不動産投資はやめるべき?失敗しないためのリスク対策法

今回は「不動産投資はやめておけ!」といわれる理由と、実際に起こりえるリスクや対策法をお伝えします。
記事の目次
不動産 投資「やめておけ!」といわれる理由は?
なぜ不動産投資はやめておけといわれているのか、さまざまな投資の中でもハードルが高い投資と敬遠される理由についてまとめてみました。
まとまったお金が必要
不動産投資は、投資用の不動産を購入するために、ある程度まとまったお金が必要です。現金一括払いで購入するのが理想ですが、なかなかそうはいきません。
自己資金を頭金にして、残りの分は不動産投資ローンなどを組んで支払うのが一般的です。
また、不動産投資ローンは、金融機関によって異なりますが、おおよそ年収の5~10倍となります。住宅ローンに比べて金利は1~3%程度とやや高めの傾向にあります。
税金がかかる
不動産投資で物件を購入したり、家賃収入などを得た際には、別途税金がかかります。
そのため購入代金だけでなく税金などの諸費用もかかるため、それらを考慮して運用していかなければならないこともハードルが高いといわれるひとつの要因となっているようです。
購入時にかかる税金
物件を購入した際にはどのような税金がかかるのか、具体的に見ていきましょう。
不動産取得税
不動産取得税とは、土地や建物を購入した際にかかる地方税のことです。
税額は、「固定資産税評価額×税率」で算出されます。
※固定資産税評価額とは、固定資産(土地や建物など)や不動産の評価額
不動産取得税についての詳細はこちらをご覧ください。
アットホーム不動産用語集「不動産取得税とは」
印紙税
物件の売買、不動産投資ローンの契約などの書類には印紙を貼付し、印紙税を納めることになります。
なお、各契約書の締結時にかかる印紙税については、税負担を軽減する「租税特別措置」が2022年の税制改正で2022年3月31日までから、2024年3月31日まで延長となりました。印紙税については各項目で説明します。
印紙税についての詳細はこちらをご覧ください。
アットホーム不動産用語集「印紙税とは」
不動産購入時に対象となる契約は以下となります。
・不動産売買契約書
売却の対象となる不動産(土地と建物)についての売却契約を売主と買主が合意したということを記した契約書です。
税率については以下の通りになります。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円を超え 50万円以下のもの | 400円 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下のもの | 1千円 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下のもの | 2千円 | 1千円 |
500万円を超え 1千万円以下のもの | 1万円 | 5千円 |
1千万円を超え 5千万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5千万円を超え 1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
5億円を超え 10億円以下のもの | 20万円 | 16万円 |
10億円を超え 50億円以下のもの | 40万円 | 32万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 | 48万円 |
(出典:国税庁)
・建築請負契約書
住宅を建てたり、リフォーム工事をおこなう際に、施工会社と結ぶ契約書のことです。税率については「不動産売買契約書」と同額となります。
・金銭消費貸借契約書(ローンの契約)
借主が貸主から金銭を借り入れ、借りた金額と同額を返済することを約束するための契約です。一般的には、借りた金額に対し一定の利息を付け返済していくので、利息を合わせた毎月の返済額などが記載されています。
税率は上記の「不動産売買契約書」と同額となります。
登録免許税
不動産(土地や建物)を購入し、所有権を登記する際に納付する税金です。
税額は、「課税標準 × 税率」で算出できます。
軽減措置による減税率は以下の通りです。
住宅用家屋の所有権の保存登記等の税率の軽減(租税特別措置法第72条の2、第73条)
登記の種類 | 本則 | 軽減措置 (適用期限:2024.3.31まで) |
---|---|---|
①所有権の保存の登記 | 0.4% | 0.15% |
➁所有権の移転の登記 | 2.0% | 0.3% |
※取得する住宅用家屋が一定の耐震基準に適合している家屋または、1987(昭和57)年1月1日以後に建築された家屋を適用対象とする
登録免許税の減税処置についての詳細はこちらをご覧ください。
アットホーム不動産用語集「登録免許税とは」
運用時にかかる税金
所得税
家賃収入を得ることにより収益が発生します。所得税は、収益から必要経費を差し引いた利益に対する税金です。万が一、家賃収入から必要経費を引いた金額が赤字だった場合、給与所得や雑所得で納めた税金から所得税の還付を受けることができます。
所得税についての詳細はこちらをご覧ください。
アットホーム不動産用語集「所得税とは」
住民税
所得税同様、家賃収入で収益を得ることにより課税対象となり、給与所得と家賃収入で得た収益を足した総合課税で住民税額が決まります。家賃収入を得ることができず赤字だった場合は、損益通算で課税所得が減ることになります。
※損益通算とは、赤字の所得を他の所得から引くこと
例:給与所得が450万円で、家賃収益が100万の赤字だった場合、所得は350万円になります。
住民税についての詳細はこちらをご覧ください。
アットホーム不動産用語集「住民税とは」
固定資産税
不動産(土地や建物)を所有していることで納めなければならない地方税です。
固定資産税の評価額は原則として3年に1回見直されます。
土地と建物それぞれで固定資産税の税額が決まり、築年数などでも税率が変わります。
税額は「課税標準額×1.4%」で算出できます。
また、新築住宅については一定期間、固定資産税が減額される「減額措置」の対象となります。
国土交通省の「新築住宅に係る税額の減額措置 」をご覧ください。
固定資産税についての詳細はこちらをご覧ください。
アットホーム不動産用語集「固定資産税とは」
都市計画税
「市街化区域」に不動産を所有している場合に課される地方税です。
市街化区域とは、市街地として形成している区域や、おおむね10年以内に積極的に市街地として整備や開発がおこなわれる区域のことです。
税額は「課税標準額×0.3%」で算出できます。
都市計画税においても、固定資産税と同様に減額措置が適用される場合もあります。市区町村によって税率が異なるので、自治体に問い合わせてみましょう。
都市計画税についての詳細はこちら
アットホーム不動産用語集「都市計画税とは」
個人事業税
個人事業税とは、事業で得た所得に対して都道府県に納める地方税です。不動産投資は賃貸事業にあたるため、個人事業主として不動産投資をおこなっている場合、個人事業税の対象となります。
事業税は、所得額が290万円以上だった場合、課税対象となります。所得額が290万円未満もしくは、赤字だった場合は非課税となります。
税額は「(不動産所得の金額-290万円)×5%」で算出できます。
消費税
消費税は、事業者から建物を購入する際に掛かる税金です。事業をおこなっていない個人から購入するならば掛かりませんが、新築か中古かを問わず売主が事業者の場合には発生します。
また、不動産会社に支払う仲介手数料やローンの融資を受ける際の融資手数料、司法書士に登記を依頼する際の手数料にも、同様に消費税が発生します。
売却時にかかる税金
不動産を売却する際には、下記の税金がかかります。
- 譲渡所得税
- 印紙税
- 住民税
譲渡所得税とは、不動産を譲渡して得た所得のことです。
譲渡所得税は、「不動産の売却価格-(取得費+譲渡費用)」で算出することができます。
取得費とは、売却する不動産を購入した際にかかる費用のことです。
悪いニュースを目にした
以前ニュースなどで投資用不動産向けの不正融資問題などを目にしたことがあるなどの理由で「不動産投資は騙される」とマイナスイメージになりがちになるようです。
上記のようなことから「不動産投資はやめておけ!」といわれがちですが、一方で会社に勤めながらも不動産投資をうまく運用している方もいらっしゃいます。
不動産投資において、どのようなことがリスクになるのか正しく理解しておけば、不動産投資で成功できる可能性も高くなるかと思われます。
次の章では、不動産投資のリスクについて詳しく説明していきます。
不動産投資は本当にリスクが高いの?
以前、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」が終われば、首都圏のマンション価格は下がるといわれていました。しかし実際には、都内におけるマンション価格の高騰は続いています。
また、近年はサラリーマンの不動産投資家も増えていることから、不動産投資の仕組みについてきちんと理解したうえではじめれば、そこまでハードルが高い投資ではないかもしれません。
不動産投資の収入の仕組
そもそも、不動産投資で収入を得るにはどのような方法があるのでしょうか。ここで、具体的な仕組みについて解説します。
インカムゲイン
インカムゲインとは、家賃収入のように定期的に得られる収入のことをいいます。なお、株式投資では、企業の利益の分配を受けられる「配当」のことを示す言葉です。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、購入時と売却時の差額のことです。株式投資に例えると、株価が安い時に買い、高い時に売った場合に得られる利益のことをいいます。
不動産投資においては、こういった利益を得ることができます。不動産投資ローンを借り入れることで大きな金額を投資し、株式投資などとは異なり、少ない手元資金でも大きな利益を得られることもメリットといえるでしょう。また、株式投資に比べて収益が安定しやすいこと、火災保険などでリスクを対策し定期的に修繕していけば資産価値がゼロにならないことなども、不動産投資のメリットです。
不動産投資のリスクと対策法は?
続いて、不動産投資でよくあるリスクと対策法について解説します。
空室のリスク
入居者が予想よりも少なく、空室が増えてしまう可能性があります。不動産の利回りを計算する際には、空室をどの程度見込んでの利回りなのかをよく確認しましょう。
家賃滞納のリスク
入居者が家賃を滞納してしまう可能性もあります。特に家賃が安い物件では経済的に余裕がない入居者が入りやすいため、滞納のリスクは高まるでしょう。
年数が経って物件が古くなってくると、新しい物件の方に人気が集まります。そのため、家賃を下げるケースもありますが、安易な家賃の引下げは家賃滞納リスクを高めることになるのです。
定期的にリフォームをおこない、他の物件とは異なる入居者に選ばれるような理由となる特色を持たせ、安易な家賃の引下げをおこなわないようにしましょう。
家賃が下落するリスク
不動産はこの先もずっと同じ賃料で貸し出せるわけではありません。以下のような理由から、途中で家賃が下がってしまい、収益減に繋がる可能性があります。
土地の下落
近くに学校や公共施設ができる場合などには、土地の価格が上がりやくなります。その反対に、そうした施設が他の場所に移転するなど、立地条件が悪化すると土地の価格が下落する可能性があります。事前に、そういった予定がないか周辺情報をチェックしておきましょう。
事件や事故がおこる
購入した不動産(物件)で、事件や事故が起きる可能性もあります。入居者の事故死や自殺、孤独死などが起きてしまうと、心理的瑕疵物件となってしまい、リフォームが必要になったり、その後に家賃を下げないと入居者が入らなくなるかもしれません。入居者の孤独死に対策する保険商品もありますので、検討するとよいでしょう。
心理的瑕疵についての詳細はこちら
アットホーム不動産用語集「心理的瑕疵」
建物の老朽化
当然ながら建物は老朽化していくので、定期的な修繕やリフォームが必要となります。建物が老朽化したままでは、家賃を下げないと空室の期間が長くなってしまうことになります。
また、修繕をおこなわずに老朽化を放置してしまうと大規模なリノベーションが必要となったり、一棟貸しの場合には取り壊しとなるケースも。
建物は定期的に修繕することで、寿命が100年以上続くことも可能となります。海外では100年以上経っても価値が下がるどころか、資産価値が上がっている物件も少なくありません。
定期的に修繕費が必要になることを想定し、修繕費やリフォーム費用の積立をおこなったり、いつ、いくらくらいのリフォーム費用が必要になるかを予測しておくことが大切です。
火災や地震によるリスク
火災や地震、自然災害が発生した際に建物が大きく損壊したり、場合によっては全壊・全焼してしまう可能性もあります。建物が損壊した場合、所有者には建物を修繕する義務があり、大きな修繕費が掛かるかもしれません。
このようなケースに対策するには、火災保険への加入が必要です。建物の損壊・焼失のリスクは火災だけではなく、落雷、竜巻や風災、水災、地震や津波の可能性も考えられます。
そのため、考えうるリスクにしっかり対応できる保険で対策しておきましょう。
ただし、地震、噴火、津波による損害については、その全額が補償されるものではありませんので、修繕費の積立は別途必要です。
金利が上がるリスク
ローンを組んで物件を購入する場合、ローンの金利が上昇することも考えられます。ローンの残高が少ないときは、金利の上昇があってもさほど大きな影響はないでしょう。しかし、残高が多い場合にはその負担も大きくなってきます。金利の変動による返済額の負担を抑えたい方は、あらかじめ長期固定金利型のローンを選ぶとよいでしょう。
ただし、長期固定金利のローンは変動金利タイプに比べて金利が高く、当初より返済額も高くなります。そのため、どちらがご自身に適しているかをよく考えたうえで選ぶようにしましょう。
変動金利を選んだとしても、固定金利の利率まで上がることは十分に考えられます。利回りの計算は固定金利でおこない、差額分は積み立てておき金利変動時に繰り上げ返済として利用したり、修繕費用に充てるなどの対策をしておくとよいでしょう。
リスクだけではない!不動産投資にはこんなメリットも
ここまで、不動産投資のリスクについてお伝えしてきました。しかし、こうしたリスクに対処することができ、そのうえでしっかり利益が見込めるようであれば、投資する価値はあるといえるでしょう。不動産投資にはメリットもありますので、具体的に解説します。
家賃収入が得られる
家賃収入は株式投資の配当などとは異なり、景気の変動の影響を受けにくく、安定的に収入を得ることができます。景気が悪くなれば、企業の業績にはダイレクトに影響します。
しかし居住用の賃貸物件については、入居者が収入減などで家賃が負担となり退去してしまうことはあるものの、景気が悪くなったからといってすぐ引越すことは通常あまり起こりません。もし退去されたとしても、人気の物件であれば入居者もすぐ見つかるでしょう。
年金の上乗せになる
公的年金だけでは、老後にご自身が望む生活を送ることは難しいものです。そのため、豊かな老後を送るためには、老後を迎えるまでに資産を築いておくことが大切です。
その際、不動産投資による家賃収入もその手段の一つとなりえます。株式投資や投資信託などの選択肢とあわせ、老後も安定した収入を得るために検討してみてもよいでしょう。
税金対策ができる
さきほど不動産投資ではさまざまな税金がかかると説明しましたが、支払う税金のなかには対策次第で抑えることも可能です。
固定資産税
不動産を所有することで、税金を節約することが可能です。
土地を所有する場合、その土地を何かに利用していなくても固定資産税が毎年発生します。
賃貸住宅を建設することで、住宅用地特例により固定資産税や都市計画税を減らすこともできるのです。
相続税
固定資産税のケースと同じく、土地を所有している方にとっては、相続税や贈与税の引下げ効果もあります。住宅用地特例により、固定資産税の評価額のみでなく、相続税や贈与税の計算基準になる土地の価格も引下げになります。そのため、土地をそのまま相続・贈与するよりも土地の評価額が安くなるでしょう。
ただし、相続する方が引き続き賃貸経営をしたいのかどうか、不動産投資によって利益を得たいのか、その意思を確認したうえで相続・贈与をおこなってください。
所得税・住民税
万が一、不動産所得で赤字を出しても、給料所得などの他の所得と一緒に通算することで、所得税や住民税の節税につながります。例えば、不動産所得が100万円の赤字で、他の所得が450万円だとすると、損益通算したことで、所得は350万円となります。
インフレ対策になる
インフレ(インフレーション)が起きて世の中の物価が上がった場合、家賃もそれに連れて上がりやすくなります。インフレとはお金の価値が下がり、物価の水準が上がること。
例えば、今1,000円で食べられるランチセットが、物価が上がることで2,000円になるということです。
預金で持っていると、インフレーションが起きてもそれ以上に利息を期待することは難しいかもしれません。しかし、不動産投資は物価上昇に応じて家賃を上げることもできます。
その他、不動産投資ローンを借りれば自己資金が少なくても投資を始めることができ、比較的安定して家賃収入を得ることが可能です。また、災害発生時や修繕、リフォームの計画をしっかり立てておけば、資産価値がゼロになる可能性を抑えることもできます。
不動産投資に向いているのはどんな人?
不動産投資を始めたからといって、誰でも同じようにメリットを享受できるわけではありません。不動産投資には、以下に挙げるような方が向いています。
「事業」という感覚で投資できる
不動産投資は、「賃貸事業」として捉えて活動できる方に向いています。
どのような事業においてもお客様を想定し、どうすれば満足を得られるかを考慮し、商品やサービスの内容、価格設定を決めていくものです。
仮に人口減少などで市場が縮小していく局面を迎えても、顧客満足を実現できる物件を所有することで利益を継続できるうえ、設備やインフラなどによる付加価値をつけることで家賃を上げることも可能となります。
また、見込まれる賃料収入から保険料や固定資産税、維持管理費用、修繕費の見込み、借入金の利息と返済など、どの程度の利益を見込めるのか計算することが大切です。しっかりご自身で収益の見込みを試算し、判断できる人が不動産投資に向いているでしょう。
情報収集が得意
「近くに大学ができる」 「幹線道路が近くを通る」などといった情報の入手が得意な方も、不動産投資に向いています。不動産投資は、その立地条件が好転することで価格が上昇することも少なくありません。それら関連した情報を事前に入手し、購入・建設することができれば、継続した家賃収入も見込めますし、購入した金額よりも高値で売却できる場合もあるでしょう。
自身の事業がプラスになる
不動産投資自体でさほど利益は見込めなくても、自身の事業にプラスになる場合もあります。例えば、ご自身で事業をされている方が自宅ではなくオフィスが欲しいと思った場合、希望の場所にオフィスを持つとなると負担が大きいかもしれません。しかし、例えばご自身でマンションの一室や戸建て住宅を購入してシェアオフィスにすれば、同じように考えている事業主に貸すことができます。賃料収入を得ることで家賃の負担を削減したり、プラスにしたりしながら、ご自身もオフィスを確保できるわけです。
不動産投資に向いていないのはどんな人?
それでは逆に、不動産投資に向いていない方の特徴を見ていきましょう。もし該当するものがあれば、不動産投資ではなく別の方法を考えた方がよいかもしれません。
不動産投資は「不動産賃貸事業」という感覚が持てない
繰り返しになりますが、不動産投資は「不動産賃貸事業」ともいえるものです。事業である以上、お客様である入居者にとっての快適性や利便性などを顧客満足のために考え、そして収益の計画を立てていくことはとても重要なこと。こういった観点がなく、単なる不労所得で考えてしまうと、例えば人口減少の局面で入居者が退去することで家賃を下げざるを得なくなるなど、手間ばかりが掛かって長期的に大きな損失を抱えることになりかねません。
その他の資産が少ない
投資全般にいえることですが、投資は余剰資金でおこなうものです。少ない自己資金で始めることができるのが不動産投資ですが、もし不動産投資がうまくいかず、投資をやめたいと思ったときに、売却してローンを完済できることが重要です。
また、不動産以外にも将来設計をしっかり実現できるだけの資産を持っておくことが前提条件です。そうでないと、災害が発生して大きな修繕費が掛かってしまったりするような場面でお金がなくなったり、物件を売却した後もローンだけが残ってしまったり、将来必要なお金までも失ってしまう可能性があります。
損失を避けたい
投資全般で見れば、不動産投資は安定的に家賃収入を得やすいものです。しかし投資である以上、利益と同時に損失が発生する可能性もあります。こうした損失を避けたいという方は、そもそも投資と名のつくものはおこなわない方がよいでしょう。
損失の可能性というリスクを理解し、上手に対策しながら長い期間付き合っていくことができなければ、投資家には向いていません。
まとめ
不動産投資は株式投資などとは異なり、自分が購入した物件で入居者が生活したり事業を営んだりすることによる、不動産賃貸事業として捉えるべき投資です。
「不動産投資はやめておけ!」といわれる理由も、「事業を始めるなんてリスクが高いからやめておけ!」という意味でいわれることが多いと思われます。
しかし、一概にはそうとはいい切れません。例えば株式投資は、その会社の株式のある程度の割合を保有していなければ、自分の意見を経営に反映させることはできません。
しかし、不動産投資は自分の考えやアイデア次第で利益を狙うこともできます。昨今では空き家が問題になっていますので、空き家を安く買い取り、リノベーションして賃貸するのもよいでしょう。また、シェアオフィスやシェアハウスとして活用するのも一つの方法です。
人口が減少し、空き家が増える状況ですが、入居者の立場で時代のニーズに合わせて考えていけば、十分に収益を得られるビジネスとして設計していけます。自分のアイデア次第で、他の投資に比べ安定的な収入を得ながら、大きなリターンを狙っていくことも可能なのです。
もちろん投資ですので、万が一の際には損失が出てしまうリスクもあります。このことを十分に理解し、余裕を持てる資金から不動産投資に取り組んでみてはいかがでしょうか。