部屋の湿気対策はどうすべき?湿気がひどい原因や有効な対策を徹底解説

本記事では、部屋の湿気がひどくなる原因や、梅雨時期を乗り切るための具体的な対策、湿度を上げないために日常生活でできる工夫を解説します。快適で健康的な住環境を手に入れるために、ぜひ参考にしてみてください。
記事の目次
部屋に湿気が溜まる原因とは?

部屋に湿気が溜まる原因には、天候や季節、室内の水気、住宅の構造などのさまざまなものが関係しています。ここでは、それぞれの環境でなぜ湿気が溜まるのかを説明します。
天候
湿度が高くなるのは、曇りや雨の日です。これは、空気中に水蒸気が多く含まれているためです。一方、よく晴れた日は空気が乾燥し、湿度は低くなります。
季節
梅雨のように雨の日が続くと、湿度は高くなります。また、夏は気温が高く、空気中に含まれる水分量も増えるため、湿度が上がりやすい季節です。一方で、冬は空気が乾燥しますが、寒さから換気を控えると室内に湿気がこもってしまいます。また、部屋の中の温度と外の気温に差があると結露が発生し、湿度が上がる要因になるでしょう。
室内の水気が多い
部屋の中の水分の多い場所は、湿気が溜まりやすくなります。例えば、観葉植物や水槽、加湿器の使用によって空気中の水分量が増えるでしょう。また、洗濯物を部屋で干したり、入浴後に浴室のドアを開けたままにしたりすることも、湿気がこもる原因となるので注意が必要です。
水回りに近い
水回りに近い部屋は、どうしても湿気が溜まりがちです。それは、料理や入浴などで大量の水蒸気が発生し、空気中の湿度が高くなるためです。さらに、こうした湿った空気が換気不足で部屋にこもると、隣接するリビングや寝室などにも湿気が広がり、カビや結露の一因になります。
室内の空気が移動しにくい
室内の空気がうまく移動しないことも、湿気が溜まる原因です。例えば、換気をあまりしない、エアコンやサーキュレーターを使わない、家具が密集していて空気の通り道がない状態では、湿気がこもりやすくなります。湿気を防ぐには、空気を循環させて外の空気としっかり入れ替えることが大切です。
窓やドアなど開口部が多い
窓やドアなどの開口部が多い場所では、外の気温との温度差が生まれやすく、その影響で湿気が溜まります。特に、気温差によって結露が発生すると、その水分が室内の湿度をさらに高める原因にもなります。
住宅の構造と立地
家の構造や立地によって、湿気が溜まりやすいケースも。木造住宅は調湿機能を持ち、湿気が深刻になることは少ないですが、コンクリート構造は気密性が高く湿気を吸収しやすいため、十分な対策をしなければ湿度が高くなります。また、窓の換気が不十分だったり、換気扇が不足していたりすると、室内に湿気がこもりやすいでしょう。
海や川の近くに位置する住宅は周囲の湿度が高く、湿気が室内に入り込んでしまいます。マンションやアパートの場合は、特に1階や2階は地下から湿気を吸い込みやすく、湿度が高くなりがちです。さらに、気密性が高い住宅では、外気との入れ替えが難しく湿気が蓄積します。
湿気が溜まるとどのような影響がある?

実際に快適に過ごせる湿度は季節によって異なります。夏は50〜60%、冬は40〜50%を目安にするとよいでしょう。梅雨の時期は湿度が80%を超えることもあるため、その場合は湿度を調整する必要があります。
また、厚生労働省が定めた「建築物環境衛生管理基準」では、衛生的な環境維持のために湿度を40%~70%に維持する規定となっています。このようなルールからもわかるように、湿度は高すぎても低すぎても衛生面に影響があり、場合によっては身体的な疾患につながるため、きちんと管理できるようにしておきましょう。
ここでは、湿気が溜まるとどのような悪影響があるのかを説明します。
カビや細菌が繁殖しやすくなる
カビや細菌は高温多湿の環境を好みます。温度が20~30度以上、湿度が80%以上の環境でより繁殖しやすいといわれています。夏の暑い時期や風呂場、洗面台などの水回りは、特に注意が必要です。
ダニ・ムカデ・シバンムシなど害虫が発生する
湿気が溜まると、ダニやムカデ、シバンムシなどの害虫が発生しやすくなります。これらの害虫にとって、気温が30度前後、湿度が70%以上の環境は過ごしやすい場所なのです。梅雨から夏にかけての時期は、特に湿度が高くなるため、害虫の増殖に注意しましょう。
住宅の寿命が短くなる
住宅の床下などに湿気が溜まると、木材を腐らせる腐朽菌が発生して木材の強度が低下したり、シロアリの被害によって木材が弱くなったりします。また、湿気が原因で金物が錆びることもあるでしょう。これらの問題が進行すると、住宅の寿命が短くなったり、建物の強度に影響し地震の際に倒壊などの被害につながってしまうかもしれません。
体調不良につながる
湿度が高いとカビやダニが発生しやすくなり、それらがアレルゲンとなって鼻炎やぜんそくを引き起こすことがあります。特に、カビやダニの死骸や排泄物はアレルギー症状を悪化させる恐れがあるため、注意が必要です。
また、湿度と気温が高くなると体温調整が難しくなり、体調不良や熱中症の原因となります。さらに、梅雨の湿度が高い時期には、体調不良でなくても髪の毛がうねりやすくなったり、肌の調子が悪くなったりすることも。
体調管理のためにも湿度管理は非常に重要でしょう。
湿気が溜まりやすい場所は?

以下は、家の中で湿気が溜まりやすい場所です。室内がじめじめして蒸し暑く感じたら、まずこれらの場所から確認してみてください。
- 窓(結露)
- 窓がない・風通しの悪い場所
- 水回り(バスルーム、洗面所、キッチン)
- 部屋干しをする場所
- 収納(クローゼット、押し入れ、シューズボックス、床下収納など)
- ベッド、布団
- 日当たりが悪く、気温が下がりやすい部屋
窓は外気と室内の温度差によって結露が発生しやすく、湿気の原因となります。窓がない場所や風通しの悪い場所では、空気の流れがなく湿気がこもりやすくなるでしょう。また、水回りも湿気が多く発生する場所です。特に、換気が不十分な場合は湿気が室内に残ってしまいます。
部屋干しをする場所は洗濯物から蒸発した水分によって湿気が溜まりやすいでしょう。収納も密閉されているため通気が悪く湿気がこもりがちです。脱いだばかりの衣服は汗などの湿気を吸収しているので、すぐにクローゼットに収納せず、風通しのいい場所に一度置いてから片付けましょう。
ベッドや布団は寝ている間にかいた汗を吸収しています。また、フローリングと寝具の温度差で結露が発生するので、換気が不足すると湿気が溜まりやすくなります。
日当たりが悪い部屋も、湿気が溜まりやすい場所の一つ。気温が低くなると空気中の湿気が凝縮され、湿度が高くなりやすくなります。
このように家の中には湿気が溜まりやすい場所が数多くあります。次の章では、部屋の湿度を下げるための具体的な方法を紹介します。
部屋の湿気を下げるための対策

部屋に湿気が溜まり湿度が上がる原因や影響、懸念される場所を説明してきました。ここからは、部屋の湿度を下げるための対策を具体的に見ていきます。
こまめに換気する
部屋の湿度を下げるために重要なのは、こまめな換気です。季節や天候に関係なく、換気は必要になります。特に梅雨は1〜2時間に1回以上、5〜10分程度換気するのが理想的です。換気をする際は、複数の窓やドアを開けて空気の通り道をつくると、より効率的に湿気を外に逃がすことができます。
部屋の中に入ってくるような激しい雨や強い風を伴う雨でない限り、雨の日でも換気をすることが大切です。風通しの悪い部屋では湿気がこもりやすくなるため、定期的な空気の入れ替えを心がけましょう。
入浴後は換気扇を回す
湿気が多くなりやすい浴室では、入浴後は必ず換気をしましょう。入浴後は湿度が高くなるため、窓を開けて換気扇を回し、浴室内の湿気をしっかりと外に逃がしてください。その際、他の部屋に湿気が移動しないよう、浴室の扉は閉めましょう。また、浴槽にお湯を残す場合は必ず蓋を閉め、湿気が広がらないようにします。
水回りを使ったあとは乾拭きをする
キッチンや洗面所、浴室の湿気対策には、使い終わったあとに必ず水分を拭き取ることが肝心です。水分を自然に乾かそうとすると、蒸発した水分が室内の湿度を上げてしまいます。乾拭きするとシンクや浴槽に残った水分の蒸発を抑えることができ、湿度の上昇を防げます。この習慣を続けることで、効率よく湿気対策ができます。
サーキュレーターや扇風機を活用する

サーキュレーターや扇風機を活用することで、部屋の湿度を効果的に下げることができます。サーキュレーターを使って窓に向けて風を送ることで、効率的に湿気を外に逃がすことができるでしょう。そのため風通しの悪い部屋や窓が少ない場所でも、空気を循環させ湿気がこもるのを防げます。
また、クローゼットや押し入れなど、窓がない場所でも扉を開けて風を送ることで、内部の湿気を外に出せます。サーキュレーターは室内干しの洗濯物を乾かすのにも役立つため、湿気対策だけでなく乾燥にも便利です。
除湿器やエアコンの除湿機能を使う
部屋の湿気対策には、エアコンの除湿機能や除湿器の使用も効果的です。エアコンの除湿モードを使うと、湿度を下げるだけでなく、温度も適度に調整できます。除湿器は部屋の広さに合ったものを選ぶとよいでしょう。また、これらにサーキュレーターを併用することで、さらに除湿効率アップが期待できます。
布団乾燥機を使う
就寝中の汗で湿気がたまりがちなベッドや布団の湿気対策には市販の布団乾燥機を使うのが効果的です。布団乾燥機を使用すれば、外に干さなくても簡単に湿気を取り除くことができます。また、布団の下にすのこを敷いて通気性をよくしたり、除湿シートを活用したりするのも有効的な方法です。
除湿剤を使う
湿気が気になる場所には、除湿剤を置くのも手軽な対策です。除湿剤には、空気中の水分を吸収しやすい成分(塩化カルシウムやシリカゲル)が含まれており、設置するだけで簡単に湿気を吸収してくれます。除湿剤は種類が多いので、場所や用途に応じて使い分けましょう。
窓に結露防止グッズを使う
部屋の湿気を溜めにくくするためには、結露防止グッズを活用するのもよいでしょう。例えば、窓に貼るタイプの結露防止シートや結露取りワイパーなどが市販されています。これらを使うことで結露ができにくくなり、手間を減らしながら湿気対策ができます。
重曹・新聞紙・炭を活用する
湿気対策には、重曹・新聞紙・炭を活用する方法もあります。重曹には水分を吸収する性質があり、瓶に入れて蓋を開け湿気が溜まりやすい場所に置くと効果的です。重曹は消臭作用もあるため、湿気と悪臭の両方を対策できるでしょう。
また、新聞紙は吸湿性に優れており、湿気が気になる場所に置くだけで水分を吸収してくれます。一度、丸めてから広げて使うとより吸湿性が高まるでしょう。
そして、炭は湿気を吸収し、乾燥した環境では逆に水分を放出して湿度を調整するため、湿気対策としてだけでなく脱臭効果も期待できます。特にシューズボックスなど、湿気や臭いが気になる場所での使用がおすすめです。
部屋の湿度を上げないための対策

部屋の中の湿気対策として、湿気が上がらないように予防することも重要なことです。ここで、部屋の湿度を上げないための対策を解説します。
部屋干しをなるべく避ける
部屋干しは湿度を上げる原因になるため、湿気が多い時期には避けるようにしましょう。洗濯物を部屋で干すと、水分が空気中に放出されて湿度が上がりやすくなるので、できるだけ乾燥した環境を保つ工夫が必要です。もし天気が悪くて外に干せない場合は、除湿機やサーキュレーターを使うとよいでしょう。
家具は隙間を空けて配置する
家具を壁に密着させて配置すると、風通しが悪くなり、湿気がこもりやすくなります。そのため、家具にカビが発生する可能性があります。家具は壁から少し離して置き、風の流れをつくることで湿気が溜まらないようにしましょう。
観葉植物は風通しのよいところに置く
観葉植物は水分を吸い上げて空気中に蒸発させるため、湿度が上がりやすいのが特徴です。また、土や受け皿の水分も、湿気を増加させるので注意してください。観葉植物を置く場所は、風通しがよく湿気がこもりにくいところが適しています。
リフォームをする
手軽な方法ではありませんが、家の構造や設備などによってはリフォームをおこなうことも対策の一つです。自宅の性能を変え湿気が溜まりにくくすることで、快適さがアップするでしょう。
二重窓を設置する

二重窓を設置すると結露を防ぐことができます。結露は、室内の暖かい湿気が冷たい窓ガラスに触れて水滴となる現象です。特に、室内と外の温度差が大きく、室内の湿度が高い時に発生しやすくなります。
二重窓は、窓を二重にすることでガラスの間に空気の層をつくり、外の冷たい空気を室内に伝わりにくくします。この空気層が温度差を和らげ、結露ができにくくなるのです。
浴室乾燥機を設置する
浴室乾燥機を設置することで、部屋の湿度が上がるのを防ぎます。浴室乾燥機は浴室内の湿気を素早く乾燥させるため、カビや結露の発生を抑えることが可能です。また、雨の日や梅雨の時期に室内で洗濯物を干す際にも活用でき、部屋に湿気が溜まるのを防いでくれます。
調湿機能のある壁材にする
調湿機能のある壁材に変えるのも対策の一つです。調湿機能のある壁材として、珪藻土(けいそうど)を使った塗り壁があります。珪藻土は湿気を吸収する特性を持ち、部屋が湿っぽくなると水蒸気を吸い取り、部屋が乾燥してくると吸収した水蒸気を放出して湿度を調整してくれます。
まとめ
梅雨や雨の日が続くと部屋の中に湿気がこもりやすく、カビや結露の発生や体調不良などの原因になります。天候や換気不足、住宅構造など、さまざまな環境・条件の変化で湿気が溜まりやすく、部屋の湿気がひどい原因に。対策としては、こまめな換気や除湿器・布団乾燥機・サーキュレーターの活用、家具の配置の工夫、除湿剤の利用が効果的です。本記事を参考にしながら湿気を防ぎ、快適で健康的な住環境を整えましょう。
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