単身赴任の準備は?必要なモノ、引越し前の手続きについて解説

記事の目次
単身赴任の準備はいつからはじめる?

厚生労働省管轄による独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した「企業の転勤の実態に関する調査」では、転勤の内示が出る時期のアンケートをおこなっています。その結果、内示のタイミングとして多いのは、2週間~1カ月前(34.9%)と発表されました。次に回答の割合が高かったのは、1カ月~2カ月(32.5%)と、大体1カ月前後が目安になるようです。とはいえ、「1週間~2週間」「2カ月以上前」との回答も一定数あり、企業によって転勤が決まってから配属までの期間はまちまちといえます。
もちろん内示のタイミング次第ですが、引越しの準備と考えると、できれば1カ月前からは動きはじめるとよいでしょう。先ほどの調査結果から見てみると、一般的には内示が出た直後あたりから準備をスタートさせることになります。
単身赴任に必要な準備

それではいざ単身赴任が決まったとして、まずは何から手を付けていくべきなのか、大まかな段取りを見ていきましょう。
部屋探し
会社によっては寮や社宅が用意されていることもありますが、自分で賃貸物件を探さなければならない場合もあります。住む場所が決まっていないのであれば、まずは不動産情報サイトなどを使って、自分に合った物件を見つけることからはじめましょう。
できれば現地で内見できるのがベストですが、転勤だとなかなか時間が取れないケースもあります。そうした際には、オンライン内見などを活用するのも一つの方法です。なかには、問い合わせ・相談・内見・申し込み・重要事項説明の案内(IT重説)・契約まで、一度も来店せずにWeb上で完結できる不動産サービスもあります。まとまった時間が取れない時には、ぜひ利用してみましょう。
引越し準備
自宅から運びたい荷物があれば、引越し会社を選定して荷造りする必要があります。ただし場合によっては、会社からの補助制度などの関係で、引越し会社が指定されるケースも。その際には自分で探さなくても問題ありませんが、きちんと引越しに間に合うように手配します。
新居で必要なモノを揃える
元の自宅に戻る可能性があるとはいえ、最低限のモノは事前にそろえておかないと、生活が成り立ちません。しっかりと生活環境を整えて、仕事にも問題なく打ち込める準備をしておきましょう。では具体的に何を用意するといいのか、基本のポイントを次から詳しくご紹介します。
単身赴任で準備するモノ

さて、ここからは新居での生活で使う、必要最低限のモノをまとめました。参考にしてみてくださいね。
家具 | 家電 | 日用品 |
---|---|---|
ベッド (寝具) |
冷蔵庫 | トイレットペーパー・ティッシュ類 |
テーブル | 洗濯機 | ゴミ袋 |
椅子 | 電子レンジ | バス・トイレ・洗面用品 |
カーテン | 電子ケトル | 調理器具・食器類 |
収納 | 炊飯器 | ハンガー |
ラグ | ドライヤー | タオル類 |
洗剤類 | ||
物干し竿・洗濯ばさみ | ||
掃除グッズ |
単身赴任なら、住む物件の部屋数もさほど多くないのが一般的でしょう。基本的には、リビング・キッチン・水回りで必要な物品をそろえていけば、生活には困りません。ここからは上記の表に出てきた各項目について、どのような選び方がいいのか解説していきます。
単身赴任で準備する家具
ベッド(寝具)
特に間取りの狭い部屋に住む場合には、省スペースに効果的なベッドを活用するのがおすすめ。ベッド下が収納になっていたり、折りたたみ式やソファ兼用だったりするタイプもあり、利便性の高い種類もたくさんあります。もしくは、単身赴任の期間が短く、ベッドを買うのがもったいない時には、布団だけでもいいかもしれません。ただし、毎日布団をたたむのが面倒なら、ベッドにしたほうが便利でしょう。
テーブル
毎日床で食事をするわけにはいかないので、少なくともテーブルはあったほうがよいでしょう。なるべく開放的な部屋にしたいなら、背の低い座卓やローテーブルがおすすめ。または自宅でもパソコン作業をしたい場合には、デスクと兼用にする方法もあります。
椅子
先ほどのテーブルに合わせて、低めのタイプなら座椅子やソファ、デスクタイプなら脚の長いチェアを選びましょう。背の高いテーブルやデスクでないなら、クッションでも十分かもしれませんが、長時間座っているのにはあまり適していません。椅子をクッションにして節約する方法もありますが、単身赴任先の自宅にいる時間が短い場合に限りおすすめです。
カーテン
セキュリティ面はもちろん、防寒や防音のためにも、カーテンは住みはじめる当日までに用意しておきましょう。また、窓枠に合ったサイズでないと丈が足りなかったり閉まりきらなかったり、うまく使えないカーテンになってしまうので要注意。きちんと窓の高さと横幅を測ってから準備します。
収納
クローゼットなどの収納スペースが少ないと、不便に感じることが多くあります。会社に勤務する場合には、スーツなどをきちんと保管できる収納も必要でしょう。例えばハンガーラックといった収納を別で用意しておくと、部屋も整理整頓しやすくなり便利です。
ラグ
床からの冷えや足音が気になる場合には、ラグを用意しておくとベターです。部屋の雰囲気もつくりやすくなるので、ちょっとおしゃれに見せたい時にもおすすめできます。
単身赴任で家具を新調するのはお金がもったいない……という方に向けて、「不動産情報サイト アットホーム」では「家具が付いている賃貸物件特集」も設けていますので、ぜひ検討してみてくださいね。
単身赴任で準備する家電
続いて、準備すべき家電についてご紹介します。
冷蔵庫
冷蔵庫がないと飲み物すら常備できないので、最低限は用意しておきたい家電です。手軽な小型タイプや、一人暮らし用の2段式など種類は幅広くあるので、自炊や作り置きの頻度も考えながら選んでいきましょう。また、冷蔵庫のような大きめの家電は、コンセントにつなげた状態で、なおかつ生活動線の邪魔にならないように設置しないと不便です。あらかじめ置きたい場所の採寸をしてから、適したものを購入します。
洗濯機
単身赴任期間が短ければ、コインランドリーを利用して空いた時間に洗濯をしに行くのも一つの方法です。ただ長期間となると、コインランドリーではかなり費用もかかってしまうので、洗濯機は必須です。一人暮らしでも使いやすい、コンパクトでリーズナブルな商品も多くあるので、ぜひ探してみてください。
電子レンジ
なかなか食事を作る時間が取れない場合も考えられるので、冷凍食品や作り置きをいつでも温められるように、電子レンジはあったほうが便利でしょう。また電子レンジを使った簡単な自炊レシピもありますし、幅広く活用できる優秀なアイテムです。
電子ケトル
電子ケトルも、すぐにお湯を沸かしたい時にあると助かりますし、フリーズドライなどのレトルト類にも使えます。飲み物から食事まで活用できるシーンは多々あるので、あらかじめ用意しておくのがおすすめです。
炊飯器
やはり日本の主食となるお米をいつでも炊けるように、炊飯器もあると便利です。ただし自炊の頻度が低いのであれば、なくても困らないかもしれません。最近では電子レンジでお米が炊けるグッズやレトルトご飯もあるので、自分の生活スタイルに合わせて検討してみましょう。
ドライヤー
小物家電なので意外と忘れがちですが、ドライヤーはないと困ってしまいます。自然乾燥だと風邪も引きやすいので、必ず用意しておきましょう。
単身赴任で準備する日用品
トイレットペーパー・ティッシュ類
紙類は普段何気なく置いてありますが、生活必需品の一つです。突然なくなると困るものでもあるので、なるべく常備しておけるように在庫しておきましょう。
ゴミ袋
ゴミ袋は、各地方自治体によって取り扱いが異なるため、事前に分別方法や出し方を確認しておきましょう。それぞれの地域で指定のゴミ袋が市販されている場合もあるため、スーパーなどで購入しておきます。
バス・トイレ・洗面用品
お風呂用品をはじめとしたエチケットグッズも、毎日の生活になくてはならないものです。石鹸や歯磨きセットなど、自分が何を使ってきたのか思い出しながら準備していきましょう。
調理器具・食器類
自炊をあまりしない場合には、調理器具はさほど必要に感じないかもしれませんが、少なくとも食器類はあったほうが便利です。レトルト類を活用するにしても、お皿・箸・スプーン・フォークなどがないと食べられないので、簡単に用意しておきます。
ハンガー
洗濯物を干すだけでなく、アウターやスーツなどをかけて保管する時にも欠かせないアイテムです。洋服の収納にも必要なので、ある程度はまとまった数を準備しておくとよいでしょう。
タオル類
入浴後はもちろん、顔や手を洗ったり掃除したりするのにも使うなど、使用頻度の高いアイテム。少なくとも、バスタオルとフェイスタオルは何枚か用意しておいたほうが、替えもききやすいので便利です。
洗剤類
特に衣料用洗剤・柔軟剤や食器用洗剤は、基本的にストックしておいたほうが困りません。その他にも、トイレ・バス用といった水回りの洗剤や、酸性・アルカリ性の洗剤スプレーなども準備しておくと、ちょっとした日常的な掃除にも使えて便利です。
物干し竿・洗濯ばさみ
自宅で洗濯する場合には必須のアイテムですが、なかには浴室乾燥だったり、室内に物干し竿が付いていたりする物件もあります。こうした場合なら部屋干し派にもぴったりですし、物干し竿をわざわざ用意しなくてもいいのでおすすめです。
掃除グッズ
日常的な清掃用として手頃な掃除機を買うのも一つの方法ですが、部屋の面積が小さかったり掃除頻度が低かったりすると、持て余してしまう場合も。単身赴任であれば、柄付きのフロアクリーナーや粘着テープのゴミ取りグッズなどで、十分に事足りるケースもあります。自分の好みも考えながら、掃除グッズは何がいいのか検討してみましょう。
単身赴任までにやるべき手続き

荷造りや必要な物品をそろえる以外にも、引越しにともなう手続きはいくつかあります。生活環境を物理的に整えつつ、次のような準備も進めていきましょう。
転出届・転入届・世帯主変更届
単身赴任のように一時的な引越しの場合には、住民票は移さなくても問題ないケースがほとんどです。ただし単身赴任先の地域に住民登録がないと、不便に感じる部分も少なからずあります。もし住民票を移すのであれば、各地方自治体の役所で転入・転出の手続きをしましょう。
- STEP 1 転出引越す前に市区町村の役所に行き「転出届」を提出し「転出証明書」をもらう
- STEP 2 転入単身赴任先の市区町村の役所に行き「1.でもらった転出証明書」と「転入届」を提出する
【転入手続きに必要なもの】
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑
- 転出証明書
- 転入届
※自治体によって必要なものが異なります。事前に自治体のホームページをチェックしましょう
単身赴任は住民票を移すべき?
法律上のルールでは、基本的に引越しをしたら住民票を移すのが義務とされています。ただしあくまで原則的な規定で、住民票を移動させない正当な理由があれば、そのまま元の居住地に置いておくことも認められています。
正当な理由とは、短期間のみ(1年程度)・元の居住地に戻る期間限定の転居・生活拠点が別にある(定期的な帰省が発生する)場合など。単身赴任も該当するケースが考えられるため、住民票の移動は必須ではありません。
ただし住民票を移しておかないと、身分証明書の住所変更がしづらい・単身赴任先の選挙に参加できない・公的書類が届かないといったデメリットもあります。もし単身赴任が長期になるのであれば、住民票は移したほうがいいかもしれません。
単身赴任で住民票を移すべきかついては、下記記事でまとめていますので参考にしてください。
印鑑登録
例えば、不動産などの高額商品の購入の際には、印鑑登録がされた実印を求められるケースがあります。また印鑑登録は、転出届で自動的に消滅する場合が多く、住民票を移す場合には新しい住所地での再手続きが必要です。また元の居住地で印鑑登録をしていて、住民票を移さないのであれば、そのまま残ります。ただし印鑑証明書は、元の居住地で発行しなければなりません。
免許証の住所変更
運転免許証を身分証明書として使いたい場合、住所変更をしていないと、居住地の判断ができないため適切な書類として認められない可能性があります。なお運転免許証の住所変更では、住民票をはじめとした現住所を確認できる書類が求められるため、場合によっては住民票を移す必要があるケースも出てきます。
ライフライン(電気・ガス・水道)の開通
人がまだ住んでいない物件では、電気・ガス・水道は停止されているので、次の入居者が自分で開通しなければなりません。なお水道については、自動的に各地域の水道局と契約することになりますが、電気やガスは自由に供給会社を選べるケースもあります。ただし物件によっては指定されている場合もあるので、一度確認しておきましょう。
インターネット回線の開通
元々インターネットが通っている物件もありますが、そうでない場合には自分で通信会社を探して契約する必要があります。もし「あまりインターネットは使わない」「スマホの通信回線だけで十分」という場合には、無理に用意しなくても問題ないでしょう。
郵便物の転送手続き
郵便物の転送手続きをしておけば、自分宛ての郵送物が自動的に新住所まで届くようになるの
で便利。重要な書類なども、すぐに自分の手元に来るようになります。また単身赴任での転送手続きの際には、申し込み内容のなかで「引き続き旧住所に住む人がいる」という項目があるので、「はい」にチェックを入れておきます。
単身赴任にかかる初期費用は?

単身赴任にかかる初期費用は、基本的に通常の引越しとさほど変わりはありません。大きく分けると、引越し会社の利用費(運搬距離や荷物量などにより変動)・物件入居費の2つです。ちなみに賃貸物件の入居にかかる初期費用は、家賃の4~5カ月分ほどかかる場合が多く見られます。
なお会社都合による転居の場合、こうした初期費用は勤務先が負担してくれるケースも多数。会社からどのような手当や補助が出るのか、あらかじめ就業規則などを確認したうえで、自己負担がどれくらいになるのか把握しておきましょう。
単身赴任にかかる生活費については、下記でまとめていますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は単身赴任に必要な準備を解説してきましたが、ざっと洗い出しただけでも、細々とやらなければならないことがたくさんあります。引越し後に用意できるものもあるかもしれませんが、移動してすぐに仕事がはじまるとなれば、慣れない新生活もあってなかなか余裕がない可能性も。できれば早めから準備しはじめて、事前に万全の生活環境を整えておいたほうが何かと安心ですよ。
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