無職でも賃貸物件は借りられる?入居審査に通るポイントと用意しておくべきものを徹底解説

そこで本記事では、無職・休職中でも賃貸物件が借りられるのか、また事情がある場合でも賃貸物件を借りやすくするためのポイントについてご紹介します。現在無職・休職中でお部屋探しをしている方や、更新時期が無職のタイミングで不安な方は、ぜひ参考にしてください。
記事の目次
無職でも賃貸物件は借りられる?
無職や休職中の方でも、賃貸物件を借りることは可能です。しかし、職に就いていて収入が安定している方と比べると、入居審査に落ちやすくなっています。入居審査の基準は貸主や管理会社などによって異なり、基本的には申込書の内容をもとにして、支払い能力などが審査されます。無職や休職中の方が賃貸物件を借りる際は審査が厳しくなりがちなので、検討している物件の家賃や引越しの時期なども考慮して申し込みするようにしましょう。詳しくは後述します。
そもそも入居審査とは?

入居審査とは、物件を管理する不動産会社や大家さん(貸主・オーナー)が対象となる申込者にお部屋を貸してもいいか判断するための審査です。賃貸借契約は、貸主・借主双方の信頼関係のもとに契約が結ばれます。大家さんは、入居者の家賃滞納や近隣からクレームが入るような異臭・騒音トラブルなどを未然に防ぐため、入居者の属性などについて審査をおこないます。審査にかかる期間は、1週間前後が一般的です。審査に必要な書類に不備があると審査が長くなるため、入居を急ぎたい場合には注意しましょう。
なお、不動産会社や大家さんがおこなう入居審査に通らなかった場合は基本的に再審査が難しく、対象の物件を借りることはできません。
入居審査の基準は3つ
管理会社や大家さんがおこなう入居審査の基準は、大きく「支払い能力」「連帯保証人・保証会社の可否」「契約者の人物像」の3つに分けられます。これらの基準は、入居後のトラブルを防げるかの重要なチェック事項です。以下では、入居審査の3つの基準についてそれぞれ解説していきます。
支払い能力
支払い能力の有無は、入居を決めるための重要な判断材料の一つです。入居後の家賃滞納トラブルにも影響する可能性があるため、大家さんも特に気にする項目でしょう。支払い能力の確認として、職業や年収、勤務先、また借金の有無、クレジットカードなどの滞納歴の確認などが挙げられます。無職や休職中の方の場合、貯金残高を提示することで支払い能力があることを証明できます。
連帯保証人・保証会社の可否
賃貸物件を借りる際は保証会社を利用するのが一般的で、入居するには管理会社や大家さんの審査のほかに、保証会社の独自の審査に通過することが必要です。また、連帯保証人を立てる際は、連帯保証人となる人の年齢や職業、借主との続柄などから連帯保証人としてふさわしいか判断されます。
契約者の人物像
契約者となる方(入居者)の人物像も、重要な基準となっていることをご存じでしょうか。不動産会社に対する申し込み時の対応や言動、服装などもチェックされ、信頼できる人物であるかを判断しています。不動産会社に気を配らず、不愛想な対応を取ってしまう方もいるかもしれません。しかし、大家さんの審査には、不動産会社が契約者に持つ印象も加味されます。少なくとも入居審査前は、丁寧な対応を心がけましょう。
入居審査に必要なもの
通常、入居審査の際に必要になるのは以下のような内容です。入居者の身分がわかるように現住所や連絡先、勤務先の情報、年収などを申込書に記入し、必要書類を提出することによって明かします。また、連帯保証人が必要な場合は入居者と同等の内容を明かす必要があります。万が一入居者が家賃を支払える状況ではなくなった場合、連帯保証人に支払いの義務があるためです。
【入居申込書】
- 入居者の住所、電話番号、性別、生年月日
- 勤務先の名称、電話番号、住所、業種
- 入居者の年収、勤続年数※連帯保証人が必要な場合は下記書類も必要
- 連帯保証人の氏名、住所、電話番号、性別、生年月日
- 連帯保証人の勤務先の名称、電話番号、住所、業種
- 連帯保証人の年収、勤続年数、借主との関係
追加で審査に必要になる可能性があるものもあります。通常は契約時に準備するものがほとんどですが、運転免許証や健康保険証などの身分証明書は、審査の際に申込書と併せて提出するのが一般的です。所得証明書は家賃が高額になる場合に求められることが多く、所得と家賃のバランスが取れているかどうかなども判断されます。
いずれも、必要なものは大家さんや不動産会社などによって異なるため、適宜不動産会社に確認をおこなうようにしましょう。
【その他必要になる場合のあるもの】
- 住民票(発行から3カ月以内の原本)
- 所得証明書(源泉徴収票等のコピー)
- 身分証明書
- 印鑑・印鑑証明書(発行から3カ月以内の原本)
- 保証人の承諾書・印鑑証明書(保証人が必要な場合)
- 敷金・礼金・仲介手数料・前家賃(一般的に家賃1カ月分)
【状況別】入居審査に必要なもの
ここからは、状況別に応じて入居審査の際に必要になるものをご紹介します。あらかじめ用意するものがわかっていれば、審査がスムーズに進めることができ安心です。当てはまる状況があれば事前に確認しておきましょう。
無職・休職中
無職や休職中の方は、銀行が発行する残高証明書や、貯金額がわかるものを準備する必要があります。働いている方と比べて基準が厳しくなり、一般的な賃貸の2年契約を基準として、貯金額の目安は家賃2年分の金額です。また、貯金が十分にない場合でも、連帯保証人を立てることによって審査基準が緩和される可能性があります。基準は物件や大家さんなどによって異なるため、事前に不動産会社に確認しましょう。
フリーランス
フリーランスの方の場合、住民税の課税証明書や所得税の納税証明書、確定申告書の控えなどが必要になることがあります。一般的に、会社員の方と審査基準は変わりません。提出する書類としては、確定申告書の控えが多いでしょう。
新社会人

新社会人になる方は、会社名や収入が記載されている内定通知書や雇用契約書を用意しておきましょう。新社会人になる方は前年度の収入が参考にならないため、入社後の情報を伝える必要があります。審査に重要な書類となるため、内定通知書や雇用契約書を受け取ってから物件探しをするようにしましょう。転職する際も同様です。
学生

学生の場合、入居者本人を契約者とすることは基本的に難しく、親が契約者になる必要があります。仮に学生の方が契約者になる場合でも、親や親戚などの身内が連帯保証人になることが求められ、収入証明等を提出します。新入生の場合は学校の合格通知書や入学証明書類が求められる可能性もあるため、準備しておきましょう。
無職でも入居審査に通りやすくなるポイント

ここからは、無職や休職中の方でも入居審査が通りやすくなるポイントについて解説していきます。通常よりも審査基準が厳しくなりやすいため、ポイントを押さえて審査をクリアできるように進めていきましょう。
契約しやすい物件を選ぶ
まずは、無職や休職中の方でも契約しやすいような物件を選ぶことがポイントの一つです。マンスリーマンションなどの短期契約を前提とした物件は、比較的契約しやすい傾向にあります。敷金・礼金が不要なうえ、一通りの家具家電が備え付けられているため便利です。一方、契約時にまとまったお金が必要になることや、家賃が割高なことが多いことが懸念点といえるでしょう。
賃料の安い物件を選ぶ
できるだけ、賃料の安い物件を選ぶようにすることも重要なポイントです。職がない状態で家賃が高い物件を選んでしまうと、後々家賃の支払いが難しくなってしまうのではないかと疑問を持たれ、審査に影響する可能性があります。物件を選ぶ際は無理をせず、身の丈に合った家賃の物件を選ぶようにしましょう。
転居の理由を明確にする
転居の理由を明確にすることも、入居審査に通りやすくするために必要です。なぜ転居をするのか、理由が納得できなければ不信感を与えかねません。職に就いている方の場合でも、転居の理由は必須で回答する内容です。無職や休職中の方の場合も明確にして、相手方が納得するような理由を提示しましょう。
預貯金審査をしてもらう

預貯金審査をしてもらうことも、入居審査に通るために重要です。無職や休職中の場合は支払い能力に疑問を持たれるため、家賃を支払い続けられることを証明する必要があります。基本的には先述のとおり家賃2年分、多いほど大家さんにとっても安心材料になるため、審査が有利になるといえるでしょう。
保証人は収入が安定している人にする
無職や休職中の方の場合、連帯保証人を立てる必要があります。保証人となる方は、できるだけ収入が安定している方を選ぶようにしてください。目安は、年収が家賃1年分の3倍あることです。さらに所有不動産があると、審査のプラスになるでしょう。
家賃保証会社を利用する
大家さんが家賃を回収する保証を得るには、家賃保証会社を利用する必要があります。仮に保証会社が入居者の家賃を立て替えた場合も、入居者は保証会社に家賃を支払うことになります。大家さんは確実に家賃を回収できる安心があるものの、保証会社が入居者から家賃を回収できるかの懸念があるため、保証会社を利用する際は独自の審査があるのが一般的です。
不動産会社・オーナーとのやり取りは誠意をもって対応する
注意すべき点の一つに、不動産会社や大家さん(貸主・オーナー)とのやり取りの際、誠意をもって対応することが挙げられます。「契約者の人物像」で先述のとおり、審査には人となりも影響します。無職・休職中の方は審査に通りにくいため、服装や態度、マナーなどにはいっそう注意が必要です。また、貸主が不動産会社の場合はトラブルを避けるためにも特に配慮するようにしましょう。
無職で賃貸物件を借りるときによくある質問
ここからは、無職や休職中の方が賃貸物件を借りるときに疑問になりやすい、よくある質問を解説していきます。入居審査の際や、万が一審査に落ちた場合の対策として参考にしてください。
預貯金審査はいくらあれば通る?
預貯金審査に通る目安の金額は、最低でも家賃の2年分です。普通賃貸借契約の場合、契約期間は一般的に2年間となっており、3年分の家賃の蓄えがあるということを証明することが必要です。ただし、預貯金審査のハードルは高く、2年分の家賃の蓄えがあったとしても審査に落ちる可能性があります。そのため、少しでも多く貯金額を増やしておくようにしましょう。
入居申し込みの際に噓の申告をしたらどうなる?
入居申し込みの際には、嘘の申告をしないことがマストです。無職・休職中であることを隠したり嘘の申告をしたりした場合、そのまま審査に通ることもあります。しかし、無理をして家賃の高い物件を借りてしまうと入居後の生活が苦しくなってしまったり、何らかの事態により虚偽の申告が大家さんに知られ、契約違反として賃貸借契約を解除されたりする可能性があるでしょう。
入居審査に落ちたらどうする?
上でお伝えしたように、不動産会社や大家さんがおこなう入居審査に落ちた場合は基本的に再審査が難しいため、別の物件を探し直すようにしましょう。入居審査として保証会社の審査も同時におこなわれますが、保証会社の審査に落ちた場合であれば、すぐに諦める必要はありません。もちろん、審査に通りそうなほかの物件を探すのも一つの手ですが、「一度気に入った物件にどうしても住みたい」「ほかの物件を探す時間がない」ということもあるでしょう。そのような場合は、一度審査した保証会社とは別の会社で審査するのがおすすめです。保証会社は複数あり、審査基準も会社によって異なるため、「一方では通らなかったがもう一方で通った」という事例は多数あります。また、保証会社ではなく連帯保証人を立てている場合は、より条件が良さそうな別の連帯保証人で審査し直してみてください。すぐに諦めず、可能性がある場合は行動してみましょう。
入居中に無職になったら追い出される?
万が一、賃貸物件に入居中の際に無職になってしまった場合、追い出されてしまうのではないかと心配に思う方もいるでしょう。しかし、基本的には家賃をしっかり支払っていれば問題ありません。大家さんが主に心配している点は、家賃の支払い能力です。仮に支払いが難しいとなった際は、すぐに大家さんや管理会社に連絡するようにしましょう。事情を説明すれば、期日を設けて支払いするなど猶予を与えてもらえる可能性があります。現実的に家賃の支払いが難しい場合には、身の丈に合った賃貸物件への移り住みが無難です。
まとめ
無職や休職中の方でも、賃貸物件を借りられます。通常の賃貸物件の審査とは異なり基準が難しくなることが考えられるため、貯蓄を十分にしたり家賃の安い物件を選んだりと、しっかり対策を取って審査に臨むようにしましょう。心配なことがある場合は、不動産会社に正直に伝えて相談に乗ってもらうことをおすすめします。いざとなったときに協力してもらえるように、普段から丁寧な対応を心がけることが重要です。