オフィスレイアウトの基本とは?機能的でおしゃれなレイアウトパターンを解説

ここでは、スタッフがより働きやすくモチベーションを上げられるような、機能的でおしゃれなレイアウトの基本やレイアウトパターン例をご紹介しましょう。
記事の目次
オフィスレイアウトの基本
オフィスレイアウトの基本は、ゾーニング計画をおこない、デスクの配置計画をおこないます。ゾーニング計画は、エントランスや会議室、執務エリア、休憩エリアなどエリアごとの配置を、スタッフ動線と来客動線を考慮しながら実施。そして大まかなゾーニング計画が決まったら、スタッフのコミュニケーションの取り方や働き方によって、デスクの配置計画をおこなっていきます。
レイアウト検討時に押さえる法令
オフィスレイアウトをする際には、いくつかの法令を遵守する必要があります。レイアウト検討時に、最低限抑えておく必要のある3つの法令をご紹介しましょう。
建築基準法
建築基準法は、建物の構造や設備などに関する最低限の基準を定めた法律です。オフィスにおいては、建築基準法で定められた廊下や通路幅を確保、非常用進入口の確保(災害時に消防隊が進入する扉)、排煙窓の確保が定められています。
消防法
消防法とは、火災を発生させない、または火災による被害を最小限に抑えるための法律です。消防設備や警報設備、避難設備消防活動用設備を義務付けているほか、防火管理者の選定や消防計画についても定められています。なお、間仕切り工事をする際は、届出が必要です。
労働衛生法
労働衛生法は、スタッフの作業環境に関する規定を設けた法律で、「職場における労働者の安全と健康を確保すること」「快適な職場環境を作ること」を目的としています。労働衛生法を徹底して、生産性の向上やスタッフのモチベーション向上などを図りましょう。
ゾーニング計画
ゾーニング計画とは、エントランスや会議室、執務エリア、休憩エリアなど必要なエリアごとに配置をおこない、大まかなエリア分けをしていくことです。計画を立てるうえで大切なことは、決められたオフィス区画のなかで、いかに機能的な動線計画をおこなうことができるか。ポイントは、スタッフの動線と来客の動線を想定してゾーニング計画をおこなうことです。
動線計画
動線計画とは、人の動線を想定してオフィス空間の人の流れを検討していくことです。動線計画をおこなうことで、働くリズムやスタイルをより機能的に作ることができます。こちらもスタッフと来客動線を考慮して計画すると動線がスムーズになるでしょう。
寸法計画
寸法計画とは、オフィス空間をつくるために必要な造作物や家具の寸法と、人が活動する寸法を計画していくことです。ポイントとして、デスク寸法は空間の大半を占めるため、1人当たりのデスク寸法(作業面積)がどれくらい必要なのか、あらかじめ検討しておくとよいでしょう。
オフィスレイアウトのパターン
オフィスレイアウトは、オフィス空間のなかで部門や各種機能スペース、動線など大まかなスペースを決めるために、いくつかのレイアウトのパターンがあります。ここで、オフィスレイアウトのパターンについて解説していきます。
オープンタイプ(島型)

オープンタイプ(島型)はデスクを向かい合わせて配置させ、スタッフ同士が向かい合い、一番端の上部に上長を配置させるレイアウトです。日本では、もっとも一般的なレイアウトといえるでしょう。
オープンタイプ(島型)向きのケース
一般的なレイアウトで、もっとも取り入れやすいタイプです。島型のメリットは、スタッフ同士が向かい合っているため、コミュニケーションが取りやすい点。また、上長からの指示が出しやすいため管理しやすく、コミュニケーションを活発にしたい、あるいはチームで作業する機会が多い場合に向いています。また、オープンタイプでは効率よくオフィススペースの確保が可能です。
一方、島ごとに配置されるため、他のチームとのコミュニケーションが取りにくくなる点はデメリットとなります。
コリドールタイプ(個室型)

コリドールタイプ(個室型)では、オフィス内をパーティションなどで区切って個室を作ります。プライバシー性が高くなるので、役員室や会議室などによく採用されています。
コリドールタイプ(個室型)向きのケース
コリドータイプのメリットは、各個室に分かれているので集中力が上がるため、クリエイティブな業務に向いている点です。また、プライバシーが確保されるため、秘密保持が必要となる部署などにも向いています。
ただしデメリットとして、他チームから孤立してしまうこと、十分なスペースの確保が必要なところ、そしてコストが上がることが挙げられます。
オフィスランドスケープ

ランドスケープタイプは高い間仕切り壁などを設置せず、背の低いパーティションや家具、観葉植物などを配置しながら、空間をゆるやかに仕切るオープンなレイアウトです。近年、よく採用されている注目のレイアウトになります。
オフィスランドスケープ向きのケース
オフィスランドスケープのメリットは、空間を広く取れるため、オープンで明るいオフィス空間がつくれる点です。スタッフ同士のコミュニケーションが取りやすく、高い間仕切壁が少ないため、チーム編成などによるレイアウトの変更が容易におこなえるでしょう。風通しのいい働き方をしたい部署に向いています。
ただし、オープンスペースのためプライバシーが保ちにくいほか、話し声や雑音があり、集中が必要な業務の方には向きません。
デスクレイアウトのパターン
オフィスレイアウトで大まかなスペースが決まったら、スタッフの働き方や働きやすさを考慮したデスクレイアウトをおこないましょう。ここでは、オフィスの中心となる執務スペースのレイアウト例について解説します。
対向式(島型)

対向式はデスクを向かい合わせて配置させ、スタッフ同士が向かい合い、席の端の上部に上長を配置させる島型のレイアウトです。もっとも一般的なレイアウトで、コミュニケーションを活発にしたい、チームで作業をする業務に向いています。
対向式(島型)のメリット
スタッフ同士が向き合っているためコミュニケーションが取りやすく、上長からの指示が出しやすいでしょう。スタッフを管理しやすいレアウトで、効率よくスペース確保ができます。
対向式(島型)のデメリット
コミュニケーションが取りやすい分、業務に集中したい場合には不向きです。
スクール式(同行型)

スクール式はデスクを同じ方向に連続して配置した、全員が同じ方向を向いているレイアウトです。セミナーや勉強会など、座学をおこなう研修室などにも向いています。
スクール式(同行型)のメリット
全員が同じ方向を向いているので、全員で一つのことに集中しておこなう作業に向いています。
スクール式(同行型)のデメリット
チームでの作業や全員でのディスカッション、意見交換が必要な作業には不向きです。
背面式

背面式は、スタッフ同士が背中合わせになるようにデスクを配置させたレイアウトです。ほどよく集中でき、チームとして作業を進めるクリエイティブ職や、企画・開発などの業務に向いています。
背面式のメリット
背面を合わせながら作業をするため、人とのほどよい距離感で集中することができるレイアウトです。また、効率よくスペースの確保ができます。
背面式のデメリット
背中を合わせながら作業するため、チームで作業をする場合は上長からの指示や管理がしにくいところがあります。
クラスター型

クラスター型は2列の島で構成されています。ひとつの列は前席の背中を向いてデスクを配置し、隣り合う列は正面を反対向きに配置。左右を交互に配置したレイアウトです。半個室のようなレイアウトのため、集中しておこなうクリエイティブな業務に向いています。
クラスター型のメリット
個人の作業スペースが確保されていて、半個室のようなレイアウトになるため、集中して作業ができます。
クラスター型のデメリット
対向式や背面式のレイアウトに比べると、通路スペースが必要です。そのため、執務エリアのスペースを十分に確保しなくてはいけません。
ブース型

ブース型は、デスク間をパーティションで囲うレイアウトです。一人一人が集中して作業をおこなう業務や、プライバシー保護が必要な業務に向いています。
ブース型のメリット
デスク間をパーティションで囲い、一人での空間が作れるため集中して作業がおこなえます。
ブース型のデメリット
ブースで区切るため、コミュニケーションが取りづらいでしょう。チームでの作業には不向きで、一人一人の管理がしにくくスペースの確保が必要となります。
フリーアドレス

フリーアドレスは、柔軟性のあるデスクレイアウトの一つです。固定席を作らず、自由な席で作業をおこなえるレイアウトとなります。部署ごとに壁がなくなり、コミュニケーションが活発になるため、社内全体のコミュニケーション活性化やペーパーレス化を推進したい会社に向いているでしょう。
フリーアドレスのメリット
他の部署間とのコミュニケーションが活発になります。席が自由に選べるので、日々の気分によって席を変えることが可能です。また、効率よくスペースの確保ができます。
フリーアドレスのデメリット
一人一人の管理がしづらく、チーム内のコミュニケーションが取りにくくなります。個人のための収納エリアが別で必要です。なお、運用のルールを明確にさせると取り入れやすくなるでしょう。
ユニバーサルレイアウト

ユニバーサルレイアウトは、役職席を決めずにデスクを横並びに均一に配置するレイアウトです。近年の働き方の多様化や新しい働き方に適しており、ソーシャルディスタンスや密を避けることが可能になります。そのため、コロナ渦で注目されているレイアウトの一つです。
ユニバーサルレイアウトのメリット
オフィスのスペースを有効に活用でき、組織変更や人員の増減にも対応がしやすくなります。また、テレワークなど多様化する働き方にも対応が可能です。その他に、他部署と連携しやすく、プロジェクトごとに座席を編成することで効率的にプロジェクトを進めることができます。
ユニバーサルレイアウトのデメリット
役職席を作らないため上長が部下の管理をしづらく、部署ごとの区別が難しくなります。
おしゃれなオフィスレイアウトのポイント

おしゃれなオフィスレイアウトのポイントとして、まず挙げられるのがスタッフ同士のコミュニケーションの活性化です。また、作業に集中しやすい居心地のいい空間づくりによって生産性と効率性が向上し、結果として働きやすくなることで、スタッフのモチベーションアップにつながります。さらに、荷物の整理やスペースの見直しによる、コスト削減などにも効果が期待できるでしょう。おしゃれなオフィス空間は、社内の働きやすさだけでなく、対外的な企業イメージのアップにもつながります。
ブランディングを意識した空間デザイン
企業のブランドイメージや企業コンセプトにあわせ、空間のコンセプトやデザインの方向性を決めて空間デザインをすると、統一感のあるおしゃれなオフィス空間をつくることができます。
配色のバランス、統一感
配色のバランスは、空間のバランスをとるために大切な部分です。2色から3色を限度に決めて空間に取り入れると、統一感を出すことができます。また、コーポレートカラーを空間の一部に取り入れると、企業のイメージを表現することができるでしょう。
おしゃれな家具の採用
統一感のあるシンプルな色の家具を取り入れると、空間のバランスがとりやすくなります。最近は、家具の配色や木目調の選択肢が豊富です。そのため、家具を入れ替えるだけで空間のイメージを変えることができます。また、執務エリアやミーティングエリア、カフェエリアなどのエリアごとに色を変えると、空間に変化を加えて上手に気分転換することができます。
オフィス内緑化、リラックスできる空間の演出
オフィス空間に観葉植物などのグリーンを取り入れるだけで、オフィスの印象を変えることができます。植物のグリーンは空間をおしゃれに演出するだけではなく、空気をきれいにして、リラックス効果やストレスの軽減も期待できます。その結果、職場環境の改善にもつながるでしょう。観葉植物のグリーンや木目調などのリラックスできる色を、カフェスペースやワークスペースに取り入れるのもおすすめです。
なお、オフィスレイアウトの整った環境を求めるなら、初めにデザイナーズオフィスを選ぶという選択肢もあります。
天井の高さ、デザイン
オフィスの天井の高さは、ビルの構造によって決まっています。そのため、入居を検討する際は、天井の高さをチェックするのもポイントです。オフィスの天井が低いと、圧迫感を感じストレスの要因になるため注意しましょう。
天井の構造がむき出しになっているスケルトン天井は、開放感がありおしゃれな空間をつくることができるため人気です。一方、スケルトン天井のデメリットは、空調の効率が悪くなる可能性があること。また、デスクの手元が暗く感じることがあるため、照明計画をしっかりと検討する必要があります。場合により、入居時の工事や原状回復工事に費用がかかることもあるでしょう。
快適な仕事環境を求めるなら、初めに天井の高いオフィスを選ぶという選択肢もあります。
備品の所在を明確にする
オフィス内で共有して使用する備品類などは、置き場所を明確にしておきましょう。誰にでも簡単に所在がわかるように、ラベルを使用して整理するのがおすすめです。また、使用したあとは必ずあった場所に戻すというようなシンプルなルールを決めておくと、オフィス内を綺麗に保つことができます。
オフィスレイアウトのポイントまとめ
オフィスレイアウトはゾーニング計画や動線計画、寸法計画、その他にも天井高さやコスト、法令遵守などを十分に検討することが大切です。また、会社によって働き方が多様化してきているため、デスクレイアウトをする際にどのタイプを選ぶとスタッフが働きやすくなるのか、スタッフ同士のコミュニケーションが取りやすくなるのかを考えることも重要になります。
機能的でおしゃれなオフィス空間をつくるには、エントランスや執務室などに会社のコーポレートカラーを取り入れると、統一感が出るためおすすめです。その他にも、おしゃれな家具を選んだり観葉植物のグリーンを取り入れたりすれば、洗練された居心地の良いオフィス空間をつくることができるでしょう。
なお、エントランスエリアは会社の顔となるため、床や壁の素材や色選び、サインのデザインなどをこだわると、会社のブランドアピールにつながります。新しくオフィスを検討されている方、よりよいオフィス環境づくりのために移転を検討されている方は本記事を参考に、スタッフがより働きやすくモチベーションを上げられる、機能的でおしゃれなレイアウトづくりに取り組んでみてください。
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