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ムカデを室内に侵入させないために!やっておくべき対策と駆除方法

漢字で「百足」と書くムカデ。名前のとおりたくさんの足があり、体をくねらせながら動きます。その動きが気味悪いと感じる方は多いでしょう。また、毒性があり、噛み付かれると激しい痛みが出ることなどからも嫌われています。日本には、100種類以上のムカデが生息しているといわれています。基本的に屋外で生息していますが、餌を求めて家の中に入ってきてしまうことも。では、家の中にあるムカデの餌とは何なのでしょうか?

この記事では、ムカデが好む場所や発生しやすい時期、家に入ってくる理由、もし家の中に入ってきた場合の対策・駆除方法について解説します。

ムカデの生態とは?

縦長い体にほぼ同型の体節があり、数多くの足があるムカデ。似た形を持つ生き物にヤスデやゲジゲジなどがいますが、1つの節に1対の足があるのが特徴です。世界各地に生息し、その種類は2,000とも3,000ともいわれており、日本にも100種類ほどのムカデが生息しています。

種類により大きさは違いますが、体長は6cmから25cm程度です。肉食で、ゴキブリやクモなどを毒ヅメで刺して弱らせてから捕食します。生命力が強く、冬の間は冬眠しながら5〜7年ほど生きます。日本でよく見られる危険なムカデは次のとおりです。

トビズムカデ(オオムカデ)

21の節があるムカデ。1つめの節に鋭い毒ヅメがあり、噛まれると激しい痛みがあり、刺された箇所が赤く腫れます。大きさは8〜15cm程度で大型です。

アカズムカデ

赤い頭と足が特徴の強い毒性を持つムカデ。体長は4〜12cm程度で毒性が強く、噛まれると激痛や痺れなどが出ます。

アオズムカデ

青い頭部が特徴で、21対の節があります。日本にのみ生息する固有種といわれています。大きさは8cm前後。噛まれると激痛があり、赤く腫れます。

ムカデが好む場所は?

ムカデは夜行性です。昼間は草むらや石垣の隙間の暗がり、落葉や朽ちた木、石ころや植木鉢の下などに潜んでいます。長年庭に置きっぱなしにしておいた植木鉢を動かそうとした瞬間、ムカデがいることを発見してギョッとしたことがある方もいるのでは?餌となるゴキブリやクモなどが好む、湿気が高く暗くて狭い場所をムカデも好みます。
夜、暗くなると餌を求めて動きだし、その際に室内に侵入することも。室内に入り込んだムカデは、朝になると暗くて湿った場所を求めて、布団の中や靴の中に入り込むこともあるので要注意です!

石垣の隙間

石垣の隙間は日中でも影になっているため、湿っていて暗くムカデが隠れるのに最適です。気付かずに手をついた石垣の影に、ムカデが潜んでいるかもしれません。

落葉樹の下に積もった腐葉の下は、湿っていて暗く、日差しなどから守ってくれます。そのため、昼の間このような場所に潜んでいることも多いでしょう。

植木鉢やプランターの周辺

庭に放置された植木鉢やプランターもムカデの住処になりやすい場所 に

植木鉢やプランターは鉢底に足があり、その隙間からムカデが入り込みます。放置されたままの植木鉢やプランターには湿気がたまり、暗いため隠れる場所に選ばれます。

エアコンの排水ホース(ドレンホース)、室外機

エアコンの室外機や排水ホースの下もほとんど動かすことがなく、湿気があるためムカデがいる場合があります。

床下

一戸建ての床下にも、ムカデが潜んでいる可能性があります。乾燥に弱いため日が当たらず、じめじめとした床下もムカデの生育には最適な場所です。

ムカデが発生しやすい時期は?

寒さに弱いムカデは、冬は冬眠し、気温が上がってきてから行動をはじめます。春、気温が12〜15度を超えてくると活動を開始し、5月〜6月の湿気の多くなる頃に産卵。草むらや石の下、落ち葉の下などに10~50個ほどの卵を産み、卵は1カ月前後で孵化します。

7〜8月は気温が高くて日差しが強すぎるため、いったん動きが鈍くなります。その後、気温が落ち着きだす9月〜10月は再び動きが活発に。ムカデの幼虫もこの頃になると自分でエサを取れるようになり、子育てを終えたメスのムカデも動き出します。この時期のムカデは空腹のため攻撃的になりやすく、とくに危険です。

ムカデが発生する原因は?

ムカデを室内に侵入させないために知っておきたいのが、ムカデが発生する原因。大きくわけてふたつの理由が考えられます。もしムカデを家の周囲で見かけたら、この原因を取り除き、室内への侵入を防ぎましょう。

餌となる昆虫がいること

ムカデは肉食動物で、小さな昆虫を餌にします。好む餌のひとつが、体長10~15mm程度で茶色い体をした小さなゴキブリ。チャバネゴキブリは寒さに弱く、冷蔵庫の裏やエアコンなどの暖かい場所に入り込み集団を作ります。このようなエサにつられて、ムカデが寄ってくる場合があるのです。

湿気があること

ムカデの好むジメジメとした湿気のある暗い場所には、ムカデの餌となる虫も湧きやすいものです。ムカデの侵入を防ぐためには、まず湿気を除去しましょう。 家の中であればトイレや浴室、キッチンなどの水回りは危険ポイントです。水回りを使ったあとは換気扇を回す、水をこぼした場合はすぐに拭くなど予防しておきましょう。 「ムカデが好む場所」としてご紹介した床下には、調湿剤を敷いておくことをおすすめします。

ムカデによる被害は?人に害がある?

ムカデには、ゴキブリなどを捕食してくれるという益虫の一面もあります。ただし、攻撃性が高くて人にも噛み付いてくるため、その恐怖のほうが大きく感じるかもしれません。「セロトニン」や「ヒスタミン」「細胞破壊酵素」といった毒性の強い毒を持ち、咬まれると激しい痛みと痒み、痺れが出て、適切な治療をしないと痛みが長く続きます。

基本的に、ムカデから攻撃してくることはありません。しかし、踏んでしまったり布団の中に入っていたものを間違えて触ってしまったりした場合などには、敵とみなされ噛まれます。人によっては急性のアレルギー症状のひとつ、アナフィラキシーショックを起こすことも。アナフィラキシーショックを起こすと命の危険に関わることがありますので、急いで医療機関を受診しましょう。

もしもムカデに咬まれたら

もしもムカデに咬まれたら、まず毒を洗い流しましょう。ムカデの毒は熱に弱いので、40度以上の少し熱めの温水で20分程度洗うと、毒の成分である酵素活性が落ちるといわれています。ムカデの毒の成分「ヒスタミン」は、抗ヒスタミン成分を含んだステロイド軟膏を塗ると中和され、他の炎症成分も抗炎症作用のあるステロイドで治療できる可能性が高いでしょう。ただし、腫れや痛みがひかない場合などは、すぐに病院で診てもらってください。

ムカデの発生する原因と発生しやすい場所、咬まれた場合の処理についてご説明しました。次にムカデを発生させない、咬まれないようにするための対策について知っておきましょう。

ムカデの予防対策

家の周りを清潔に保つのも、ムカデなど害虫予防のひとつです

家の中でムカデと遭遇しないためにできる予防対策は次のとおりです。

侵入しやすい隙間を塞ぐ

ムカデは平べったい体で、玄関ドアの隙間やベランダの網戸、窓などの少しの隙間から入ってきます。まずは、侵入経路を断つために隙間を防ぎましょう。隙間補修用のテープで、入口となるドアや窓の隙間を防ぐだけではなくキッチンシンク下の隙間や洗面台の下の隙間など、水回りでジメジメしやすい場所も防いでおくと安心です。

餌となるゴキブリを駆除する

ゴキブリを餌とするムカデ。ゴキブリを駆除してもらえるのはうれしいですが、家の中にムカデがいるのは困りもの。とくに小さいサイズのゴキブリ、チャバネゴキブリが発生した場合は、防虫剤などを使って徹底的に駆除しましょう。餌がなければ、入ってくる可能性が減ります。

水回りをこまめに掃除する

家の中で湿気の多い場所といえば、お風呂やトイレ、キッチンシンク下などの水回りです。水が飛んだり水滴が落ちたりしやすいので、水分を残さないように拭いておきましょう。シンク下などには湿気取り剤を置いたり、戸を開けて空気を通したり、こまめに換気して清潔さと風通しのよさを大事にしてください。

床下の湿気を溜めないようにする

床下には土台の腐食やシロアリ被害を防ぐため、床下換気扇や床下換気口が設けてあります。とくに昔、田んぼがあった土地などは土に湿気が多く、隣家との間が狭い密集地などは風通しが悪くて湿気が溜まりやすい傾向があります。通気口を塞がないように注意するとともに、防湿シートを敷くなどの湿気対策をしておきましょう。

家の周辺をきれいに保つ

庭木の落ち葉をそのままにしておいたり、使っていない植木鉢やプランターを置きっぱなしにしておいたりすると、落ち葉の裏や鉢の裏にムカデが棲みついてしまう場合があります。エアコンのドレンコードや室外機の周りもムカデが隠れやすい場所なので、こまめに掃除して、家の中だけではなく周辺もきれいにしておきましょう。

ムカデの駆除方法

侵入を防いで対策を講じていても、ムカデが出てきてしまう場合があります。ここからは、ムカデの駆除方法についてご説明しましょう。

忌避剤で駆除する

ムカデの嫌うニオイなどを発生する、忌避剤で駆除する方法があります。化学殺虫成分不使用で、人にとっては香りが気にならないものもあり、置くだけで侵入させません。効果が長時間持続するものや天然成分でできたものは、押入れや納戸、寝室などさまざまな場所で使えます。

殺虫剤で駆除する

ムカデを発見したら、噴射式の殺虫スプレーで駆除しましょう。殺虫スプレーは、室内へのムカデの侵入予防にも使えます。生息していそうな場所や侵入ルートなどに噴霧塗布しておきましょう。外壁の周りに粉末の殺虫剤を撒いておくことで、侵入を防止することもできます。ムカデが発生する5月までには済ませておき、活発に活動をはじめる梅雨時にももう一度撒くとよいでしょう。屋根裏や床下などにも、可能であれば粉末の殺虫剤を撒いておくのがおすすめです。

毒餌剤で駆除する

ムカデが好む成分を含む毒餌剤は、ベランダや窓際、プランター付近やエアコン室外機まわりなどの屋外に設置して虫を退治します。中には、雨に強く効き目の長い毒餌剤も。ただし、毒餌剤の中には魚毒性を含むものもあるので、水槽や池などに入らないよう注意してください。

くん煙剤やくん蒸剤で駆除する

家に侵入してしまったムカデは、くん煙式やくん蒸式の薬剤で駆除しましょう。部屋の隅々まで煙が届き、隠れたムカデだけではなく、ムカデの餌になるような虫も一掃できます。もっとも活動が活発になる6月~9月中旬頃はもちろん、幼虫が孵化しだす春先にもくん煙剤やくん蒸剤を使用しておくことで、効果的に退治することが可能です。

プロに依頼する

駆除剤は手に入りやすく使いやすいものも多いですが、駆除中にムカデに咬まれてしまう危険性があります。一度ムカデに刺されたことがある方の場合は、アナフィラキシーショックを起こす可能性が高くなり危険です。そういった危険を避けるためには、害虫の駆除業者に駆除を依頼するほうが安全でしょう。

まとめ

近くに川や緑地などがある場合なども発生しやすくなります。予防しておかないと大量に発生し、湿気の含まれる布団の中や靴の中などに潜んでいる、天井から落ちてくるなど、予想外の場面でムカデに出くわす場合もあるでしょう。室内にムカデが侵入してこないよう湿気がある場所を作らないようにし、餌となる害虫がでないよう室内だけでなくベランダや庭を掃除しておくことも大切です。

ムカデが発生しはじめる春先には防虫対策をおこない、ムカデの被害に合わない快適な暮らしを送りましょう。

執筆者

小西尋子

京都ライター事務所

京都市内を拠点にフリーランスの編集ライターとして活動。大学卒業後、出版・広告業界に20年以上携わる。間取りを見ながら引越しを妄想するのが趣味。レトロ物件好きで、取り壊しのために2度の立ち退き経験あり。宅建士の資格取得に向けて勉強中。

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