるようです。
- ペットショップでひとめぼれしたからです。(40代/女性)
- ペットショップで気にいってしまい家族も飼おうと言って急に飼うことになった。(40代/女性)
- 運命的に出逢ってしまったから。(50代/男性)

最多で何頭飼ったことがある?
犬の多頭飼い経験者に今まで何頭飼ったことがあるのかアンケートを取ってみました。

2匹または3匹と答えた人が全体の80%以上を占めましたが、なかには7匹も飼っていた人も!前章でも、多頭飼いになったきっかけが、飼っている犬が出産したからという飼い主さんも多くいらっしゃいましたが、毎日賑やかで楽しそうな生活が想像できますね!
犬を多頭飼いしてよかった?
では、実際に犬を多頭飼いしてみてよかったと思ったのか、飼い主の本音を聞いてみました。

アンケートの結果、約8割の人が「よかった」と答えています。これから多頭飼いをしようとしている人にとっては、心強い結果ではないでしょうか。しかし一方、「よくなかった」と答えた人が8%、「どちらでもない」と答えた人も13%います。前述で紹介した他頭飼いのデメリットについてよく考え、犬と飼い主が幸せに暮らせるか家族ときちんと話合って決めるとよいでしょう。
多頭飼いに向いている・向いていない犬種は?

前途でも「先住犬と相性が合わなかった」との意見があったように多頭飼いに向いている・向いていない犬はいるのでしょうか。
当然ながら個々で性格などは変わってくるので一概にはいえませんが、犬種ごとに「友好的」や「人見知り」など、同じ種類同士で似たような傾向も見られています。もちろん各犬種でいわれている特徴に当てはまらないケースもありますが、種類ごとの多頭飼いの向き・不向きは、一般的には次のように分かれるとされています。
多頭飼いに向いている犬種
- トイ・プードル
- チワワ
- ミニチュア・ダックスフンド
- ビション・フリーゼ
- ボストン・テリア
- ラブラドール・レトリーバー
- ゴールデン・レトリーバーなど
上記に挙げた犬種は、いずれも人懐っこく友好的で、比較的犬同士でも仲よくなりやすい犬種です。また穏やかで賢かったり、陽気で活発だったりする犬種なら、犬同士で遊んで過ごしてくれる可能性も高いので多頭飼いにもおすすめできます。特に知能の高い犬種同士なら、お互いに犬独自のコミュニケーションを取りつつ、先住犬が教育してくれるケースも。フレンドリーで知的な犬種なら、比較的多頭飼いにも向いているでしょう。
多頭飼いに向いていない犬種
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ピンシャー
- ヨークシャー・テリア
- ジャック・ラッセル・テリア
- ペキニーズ
- 柴犬など
上記で上げている犬種は、用心深く落ち着いた性格ながらも警戒心が強かったり、飼い主への愛情深さらから独占欲が出やすかったりする傾向が見られます。飼い主には非常に忠誠的でしつけがしやすいものの、他の犬が来てしまうことで、やきもちを妬いたり人見知りしたりするケースも。犬同士の関係性が築きづらい犬種では、多頭飼いをするのは難しいかもしれません。また縄張り意識や闘争心が強いタイプも、他の犬を攻撃してしまう可能性があり、多頭飼いにはあまり適さないでしょう。
犬を多頭飼する前に確認すること

新たな犬をお迎えした後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないためにも、多頭飼いする前に確認しておくことがあります。どのような理由であれ犬をお迎えしたら最後まで面倒を見るのが飼い主の責任です。ここでは6つのポイントを挙げましたので、一度チェックしてみてください。
お金と時間の余裕
いまの生活で、新しい犬を飼うだけのお金や時間の余裕はあるでしょうか。すでに犬を飼っている人なら、月にどのくらいの費用がかかるのか、だいたいわかると思います。その費用が、倍になっても大丈夫なのか。いざ、病気になったらかかる費用なども念頭において、考えてみましょう。
犬を飼うのには散歩させたりトイレのお世話をしたり、清潔に整えたりと、しつけやお世話をする時間も犬の数だけかかります。
また、現在は大丈夫でも、仕事が忙しくなったり、転勤や引越しの予定があったりしないでしょうか。犬2匹連れての引越しは、物件探しも大変になります。飼い主の都合で手放すことがないように、将来を見据えて計画的に考えましょう。
先住犬との相性
家を空けることの多い飼い主の場合、お留守番ばかりさせている犬がかわいそうと感じて、もう1匹お迎えしようとするケースは多いかもしれません。本来、犬は社会性の高い生き物なので、新しい犬と仲良くしてくれる可能性は高いでしょう。しかし、先住犬がおっとりした性格に対して、お迎えした犬が活発すぎたり攻撃的だったりすると、先住犬のストレスになります。
また、犬もやきもちを焼きます。新しくやってきた犬ばかり飼い主にかわいがられるのを見ると、先住犬がストレスを感じ体調不良になってしまうかもしれません。ごはんも散歩も先住犬を先にするなど、犬の上下関係を崩さないよう配慮も必要ですが、基本的には先住犬も後住犬も平等に扱うように心がけましょう。
犬の性別や年齢
オス犬にはもともと闘争本能があり、オス同士が一緒になると喧嘩をする場合があります。できれば年齢や体格、性格の近い子を選ぶとケンカが起きにくく、たとえケンカになっても惨事になる可能性は低いでしょう。
先住犬が高齢になってから新しく子犬を迎え入れる場合、寝てばかりであまり動かなくなった高齢犬が、子犬につられて遊ぶことで運動不足が解消されることもあります。あるいは、子犬のお世話をすることで、精神的に安定することもあるでしょう。その反面、疲れやストレスを溜めてしまう場合があるので、先住犬が疲れているようであれば休ませるなど飼い主の見守りが必要です。
部屋の数と広さ
たとえ犬同士の関係性がうまくいったとしても、それぞれのパーソナルスペースがないとストレスがたまってしまう可能性があります。2匹分のケージを置くスペースは室内にあるでしょうか。また、犬同士の性格が合わない場合、別々の部屋で飼育できるかどうかも大切。部屋の数や広さも、犬と一緒に快適に暮らすために必要な条件です。
契約の内容に違反していない
たとえばペット飼育可の賃貸物件に住んでいる場合でも、飼ってもいい頭数に制限がある場合があります。また、新しいペットが増えた場合は届出をしないといけません。賃貸物件に住んでいる場合は、不動産会社や大家さんに、もう1匹飼ってもいいか確認してから飼うようにしましょう。
災害時の避難
災害時に備えて、近くの避難所に犬を連れて行ってもいいのか、頭数に制限はないかなど事前にチェックしておきましょう。また、いざというときの預け先も見つけておくと安心です。多頭だと預け先探しも大変ですので、早めに実家や知人に相談するとよいでしょう。
多頭飼いをはじめる前に準備すること

現在、犬を飼っていれば、ほとんどのものは揃っていると思いますが、共有できず、頭数分揃えないといけないものもあります。多頭飼いをはじめる前に必要なことを知って、準備しておきましょう。
ケージやサークルを用意する
ケージやサークルは、犬のパーソナルスペースを守るもの。社交的で人懐っこい犬でも、寝る時やくつろぐ時は自分だけのスペースがないと落ち着きません。犬同士がどう感じるかによってケースバイケースではありますが、少なくとも慣れるまではケージやサークルは頭数分用意してあったほうが安心です。とくにお迎えするのが子犬の場合は、トイレとベッドがセットになったサークルを新たに準備してあげましょう。
専用のトイレを用意する
子犬はトイレの回数が多いので、新たにお迎えする場合、ケージやサークル内に専用のトイレを設置してあげたほうがよいでしょう。その他の場合、先住犬のおしっこのニオイでトイレの場所を学習してくれることもあるので、専用のトイレを用意するかどうかはケースバイケースです。ただ、頭数が増えたのに同じトイレを使う場合は、トイレの大きさを大きくする必要があります。
専用の食器を用意する
エサや水を入れる食器は、それぞれの犬専用のものを用意しておくと、食べた量や飲んだ水の量がわかるので健康管理がしやすいです。とはいえ、後住犬が「これは自分専用の食器」とすぐにわかってくれるとは限りません。その場合、先住犬と後住犬をそれぞれ離した場所でエサをあげるとよいでしょう。
犬の体調を確認する
犬の病気の中には、感染力の非常に高い感染病もあります。犬が新しい環境に慣れて1週間ほどしたら、健康診断に連れて行きましょう。健康状態をチェックし、ノミ・ダニ予防をしてから先住犬と徐々に触れ合わせてください。
去勢・避妊手術をする
成犬を迎える場合、去勢・避妊の手術は済んでいるか確認しましょう。予定していない妊娠を防ぐためはもちろん、発情期のストレスをなくし、乳腺腫瘍などの病気やマーキング行為の予防にもなります。
子犬の場合、ワクチン接種を終えてから
新しく迎え入れる犬が子犬の場合、生後60日目、90日目、そして120日目の3回のワクチン接種を受けるまでは、先住犬との触れ合いは避けましょう。生後2〜4カ月は母親からもらった免疫が失われていき、感染症にかかりやすい期間ですので注意が必要です。
先住犬との初顔合わせの流れ

飼い主は、新しい犬を迎えることにワクワクしていることでしょう。しかし、先住犬や新しい環境にやってくる後住犬は、不安など色んな感情を抱いているかもしれません。ここでは、後住犬と先住犬を顔合わせさせるまでの流れについて、順を追ってご紹介します。
後住犬を環境に慣れさせる
新しくお迎えする犬は、いきなり知らない場所に連れてこられて不安でいっぱい。先住犬と合わせる前に、まずは新しい環境に慣れてもらうところからはじめましょう。できれば、しばらくは別々の部屋で飼育してあげてください。飼育部屋がひとつの場合、後住犬は専用のサークルやケージの中に連れて帰ってきたときのキャリーケースごと入れて、そっと様子を見守りましょう。
先住犬を連れてきてケージ越しに合わせる
後住犬が新しい環境に慣れてきたら、いよいよ先住犬に合わせてみましょう。先住のところに後住犬を連れて行くのではなく、後住犬がいるところに先住犬を連れていきます。これを逆にすると、先住犬は自分の縄張りを荒らされたと勘違いしてしまうかもしれません。後住犬はケージに入れたまま、ケージ越しにお互いの存在を認識してもらいます。ケージ越しに吠える場合は一度離して、再度時間を置いてからチャレンジしましょう。
ケージから出してお互いのにおいを確認させる
ケージ越しに対面させても吠えなくなったら、ケージから出して様子を見ましょう。犬が自ら相手の匂いを嗅ぎに行ったら、挨拶しようとしている証拠。相手の顔を舐めるのは、愛情の表れともいわれています。こうなったら、相性に問題はなさそうです。最初は飼い主が見守るなかで一緒に遊ばせて、徐々に慣れさせていってください。
犬の多頭飼いで注意すること

続いて、多頭飼いしていくうえで、飼い主として注意しておくべきことを説明していきます。
一緒に遊ぶことを強要しない
飼い主にとっては、犬同士が仲良くなってくれることが願いです。とはいえ、無理強いは禁物。毎回一緒に遊ばせようとせず、それぞれ自分の見つけたくつろげるスペースで放っておいてあげることも大切です。犬がストレスを感じにないように、自由にさせてあげましょう。
しつけは別々にする
後住犬は先住犬に倣って行動します。先住犬のしつけがきちんとできていれば、2匹目以降のしつけはあっさりと成功することが多いようです。その反面、先住犬のしつけができていないと、同じように2匹目も問題行動を起こしがち。できれば、1匹目をしっかりとしつけた後で新しい犬をお迎えしましょう。
先住犬を優先させる
エサをあげるときや散歩に連れ出すときなど、なるべく先住犬を優先しましょう。犬は格付け意識の高い生き物です。後からきた犬のほうが、自分よりも大事にされていると感じるとやきもちをやいて後住犬にいじわるをしたり、飼い主のいうことを聞かないなど問題行為を起こしてしまうことも。新しく迎えた犬が子犬の場合、つい構いたくなる気持ちはわかりますが、遊ぶ時間も公平になるように注意しましょう。
犬同士のケンカには介入しない
犬が犬に噛み付いたり、揉み合ったりしているのは、単にじゃれていたり遊びの延長だったりする場合も多々あります。変に仲介に入ることで、犬はなぜ怒られているのかわからずに混乱してしまうかもしれません。また、新しくお迎えした犬が子犬の場合、成犬の先住犬にじゃれて、しつこく噛み付くこともあるでしょう。しかし、我慢できなくなった先住犬に怒られることで、子犬は学習して社会性を身につけます。
散歩は1匹ずつおこなう
犬の散歩は、基本的に1匹ずつおこなう方がおすすめです。お互いに勝手な方向に進みたがってうまく進めなかったり、コードが絡み合ったりしてしまうことがあります。時間がかかるわりに、運動量も少なくなってしまいがちなので、同時に散歩させるならそれなりのしつけが必要です。家族で1人1匹リードを持って、一緒に出かけられるとよいでしょう。
先住犬と相性が悪い場合は?

いざ新しい犬をお迎えし、先住犬と毎日ケンカばかりしてしまう場合、どうしたらいいのでしょうか。
別のスペースで生活させる
お迎えした犬と先住犬の相性が残念ながら悪かった場合、お互いにストレスがかかります。ケージやサークルは個々に用意して、別々にくつろげるスペースを用意しましょう。なるべく離れた位置に置き、必要であればタオルやブランケットなどで、お互いが視界に入らないように目隠ししておきます。
場所やおもちゃを交代で使わせる
遊ぶ場所やおもちゃが限られているのであれば、交互に使わせることで、ケンカを回避することができます。
また、お互いの犬が縄張り意識を感じているようであれば、タオルやおもちゃのにおいをお互いに嗅がせて慣れさせるとよいでしょう。
しつけ教室に通わせる
どちらかの犬に問題行動があって、仲良くできなかったりケンカがひどかったりすることもあります。その場合は、しつけ教室に通わせたり、トレーナーに相談したりするのもひとつの方法です。犬同士がずっと仲良くできない理由の多くに、飼い主が上手にリーダーシップを取れていないケースがあります。飼い主が態度を変えることで、犬同士の関係にも変化が現れてくるでしょう。
多頭飼いに向いている家の間取りとは?
多頭飼いする際には、家の間取りも考えましょう。人と同じように、犬にもそれぞれ個性があります。多頭飼いするときは頭数分のケージやサークルを置くなど、犬のパーソナルスペースを作ってあげることで、ストレスなく快適に生活することができます。お迎えしたばかりの時期は、新しい環境に慣れるまで先住犬の姿が見えないよう、別の部屋を用意してあげられるとよいでしょう。リビング以外の居住スペースがある間取り、リビングが10畳以上ある広めの物件を選ぶと快適に過ごせそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?多頭飼いで何匹もの犬に囲まれて過ごす生活は、とても楽しそうですね。しかし、忘れてはいけないのが、ペットを飼えば最後まで面倒を見る責任があるということ。そのためには、飼い主が生活力や住環境、お世話するための時間などを整えておかないといけません。今だけでなくペットの寿命が尽きるまで、その環境を維持できるかどうかもよく考えて、新しい家族を迎えるようにしましょう。
■アンケート概要
対象/全国16歳~80歳の犬の多頭飼い経験者119人
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2020年8月
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