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通勤時間の平均はどれくらい?理想の通勤時間やお部屋探しのコツまで徹底調査

通勤をするビジネスマン。通勤時間の平均はどの程度なのでしょうか?
より快適な住まいを見つけるためのポイントとして、日々の通勤がある方にとっては、職場までの交通アクセスも見逃せませんよね。もちろん通勤時間の許容範囲は人それぞれなので、どれが正解というわけではありません。ですが一般的には、どの程度の基準で選ばれているのか、少し気になる方もいるでしょう。

そこで今回は、みなさんの通勤時間に関する実態を、独自のアンケート調査によって徹底リサーチ!地域別や通勤時間別に分けて、どういったケースで何分ぐらい職場まで通うのにかけているのか、リアルな声を聞いてみました。ぜひ物件選びの参考にしてみてくださいね。

家から会社までの通勤時間は?【アンケート】

普段通勤している方に、自宅から会社までの通勤時間を聞いてみたところ下記となりました。

回答サンプル数:896

上記のアンケートでは、「家から30分以内」の通勤時間が一番多い結果となりました。今回は住んでいる地域や職種などを問わず調査した結果で、さまざまなライフスタイルや世代の回答が含まれています。例えば一人暮らしで正社員としてオフィスに出社する場合と、子育て世帯でパートとして近場で勤務している場合では、通勤にかける時間は変わってくるでしょう。

そうしたなかでも、回答数が大きく減っているのは、通勤時間が1時間を超えるという回答でした。やはり毎日の通う負担を考慮すると、全国的に見ても、片道1時間程度が1つの基準にはなりそうです。

家を検討する際、通勤時間は重要視する?

続いて、家を検討する際に通勤時間を重要視するかどうか、アンケートをとってみました。結果は以下のとおりです。

回答サンプル数:901

家を決めるにあたって、通勤時間を重要視するとの回答が9割以上を占めました。やはり一般的に、職場までの通いやすさは、各物件の立地を選ぶためのキーポイントになっているといえそうです。例えば「移動時間が手持ち無沙汰に感じる」「満員電車に乗るのがストレス」などの場合には、なるべく職場は近いほうがいいですよね。もしテレワークや在宅でできる仕事なら、上記のアンケート結果内でも一定数いるように、通勤時間を気にする必要はありません。ですが基本的には決められた時間に出勤しなければならない点を考慮すると、通勤時間も見ながら、どういった生活リズムになるのか想定しておくのが無難でしょう。

次の章では、総務省が公開しているデータから通勤時間を算出しています。

通勤時間の全国平均は1時間19分

総務省が公開している「令和3年社会生活基本調査」によると、通勤・通学にかける時間の全国平均は、往復で1時間19分という結果になりました。片道換算するとだいたい40分程度かけていることがわかります。ただし、勤務先が地方都市か都心部かによって平均は異なりそうです。

さらに都道府県別では、通勤・通学の往復時間の平均が1時間20分以上になるのは、関東や関西の都心部に集中しています。一方で北海道・東北・九州・四国では、ほとんどが平均1時間10分未満という結果に。ちなみに東北のなかでは、政令指定都市のある宮城県のみ、平均1時間20分未満と少し通勤時間が長くなっている傾向にありました。
こうした結果からも読み取れるように、どちらかといえば地方にいくにつれて、片道30分以内で通勤できる住まいが選ばれやすいようです。

参考:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査

都心部への通勤は時間がかかる傾向にある

地方都市の場合は、エリアによる家賃相場の差が出にくいこともあり、地元で働くなら職場に近い物件も選びやすい傾向にあります。一方で都心部にいくと、例えば数々の企業が集まるオフィス街や繁華街になると、その周辺の物件の家賃も高くなりやすいのが特徴です。できるだけ家賃を抑えたい場合には、なるべく相場の低いエリアで物件を選ぶことになるため、職場からの距離も離れやすくなります。特に都心部で働いている場合には、毎月のコストと生活の利便性のバランスも考えながら、より住みやすい物件を見つける必要があるといえるでしょう。

次の章では、都道府県別で通勤時間の平均をランキング化しました。

都道府県別の平均通勤時間ランキング

順位 都道府県名 往復(分) 片道(分)
1 神奈川県 100 50
2 千葉県 95 48
2 東京都 95 48
4 埼玉県 94 47
5 奈良県 88 44
6 大阪府 87 44
7 兵庫県 84 42
8 京都府 81 41
9 茨城県 78 39
9 愛知県 78 39

※総務省統計局【令和3年社会生活基本調査】が公表している都道府県別・通学・通勤にかけている時間(往復)と、往復時間から片道の時間を算出した表 ※10歳以上の「通勤・通学」をしている人、平日の平均

より詳しく都道府県別の平均通勤時間を見てみると、トップ4位まではすべて首都圏が占めました。そこから8位まで関西エリアが続いており、やはり国内2大都市でもある東京・大阪付近を中心に、通勤時間が長くなっているようです。1位~8位までの地域の場合は、県をまたいで東京や大阪に勤務しているパターンも考えられるでしょう。

その他で10位以内にランクインしたのは、製造業が盛んな地域でもある茨城県や愛知県。いずれも特に製造業従事者に関しては、繁華街のある県庁所在地から、少し離れた地域で働くケースが多い特徴もあります。こうしたエリアの場合、比較的便利な繁華街に住み、地方まで通う逆パターンも考えられそうです。

神奈川県の平均通勤時間は片道50分

神奈川県なら、さほど土地面積自体は広くないため、県内で勤めている人なら通勤時間はかからないようにも思えるかもしれません。ですが神奈川県は東京周辺とつながる交通網が発達していることから、勤務先が県外にあるケースも多々見られます。例えば静岡県に近い小田原市からでも、職場によっては新幹線で東京の都心部まで通勤するなどのパターンも考えられるでしょう。都心部の主要エリアから離れた場所から通おうとすると、片道50分程度かかる場合も珍しくなく、全体として平均通勤時間も長くなる傾向にあります。

東京都と千葉県の平均通勤時間は片道48分

東京都自体も土地面積が広いわけではありませんが、オフィスや店舗などが集まる主要エリアは、東京湾側の23区内に集中しています。23区内に住んでいる場合には、さほど時間はかかりませんが、東京西部から主要エリアに行くパターンなら通勤は長くなるでしょう。例えば八王子駅から東京駅まで通うなら片道50分以上はかかるので、都内に住んでいても勤務先と住居の立地次第で通勤時間は大きく異なります。

また千葉県も先ほどの神奈川県と同様に、公共交通機関で東京まで出やすく、県外の都心部まで通勤するパターンは少なくありません。さらに千葉県は、神奈川県や東京都に比べて土地面積もかなり広くなるため、県内の通勤でも時間がかかるケースも。例えば南房総エリアから、千葉市付近の主要部まで行こうとすると、住んでいる場所によっては片道50分以上かかります。関東周辺は、さまざまなオフィスなどが特定地域に一極集中していることから、通勤時間も長くなりやすい特徴があります。

埼玉県の平均通勤時間は片道47分

埼玉県も前述の神奈川県や千葉県と同じような理由で、東京の主要エリアに通うパターンも多いため、平均通勤時間が長くなっています。例えば川口市や戸田市あたりなら東京23区にも比較的近いですが、もう少し離れた川越市や所沢市から都心部に通う場合には、それなりの時間がかかります。オフィスの集まる東京駅や新宿駅付近に出るまで、片道40分~50分ほどかかるパターンも珍しくありません。先ほども触れたように、家賃を抑えるためにあえて埼玉・神奈川・千葉に住むケースも多々見られるため、首都圏で通勤時間が長くなる場合も多いようです。

通勤時間が長いと幸福度が下がる?

通勤に時間がかかってしまうと、当然ながらその分朝は早起きになる・帰りが遅くなるなど、負担を感じやすくなる一面があります。例えば残業して疲れているところを、また電車に乗って長い時間をかけて帰宅するのは大変ですよね。さらに早めに退勤できたとしても、帰り道に時間がかかってしまうと、結局家に着くのは遅くなってしまうケースも。そこから家事や夕飯を済ませたり、お風呂に入ったりしようと思うと、自分の好きなことをしてリフレッシュする時間も取りづらいでしょう。仕事終わりからの時間に余裕がないと、場合によっては睡眠時間も確保しにくくなり、慢性的な寝不足で業務効率が下がる可能性もあります。

ニッセイ基礎研究所「通勤時間と幸福度の関係-リモートワークの拡大で幸福度は高まるか?」によると、片道の通勤時間が90分を超えると、通勤時間が90分未満の人と比べて幸福度が下がるとされています。片道の通勤時間が30分以内の人がもっとも幸福度が高いとされており、それ以降は通勤時間が長ければ長いほど幸福度が下がっていくという研究結果がでているようです。

もちろん勤務先の異動など、やむを得ない事情から、遠方まで通勤しなければならない場合もあるでしょう。ですが住まいを選べる状況にあるなら、やはり適度な通勤時間で通える物件にしたほうが、日々のストレス感は少なくなるといえます。とはいえ通勤時間だけでなく、間取り・設備・周辺環境など、より快適な住宅を選ぶにはさまざまな必要条件もあるでしょう。では具体的に、どれくらいの通勤時間で検討するとバランスが取りやすいのか気になるところですよね。そこで実際に、物件選びの参考にできる通勤時間について、以下からご紹介していきます。

理想的な通勤時間は何分?

ここまで平均通勤時間について調査してきましたが、みなさんが考える理想的な通勤時間はどの程度なのでしょうか?こちらもアンケート調査を実施しまとめました。結果は以下のとおりです。

回答サンプル数:1429

冒頭に出てきた実際の通勤時間と同じく、やはり30分以内を希望する人がもっとも多い結果となりました。例えば9時出社で8時半に家を出れば間に合うと考えると、準備時間は人によって変わってきますが、比較的朝には余裕が持てそうですよね。また30分以内の次に多かったのが、10分以内という回答でした。10分以内と考えると、公共交通機関を使わずに、徒歩や自転車で通うパターンが想定されます。例えば毎日たくさんの乗客が利用する、電車やバスに乗るのを避けたい場合には、できるだけ職場の近くに住みたいと考える方もいるでしょう。では、それぞれの通勤時間を選んだ理由も詳しく見ていきましょう。

通勤時間0分が理想

    みんなの声
  • 仕事をすることは好きだけど「出勤」という行為が嫌なので。(30代/男性)
  • 電車は遅延したり運休したり満員電車だったりがあるので嫌いです。行き帰りの電車に乗るだけで疲れてしまうので、在宅勤務できる仕事が理想です。(30代/女性)

通勤時間10分以内が理想

    みんなの声
  • 以前、勤務先から徒歩圏内に住んでいた時とても快適だったので。(40代/男性)
  • 近所のほうが、家事と育児の両立がしやすい。(40代/女性)

通勤時間30分以内が理想

    みんなの声
  • 30分以内、近すぎず遠すぎない程よい距離だと思うので。(30代/女性)
  • 30分前後。近すぎても日常と仕事が離れないような感覚を受けるので。(30代/男性)
  • 遠いと通勤で疲れることと近すぎると職場の人に遭遇しそうなのでこのくらいの時間が理想です。(40代/女性)

通勤時間1時間以内が理想

    みんなの声
  • 1時間かからないくらい。家から近すぎてもメリハリが効きにくいし、遠いと通勤だけで疲れてしまいそう。(30代/女性)
  • 在宅に憧れますが、運動不足になりそうなので。(40代/女性)

通勤時間1時間半以内が理想

    みんなの声
  • 1時間前後が理想。近すぎると気持ちの切り替えが難しいと感じているため。(20代/女性)
  • 1時間、通勤中にネットニュースなども見られてちょうどいい。(30代/男性)
  • 電車で1時間、電車のなかで自分の時間をもてるから。(40代/男性)

回答が多く集まった30分以内を理想とする理由として、単純に通いやすいだけでなく、「職場と適度な距離感ができる」との意見が多々見られました。きちんとプライベートとの切り分けをするためにも、30分以内なら近すぎず、通勤がストレスになるほどの遠さでもなく無難なのかもしれません。また通勤時間が1時間以上あったほうがいいとの回答では、「移動時間を有効に使いたい」とのコメントが出てきています。もちろんライフスタイルによる違いもありますが、職場までの移動をどう感じるか次第で、通勤にかけられる時間は変わってくるようです。

不動産情報サイト アットホームでは、「賃貸(賃貸マンション·アパート)を通勤・通学時間から探す」ことや「マンションを通勤・通学時間から探す」こともできますので、ぜひ試してみてくださいね。

都心に近いエリアは価格が高い傾向にある

ここまでにも出てきたように、特に都心部に近い東京23区エリアは、物件相場が高い傾向にあります。一例として、東京23区を通るJR京浜東北線沿線を見てみると、東京駅に近づくほど、ほぼ右肩上がりに家賃が高くなっています。特に東京駅は、新幹線も含めた複数路線が使えるターミナル駅で、さらに付近は官公庁も集まる都内でも屈指のオフィス街です。こうした利便性の高さが、家賃にも比例しています。

その他にも、例えば乗り換えなしで主要駅に行ける・乗り入れる路線が多いなど、交通アクセスに優れているのも家賃が高めになりやすいポイントです。こうした面も考慮しながら、ご自身に合った適切なエリアを選ぶことをおすすめします。

※不動産情報サイト アットホーム に掲載されているJR京浜東北線の家賃相場(2023年1月27日時点)

不動産情報サイト アットホームでは、物件を相場から探すこともできます。気になるエリアや路線を選択するだけで、価格の相場をグラフや一覧で比較可能。そのまま物件情報もチェックできるので、ぜひ活用してみてくださいね。

都心近くに安く住むなら、お部屋条件を緩和しよう

なるべく便利な場所で家賃も押さえた物件を探すには、まず部屋の条件を緩めるのもひとつの方法です。例えば、築年数が長い・バスとトイレが一緒・部屋数が少ない・階数が低いなど。また最寄り駅から距離のある物件も、家賃が安くなる傾向にあるため、立地を少し妥協してみてもいいかもしれません。駅から遠い場合でも、最寄りまで自転車を使うなどの手段で、通勤時間を短縮することも可能です。もし家賃が気になる時には、一度希望する物件の条件を見直してみましょう。

通勤時間を有意義に過ごす方法6選

自宅から少し距離のある職場に通う場合でも、前述のアンケートの回答にあったように、移動時間をうまく活用するとストレス感も減ります。最近ではスマホやタブレットがあれば、さまざまなことができるので、次のように過ごしてみるのもいいかもしれません。

  • 動画を見る・スマホゲームをする
  • 読書をする
  • 資格・語学の勉強をする
  • ニュースを確認する
  • 脳トレをする
  • 創作時間に充てる

電車などでの移動中も、いわば自分の時間にできるいいタイミングなので、好きな動画・ゲーム・読書などの趣味に使うのもいいでしょう。その他にも音楽を聴いて、リフレッシュする方法もあります。またアプリを使って勉強したりニュースを見たり、自己啓発の時間に充てるのもひとつの手。クロスワードやクイズなどで、脳トレをしてみるのもおすすめです。稀にですが、タブレットでイラストの制作や漫画を描いている方も見かけます。時間を有効活用している一例ですね。

まとめ

いかがでしたか?一般的な通勤時間の認識として、平均すると片道30分~40分、理想とされるのも30分程度であることがわかりました。あくまで目安ではありますが、物件選びの際の立地に悩んでいる時には、参考にしてみるといいでしょう。また首都に近い関東エリアでは、家賃相場などの影響もあり、通勤時間が長くなりやすいデータも出ています。特に都心部で住みたいとお考えの場合には、物件の選び方も工夫しながら、心地よく生活できる部屋を見つけていきましょう。

<アンケート調査概要>
対象/全国20代〜80代の方
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2023年1月

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引っ越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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