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【ワンルーム】マンションリノベーション事例「大胆な間取り+収納で余白を生かした住まいに」

雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都目黒区Eさんの事例をご紹介。間仕切り壁が玄関ホールとサニタリーだけという大胆な間取りにより、専有面積39㎡とコンパクトでありながら広々とした空間を実現。家具や床の張り分けで緩くゾーニングしているひと工夫も広く感じられるポイントです。(text_ hiromi sakamoto photograph_ koji yamada)

  • 工事費:940万円(税・設計料・施主支給品込み)
  • 東京都目黒区 Eさんの家
  • 本人49歳 (取材時)
  • 築年数:25年(1997年築)(取材時)
  • 専有面積:39.16㎡

広く感じられる間仕切りの少ないワンルーム

Eさんが暮らすのは、間仕切り壁が玄関ホールとサニタリーだけ、という大胆な間取り。リノベーションを手掛けたのは、Eさんがデザインセンスにほれ込んだというEcoDecoです。
「狭くても広く感じられる間取りにしたい」との思いから、1LDKをワンルームに変更することに。独立していたキッチンや寝室は撤去し、バルコニー側を広々としたLDKに。玄関に近い場所に、独立した寝室ではなくベッドコーナーを設けました。さらにベッドのヘッドボード兼玄関ホールの間仕切りとなる壁を設け、玄関から室内が丸見えにならないよう配慮されています。「ベッドの位置については、設計時に担当者から『玄関が近くても気になりませんか』と聞かれましたが、最初から気にしていませんでした。今も部屋感覚で使えてまったく気になりません」と話します。

造作キッチンは壁付けで省スペース化

LDKはスペースを広げ、I型キッチンを壁付けにすることで、キッチン周りの空間も無駄なく活用。移設できないパイプスペースはキッチンの天板に組み込んで、奥行きのある使いやすいキッチンに

右・躯体現しの壁に溶け込むように、パイプスペースの囲いもグレーに塗装/左・ダイニングテーブルはオリジナル。動線を遮らず、圧迫感が出ないよう円形に。スペースに合わせて直径を900㎜に設定した

床を張り分けてゾーニング

間仕切りを兼ねたローボードを設けたり、床を張り分けたりしているのも空間が広く感じられるポイント。視界を遮ることなく、LDKとベッドコーナーをゾーニングしています。また、内装は木にこだわり、色のトーンを揃えてシンプルに。

「ヘリンボーンの床にして大正解! 床に余白が生まれるように家具を置いたので、シンプルな張り方だったら寂しかったかもしれません」。

バルコニーの窓から差し込む日や、木の温もりに包まれて心地よいLDK。床はオーク材のヘリンボーン張り。丸テーブルもオーク材。写真手前の食器用ローボードはタモ材で造作

間取りをオープンなワンルームに!

窓台を木製に交換した出窓の周りは、ソファを置いてリビングコーナーに。バーチカルブラインドは光の入り具合をコントロールしやすく、お気に入り

LDKや寝室をオープンにつなげて家具で緩くゾーニング。ソファの横には、電子ピアノを楽しむコーナーや本棚を設け、趣味の場として活用。本棚の前にはベッドコーナーを配し、LDKと床を張り分けることで、場を分けている

寝室は仕切らずベッドコーナーに

LDKの食器用ローボードで空間を緩やかに分けたベッドコーナー。隣接する浴室とはフィックス窓で仕切られているので閉塞感がない。ブラインドの調節でこもり感も開放感も味わえる

スペースを有効活用してまったりできる場所を確保

収納については「なるべく家具を買わずに済むように、ものの量やイメージを伝えてつくってもらったので、スペースを有効に使いながらすっきり暮らせています」。LDKには床暖房を敷設したので、冬も暖か。ソファを背もたれにして床でくつろいだり、ベッドコーナーで読書したりと、思い思いに過ごせます。こんなふうに家でまったりできる場所をつくるのも、リノベで望んでいた大切なことのひとつ。「長風呂するのが好き」というEさんのために、浴室は隣り合うベッドコーナー側に大きなフィックス窓を設け、開放感たっぷりに。のんびりくつろげるバスタイムを楽しんでいるそうです。

通路や天井を収納としてフル活用

正面奥の折り戸は洗濯機置き場。扉を付けて、生活感を感じさせないように配慮した。洗剤のストックなども収納できて便利。物干し場となるバルコニーに直線移動できるので、洗濯動線もスムーズだ

右・ベッドコーナー脇の通路に新設した壁一面のクロゼット。市販の引き出し収納もすっぽり入り、たっぷりの収納量を確保。趣味の登山で使うリュックや寝袋などもしまっている/左・ベッドコーナーの上部には、キッチンのダクトカバーを兼ねた格子状の吊り棚を造り付けた。シーツやシーズンオフのもの、趣味のスノーボードなどを収納している

水回りをまとめ、開放感&快適さUP

右上・洗面ボウルと浴室の間にできた隙間を生かし、Eさんのアイデアで三角形のタオル掛けをドライヤースタンド代わりに設置/左上・浴室はガラス扉で仕切ることで、視覚的な広がりを持たせた。洗面ボウルは角がアールで深さがあるものを採用。体が角にあたりにくくて動きやすい/右下・トイレと洗面は1か所にまとめて省スペース化/左下・玄関ホールの白い扉が水回りの出入り口。木製の壁はベッドコーナーの間仕切り壁

わずかなスペースも収納に有効活用

右・洗面台の背面には、壁の厚みを利用したニッチ収納を造作。奥行きが浅いので小物類をたっぷり収納でき、コンセントや浴室乾燥機のスイッチも格納されていて機能的/左・扉を閉めれば壁と一体化し、浴室への出入りもスムーズに

建物データ

<建物規模>地上7階建ての2階<設計期間>2017年1月~3月<工事期間>2016年10月~2017年1月<プロデュース・設計>EcoDeco

バルコニー側に寝室を配した1LDKの間取りを、寝室とLDKを入れ替えてオープンなワンルームに。浴室と洗面室、トイレはひと続きの空間にまとめ、玄関ホールに間仕切り壁を設置した。ほかにも通路を兼ねたクロゼットなど、スペースの有効活用を図っている

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.45に掲載されたものを転載しています。
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