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空き家投資とは?大注目の理由とよくある失敗例から学ぶ成功のポイントを解説

空き家の投資が注目されている理由やよくある失敗事例を解説します
近年注目されている空き家投資ですが、どのような投資か気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、空き家投資の基本的な仕組みからメリットやデメリット、成功と失敗の要因を詳しく解説します。知っておくべき情報や注意点を理解し、より効果的な投資を実現させましょう。

空き家投資とは?

空き家投資とはどのような投資でしょうか
空き家投資とはどのような投資でしょうか

空き家投資とは、賃貸物件として空き家を活用する投資方法です。まず空き家を購入し、リフォームやリノベーションをおこなって再生させ、その後賃貸物件として貸し出して家賃収入を得ます。しかし、空き家投資の収入源はこれだけではありません。賃貸経営の終了時に賃貸物件を売却し、家賃収入に加えて売却益を得ることも目的です。空き家投資の基本的な仕組みは不動産投資と同じですが、はじめに購入する賃貸物件が空き家になる点が異なります。

日本では現在、地方を中心に多くの空き家が存在しており、その数は今後も増加するでしょう。空き家の増加に対応するため、国土交通省は「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施行し、自治体が空き家の管理や処分を進めるための枠組みを整えています。このような背景のもと空き家は投資対象となり、多くの投資家の関心を集めるようになりました。

特に、築年数の古い空き家は購入費用を抑えられる点が魅力です。築年数の古い空き家はそのまま放置すれば倒壊の恐れがある「特定空き家」や、窓ガラスが破損している「管理不全空き家」に分類されると、自治体から指導や勧告を受ける可能性があります。そのため、これらは所有者にとって早く処分したい物件となります。また、「再建築不可物件」と呼ばれる、建築基準法で定められた接道義務を果たしていない物件は、一度取り壊すと再建築ができないため、市場価値が低く投資家にとっては安く仕入れられる物件になるでしょう。これらの物件をリフォームやリノベーションにより適切に再生させれば、投資として成功できる可能性もあります。

このように、空き家投資は高リスクながらも、適切な管理や再生の手法を用いれば、低コストで利益を得られる可能性がある魅力的な投資手法です。増加する空き家問題への対策として、今後も注目されるでしょう。

空き家投資のメリット

空き家投資のメリットを紹介します
空き家投資のメリットを紹介します

増加する空き家問題のためにも、空き家投資が有効な点は説明してきたとおりですが、あえて空き家を不動産投資に利用するメリットはどのような点でしょうか。本章では、空き家投資のメリットをいくつか紹介します。

取得費用が安い

空き家投資の大きなメリットの一つは、取得費用が安いことです。日本全国には老朽化や過疎化によって使われなくなった空き家が数多く存在しており、これらの物件は通常の住宅に比べて、安い価格で購入できます。

特に、地方の空き家や築年数の古い物件は市場価値が低いため、格安で手に入れられるでしょう。新築物件や都心の物件と比べて初期費用を大幅に抑えられるため、投資家にとっては魅力的な選択肢となります。また、取得費用が安いことでリフォームやリノベーションに充てる予算を確保しやすく、賃貸物件の価値を高めるための改修工事も積極的に取り組めるでしょう。初心者や、少額の資金で不動産投資を始めたい人にとって大きな魅力です。

不動産投資ローンの返済期間を短くできる

借入金額が少ないため、不動産投資ローンの返済期間を短くできる点もメリットです。一般的な不動産投資では、賃貸物件の取得費用が高額になるため、長期にわたる不動産投資ローンを組まざるをえません。しかし、空き家投資の場合、賃貸物件の購入価格が低く、必要な借入金も少額で済みます。そのため、早期に返済を完了させられるでしょう。

借入金が少ないと、投資による収益が早くプラスに転じやすくなるため有利です。空き家を賃貸物件として貸し出す場合、家賃収入が不動産投資ローンの返済額を上回るタイミングが早く訪れ、収益化を迅速に実現できるかもしれません。

利回りが高い

利回りが高い点も、空き家投資のメリットです。不動産投資では、賃貸物件の購入価格に対して、どれだけの家賃収入や売却益が得られるかの利回りが重要な指標になります。空き家投資の場合、賃貸物件の取得費用が安い場合が多いため初期投資額を抑えられる一方、リフォームやリノベーションによって賃貸物件の価値を向上させられれば高利回りが期待できるでしょう。

例えば、築年数が古く市場価値が低い空き家を格安で購入し、リフォーム後に賃貸物件として活用する場合を考えてみましょう。この場合、購入費用とリフォーム費用の合計で、一般的な新築や中古物件を購入するよりも低コストで済む可能性が高くなります。これにより、家賃の設定次第では短期間で投資回収が可能となり、年間の利回りも高くなる傾向があります。さらに将来的に賃貸物件を売却する際、リフォームやリノベーションによって価値が向上していれば、トータルでの投資効果も期待できるでしょう。

社会貢献になる

空き家投資の重要なメリットの一つは、社会貢献につながる点です。日本全国で空き家問題が深刻化しており、放置された空き家は景観を損ない、地域の治安や安全にも悪影響となるかもしれません。特に老朽化した空き家は倒壊のリスクがあり、自治体にとっても管理が困難な存在です。空き家投資を通じてこれらの空き家を再生させる取り組みは、地域の活性化や安全性の向上に貢献できる可能性があります。

空き家を購入しリフォームやリノベーションをおこなうと、使われなくなった建物を再び居住可能な状態にできるでしょう。そうすれば、地域の住宅供給を支え、移住者や若者に新しい居住空間を提供し、地域が活性化するかもしれません。また、賃貸物件として運用すれば、住む場所を必要としている人々に手頃な賃貸物件を提供できるでしょう。空き家の再利用は、都市部への人口集中を防ぎ、地方の過疎化対策にも役立つ可能性があります。空き家の有効活用は、資源を再生させるエコな取り組みです。

空き家投資のデメリット

空き家投資のデメリットは何でしょうか
空き家投資のデメリットは何でしょうか

空き家の活用は投資家にとってだけでなく、地域活性化にも貢献できる可能性があることをお伝えしました。しかし、よいことばかりではないことも理解しなくてはなりません。そこで本章では、空き家投資のデメリットを解説します。

入居者の獲得が難しい

空き家投資のデメリットの一つは、入居者の獲得が難しい点です。特に、空き家の多くが地方や過疎化の進んだ地域に存在するため、そのエリア自体に居住希望者が少ない可能性があります。地方や人口減少が進む地域では、そもそも新しい住民を引き寄せる魅力が薄いため、どれだけ賃貸物件をリフォームして魅力的にしても、入居者を見つけることは困難かもしれません。
例えば、交通アクセスが不便な場所や、商業施設や医療機関が遠い場合、入居者にとって利便性が低く選択肢にはなりにくいです。

また、空き家を賃貸物件にする場合、周りの物件も都市部に比べて家賃相場が低くなっているため、物件自体の魅力だけでは競争に負けてしまうかもしれません。競合物件が多いエリアでは、より条件のよい賃貸物件が選ばれやすく、選んでもらうための価格競争に巻き込まれると、収益性が低下するリスクも考えられます。このように、空き家投資は賃貸物件自体に問題がなくても、地域の状況や需要に左右されるため、入居者の獲得が難しい点がデメリットです。

リフォームが大規模になる

リフォームが大規模になる可能性がある点も空き家投資のデメリットです。多くの空き家は長期間放置されて老朽化が進んでいるため、表面的な修繕だけでは済まないかもしれません。例えば、屋根や外壁の劣化、配管や電気設備の老朽化、シロアリ被害など、見えない部分での損傷が進行している場合もあります。これらの修繕には多額の費用がかかり、予想外のコストが発生するリスクが高くなります。
特に、築年数の古い空き家では、現行の建築基準法に適合させるための改修が必要となるかもしれません。耐震補強や断熱工事など、建物の構造自体を改善する必要がある場合は、大規模な工事が必要となり、リフォーム費用が予算を大きく超える可能性があります。また、古い設備や素材を使用している場合、修繕にともなう部品の取り寄せや工事が複雑になるかもしれません。リフォームが大規模になると、工事期間が長期化し、その間は賃貸ができないため、収益化が遅れてしまいます。
物件購入時の初期費用が安く抑えられる一方で、リフォーム費用がかさんでしまい、結果的に総投資額が高くなるケースも少なくありません。このように空き家投資では、大規模なリフォームが必要になる可能性が高い点がデメリットです。

売却が難しい場合がある

空き家投資は将来的に、物件の売却が難しい場合があります。特に、地方や過疎化が進んだ地域の物件では、売却時に買い手が見つからないリスクが高くなります。まず、空き家の多くは築年数が古いため、建物自体の価値がほとんど残っていないかもしれません。老朽化した建物は、いくらリフォームをしても資産価値が大幅に上がるとは考えにくく、特に住宅ローンを組む際に評価が低くなりがちです。

また、地方の空き家では土地自体の価値が低いこともあり、売却益を期待しにくいかもしれません。人口減少が進む地域ではそもそも不動産需要が少なく、物件の流動性が低いため、買い手を見つけるのに時間がかかりがちです。こうした地域では、仮に賃貸物件を売却できても、購入価格を大きく下回る価格になるかもしれません。

さらに、再建築不可物件などの特殊な条件が付いた空き家は、買い手にとってのリスクが高く、売却時の競争力が低くなります。再建築不可物件は建築基準法に適合していないため、購入後に取り壊しても新しい建物を建てられない場合があります。このような制約があると、売却が難航する可能性が高いでしょう。以上のように空き家投資では、物件の価値や立地、地域の需要に大きく左右されるため、売却の難易度が高くなります。

空き家投資のよくある失敗例

空き家投資のよくある失敗例を紹介します
空き家投資のよくある失敗例を紹介します

空き家投資のメリットとデメリットは理解できていても、誰でも簡単に成功できるわけではありません。そこで、あらかじめどのような時に失敗しがちなのかを理解しておくと、事前にリスクを回避できる可能性が高まるでしょう。本章では、空き家投資を始める方が陥りやすい、よくある失敗例を紹介します。

リフォーム費用が予想以上に高額すぎて失敗する

空き家投資のよくある失敗例の一つは、リフォーム費用が予想以上に高額になってしまうケースです。先述したように、空き家は長期間放置されていて、その間にさまざまな問題が進行している場合があります。
高利回りを期待し、リフォームの初期見積もりが低く設定されるケースがありますが、実際の工事が進むにつれて追加費用が発生する場合も多々あります。特に、隠れた損傷や老朽化した設備の取り替え、建物の耐震補強など、見積もり段階では把握しきれない問題があとから発覚すると、リフォーム費用は増えてしまいます。そうなると、当初の予算を大幅に超え、投資計画が予想を大幅に外れてしまうでしょう。

また、想定していたリフォーム期間より長引くと、その間に追加のコストが発生し、収益化のタイミングも遅れます。このように、リフォーム費用が予想以上に高額になる事例は、空き家投資の一般的な失敗例です。

入居付けができなくて失敗する

入居者が見つからず、賃貸物件が空室のままになるのも、空き家投資のよくある失敗例です。リフォームやリノベーションを経て賃貸物件を賃貸に出し、安定した収益を得たいにも関わらず、入居者を獲得できなければ投資は成功しません。この失敗の原因は、賃貸物件の立地条件が悪いケースが多くあります。地方や過疎化が進んだ地域では、人口減少により不動産需要が低く、入居者を引き寄せることが難しくなります。さらに、賃貸物件が古く設備や周辺環境が劣悪な場合、入居希望者の獲得は容易ではありません。特に交通の便が悪い地域や商業施設、医療機関が遠い場所では、生活の利便性が低くなるため、入居者にとって魅力的ではなくなります。

入居付けがうまくいかない理由は、リフォーム後の賃貸物件のマーケティング不足も原因です。物件の魅力を適切に伝えるための宣伝活動が不足していると、入居希望者にアピールできず、空室が長期間続いてしまうでしょう。このように、入居者が見つからない失敗は、空き家投資で致命的です。

リフォーム会社の選定に失敗する

リフォーム会社の選定失敗も、よくある失敗例の一つです。空き家を購入したあと、その物件を賃貸物件として収益化するためには、リフォームやリノベーションが欠かせません。しかし、このリフォーム過程で適切な会社を選定できなかった場合、さまざまな問題につながります。

まず、リフォーム会社の選定に失敗すると、仕上がりが期待どおりでなかったり、工事が不十分かもしれません。例えば、壁や床の仕上げが粗雑だったり、配管や電気設備の設置が不適切だと、のちのちトラブルの原因になり、追加の修繕が必要になる可能性があります。

また、リフォーム会社の選定ミスはコスト面にも影響し、当初の予算を大幅に超える費用が必要になるかもしれません。リフォーム会社選びが不適切だと、契約後に価格交渉が難航し、不必要なコストがかかってしまうリスクもあります。このように、リフォーム会社の選定ミスは、投資の成否に大きな影響を与えるため、信頼性の高い会社を選ぶようにしましょう。

自分でDIYをしようとして失敗する

空き家投資のよくある失敗例の一つに、自分でDIYをしようとして失敗するケースがあります。コスト削減を目的に、自らリフォームや修繕をおこなう投資家も増えていますが、専門知識や技術が不足していると、かえって費用や時間を無駄にしてしまうかもしれません。

DIYでのリフォームは、表面的な部分ではうまくいく場合もあるかもしれません。しかし、電気や水道、配管などの専門的な作業が絡む場合、法律や規制に違反する危険性があります。例えば、電気配線のミスや配管の不備があると、あとから大きなトラブルに発展し、火災や水漏れなどの重大な事故を起こしかねません。このような問題が発生すると、追加修理が必要になり、当初のコスト削減目標を大きく逸脱するでしょう。

また、DIYでの施工品質が低いために、賃貸物件の価値が下がる可能性もあります。賃貸物件として貸し出す場合、入居者にとって不便や不安を感じさせる部分があると、空室期間が長引き、収益が上がらないかもしれません。特に、床や壁の仕上がり、キッチンや浴室などの設備が粗雑だと、物件全体の魅力が減少し、家賃を下げざるをえない場合もあります。さらに、DIY作業には多くの時間と労力がかかり、早期に家賃収入を得るチャンスを逃してしまうでしょう。リフォーム会社に依頼すれば短期間で済む作業も、DIYでは何倍もの時間がかかり、その間に得られるはずだった収益が得られない可能性があります。

物件が遠方過ぎて管理できず失敗する

賃貸物件が遠方で管理が行き届かず、結果として失敗してしまうケースもあります。特に地方の空き家は、都市部に比べて購入価格が低いため投資対象として魅力的ですが、距離が離れていると適切な管理は難しくなります。

遠方にある物件は、頻繁に訪れて点検やメンテナンスができません。そのため、小さな問題が放置されて大きなトラブルに発展しやすくなります。例えば、設備の故障や雨漏りなどが発生しても、すぐに対応できず、結果的に修繕費が増加。また、定期的な清掃や管理が不足すると、賃貸物件の劣化が進み、入居者にとって魅力が減少するかもしれません。さらに、入居者対応やクレーム処理も遠方物件では難しくなります。そのような不具合が積み重なると、入居者の不満が溜まり、退去を促進してしまう原因になります。

他にも、賃貸物件の周辺環境の変化や市場の動向を把握しにくく、適切なタイミングで家賃の見直しや売却判断ができない点も、投資の失敗を引き起こす要因となるでしょう。このように、賃貸物件が遠方にある場合は管理が困難になり、投資失敗のリスクが高まります。

台風や地震にみまわれて失敗する

台風や地震などの自然災害も失敗の要因になります。特に日本は地震や台風の頻発する国であり、これらの災害が賃貸物件に深刻なダメージを与えるリスクが高いです。空き家投資をおこなう際には、物件の耐久性や立地の災害リスクをしっかりと考慮しなければ、予期せぬ損害を被るかもしれません。

台風によって屋根が損壊したり、浸水による水害が発生した場合、大規模な修繕が必要となります。さらに、地震によって建物の基礎部分や構造自体に致命的な損傷が加わるかもしれません。最悪の場合、賃貸物件の価値が大幅に下落したり、修繕不能となれば賃貸経営はできなくなります。

特に古い空き家の場合、耐震基準が現行の基準に満たないため、災害に弱い物件も少なくありません。また、災害保険に未加入だったり、保険適用外の損害が発生した場合、修繕費用は自己負担になり、莫大な出費となるでしょう。特に、台風や地震の被害は予測が難しいもの。事前の準備や対応が不十分だと、修繕費がかさんでしまい、最終的に投資全体が赤字になるリスクがあります。このように、空き家投資では台風や地震などのリスクを考慮し、物件の選定や保険加入など、リスク対策を怠らない点が重要です。

物件の瑕疵(かし)を見落として購入してしまい失敗する

賃貸物件の瑕疵(かし)を見落として購入してしまい、結果的に投資が失敗するケースも注意が必要です。瑕疵とは、建物や設備に隠れた欠陥や不具合を指し、購入時には気付かず、あとあとになって問題が発覚する場合が多くあります。このような瑕疵を見落とすと、予期しない修繕費用がかかり、投資計画が想定から大きく外れてしまうでしょう。

例えば、屋根の漏水、基礎のひび割れ、シロアリによる木材の腐食、配管の不具合などは、購入時に見えにくい部分に潜み、賃貸物件を購入したあとに発覚することも。特に、築年数の古い空き家の場合、外見上は問題がなさそうに見えても、内部に深刻な瑕疵が存在する可能性があります。これらの問題が放置されると、建物自体がさらに劣化し、修繕にかかる費用が増加するだけでなく、場合によっては賃貸物件の価値が大幅に下がるかもしれません。

また、瑕疵が原因で入居者に不便を感じさせる場合、退去が増えてしまうリスクもあります。例えば、水漏れやカビの発生が続く場合、賃貸物件としての魅力が大きく損なわれてしまうでしょう。物件の瑕疵は売却にも影響し、市場価値低下の原因になります。このように、賃貸物件の瑕疵を見落として購入すると、収益を得るどころか、思わぬ出費や損失が生じる可能性があるため、事前の徹底した調査が不可欠です。

空き家投資の必勝法は?

空き家投資を成功させるポイントは何でしょうか
空き家投資を成功させるポイントは何でしょうか

メリットやデメリットを理解してよくある失敗例を学んだうえで、どのようにすれば空き家の不動産投資が成功するのでしょうか。本章では、空き家の不動産投資を成功させる方法をいくつか紹介します。

リフォーム費用を含めた利回り計算を正確におこなう

空き家投資の成功には、リフォーム費用を含めた正確な利回り計算をおこなうことが重要です。空き家投資では、物件自体の購入価格が安いため、一見して高い利回りが期待できるように見えます。しかし、実際には購入後にリフォームや修繕が必要な場合がほとんどで、その費用を適切に考慮しないと、計画どおりの収益を上げることは困難です。

まず、賃貸物件の購入前にリフォーム費用の見積もりを正確に把握しましょう。リフォームの範囲によっては、当初の予算を大幅に超えるため、専門会社に依頼して詳細な見積もりを取得し、その金額を含めて利回りを計算する必要があります。

また、リフォーム費用に加え、賃貸物件を運営する際の維持管理費や修繕積立金なども考慮しましょう。正確な利回りを算出するためには、購入費用、リフォーム費用、維持管理費、そして将来的な修繕費用をすべて含めた計画が欠かせません。さらに、物件を賃貸に出せるまでの期間や、空室期間のリスクも考慮する必要があります。リフォーム後、すぐに入居者が決まるとは限らないため、その間の家賃収入がない期間を見込んでおく点も大切です。このように、空き家投資成功には、リフォーム費用を含めた正確な利回り計算をしておかなければなりません。

物件の立地や需要をよく確認する

物件の立地と需要をよく確認しておくことも重要です。立地条件は不動産投資で重要な要素の一つで、これを見誤ると収益を上げられなくなります。まず、賃貸物件が所在する地域の人口動態や経済状況を確認する点が重要です。例えば、人口が減少傾向にある地方や、過疎化が進んでいるエリアでは、賃貸需要が低く、空室リスクが高いかもしれません。

一方、人口が増加している都市部や利便性の高いエリアは賃貸需要も高いため、安定した入居者を確保できる可能性が高まります。近隣の学校や病院、スーパー、交通機関などのインフラが充実しているかも、需要に直結する重要な要素です。また、賃貸物件の周辺地域の再開発計画や地域活性化の取り組みも見逃せません。再開発が進んでいる地域では、将来的に価値が上昇する可能性があり、売却時に高値で売れるチャンスも期待できます。このように、不動産投資成功には、物件の立地や需要の確認が欠かせません。

信頼できるリフォーム会社を比較して選ぶ

空き家投資を成功させるためには、信頼できるリフォーム会社を比較して選ぶ点が欠かせません。特に、空き家の多くは築年数が古く、購入後に大規模なリフォームが必要になる可能性が高くなります。適切なリフォーム会社の選定は、投資全体の収益性に大きな影響を与えるでしょう。

まず、リフォーム会社の選定には複数の会社から見積もりを取り、費用や工期、施工内容を比較します。リフォーム費用は投資計画のなかで大きなウェイトを占めるため、予算内で収まるか、また費用に見合った品質が提供されるかをしっかりと確認しましょう。

同時に、安さだけで選んでしまうと、あとから手抜き工事や低品質な施工による追加費用が発生する可能性があるため、費用と品質のバランスを見極める点が大切です。次に、リフォーム会社の実績や評判を確認するようにしましょう。過去に手がけた物件の事例や、顧客の口コミをチェックすると、その会社が信頼に足るものか判断できます。

また、特に空き家再生の経験が豊富な会社は、古い建物の特性やリフォームの注意点を熟知しており、想定外の問題が発生した際にも適切に対応してくれる可能性が高くなります。このように、信頼できるリフォーム会社を比較して選ぶと、リスクを最小限に抑え安心して投資ができるでしょう。

欠陥・瑕疵(かし)をよく確認しておく

空き家投資の成功には、物件の欠陥や瑕疵(かし)をよく確認しておくことも重要です。空き家の多くは長期間放置されていたり、築年数が古いため、見た目にはわからない隠れた問題が存在することも。これらを見落とすとあとから多額の修繕費がかかり、投資が失敗するリスクが高まります。

まず、購入前に物件の詳細な調査をおこなうようにしましょう。具体的には、老朽化が進みやすい部分を中心に専門家によるインスペクション(住宅診断)を受けることをおすすめします。例えば、シロアリによる木材の腐食や、雨漏りによるカビの発生、基礎部分のひび割れなど、外見では気付きにくい問題を確認しましょう。

物件の瑕疵を見つけると、売主との価格交渉にも有利になります。瑕疵が発見された場合、それに基づいて価格を下げたり、修繕費を売主に負担させるよう交渉が可能です。逆に、これらの問題を見逃して購入してしまうと、購入後に予想外のコストが発生し、収益を大幅に圧迫するでしょう。空き家投資では欠陥や瑕疵を事前に確認する点が投資成功に欠かせません。

空き家投資に関するよくある質問

空き家投資に関するよくある質問をまとめました。

空き家投資とは?

空き家投資とは、空き家を購入し、リフォームやリノベーションを施して賃貸物件に活用する投資方法です。家賃収入を得るとともに、将来的には賃貸物件を売却して売却益も狙えるでしょう。特に日本では空き家が増加しており、管理が不十分な物件や再建築不可物件は安く手に入ります。適切な管理や再生をおこない低コストで利益を上げられること、空き家問題への対策となることから、注目を集めている手法です。

空き家投資のメリットは?

空き家投資のメリットは、取得費用が安いため初期投資を抑えられる点です。これによりリフォームやリノベーションの予算も確保しやすくなります。また、借入金額が少なく済むため、不動産投資ローンの返済期間が短縮でき、収益化が早まるかもしれません。さらに、賃貸物件の取得価格が低く利回りが高くなるため、短期間での投資回収が見込めます。最後に、空き家再生は地域活性化や社会貢献にもつながり、地方の過疎化対策や資源再生に貢献できるでしょう。

空き家投資のデメリットは?

空き家投資のデメリットは、入居者獲得が難しい可能性がある点が挙げられます。特に地方や過疎化が進んだ地域では、リフォームしても需要が低く、競争が激しくなる可能性が高くなります。リフォームが大規模になりがちで、予想外の高額費用が発生するリスクも。さらに、売却時には建物の価値が低くなり、特に郊外では土地の価値も低いため、売却が難しくなるかもしれません。

空き家投資のよくある失敗例は?

空き家投資のよくある失敗例は、リフォーム費用が予想以上に高額になるケースがあります。これは、物件が長期間放置され追加の修繕が発生するためです。また、入居者が見つからない場合や、リフォーム会社の選定ミスも投資失敗の要因になるでしょう。DIYによるリフォームの失敗や、遠方の物件管理の難しさ、台風や地震などの自然災害もリスクを増大させます。さらに、物件の瑕疵を見落とすと、あとから高額な修繕費用がかかる可能性が高まります。

空き家投資を成功させる必勝法は?

空き家投資の成功には、リフォーム費用を含めた正確な利回り計算が欠かせません。賃貸物件購入後のリフォームや修繕費用を適切に考慮しなければ、予想外のコストが発生し、収益性が損なわれる可能性があります。立地や需要の確認も重要で、人口動態や地域の再開発計画を把握し、賃貸需要が高いエリアを選ぶことが成功のカギです。信頼できるリフォーム会社を選び、費用や品質のバランス確認も欠かせません。さらに、賃貸物件の欠陥や瑕疵を事前に調査し、隠れた問題を把握すると、のちの修繕費用を抑えられます。

まとめ

空き家投資は、低コストで賃貸物件を取得し、リフォームやリノベーションを通じて価値を高め、安定した収益を得られる可能性をもつ投資手法です。初期費用が安く抑えられ、少額の資金でも始めやすく、借入金額が少ないため、不動産投資ローンの返済が短期間で済む利点があります。また、地域活性化や社会貢献にもつながることから、挑戦したい方もいらっしゃるでしょう。しかし、さまざまなデメリットや注意すべき失敗例があります。本記事を参考に、空き家投資の重要事項を理解し、計画的に投資を進めましょう。

長谷川 賢努

執筆者

長谷川 賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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