アンティークインテリアとは?特徴や一人暮らしでできる部屋づくりのポイント、実例も紹介

ただアンティークというと、なんとなく敷居が高いイメージがあるかもしれません。ですが一人暮らしの部屋でも、ちょっとした工夫から、アンティークインテリアの垢抜けたムードをつくることは可能です!そこで今回は、アンティークインテリアによる部屋づくりのコツを詳しくご紹介していきます。
記事の目次
アンティークインテリアとは?
「アンティーク」とは、元々はフランス語から派生した、古代西洋の工芸品や美術品を指す言葉に由来があります。まだ機械が発達していない時代に生まれた、職人の手による一点ものといったイメージです。ちなみに現代の日本語訳では、一般的には骨董品とされます。
このことから、「アンティークインテリア」は、古い時代の西洋で製造された家具や室内装飾品と考えて間違いありません。なお明確に何年前という定義はありませんが、アメリカの互恵通商関税法による免税規定から、100年以上前の骨董品をアンティークとする場合も多いようです。とはいえ、あくまで法律的なルール上の話なので、美しく凝ったデザイン性の古いインテリアであれば、アンティークといえるでしょう。
アンティークインテリアの特徴

ではどのような特徴があれば、アンティークインテリアといえるのか、以下から具体的な魅力や要素などを見ていきましょう。
上質
アンティークインテリアでは、木製の家具であれば、使われている木材も高級品であるケースがよく見られます。マホガニー・ウォールナット・オークといった種類が代表的で、いずれも重厚感のある美しい外観に仕上がりやすく、耐久性が非常に高いのも特徴です。デザイン面も凝ったものが多く、照明やカーペットなど、かなり細かく装飾されているものもが多々見られます。
気品がある
アンティークインテリアでは、完全な機械製造ではなく、一部手づくりになっている場合も少なくありません。現在の既製品のような、大量生産では見られないデザイン性のものも多く、装飾や形状にもこだわっている様子が見られます。細部の美しさまで追求しているからこそ、独特の品格が生まれているのも、アンティークインテリアの大きな特徴です。
はやりすたりがない
アンティークインテリアは、西洋の伝統的なスタイルなので、あまり時代に流されないのも魅力のひとつです。一時的なトレンドにとらわれにくく、アンティークインテリアで一度そろえてしまえば、何年か経ったあとでも古く見えません。不変的なデザインの部屋にできるので、何度も手を加えなくても、おしゃれに保ちやすい特徴もあります。
フレンチ・イギリスなどさまざまなテイストがある
アンティークインテリアといえば、大まかな種類として、フレンチとイギリスの2つのテイストに分かれます。城を基調とした淡くやさしい色合いで優雅な雰囲気になりやすいのがフレンチ、シックでかっちりとした印象になりやすいのがイギリスというのが大体のイメージです。さらにそのなかでも、トラディショナルやクラシック・カントリー・モダンといったように、いくつかのスタイルがあります。
アンティークインテリアをつくる3つのポイント
先ほども出てきた、アンティークインテリアの代表例ともいえるフレンチとイギリスのテイストに分けて、それぞれの雰囲気を出すためのポイントを解説していきます。
フレンチアンティークをつくるポイント

素材はウッドやアイアン

アンティークインテリアの家具では、やはり古くから使われてきた木材をベースにするのが基本。またフレンチのアンティークインテリアだと、曲線的な装飾がされることが多いため、一部アイアンになっているのも雰囲気が出やすくなります。例えば椅子の背・テーブルの脚・ベッドの枠など。フレンチのアンティークインテリアの大きな特徴といえば猫足で、同じようにくるりと湾曲を描く装飾がされたアイテムを取り入れるのがおすすめです。
配色は白を基調にスモーキーカラー

フレンチのアンティークインテリアでは、白ベースで統一するのが王道のスタイル。特に大きめの家具は白でそろえつつ、そこから薄いグレーやアイボリーなど少しくすんだ淡色を取り入れていくと、フレンチっぽさが増します。どちらかというと、ガーリーなデザインになりやすいのがフレンチの特徴です。
モールディングの腰壁やティンタイル

モールディングとは、陰影が浮き出るような、凹凸のある連続した表面装飾のことです。特にフレンチのアンティークインテリアでは、腰辺りまでの低い壁部分に、扉のような枠型の装飾をするケースが多く見られます。部屋の壁が2段に分かれて見えるデザインにすると、かなり洋風なテイストが出せて、グッと高級感も増すのでおすすめです。
イギリスアンティークをつくるポイント

素材はウッド、レザー、大理石

イギリスのアンティークインテリアでは、ラグジュアリーで落ち着いた印象になりやすい素材のものを使うのが基本。しっかりと重みのある木材に加えて、天板が大理石になったテーブルや革のソファなどを取り入れていくと、イギリスっぽさが出ます。全体的に、少し重みのある素材にしていくと、風格が増します。
配色はダークブラウンを基調にブルーやグリーン

フレンチアンティークとは反対に、イギリステイストでは、暗めの濃いカラーを使っていくと雰囲気が出やすくなるのも特徴。基本的には大きめの家具をダークブラウンで統一し、壁やファブリックに濃いブルーやグリーンなどを足していくと、落ち着いたデザインでまとめながらもコントラストを出すことができます。また差し色として赤といったビビッドカラーを加えるとアクセントになりもおしゃれ感も増すのでおすすめです。
壁紙は花柄やダマスク柄

イギリステイストでは、花柄や紋織もの風のダマスク柄などの模様が入った壁紙が使われていることが多いです。柄ものの壁紙にすると、高級ホテルや宮殿っぽい雰囲気にもなるのでおすすめです。なかでも、ウィリアム・モリスの壁紙などが有名です。
一人暮らしでアンティークインテリアを取り入れるコツ
もし自分で購入したマイホームであれば、室内の大幅なリフォームもでき、好みの床材や壁紙にするなど自由にインテリアを楽しむことが可能ですが賃貸物件の場合、部屋を元の状態にして返さなければならない、原状回復義務があります。そうなると、「自分の部屋を好きにアレンジするのは難しいのでは?」と疑問に感じる方も多いでしょう。ですが最近はDIYが流行っていることもあり、簡単に部屋を工夫できるアイテムが続々と登場していて、模様替えも手軽にできるのでおすすめ!そこで以下からは、こうしたグッズを使ってアンティークインテリアを簡単に取り入れるコツをご紹介していきます。
リメイクシートを活用する

リビングやキッチンなどの壁に、貼って剥がせるデザイン性の高いリメイクシートがいくつも市販されています。現状の壁紙の上から、好きな柄のシートを貼り付けるだけで、簡単に部屋の雰囲気をガラリと変えることが可能。例えばフレンチアンティークでも出てきた、腰窓風のモールディングデザインにできるリメイクシートもあり、手軽におしゃれなアレンジができますよ。
ただしメーカーによっては、糊が残ってしまったり剥がしづらかったりするケースも。貼って剥がせるとはいえ、商品ごとに強度などは異なるため、事前に口コミや詳細情報をしっかりと参考にしましょう。
クッションフロアを敷く

クッションフロアとは、既存のフローリングの上に敷いて、床材をアレンジできるアイテムです。マスキングテープと両面テープで貼り付けたり、接地面が吸着素材になっていたり、さまざまな種類があります。
フレンチテイストならホワイトカラーやタイル地にしたり、イギリステイストならダークブラウンやV字にフローリングを組み合わせたヘリンボーン型にしたりなど。それぞれのアンティークスタイルに合わせて、手軽にデザインできますよ。
家具や小物はアンティーク風にリメイク
実際に本格的なアンティーク品を買おうとすると、なかなかの値段になってしまい、簡単には手に入らないケースも少なくありません。ですが最近は、アンティーク風にできる専用塗料もあるので、例えば新品の家具を塗装してアレンジすることも可能。くすませたり錆び付いた色合いにしたりなど、リーズナブルにアンティークっぽい加工ができます。より自分好みの見た目にできるのもメリットですよ。
穴が目立たないピンやフックを使用する
賃貸物件だとどうしても壁かけのアレンジがしにくいですが、穴の目立たないピンやフックを使えば、簡単に小物の装飾や見せる収納ができます。ちょっとしたアンティーク風のアイテムを飾っておくだけでも、十分おしゃれな雰囲気を演出することが可能。ただしこちらも、メーカーによっては意外と穴が目立ってしまう場合もあるので、事前にしっかりと商品情報をチェックしておきましょう。
アンティークインテリアで失敗しないためのコツ
ではアンティークインテリアを取り入れて、よりスタイリッシュな部屋に仕上げていくために、特に気を付けておきたい注意点も見ていきましょう。
重くなりすぎないよう工夫をする
あまりアンティークインテリアを盛り込みすぎると、全体的に重たい印象に見えてしまう場合があります。特にイギリスアンティークだと、暗めの色が多くなりがちで、圧迫感が出てしまうことも。統一感も大切ですが、アクセント的に明るめのカラーも取り入れると、開放的になります。
色を入れ過ぎない
インテリアの色合いがバラバラになってしまうと、せっかくのアンティークならではの上品さが半減してしまいます。色数が多いと、どことなく生活感が出てしまうので、よりデザイン性を高く見せるには大体3色以内にまとめるのが基本。部屋全体のベースカラー・家具のメインカラー・差し色のアクセントカラーの3つで考えていくと、すっきりセンスよく見えます。
異なるテイストを入れ過ぎない
アンティーク系の家具などはそろえるのが大変ですが、ある程度はテーマを決めてアイテムを取り入れたほうが、まとまりがあってハイセンスな印象になります。例えばフレンチとイギリスのアンティークインテリアをミックスするのであれば、そのなかでもカントリー調に合わせるなど、なるべく似たスタイルにしていくのがおすすめです。
アンティークインテリアの一人暮らし事例を紹介!
おしゃれでこだわりのある部屋作りを紹介する『こだわり部屋FILE 』から、「アンティークインテリア」の実例を紹介いたします。実際のお部屋づくりの参考にしてみてくださいね。
DIY家具で作るアンティーク風女子ROOM

こちらは白をベースカラーとして、ガーリーなフレンチアンティークをテーマにしています。パステルカラーの薄い水色がアクセントになっていて、よりフェミニンでかわいらしい印象になっているのが特徴。また壁紙のレンガ調からはカントリー感も出ていて、少しカジュアルダウンしている部分もおしゃれなポイントです。
ウッドテイストのレトロシャビー部屋

こちらは、イギリスアンティークのなかでも少しやわらかめのカラーにそろえて、カントリー調にしているお部屋です。レトロ感の強いウッドチェストや、クラシックなラグなどをうまく活用しつつ、重たくなり過ぎないアンティークインテリアにまとめています。
古材とアンティークに囲まれたハンドメイドROOM

こちらは、全体をスモーキーカラーにまとめた、フレンチカントリーの王道スタイルでうまくコーディネートしています。写真の手前にある白いチェストは、まさにフレンチアンティークを体現したような、くすみが味になっており、フレンチアンティークを目指すなら取り入れたいアイテムです。
アンティークの風合いが漂うクラシカルスペース

こちらは、ダークブラウンのチェアとテーブルに、全面に敷き詰められた柄物のカーペットが印象的なお部屋です。派手な装飾はされていませんが、一つひとつにしっかりと重厚感があり、まさにクラシック調のイギリスアンティークの雰囲気が出ています。
ブラウンを基調としたホテルテイストROOM

こちらはシンプルにまとめつつも、イギリスアンティーク風の高級感あるイメージに仕上がっているお部屋です。ナチュラルカラーが多いようにも見えますが、ベッド横のドレッサーや手前のチェアにはしっかりイギリステイストが入っていて、アンティークのシックな雰囲気が漂っています。重厚感を出しすぎず女性らしさを取り入れているところもポイントです!
アンティークとファッションアイテムで飾るヴィンテージROOM

こちらは全体をダークトーンでまとめた、クールな印象が強い、イギリスアンティーク寄りの部屋です。チェアとソファはレザーで統一し、デスク、ラック、テーブルは近代的なデザインを取り入れつつヴィンテージ風にまとめていて、ナチュラルだけど甘すぎずかっこいいテイストに仕上がっています。
まとめ
いかがでしたか?
アンティークインテリアでそろえておくと、上品でセンスのある部屋にデザインできるのが大きな魅力です。本格志向でアイテムを集めようと思うと、少しハードルは高いかもしれませんが、既製品を自分で装飾してアレンジしてアンティーク風にする方法もあります。また全部を統一しなくても、メインの家具などをアンティークにして、その他のインテリアの色味を合わせるだけでも雰囲気を出すことは可能です。本記事を参考に、ぜひおしゃれな部屋づくりを楽しんでみてください。
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