リノベーションマンションとお金の話[3] 低金利と短期間・長期間ローンの組み合わせを考える
低金利と短期間・長期間ローンの組み合わせを考える
2016年2月より実施された日銀のマイナス金利政策の影響を受けて、住宅ローンの金利が大幅に低下しています。

その点においては、確かに今は「住まいの買い時」と言えますが、焦りは禁物。そこで今回は、前回の「リノベーションマンションとお金の話[2]短期間のローンと長期間のローン あなたはどちら向き?」を踏まえて、低金利について考えてみます!
変動金利×短期間ローンの組み合わせは?
一定の返済期間で金利を固定する「固定金利」と、短期間で金利を見直す「変動金利」では、変動金利の方が低い傾向があります。そのため、低金利の今、変動金利の利率は「超低金利」とも言われます。短期間のローンと変動金利の組み合わせは、金利負担をもっとも低く抑えることができますが、そのチョイスは正解なのでしょうか?
風呂内さん「変動金利は、『貯金が苦手な人』にオススメの短期間のローンと比較的相性がよいと言えます。なぜなら、変動金利で試算すると金利のぶんだけ価格が安くなるので、より高い物件に目が行きがちなんですよね。そこで、ローン期間を短くして月額の返済金額を高めに設定することで、物件価格をセーブする、というわけです。」
変動金利×長期間ローンの組み合わせは?
金利が低ければ、長期間のローンによる金利の負担も抑えやすいはずです。それなら金利負担を最大限抑えるべく、変動金利×長期間のローンという組み合わせは、一見正しいように見えますが……。
風呂内さん「変動金利×長期間ローンの組み合わせは、実は金利変動を読める上級者向けのプラン。金利が低いまま変動金利を継続できればいいのですが、『低いうちは変動金利で返して、金利が上がってきたら固定に切り替えて支出を固定』というのは、理にかなっているように見えて、落とし穴があります。
なぜなら、固定金利の利率見直しは早めに行われることが多いから。変動金利が上がる頃には、固定金利はすでに上がっているわけです。そのため、変動金利の変化よりかなり早めに判断して変動・固定の切り替えを行わないと、上がってからの金利で固定金利を組んでしまうことになるのです。」
今回のまとめ
金利は経済状況で刻一刻と変化するため、誰もが頭を悩ますポイント。変動は利率が低いぶん、定期的な見直しが必要です。固定は利率が高いですが、一定期間の支出が確定するので資金計画が立てやすいというメリットがあります。
このメリットを最大限活かしたいという人にオススメなのが、全期間固定金利の「フラット35」。リノベーションマンション対応でフラット35の適用金利を一定期間引き下げる「フラット35リノベ」も登場し、適合条件を満たす物件は今後増えていく見込みです。

●アドバイザー:風呂内亜矢
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、
CFPR認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。近著に「その節約はキケンです」(祥伝社)、「デキる女は『抜け目』ない」(あさ出版)など。
http://www.furouchi.com/