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一人暮らしでも猫は飼える?失敗・後悔しないための注意点とおすすめの猫種

コロナ禍の影響で在宅勤務が増え、癒しを求めてペットを飼う人が増えています。ペットのなかでも猫は犬のように毎日お散歩をさせる必要もなく、それほど構ってあげられなくてもマイペースに過ごしてくれます。また、鳴き声も比較的小さいので、飼いやすいでしょう。ただし、軽い気持ちでペットを飼うと、「こんなはずではなかった」と後悔するかもしれません。
この記事では、猫を飼ったばかりに起きた失敗談や実際に猫を飼うために必要なもの、飼うためにかかる費用などを詳しくご紹介します。これから猫を飼いたいと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

一人暮らしで猫を飼うと後悔する?みんなの失敗談

かわいくて癒される猫。「後悔するはずがない」と思って飼い始めても、いざ飼ってみれば想定していなかった事態が起こることもあります。ここでは猫を飼うことが生活に与える影響を、項目別にご紹介します。

餌やり、トイレの掃除などのお世話が大変

猫の餌やりは、基本的に朝と夜の2回です。できるだけ決まった時間にあげたほうが、体内のリズムが整いやすいでしょう。たった2回の餌やりと思うかもしれませんが、忙しいときや疲れているとき、仕事や日常生活の都合次第では負担に感じるかもしれません。
また、猫はきれい好きなので、トイレも毎日掃除して清潔な状態を保つことが大切です。生き物が相手ですから、食事の提供やトイレの掃除を後回しにするわけにはいきません。

においが強い

狩りに影響するからだといわれていますが、猫には体臭がほとんどありません。そのかわり、おしっこや便のにおいが強いという特徴があります。とくに、マーキングとよばれる縄張りなどを示すスプレー状のおしっこは強烈なにおいがするので、これを避けるには去勢や避妊の手術をおこなう必要があります。また、トイレを所定の位置でできるようしつけたり、場合によってマナーパンツをはかせたりという対応も求められるでしょう。

猫アレルギーが発覚した(なった)

猫に限らず毛のある動物を飼っていると、フケや微細な毛、尿、唾液などからなる「アレルゲン」と呼ばれるアレルギー誘発物質が空中に浮遊することがあり、これによってアレルギー症状を発症することがあります。アレルギーではない人も許容範囲を超えると発症する可能性があるので、常に部屋を清潔に保つことが大切です。

猫の毛まみれになる

猫の毛はたくさん抜け落ちるので、抱っこしたり少し触れたりしただけでも服などに毛が付着します。普段からフラッシングする、こまめに掃除をするなど対策が必要です。

部屋が汚れる

猫は嘔吐をしたり抜け毛が散らかったり、トイレの砂が散らかったりと部屋が汚れがちになります。洗濯物などで遊んで散らかしたり、棚のものを落としたりすることもあるでしょう。家族と一緒に住んでいるなら、協力して掃除や片づけをすることで負担は軽減できますが、一人暮らしだとすべて自分でやらなくてはなりません。

思ったよりもお金がかかる

ペットとして迎える際の初期費用や毎月必要になる出費、急な病気やケガのときの医療費など、猫を飼うと想像以上にお金がかかります。具体的な金額については、後ほど解説しますので参考にしてください。

旅行に行きづらい

一日に2回の食事やトイレの掃除など、猫は毎日のお世話が必要です。旅行や出張などで留守にするときには友人や知人に面倒をお願いするか、ペットホテルやペットシッターを利用するといった対応が求められます。

仕事に影響が出る

猫の様子がおかしかったり体調が悪そうであれば、動物病院に連れていきますよね。例えばそれが出勤のタイミングなら、会社に遅刻したり休んだりする必要もでてきます。「ペットが体調不良で……」というのは、会社からの理解もなかなか得づらいことですので、頻発すると肩身が狭い思いをするかもしれません。餌やりの時間が気になり残業がしづらいと感じる人もいるでしょうし、少なからず仕事への影響はあると覚悟しておきましょう。

このように、猫を飼っているさまざまな支障が生じます。もちろん、それでも猫を飼いたいという人はたくさんいますし、お世話が大変でも大きな負担に感じない人もいます。猫を飼うことでどういう生活になるかを想像し、自分にとって猫を飼うことが向いているかどうかを事前によく考えることが大切です。

猫を飼うのに向いているのはどんな人?

どのような人なら猫を飼うのに向いているのか、いくつか特徴を挙げてご紹介します。以下に該当していれば、大変さはあっても猫との生活を楽しめるでしょう。

猫に合わせられる人

猫はとても自由気ままで、気まぐれな動物です。構ってほしくてすり寄ってきたかと思えば、次の瞬間には猫パンチをして知らんぷり。こういう気まぐれに合わせられ、むしろ喜びを感じられるような人なら、猫を飼うことに向いているでしょう。

時間や生活に余裕がある人

猫の面倒を見るのは手間がかかります。仕事が忙しくて時間がないという人には、猫の飼育は向いていないでしょう。朝晩決まった時間にきちんと食事を与え、トイレを掃除して清潔な環境を保つ。生活上でそういう時間が十分に確保できるなら、猫を飼うことができるでしょう。

インドア派な人

猫と一緒に部屋でゴロゴロしていたいインドア派の人は、猫の飼育に向いています。猫は家につくといわれますが、基本的にずっと室内で過ごします。飼い主も家で過ごすことが好きで、あまり出かけたくないという性格のほうが向いているでしょう。

穏やかな人

猫は大きな音が苦手なので、大声を出す人や騒がしい人を怖がってしまうかもしれません。

部屋の片づけができる人

猫の誤飲は命にかかわります。そのため、部屋を散らかさないようにして、いつもきれいな状態に保たなければなりません。誤飲以外にも、例えば使い終わったヘアアイロンを出しっぱなしにすれば、猫が触ってやけどをしてしまうといったリスクがあります。
また、猫にとって危険な植物や花(ユリ科の植物など)、食べ物(ネギ類など)もあるので、事前に知識を備えておく必要があります。猫にとって危険なものを不用意に出しっぱなしにしないよう心がけることが大切です。

猫の飼育に必要なもの

続いて、猫を飼うために必要なアイテムをご紹介します。

ケージ

ケージは、猫が落ち着ける場所として用意してあげるといいでしょう。また、薬剤を使った掃除中など猫に近づかれたら困る際に、安全を確保する目的でケージを活用することもできます。ほかにも、入院先や避難先ではケージでの生活を強いられることもありますので、ケージに慣らしておくことは猫にとっても飼い主にとっても大切なことです。ただし、ケージで過ごす時間が長いと猫にとってストレスになります。ケージに慣らすことも大事ですが、使用頻度に注意しながら上手に活用しましょう。

ベッド

猫が自分のテリトリーであると認識し、安心して寝るための場所としてベッドが必要となります。猫用のベッドも市販されていますが、座布団のようなものでも代用可能です。

キャリーバッグ

キャリーバッグは猫が病気やケガ、予防接種のときなど、猫を外出させる際に必要なアイテムです。災害が起きた際、避難するときにも必要になります。

トイレ

トイレは、猫を飼う上で欠かせない必須アイテムといえるでしょう。猫よりも一回り大きいトレイの形状で、そこに猫砂を入れて使用します。尿や糞だけを固めて処分することができる猫砂や、においを緩和する材質のものを選ぶとよいでしょう。

爪とぎグッズ

爪とぎグッズも猫を飼う上で重要なアイテムです。室内を傷つけないよう、爪とぎグッズで爪をとぐようにしつける必要があります。段ボール、麻、布、木など、さまざまな材質の爪とぎグッズがあり、猫によって好みが違うのでいろいろと試してみるとよいでしょう。消耗品なので、定期的に交換してあげることも忘れずに。

ケア用品

猫は、定期的なケアを必要とする動物です。シャンプーで洗ったりブラッシングしたりして、抜け毛をきれいに取り除いてあげましょう。特にブラッシングは、猫が自分の身体をなめて毛玉が体内に溜まるのを防止する役割もあります。また、長く伸びすぎた爪は室内で暮らす猫にとっても人にとっても危険です。猫用の爪切りがありますので、嫌がる子も多いかもしれませんが定期的に切ってあげましょう。もし、自分でおこなうことが難しい場合には、動物病院やペットサロンなどに頼むとよいでしょう。

食器や給水器

猫の成長に応じた食器を用意してあげましょう。子どもの頃は小さめで、大きくなったら成猫用に切り替えます。お皿の位置が低いと、猫の体の構造上腹部が圧迫されてしまいます。特にシニア猫はかがむ姿勢がつらいこともありますので、猫が食べやすい高さになるよう食器台を利用したり高さのある食器を用意してあげましょう。

キャットフード・おやつ

猫が食べる餌にもさまざまな種類があります。総合栄養食、おやつ、療法食、目的食など、用途によって食べさせるものを変えることができます。猫がかかりやすいとされる尿路疾患を予防する餌、体内に溜まった毛玉の排出を助ける餌などさまざまな種類があるので、餌の種類で迷うようであればかかりつけの獣医さんに相談してみるのもひとつの手です。
おやつはご褒美やしつけとして使えるので準備しておくといいでしょう。爪とぎやトイレトレーニングに利用したり、病院帰りで疲れた猫にがんばったご褒美としてあげたりと、いろんな場面で役立ちそうです。

おもちゃ

ねこじゃらしなどのおもちゃは、猫の運動不足解消に役立ちます。飼い主が遊んであげられないときでも猫がひとりで遊べるような、自動のおもちゃもおすすめです。

キャットタワー

猫は上下運動が好きなため、キャットタワーがあるとよいでしょう。運動不足の解消にもなるので、部屋で飼っているなら必須アイテムです。最近ではDIYでキャットタワーをつくる人も増えているので、かわいい猫へのご褒美として作ってあげてもいいかもしれませんね。

以上の紹介した猫の飼育に必要なものを、いっぺんにそろえると5万円くらいかかります。ただし、すべて必須というわけではありません。優先順位をつけ、必要なものから少しずつ揃えましょう。まずは最低限必要なトイレと猫砂、食器と餌を用意し、あとは必要に応じて買い足していきましょう。

また、万が一の被災時のことも想定して、余裕のあるときに猫と避難するための防災グッズなども揃えておくと安心です。

猫の飼育にかかる費用はどれくらい?

猫の飼育にどれくらいの費用がかかるのか、ここで項目別にご紹介します。

キャットフード代

キャットフードといっても安価なものから高価なものまで値段はさまざまですが、一カ月分でだいたい3,500円~4,000円程度かかります。

日用品代

猫の日用品として爪とぎグッズや猫砂、おもちゃなどがあります。爪とぎグッズは1,000円(耐久は半年ほど)ほど、猫砂は1カ月分5リットルとして2,000円程度、おもちゃが年間3,000円ほどかかります。いずれも使えなくなったりなくなったりすれば、新しいものの購入が必要です。

ケア用品

猫の健康を保つために、ケア用品は欠かせません。必要になるケア用品には、以下のようなものが挙げられます。

  • シャンプー:3,000円~5,000円(約1年間)
  • 消臭剤:2,000円(半年)
  • 爪切り:2,000円
  • 除菌シート:1,000円(3カ月)
  • ブラシ:1,000円

これらを合計すると、年間で15,000円ほどの予算が必要です。

光熱費

猫は比較的寒がりですし、夏には暑がります。そのため、飼い主が不在の間も、エアコンをつけておかなくてはならないことが多いでしょう。だいたい冬の暖房費が4,000円程度、夏のエアコン代が5,000円程度プラスになると考えておきましょう。

予防接種や去勢・避妊費用代

猫はさまざまな感染症にかかる恐れがあるため、予防接種は必須です。予防接種はコアワクチンとノンコアワクチンの2つに分類され、三種混合ワクチンはコアワクチンとなります。
以前までは毎年のコアワクチンの予防接種が推奨されてきましたが、近年はワクチンでの有害事象が問題視されるようになり、3年目(2歳)以降のワクチン接種の間隔を延長して3年に1度の間隔が一般的になってきています。なお、予防接種の種類と費用は以下の通りです。

  • 三種混合ワクチン 4,000円~6,000円程度
  • 猫が感染する可能性の高い、3つの感染症(猫ウイルス性鼻器官支炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症)を予防するワクチンです。

  • 四種混合ワクチン 5,000円~7,000円程度
  • 三種混合ワクチンに「猫白血病ウイルス感染症」を追加したワクチンです。

  • 猫エイズワクチン(FIV) 4,000円~6,000円程度
  • 猫エイズは、室内だけでなく外にも出かける猫が感染しやすい病気です。室内だけで飼育する場合、接種する必要はありません。

  • 猫の避妊手術について
  • 猫の避妊手術は、性的に成熟する前の生後6~8カ月頃におこなうのが理想です。費用はオスの去勢手術が5,000円~20,000円、メスの避妊手術で10,000円~40,000円ほどとなります。

医療費

猫は突発的な病気や、骨折などのケガをすることがよくあります。しかし、人のように公的な健康保険制度がないため、動物病院を受診した際の治療費は全額負担となります。
人なら公的な健康保険制度に加入していて1割負担の場合、例えば1回の診察に2万円かかったとしても2千円の出費で済みます。しかし、猫は保険がないため、2万円の全額を支払わなくてはなりません。
なお、こうした医療費の負担を軽減するためには、ペット保険に加入するのも一つの方法です。ただしこの場合、毎月の保険料が発生します。保険料は猫の年齢や補償内容によって異なりますが、1,500~4,000円程度が目安となるでしょう。

猫の飼育にかかる費用を項目別にご紹介しました。猫を飼うことでかかる生涯費用の合計は最低でも200万円を超え、多い場合には500万円以上にのぼります。
大切な命を預かるということは、お金もかかるということです。マネープランもしっかり立てて猫を飼うようにしましょう。

猫を飼うための部屋づくり

ここからは、猫を飼うための部屋づくりについて解説します。

整理整頓する

部屋にモノが散らかっていると、思わぬ誤飲事故につながります。お気に入りのインテリアグッズや大切なものを壊されてしまうこともありますので、部屋は常に整理整頓を心がけましょう。

床にクッションフロアを敷く

床にあらかじめクッションフロアなどを敷いておくとお掃除がしやすいです。賃貸物件だと、猫が走り回ったことによってできた細かい傷で退去の際に余分な費用を請求されることもあるので、その対策としても有効です。

壁紙を保護する

壁などで爪とぎをする猫もいるので、保護シートを貼って傷がつかないようにすることや、壁に貼れるタイプの爪とぎを貼るなどして、壁紙を保護する工夫や対策についても考えましょう。

コード類を収納する

猫にとって、電気コードは格好の遊びアイテムです。通電しているコードを噛んでしまい、猫が感電する事故は少なくありません。コード類は、猫が触れないよう収納しておきましょう。

空気清浄機を置く

猫が発する毛やフケなどが原因で、飼い主が猫アレルギーになることがあります。空気清浄機を活用し、室内の空気をきれいに保ちましょう。空気清浄機はにおい対策にも役立ちます。

一人暮らしにおすすめの猫種

鳴き声が小さい猫

一人暮らしには、鳴き声が小さい猫がおすすめです。特にロシアンブルーは「サイレントキャット」といわれるほど、あまり鳴かないことで知られています。

おとなしい猫

おとなしい猫といえば、ペルシャ猫、エキゾチックショートヘア、スコティッシュフォールドなどが挙げられます。もちろん個体差はありますが、部屋を元気に駆け回ってモノを壊してしまった……なんて事態は起こりづらいかもしれません。

短毛or毛が抜けにくい猫

毛が多い、または長い猫は、毎日の掃除やブラッシングなどのケアが大変。ブリティッシュショートヘアやアビシニアン、オリエンタルショートヘアのような短い毛のタイプを選ぶのがおすすめです。

ペット可物件に住もう!物件探しのコツ

猫を飼える物件には、ペット可(相談可)物件やペット共生物件などがあります。ペット可(相談可)物件はペットを飼ってもかまいませんが、例えば「犬のみ可」「猫は不可」など細かく規定を設けているケースが多いため、事前によく確認しましょう。一方、ペット共生型物件は猫や犬などのペットを飼うための物件で、飼育に必要な設備が整っています。猫を飼うのであれば、ペット可(相談可)物件もしくはペット共生型物件を探しましょう。

ただし、ペット可の物件は多くありません。ペット不可の物件でも交渉次第で飼えることがあるので、物件が見つからなければ交渉してみてもよいでしょう。その際は築年数が経っていたり、駅から遠かったりする物件をあたってみるのも一つの手段です。借り手が集まりにくい物件であれば、交渉に応じてもらえる可能性は高まるでしょう。なお、その際には、しつけがちゃんとされていること、室内を汚したり傷つけたりしないよう対策することなど、しっかり貸主に伝えることが大切です。

まとめ

一人暮らしも猫を飼えるのか、飼う際の注意点やおすすめの猫種などと共にご紹介しました。猫の飼育には時間(手間)とお金がかかります。命を預かっているという責任が生じるので、時には仕事より猫を優先させなくてはいけないこともあるでしょう。また、猫の飼育にかかる生涯費用は最低でも200万円、多くて500万円以上にのぼります。こうしたことを事前に覚悟しておかないと、いざ飼い始めてから後悔してしまうかもしれません。

それでも猫が飼いたいという人は、猫が快適に過ごせるよう必要なものを揃え、猫に危険がおよばない環境を整えましょう。ぜひ本記事を参考に、猫との楽しい暮らしを実現させてください。

執筆者

ヤマシタ ユキマル

美大卒業後、デザイン事務所に勤務。クリエイターとしてデザインコンセプトやクライアントへ業務改善策などについて提案する文章作成業務をきっかけにライター業へ転身。ライター歴15年。

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