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SOHOとは?オフィス用賃貸との違い、メリット・デメリットとおすすめの間取りについて解説

SOHOとは?オフィス用賃貸との違い、メリット・デメリットとおすすめの間取りについて解説
昨今は働き方が多様化したほか、副業やフリーランスとして自ら事業に取り組む人も増えてきました。そうした働き方の一つに挙げられるのが「SOHO」です。本記事ではSOHOとは何なのか、さまざまな働き方と比較しながら概要をご説明したうえで、メリット・デメリットや働くうえで知っておきたいポイントなどを解説します。

SOHO(ソーホー)とは?

SOHOとは、「Small Office Home Office」を略した言葉です。SOHOには2つの定義があり、自宅や小規模なオフィスでパソコンなどを用いてビジネスに取り組む働き方(事業形態)、あるいはそうした方々が働くオフィス物件を示します。

昨今は働き方改革やコロナ禍の影響などから、フリーランスや在宅ワークなど働き方が多様化しました。まずは、それらの働き方とSOHOとの違いについて確認しておきましょう。

フリーランスとの違い

フリーランスは自宅やコワーキングスペース、カフェなど、特に働く場所を決めていない場合がほとんどです。なかには、クライアント先に常駐して働くケースも少なくありません。一方、SOHOは小規模なオフィスを構えて働きます。そのため、SOHOとフリーランスは「オフィスの有無」が大きな違いです。

テレワーク・在宅勤務との違い

テレワークや在宅勤務は基本的に自宅を拠点として、パソコンやインターネットを活用し仕事する働き方です。そのため、SOHOと大きな違いはありません。なお、テレワークや在宅勤務には、企業に所属して働く人が含まれます。これに該当する場合は、雇用の有無がSOHOとの違いとなるでしょう。

スタートアップ・ベンチャーとの違い

SOHOは個人での働き方を示しますが、スタートアップ・ベンチャーは企業です。つまり、法人化しているか否かがSOHOとの違いとなります。なお、SOHOから事業をスタートさせ、法人化させるケースも少なくありません。

さまざまな働き方について、SOHOと比較しながらご説明しました。似たように思えますが、それぞれ違いがあることがおわかりいただけたのではないでしょうか。続いて、オフィス物件という視点から、一般的な賃貸物件との違いを見ていきます。

SOHO向け物件とオフィス用賃貸物件の違い

SOHO向け物件は住居用として契約し、特定の人しか出入りしないことを前提に使用されます。例えば頻繁に来客のある業種などは使用できません。具体的な仕事は次項で取り上げますが、パソコンやインターネット環境等があれば完結する業種が対象となります。一方、オフィス用賃貸物件は事業用として契約し、基本的に業種が限定されません。

SOHOが適している仕事・職種

SOHOが適している仕事・職種

SOHOには、以下のような仕事・職種が向いています。

  • デザイナー、イラストレーター、漫画家
  • ライター、作家
  • 動画編集
  • プログラマー・エンジニア

いずれも基本的に個人で活動し、パソコンやインターネット環境があれば取り組める仕事です。昨今は打合せなどもオンラインで実施することが増えているため、来客なども少ないでしょう。逆に、小売や飲食など、頻繁に人が出入りするような仕事には向いていません。

SOHOのメリット

SOHOには、以下のようなメリットがあります。ご自身が望む働き方と照らし合わせながら、自分に向いているか考えてみてください。

オフィス用賃貸物件と比べて初期費用が安い

SOHO物件はオフィス用賃貸物件と比べて、初期費用や月々の賃料を抑えることができます。さらに自宅兼事務所であれば、仕事に使用する部分を按分(あんぶん)することにより、経費として計上することも可能です。

自由な働き方ができる

自由な働き方ができる

SOHOは仕事環境を自由に変えられるほか、自己裁量で好きなように働けます。例えば仕事内容はもちろん、働く時間や休日なども自分次第です。プライベートな時間を確保したり、家事育児などと両立したりしやすいでしょう。

通勤の必要がない

自宅兼事務所であれば、自宅がそのまま仕事場になります。そのため、わざわざ通勤する必要がありません。自宅とは別にSOHO向け物件を借りる場合でも、できるだけ容易に行きやすい場所を選べば、通勤の負担が軽減されるでしょう。

寝泊まりができる

SOHO向け物件は住居用として契約するため、寝泊まりすることができます。仕事で遅くなった際にそのまま宿泊したり、仕事だけに集中したい期間に滞在したりすることが可能です。

SOHOのデメリット

メリットがある一方で、SOHOにはデメリットもいくつか存在します。以下に4つ取り上げて解説しますので、併せて確認しておきましょう。

不特定多数の人の出入りは不可

SOHO物件は住居用としての契約、つまり「住む」ことを目的としたものです。不特定多数の出入りがある場合、異なる用途で使用するものとみなされ違法となる可能性があります。事務所として使用できる物件であっても、あくまで主目的は居住ですので注意しましょう。
建物の用途によって、建物の構造や防火設備等の規制があります。そのため、不特定多数の出入りがある用途では、消防法に抵触するかもしれません。消防局では立ち入り検査をおこなっており、この際に違反があれば設備等の是正を求められるほか、これが改善されないと罰則を科されることがあります。不安な場合には、賃貸オフィス・貸事務所を借りた方が無難かもしれません。

看板、表札の設置ができない

看板や表札など、対外的に事業所であることを知らせるものが自由に設置できないことがあります。そのため、来客がある際には訪問先を間違わないよう伝えるなど、工夫が求められるかもしれません。どこまで許容されるかは物件により異なりますので、あらかじめ確認しておいてください。

法人登記ができない場合がある

SOHO向け物件は住居契約であり、基本的に個人での使用を対象としています。そのため、例えば法人化した際など、その物件住所では法人登記できない場合が少なくありません。将来的に法人化を考えている方は、あらかじめ注意しておいてください。いざ法人化したタイミングで引っ越さなくてはいけなくなる可能性もあり、賃貸オフィス・貸事務所を選んでおいた方がよいかもしれません。

仕事とプライベートが混同する

特に自宅兼事務所など居住も伴う場合には、同じ物件内に趣味などプライベートなものがある状態です。また、一人暮らしでなければ、家族などが同じ空間で生活することになります。そのため、仕事とプライベートとの線引きがうまくできないかもしれません。自分が仕事するうえでどのような環境が合っているのか、十分に検討してください。

SOHO向け物件の探し方

SOHO向け物件の探し方

SOHOで働くための物件探しには、いくつかの方法があります。もっとも簡単なのは、現在居住している家を事務所兼自宅として使用する方法です。ただし、賃貸物件では事務所利用不可ということがありますので、不動産会社や大家さんに確認しましょう。勝手に事務所として利用してしまうと、あとからトラブルが起きてしまう可能性があります。購入した物件の場合でも、マンション管理規約や使用細則の事前確認が必要です。

そのほか、不動産会社に出向いて相談したり、不動産ポータルサイトで探したりするのも一つの方法です。特に不動産ポータルサイトはインターネット上で物件を検索・比較でき、気に入った物件があった際だけ問い合わせて内覧できるので効率的でしょう。
「不動産情報サイト アットホーム」なら、SOHO向け(事務所利用可)の物件を簡単に探すことができます。SOHO向け物件を検討している方は、ぜひ覗いてみてくださいね。

SOHO向け物件におすすめの間取り

SOHO向け物件におすすめの間取り

SOHO向け物件を探す際には、いくつか注意しておきたい点があります。例えば、仕事と日常生活で動線が分かれている、あるいは仕事用とプライベート用とで部屋を分けられるとよいでしょう。仕事用とプライベート用が混在していると、つい仕事以外のことが気になってしまいます。

また、仕事の来客があった際には、プライベート空間を通らず玄関やオフィス空間、トイレなどを行き来できる間取りがおすすめです。こうした点から、ワンルームや1Kなど部屋が1つしかない間取りは、あまりSOHOに向いていません。

SOHO向け物件選びのポイント

SOHO向け物件選びのポイント

快適に仕事をするために、SOHO向け物件は以下のようなポイントを意識して選びましょう。

インターネットが利用できる

現在はほとんどの職種において、インターネット環境が必須といえます。そのため、高速インターネット回線が利用できるかは、非常に大切なポイントです。最近は古い物件でも、高速インターネット回線を利用できるケースが増えてきました。使用したいインターネット回線があれば、事前に提供会社へ使用可能か確認してみましょう。

なお、なかにはインターネット回線があらかじめ完備されている物件もあります。その場合、利用料が賃料に含まれるので、コストを抑えられる点がメリットです。ただし、建物全体で共用するインターネット回線の場合、時間帯等によっては通信速度が遅くなる可能性があるので注意してください。オンライン会議中に通信が遅くなり、映像・音声が途絶えてしまうといったトラブルが起きるかもしれません。

交通利便性の高いエリア

クライアント先まで出向くことが多いのであれば、交通の利便性が高い立地の物件を選ぶとよいでしょう。移動時間を短縮して効率的に動くことができますし、来客者がいればその負担も軽減できます。
ただし、いくら交通の利便性が高くても、治安が悪かったり、犯罪者集団・怪しい事務所などが集まっていたりするエリア、宗教色の強いエリアなどは避けましょう。クライアントからの印象は大切ですので、外から見たイメージも意識してください。借りる前に周辺を見て回ったり、不動産会社の担当者に聞いたりして調べておくと安心です。

防音性に優れている

防音性の低い物件だと来客時はもちろん、電話やオンライン会議などの声が外に聞こえてしまいます。周囲に迷惑なだけでなく、会話から機密情報等が漏れてしまう可能性もあるでしょう。不要なトラブルを避ける、あるいはセキュリティの観点からも、防音性の高い物件がおすすめです。
なお、入居した物件が「店舗利用可」である場合は注意してください。例えばスポーツジムを運営している部屋があれば、運動中の音が聞こえてくるかもしれません。そうなると、音が気になって仕事に集中できない懸念もあるでしょう。どんな人や企業が入居しているのか、あらかじめ不動産会社に聞くなど調べておくと安心です。

電源の数が仕事内容に適している

パソコンはもちろん、プリンターやスキャナー、モニターなどさまざまな電子機器が仕事で必要になります。仕事で何を使用するのか事前にイメージし、必要な電源数が確保できるか確認しておきましょう。快適に使用するに当たっては、数だけでなく位置も大切です。電源タップを用いる方法もありますが、できれば配線は少ない方が快適になります。
また、日常生活も送るのであれば、その分だけ家電製品などに電源が求められます。使用するたび電源を抜き差しするような手間が起きないよう、十分な数を用意しておきたいところです。

SOHO向け物件以外の選択肢もある

SOHO向け物件以外の選択肢もある

SOHO向け物件だけでなく、働く場所にはさまざまな選択肢があります。仕事のみに集中できる環境を求めるなら、コワーキングスペースを活用するのもよいでしょう。ただし、コワーキングスペースは基本的にフリーアドレス制のオープンな空間のため、周囲が気になって集中できないという方がいるかもしれません。そうした際は、個室の完備されたシェアオフィスの利用も検討してみてください。なお、コワーキングスペースやシェアオフィスの多くは法人登記も可能なので、将来的に法人化を考えている場合にもおすすめです。仕事に必要となるオフィス用具なども完備されており、すぐに仕事を開始できます。

長期的に事務所を構えて事業に取り組むなら、SOHO向けではなく賃貸オフィス・貸事務所がよいかもしれません。どのような働き方がしたいのか、事業をどのように進めていきたいのかを考え、自分に合った環境を見つけましょう。

まとめ

いかがでしたか?SOHOは自宅や小規模なオフィスを拠点とし、パソコン等を活用して仕事する働き方やそのための物件を示す言葉です。コストを抑え、かつ自由に働けるなどのメリットがある一方、法人登記できないなどデメリットもあります。特に自宅兼事務所の場合、うまくプライベートと仕事とを線引きできないと、仕事に集中できず効率が落ちてしまうかもしれません。
SOHOではなく、自分の事務所を長期的に持っておきたい方には、貸事務所や賃貸オフィスがおすすめです。アットホームでは、「貸事務所・賃貸オフィスの物件情報を探す」「小規模オフィス(事務所)特集」「賃料が10万円以下のオフィス(事務所)特集」など、さまざまなニーズに合った探し方を設けています。ぜひ、ご自身の働き方に合ったオフィスを探してみてくださいね。

執筆者

三河 賢文

“走る”フリーライターとして活動。学生時代から15年以上の経験を持ち、現在はディレクションや編集業務も手掛ける。結婚後はライフステージの変化に応じて5回引っ越し。現在は都内の持ち家を手放して千葉県へ移住し、田舎暮らしを楽しむ。趣味はマラソンと薪割り。4人の子と1匹の犬と暮らす大家族フリーランス。ナレッジ・リンクス(株)代表、NPO法人HASHIRU理事、WILD MOVE主宰/ランニングトレーナー。

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