梅雨に増える害虫は?家に寄せ付けないための対策を解説

本記事では、梅雨の時期に害虫が増える理由や、それらの害虫の特徴を解説します。また、家の中に虫を寄せ付けないための、具体的な対策方法についても取り上げました。梅雨の時期を快適に暮らすためにも、ぜひご覧ください。
記事の目次
梅雨の時期に害虫が増える理由は?

梅雨が訪れると、家の中や周囲でさまざまな害虫が目立つようになります。毎年、この時期に虫の被害に悩まされている方も少なくないでしょう。
害虫が梅雨に増える大きな理由は「湿度の高さ」です。多くの害虫は暖かく湿った場所を好むため、湿気がこもりやすい梅雨の環境は格好の繁殖場となります。なかには夏に活動が本格化する虫もいますが、その予防のためにも、梅雨時期からしっかりと対策を始めることが肝心です。
梅雨の時期に現れる害虫は?
梅雨の時期に現れる害虫には、さまざまな種類があります。ここでは、特に梅雨に大量発生しやすい虫を紹介しながら、それぞれの生態や特徴に触れていきます。
蚊

蚊は梅雨あたりから姿を見せ始め、秋にかけて長い間私たちを悩ませる厄介な害虫です。もともとは、アジアや中南米といった熱帯・亜熱帯地域に広く生息していました。そのため、暖かく湿った環境を好む性質があります。日本でも、湿度と気温が高まる梅雨の時期になると一気に繁殖します。
蚊は、ほんの少しの水さえあれば、簡単に生息できるほど生命力が強いのが特徴です。また、人間の血を吸うことで知られており、刺されると痒みや不快感を引き起こすだけでなく、感染症を広げるリスクもあります。そのため、梅雨には特に注意したい害虫の一種です。
アリ

普段は地中や木材の中で暮らしているシロアリですが、繁殖時期になると羽アリとなって新しい巣を作るために地上へ飛び立ちます。「群飛」と呼ばれる現象で、これが起きる時期はシロアリの種類ごとに異なります。たとえば、ヤマトシロアリは4〜5月頃、イエシロアリは6〜7月頃、カンザイシロアリは6〜9月頃に群飛するとされています。
また、カンザイシロアリは例外的に2月にも群飛が記録されたことがあり、発生する時期が幅広いのが特徴です。いずれの場合も、6〜7月の梅雨の時期に多くの羽アリが飛び回る傾向があります。そのため、梅雨になると羽アリを目にすることが多くなるでしょう。
ダニ

梅雨の時期は湿度が高まるため、ダニも活発に繁殖しやすくなります。ダニにはヒョウダニ、ツメダニ、イエダニ、コナダニなどさまざまな種類が存在し、どの種類も湿った環境を好むのが特徴です。なかには、人を刺して血を吸うタイプのダニもいます。そうした種類に刺されると皮膚が赤く腫れたり、強い痒みを引き起こしたりすることがあるでしょう。特に犬や猫などのペットがいる家庭では、ダニが発生しやすくなります。
コバエ

コバエも、梅雨の時期に目立ちやすい害虫です。コバエにはいくつか種類があり、代表的なものにショウジョウバエ、ノミバエ、チョウバエ、キノコバエなどがいます。これらはどれも暖かく湿った環境を好み、梅雨になると一気に増える傾向があります。
ショウジョウバエやノミバエは、腐った果物や野菜、生ゴミのまわりでよく見かけるでしょう。特に放置された生ゴミは格好の繁殖場所となるため、注意が必要です。一方、チョウバエはキッチンや浴室などの排水口から入り込むことが多く、排水管に汚れやヘドロが溜まっていると発生しやすくなります。なお、キノコバエは観葉植物の鉢に使われている、腐葉土などから発生するケースがよくあります。
ジバンムシ

シバンムシは高温多湿の環境でよく繁殖する害虫です。主に、4月から10月にかけて姿を見せます。成虫の寿命は約10〜25日と短いものの、1匹あたり50〜100もの卵を産むため、短期間で大量発生することはめずらしくありません。
シバンムシは、乾燥した植物性のものを好みます。乾麺やお菓子、穀類、ペットフード、漢方薬といった食品のほか、植物、畳、壁紙、タバコなどさまざまなものに発生し、被害をもたらすことがあります。
カメムシ

カメムシは、独特の強いニオイを放つことで知られる害虫です。主に秋に姿をよく見かけますが、年によっては梅雨の頃から大量発生することもあります。
カメムシが増える背景には、「花粉の量」が関係するといわれています。カメムシの幼虫はスギやヒノキなどの実をエサにして成長するため、春先に花粉が多く飛んだ年はエサが豊富になり、カメムシの繁殖も活発になりやすいのです。その結果、花粉が多かった年は梅雨の時期からすでにカメムシの数が増え始めます。
ナメクジ

ナメクジは1年を通して見かけますが、特にその姿が目立つのは5月から6月の梅雨の時期です。春先に産卵し、6月頃には体長5〜6cmほどに成長するため、ちょうど梅雨の頃に活動が活発になります。
ナメクジは湿った環境を好みます。そのため、ジメジメとした梅雨の気候は絶好の活動シーズンです。庭先やベランダ、家の周辺でも姿をよく見かけるようになります。
コウガイビル

コウガイビルは、暗く湿った場所を好む夜行性の害虫です。普段はエサが豊富な農業地帯や酪農地域などで多く見られますが、エサを求めて市街地に現れることも。
一般の住宅まわりでも見かけることがあり、例えば落ち葉が溜まる庭や芝生、ガーデニング用のプランターの中、石の下、コンクリートブロックの隙間、排水口などに潜んでいます。普段は狭く湿った暗がりに隠れていますが、エサを探しに出てくる際は玄関先や家の壁を這っていることもあるでしょう。
このように、梅雨の時期は高い湿度と温暖な気候が続くため、多くの害虫にとって最適な繁殖環境が整います。これにより、普段はあまり見かけない害虫も一気に増え、私たちの生活空間にも現れることが多くなります。
梅雨の害虫を寄せ付けないための対策

梅雨の時期に害虫を寄せ付けないためには、こまめな清掃や湿気対策、エサとなるものを取り除くことが大切です。また、湿気の多い場所を乾燥させ、窓や排水口のチェックをおこなうことで、害虫の侵入を防ぐことができます。以下で、具体的にどのような対策をすればよいのか見ていきましょう。
湿度管理をする
害虫のなかには、湿気の多い場所を好んで活発になる種類も少なくありません。特にダニは高温多湿の環境で繁殖しやすいため、家の中の湿度管理はとても重要です。
まずは、こまめに換気をおこない、室内の空気をしっかり循環させましょう。窓を開けて風通しをよくすることで、湿気がこもりにくくなります。また、掃除機を頻繁にかけると、ダニが集まりやすいホコリやゴミを取り除き、害虫が棲みつきにくい清潔な環境を保つことができます。このように、日頃から湿度を適切にコントロールし、害虫が好む条件を作らないことが被害を防ぐポイントです。
生ごみや食べ残しを放置しない
生ごみや食べかけの食べ物が残っていると、多くの害虫を引き寄せる原因になります。特に生ごみは害虫の格好のエサになることが多く、そのまま放置すると害虫の繁殖を助けてしまうので注意してください。ゴミや食べ残しはできるだけ早く片づけ、こまめに処理することが大切です。
また、キッチンや浴室の排水口まわりも清潔に保つようにしましょう。排水口に生ごみのカスが残っていたり、ヘドロが溜まっていたりすると、害虫が集まりやすくなります。日頃から排水口をきれいにしておくことで、害虫が増えるのを防ぐことができます。

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侵入経路を断つ
害虫は、ほんの少しの隙間からでも家の中に入り込みます。家の中で害虫を発生させないためには、まずその侵入経路をしっかり断つことが大切です。
例えば、窓やドアを開けっぱなしにしていると、知らないうちに害虫が入ってしまいます。そのため、こまめに閉める習慣をつけるとよいでしょう。また、網戸が破れていると虫が簡単に侵入してしまいます。破れた場合は、早めに新しい網戸に交換するのがおすすめです。
さらに、室外機のホースや換気扇の隙間など、見落としがちな場所もあります。これらの小さな隙間から害虫が入ることもあるので、専用のカバーを取り付けて対策を講じることが効果的です。
忌避剤を使う
忌避剤は、害虫が嫌うニオイを発して近寄らせないようにする薬剤です。最近では、人やペットへの影響が少ない製品も多く、種類も豊富です。なかには、複数の害虫に効果を発揮するタイプもあり、手軽に効率よく害虫対策ができます。
使う際は、害虫が入りやすい場所や通り道の近くに設置すると、効果的に侵入を防ぐことができます。設置方法もさまざまで、撒くタイプだけでなく吊るして使えるタイプもあり、設置場所や目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
殺虫剤を使う
どれだけ対策をしていても、家の中で害虫が発生してしまうことはあります。もし害虫を見つけたら、逃がさずその場で駆除することが大切です。1匹見かけた場合、他にも隠れている可能性が高いため、放置せず見つけ次第退治しましょう。
手軽に使える駆除方法として、殺虫スプレーがあります。ホームセンターやドラッグストアで簡単に手に入るので、いざという時のために常備しておくと安心です。殺虫スプレーにはさまざまな種類があり、害虫ごとに効果を発揮する専用タイプも販売されています。駆除したい害虫に合わせたものを選べば、より効率的に対策できます。
【害虫別】梅雨の害虫の対策方法

ここまでで取り上げた梅雨時期に大量発生しやすい害虫について、種類別に対策方法を解説していきます。害虫に悩まされずに過ごすためにも、最後までご覧ください。
蚊の対策
蚊の対策は、複数の方法を組み合わせるのが効果的です。まず窓や網戸をきちんと閉め、窓を半開にする場合は右側を開けると隙間ができにくくなります。基本は、網戸と外側の窓のフレームの位置を合わせること、網戸はしっかりと端まで寄せること。これらを守ることで蚊の進入を防ぐことができます。



また、扇風機やサーキュレーターで風を起こすと、蚊の行動を妨げられるでしょう。
さらに、家の周囲に水たまりを作らないことが繁殖防止につながります。玄関や窓辺に、蚊取り線香やハーブを置くのもよいでしょう。
アリの対策
アリ対策には、まず食べ残しや食べカスを放置せず、食品は密閉容器で保存することが重要です。侵入を防ぐためには、窓や玄関の隙間はパテや隙間テープでしっかりと塞ぎましょう。残留タイプの殺虫剤を併用すれば、防御力が高まります。
また、室内外の掃除も欠かせません。アリはフェロモンでエサの場所を仲間に知らせるため、見かけた場所は丁寧に拭き取り、再び集まるのを防ぎましょう。
ダニの対策
ダニ対策には、湿度管理と清掃が重要です。寝具や布団は高温乾燥や天日干し、専用掃除機で手入れして、収納時はダニ除けシートを使います。カーペットや畳は殺虫剤や掃除機でこまめにケアし、ソファは隙間も含めて丁寧な掃除を心がけてください。
布製品は可能なら洗濯やスチームアイロンを活用し、ぬいぐるみは乾燥機や掃除機で清潔に保つことが大切です。また、エアコンのフィルター掃除も忘れずにおこないましょう。
コバエの対策
コバエ対策には、発生源を作らないことが重要です。水回りは清潔にし、排水管は定期的に洗浄します。観葉植物には、腐葉土ではなく培養土を使用すると安心です。生ごみは早めに処理し、蓋付きの密閉ごみ箱を使うと虫の侵入を防げます。換気口や換気扇には専用フィルターを設置し、侵入口をしっかりと塞ぐことも効果的です。
ジバンムシの対策
シバンムシ対策には、食材の保管方法が重要です。食品は密閉容器に入れ、ビニールや紙袋は避けましょう。また、シバンムシは低温を嫌うため、乾物や乾燥食品は冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
段ボールや古雑誌などは虫の隠れ家となるため、早めに処分することが大切です。「ヒバ油」を使ったスプレーも有効で、シバンムシを寄せ付けない天然の防虫対策として活用できます。
カメムシの対策
カメムシ対策には、ベランダでの予防が必要です。鉢植えやプランターはカメムシを引き寄せるため、洗濯物を干す場所の近くには設置しないことが有効です。もしガーデニングを楽しむなら、カメムシが嫌うミントやトウガラシを植えると効果的です。
また、ベランダには忌避剤を吊るしたり、防虫スプレーを使用したりすることで、カメムシが近づくのを防げます。洗濯物には防虫ネットをかけると、カメムシが付着しにくくなるでしょう。
ナメクジの対策
ナメクジ対策では、湿気の管理が重要です。室内では水回りを清潔に保ち、湿った場所に生ごみを放置しないようにしましょう。また、窓や網戸の隙間をなくし、侵入経路を塞ぐことが予防につながります。
屋外では定期的に落ち葉や雑草を掃除し、湿気の多い場所を作らないようにしてください。ナメクジが嫌うコーヒー殻や木酢液、竹酢液を撒き、市販の忌避剤や銅線を使う方法もあります。
コウガイビルの対策
コウガイビル対策にも湿気管理が重要です。水回りは清潔に保ち、湿気をこまめに取り除きましょう。また、網戸や隙間を補修して侵入経路を防ぐことも大切です。
屋外では、ジメジメした場所に物を置かないようにし、定期的に掃除をして湿気を防いでください。コーヒー殻や木酢液、竹酢液などを撒き、忌避剤や銅線を使うのも効果的です。
まとめ
梅雨の時期は湿度と気温の上昇により、さまざまな害虫が一気に増えやすくなります。しかし、それぞれの害虫の特徴や生態を理解し、適切な予防策を講じれば、家の中やまわりを快適に保つことが可能です。そのためには、こまめな清掃と湿度管理、侵入経路の遮断、生ごみやエサとなるものの適切な処理など、日々の小さな習慣が大きなカギとなります。本記事でご紹介した対策を参考に、梅雨の季節も快適な暮らしを守りましょう。
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