築古アパートの出口戦略はどうする?具体的な戦略や売却するタイミングを解説

そこで本記事では、築古アパートの出口戦略のパターンや売却が難しい理由、売却するタイミングなどを解説します。初期費用が抑えられることから、築古アパートの経営が注目を集めていますが、購入する前から手放す時のことも考えておきましょう。
記事の目次
出口戦略とは

「出口戦略」とは、いつどのようにして収益物件を手放すのかを考える計画のことです。収益物件は、築年数が経過するにつれて、修繕費が増えたり、入居率が低下したりといった、さまざまなリスクがあります。また、不動産市場は常に変動しており、同じ状況が続くことはありません。そのため、事前に出口戦略を立てておくと、スムーズに手放すことができます。
出口戦略の重要性
出口戦略では、単に収益物件を手放すだけでなく、いかに収益を多く残すかが重要です。先述したようにアパート経営で家賃収入を得られていても、売却価格が低ければ、収支はマイナスになってしまいます。反対に、高く売却できれば収支はプラスになり、売却益を新たな投資に充てることも可能でしょう。つまり、賃貸経営の収益は、経営をしている時ではなく、手放した時に確定します。そのため、高く売却できる収益物件を購入し、どのように手放すかを考えなければなりません。
築古アパート経営における出口戦略

それでは、築古アパートには、どのような手放し方があるのでしょうか。本章では、築古アパート経営における4つの出口戦略を解説します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
売却する
築古アパート経営における出口戦略として、一般的な方法が「売却」です。売却して売却益を得られれば、新たな投資に充てることもできます。また、子どもの教育費や老後の生活費などにも充てられるでしょう。さらに、築古アパートを手放すことで、空室リスクや修繕費のリスクなど、経営におけるさまざまなリスクからも解放されます。
特に築古アパートは、築年数が経っていることから、修繕費がかかる傾向に。また、建物の老朽化や新たな賃貸物件の登場により、競争力が低下し、入居付けも難しくなります。売却することで、築古アパートを経営する際にともなうリスクから解放される点はメリットでしょう。
一方、築古アパートは新築と比較して、需要が低いことから、買い手が付きにくい点がデメリットです。また、場合によっては売却価格が低くなり、投資用ローンが返済できず、負債が残ってしまうことも。さらに、売却益には譲渡所得税がかかる点に注意が必要です。
繰り返しになりますが、スムーズに売却するためには、購入する時点で高く売却できる収益物件を選ぶことが重要です。高く売却できる収益物件を購入できれば、売却と同時に、経営における費用やリスクをなくし、手元の資金を増やせるでしょう。
建て替える
建て替えることも、築古アパート経営における出口戦略の一つです。老朽化したアパートを建て替えることで、物件の価値を高め、長期的に安定した収益を期待できます。建て替えると、次のようなメリットがあります。
- 空室リスクが低減する
- 節税効果が高まる
建て替えることで新築となるため、入居者を集めやすくなり、空室リスクが低減します。また、家賃設定を高くできるため、収益も安定するでしょう。さらに、建築費用は減価償却ができるため、建物の耐用年数に応じて経費として計上できます。減価償却により、所得が抑えられ、節税効果も高まるでしょう。他にも、新築であることから修繕費も削減でき、メンテナンスの手間もかかりません。
一方、建て替える際には、解体費用や建築費用など、多額の費用がかかります。また、入居者がいる場合には、立ち退きを交渉しなければなりません。立ち退き費用として、新しい居住先の引越し費用なども負担する必要があります。さらに、新たに投資用ローンを借り入れなければならないため、経済的な負担は大きくなるでしょう。そのため、建て替えは立地がよく、建て替えをすれば賃貸需要が見込める際の選択肢となります。
解体後に土地を売却する
築古アパート経営の出口戦略として、「解体後に土地を売却する」という選択肢も考えられます。これは、立地がよく、土地の価値が高い場合に有効です。土地を売却する場合、買主の選択肢が広がるため、売却しやすくなります。また、周辺に再開発計画がある場合も、需要が高まり、高い価格で売却しやすくなるでしょう。ただし、建て替え時と同様、アパートの解体費用がかかる点に注意が必要です。また、入居者がいる場合には、立ち退いてもらわなければなりません。さらに解体後、更地は「住宅用地の特例」が適用されないため、固定資産税が高くなります。売却益が、解体費用や立ち退き費用などの費用を上回る場合の選択肢となるでしょう。
更地にして他の土地活用をおこなう
築古アパートを解体し、更地にしたうえで、他の土地活用をするという選択肢も考えられます。更地にすることで、土地の特性や周辺環境に合わせて、最適な活用方法を選択できます。例えば、商業地であれば、店舗やオフィスビルなどが考えられるでしょう。また、トランクルームやコインパーキングなどの経営も可能です。ただし、活用方法の選択肢は幅広いため、最適なものを見極めなければなりません。立地や周辺環境、需要を慎重に調査し、適切な活用方法を選びましょう。
築古アパートの売却が難しい理由

築古アパート経営の出口戦略として、売却は一般的な方法ですが難しいことも事実です。そこで本章では、築古アパートの売却が難しい理由を解説します。
賃貸需要が低下する
築古アパートの売却が難しい理由の一つとして、賃貸需要の低下が挙げられます。ご自身が買い手の立場になって考えてみても、築年数が経った物件よりも、きれいな新築や築浅の物件を選ぶでしょう。新築物件は設備も新しいため、入居者が集まりやすくなります。一方、築古アパートは新築物件に比べて、入居希望者が少なく、空室率が高くなる傾向に。これらのことから、築古アパートを購入しても安定した収益が見込めないため、買い手が付きにくく、売却が難しくなります。
耐用年数が短くなる
耐用年数が短くなることも、築古アパートの売却が難しい理由の一つです。ここでいう耐用年数とは、あとどれくらい経営が可能なのかという観点から導き出す年数のこと。耐用年数が短くなると、金融機関から融資を受けづらくなるため、買い手が限られてしまい、売却が難しくなります。
建物の資産価値は完成時が高く、時間が経つにつれ下がっていきます。当然、築古アパートは資産価値が下がっており、担保としての価値も低下。そのため、金融機関は万一の場合に融資金を回収できないリスクを考慮し、築古アパートの経営に対しての融資を積極的におこなっていません。こうした理由から、築古アパートの買い手は自己資金がある方に限られ、売却が難しくなります。
新耐震基準を満たしていない可能性がある
築古アパートの売却が難しい理由のなかには、新耐震基準を満たしていない可能性があるからです。耐震基準とは、一定の強さの地震に耐えられるよう、建築基準法が定めた最低限満たすべき基準のこと。1981年6月1日から新耐震基準、2000年にはこれを強化した2000年基準が施行されています。1981年5月31日までに建てられたアパートは、新耐震基準を満たしていないため、大地震が発生した場合に、損害を受ける可能性が高くなります。
また、もし購入しても保険料が高くなったり、耐震工事をしなければならなかったりと、さまざまなデメリットがあります。そのため、買い手の選択肢から外れる可能性が高くなり、売却しにくくなるでしょう。
収益性が低い
築古アパートの収益性が低いことも、売却しにくい理由の一つです。築古アパートは老朽化が進んでいるため、修繕費がかかったり、新しい設備を導入したりと、さまざまな費用がかかります。同時に、新築や築浅物件と比較して競争力が低くなることから、家賃を下げることが一般的。築古アパートは家賃収入が減る一方、維持費用がかかるため、収益性が低くなります。これらから買い手が付きにくく、売却しにくい理由となります。
築古アパートを売却するタイミング

築古アパートは融資を受けづらかったり、収益性が低くなることから、売却が難しいとされています。それでは、いつ売却をすればいいのでしょうか。本章では、築古アパートを売却するタイミングを4つ解説します。ぜひ参考にしてみてください。
減価償却期間が終了した時
築古アパートを売却するタイミングの一つとして、減価償却期間が終了した時が挙げられます。減価償却をすると、物件の購入費用を耐用年数に応じて経費として計上できます。そのため、課税所得の金額を減らせ、それに応じて税金も抑えられるでしょう。減価償却期間が終わると節税効果が弱まることから、売却を検討するタイミングの一つとなります。
また、デッドクロスのタイミングも、売却を検討すべき時期です。デッドクロスとは、投資用ローンの元金返済額が減価償却費を上回ること。減価償却費は経費として計上できますが、投資用ローンの元金の返済額は経費として計上できません。つまり、帳簿上では利益が出ていても、実際には支払いが多く現金が不足してしまい、黒字倒産を引き起こす可能性が。そのため、デッドクロスのタイミングも売却を検討すべき時となるでしょう。
入居者が退去した時
入居者がいなくなった時も、築古アパートの売却を検討するタイミングの一つです。もし、入居者がいる状態で売却する場合、立ち退き交渉をしなければなりません。また、立ち退きを依頼するにあたって、転居先の初期費用や引越し費用などもオーナーの負担になります。
しかし、入居者がいない状態であれば、立ち退き交渉は必要ありません。また、内見もしやすくなり、買い手にとっても安心して購入しやすくなります。
大規模修繕工事をする前
築古アパートの売却を検討するタイミングとして、大規模修繕工事をする前も挙げられます。大規模修繕工事は高額な費用がかかるため、工事前に売却することで、費用負担を軽減できます。ただし、物件の築年数や状態によっては、大規模修繕工事をおこなったほうが資産価値が上がるため、将来的に売却価格が上がる可能性もあります。複数の不動産会社に、売却価格の査定を依頼してから判断しましょう。
所有してから5年を超えた時
築古アパートの売却は、所有してから5年を超えた時も一つのタイミングです。5年を超えてから売却すると、売却益に対して「長期譲渡所得税」がかかります。一方、所有期間が5年以下の場合は、短期譲渡所得税がかかります。それぞれの税率は次のとおり。
税金 | 長期譲渡所得 | 短期譲渡所得 |
---|---|---|
所得税 | 15% | 30% |
住民税 | 5% | 9% |
復興特別所得税(※) | 0.315% | 0.63% |
合計 | 20.315% | 39.63% |
※参考:国税庁
※2037年までは復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と合わせて申告・納付します
これを見ると、税率が20%近く違うことがわかるでしょう。所有期間が5年を超えた時点で売却すると、売却益に対してかかる税金を低く抑えられます。しかし、所有期間は売却した年の1月1日時点での期間をもとに判断する点に注意しましょう。
築古アパートの魅力を高める方法

築古アパートの魅力を高めておけば、入居率も維持でき、いずれ手放す際に、高く売却できる可能性があります。そこで本章では、魅力を高める具体的な方法を3つ解説します。
ハウスクリーニングを徹底する
築古アパートの魅力を高める方法の一つは、ハウスクリーニングを徹底することです。ハウスクリーニングによって、物件の清潔感が高まり、入居者によい印象を与えられます。また、入居希望者が初めて物件を見る際にも、清潔感は印象に大きな影響を与えます。特にトイレや浴室、キッチンなどの水回りは、よく確認される方が多いです。築古アパートでも、徹底的なハウスクリーニングにより、魅力を高めることができるでしょう。さらに、清潔感のある部屋は写真映えもよくなり、不動産ポータルサイトに掲載する際も、アピールしやすくなります。
リフォームやリノベーションをおこなう
リフォームやリノベーションも、築古アパートの魅力を高める方法の一つです。物件の外観や内装を一新し、快適な住環境を提供することで、魅力度を高められます。また、入居者は設備の機能性や内装のデザイン性などを重視する傾向にあります。リフォームやリノベーションによってこれらのニーズに応えることで、入居者の満足度を高め、長期的な入居につなげられるでしょう。
他にもリフォームやリノベーションをすることで、物件の資産価値を向上させることも可能です。将来、高値で売却できる可能性も高まります。ただし、リノベーションは、建物の構造を支える柱や梁は撤去できないため、自由に設計できるわけではありません。また、リノベーション工事を始めたら、柱が腐敗していたなどの予想外のトラブルが発生することも。新耐震基準を満たしていないアパートの場合は、構造上の問題が多いため、建て替えを検討しましょう。
人気のある設備を設置する
築古アパートの魅力を高める方法の一つとして、人気のある設備を設置することが挙げられます。入居者が求めている設備を取り入れることで、物件の魅力度が高まり、入居者が集まりやすくなったり、満足度を高められます。不動産情報サイトアットホームの「不動産のプロに聞いた!「2024年上半期 問合せが増えた条件・設備~賃貸編~」ランキング」によると、人気の設備編は次のとおりです。
順位 | 設備 |
---|---|
1位 | インターネット接続料無料 |
2位 | 宅配ボックス |
3位 | モニタ付インターホン |
在宅ワークをしたり、動画サイトを見たりする方が多いことから、インターネット環境を重視されている方が増えていることがわかります。また、宅配ボックスも、不在時でも荷物が受け取れ、盗難される心配もないことから人気のようです。さらに、モニタ付インターホンも人気が高いことから、防犯面を気にされる方が多いことがわかります。このように、人気のある設備を設置すると、入居者のニーズに応えられたり、入居を検討する方も増えるでしょう。
築古アパートの経営を成功させるためのポイント

築古アパートの経営をプラスで終えるために、安定した経営をおこなうことは欠かせません。しかし、新築と比較して入居者を獲得しづらかったり、収益性が低かったりと、安定した経営が難しくなります。それでは、経営を成功させるためにはどうすればよいのでしょうか。本章では、築古アパートの経営を成功させるためのポイントを8つ解説します。
購入前に出口戦略を立てておく
築古アパートの経営を成功させるためには、収益物件を購入する前から出口戦略を立てておくことです。売却をするのか、他の土地活用をするのかなど、事前に計画を立てておくことで、長期的な視点での投資判断ができるようになります。
また、事前に出口戦略を立てておくことで、計画的な修繕や改修ができ、資金計画を立てやすくなります。さらに、あらかじめどういう選択肢があるのかを把握しておくと、状況の変化に合わせて柔軟に対応できるでしょう。例えば、購入時点では売却を予定していたが、周辺で再開発がおこなわれることになり高い賃貸需要を見込めることから、建て替えも検討するケースが考えられます。物件の立地や状態、経営方針などを考慮して、総合的に判断しましょう。
賃貸需要の高い物件を購入する
賃貸需要の高い物件を購入することも、築古アパートの経営で成功するためのポイントです。賃貸需要の高い物件は、空室リスクが低く、安定した家賃収入を見込めます。また、売却時にも比較的高い評価を得やすくなります。同時に、建て替えやリノベーションなど、他の出口戦略も検討しやすくなるでしょう。さらに、賃貸需要の高いエリアにあると、将来的な売却時にも有利となります。賃貸需要の高い物件を選ぶポイントは次のとおり。
- 駅から徒歩圏内である
- 周辺に商業施設や教育機関がある
- 治安がいい
- 入居者に人気の設備が整っている
これらのポイントを参考に、賃貸需要の高い物件を選びましょう。
購入前に物件をよく確認する
築古アパートを購入する前には、必ず現地に足を運び、物件をよく確認するようにしましょう。物件の状態を正確に把握することで、将来発生する可能性のある修繕箇所を予測し、適切な対策を講じることができます。
具体的に確認しておきたい箇所は次のとおりです。
- 外壁:ひび割れや剥がれがないか
- 屋根:劣化や破損がないか
- 基礎:ひび割れや沈下がないか
- 水回り:水道管に詰まりがないか、老朽化していないか
- 壁や天井:シミやカビ、剥がれがないか
雨に直接触れる部分にひび割れや剥がれなどがある場合、雨漏りの原因となり、建物の劣化を早める可能性があります。また、基礎は安全性に関わるため、注意してみるようにしましょう。水回りの設備が老朽化は、将来的に高額な修繕費用がかかるおそれがあります。壁や天井にシミがある場合は、雨漏りや結露の可能性が。目で見えない部分に問題が隠れている可能性もあるため、ホームインスペクターといった専門家に依頼すると安心でしょう。
自己資金を多めに用意する
自己資金を多めに用意することも、築古アパートの経営を成功させるためには欠かせません。特に築古アパートの場合、物件の老朽化が進んでいるため、突発的に修繕費用がかかる可能性が高くなります。また、空室リスクも高まるため、思うように家賃収入を得られない可能性も。しかし、自己資金を多めに用意しておけば、こうしたリスクにも対応でき、安定した経営が可能です。
さらに、自己資金にゆとりがあれば設備を新しくしたり、リフォームをしたりと、物件の価値を高めることもできるでしょう。また、投資用ローンを借り入れる際も、自己資金を多めに用意することで、「返済能力がある」とみなされ、より有利な条件で融資を受けられる可能性もあります。このように、自己資金を多めに用意すると、さまざまなメリットがあり、安定した経営をおこなうことが可能です。
入居付けに強い管理会社を選ぶ
入居付けに強い管理会社を選ぶことも、築古アパートの経営を成功させるために重要です。繰り返しになりますが、築古アパートは新築や築浅の物件と比較して、入居者を獲得しにくい傾向にあります。しかし、入居付けに強い管理会社を選べば、入居者のニーズに合った物件のPRができ、空室が発生しても空室期間を短縮できるでしょう。管理会社を選ぶ際には、次の点を確認しましょう。
- 実績や評判
- サービス内容
- 費用
管理会社を検討する際にはこれまでの実績や入居率はどの程度なのかを確認しましょう。また、口コミを調べたり、他のオーナーからの評判を聞くのも有効です。管理会社によってサービス内容や費用は異なるため、事前に確認しておきましょう。
アパートの資産価値の維持に努める
築古アパートの資産価値の維持に努めることも、安定した経営をするうえで重要です。適切な修繕や設備の更新をすることで、物件の魅力を保ち、長期的に安定した収益を見込めます。また、資産価値を維持すると、将来の売却時に高値で取引できる可能性が高くなります。前章でご紹介した方法を参考に、魅力度の高い物件になるように努めましょう。
詳細なシミュレーションをおこなう
詳細なシミュレーションをおこなうことも、安定した築古アパートの経営のために重要です。シミュレーションにより、物件の収益性を数値化し、キャッシュフローを予測できます。また、空室リスクや修繕リスクなど、さまざまなリスクを盛り込むことで、余裕のある経営計画を立てられるでしょう。
さらに、シミュレーションによって投資判断が適切かどうかも確認できます。しかし、知識やノウハウがない状態でシミュレーションをすることは難しいため、不動産会社やファイナンシャルプランナーなどの専門家のアドバイスを受けるといいでしょう。
修繕やリフォームに関する知識を身に付ける
オーナー自身が修繕やリフォームに関する知識を身に付けることも、築古アパートを安定して経営するためのポイントです。専門知識を持つことで、より適切な判断が可能となり、コストの削減や入居率の向上が期待できるでしょう。
例えば、管理会社に任せきりにしていると、必要以上にコストのかかる会社に修繕を依頼しているかもしれません。しかし、費用の相場を把握していれば、管理会社に意見を伝えることができ、コストを抑えられる可能性があります。オーナーが知識を身に付ければ、適切な時期に修繕をおこない、コストを抑えつつ、物件の資産価値の維持・向上ができるでしょう。
まとめ
本記事では、築古アパートの出口戦略を解説しました。築古アパートは新築や築浅の物件と比較して、賃貸需要や収益性が低いことから、売却が難しくなっています。また、築年数によっては耐震性に問題があるかもしれません。しかし、アパートを売却する以外にも、解体して土地を売却したり、他の土地活用をおこなったりとさまざまな選択肢があります。
築古アパートを手放す際に賃貸経営の収益が確定しますが、安定した経営をおこなうことが、最終的にプラスで経営を終える近道となります。適切な管理をおこない、魅力のあるアパートにして、入居者の満足度を高めましょう。

執筆者
民辻 伸也
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ