本籍とは?住所との違いから確認方法、変更する手順までをわかりやすく解説
この記事では、本籍の意味や住所・住民票との違い、変更のメリット・デメリットや変更する手順を解説します。
記事の目次
本籍とは

本籍とは、戸籍が登録されている場所(所在地)のことです。戸籍とは日本国民の出生から死亡までの身分関係を記録した公的な書類で、夫婦と未婚の子どもが1つの単位として作成されます。
本籍地は日本国内に実在する地番であれば、皇居や大阪城など、どこにでも置けるのが特徴です。なかには、思い出の場所や憧れの土地を本籍地として登録している方もいます。
本籍地と住所、住民票との違い

本籍地と住所、住民票は混同されやすいですが、それぞれ役割が違います。ここでは、住所と住民票、本籍地との違いを解説します。
住所とは
住所とは、生活の拠点として利用している場所を指します。本籍が戸籍の場所を表すのに対し、住所は実際に生活している場所を表します。
住所は、郵便物の受け取りや宅配便の配達、公共料金の請求、引越し時の住所変更など、日常生活のさまざまな場面で使われています。本籍と住所は一致している場合もあれば、別々の場所に置いているケースもあります。
住民票とは
住民票とは、住んでいる場所を役所が管理する公的な名簿のことです。住民票には氏名や生年月日、現住所、世帯主との続柄などが記載されており、「今ここで暮らしています」と公的に証明する役割があります。
本籍が戸籍の場所を示すのに対し、住民票は実際の生活拠点を公的に証明するものです。選挙の投票案内や子どもの就学通知、国民健康保険の加入手続きなどは、住民票の情報をもとに送られます。
引越しをして住む場所が変わった時は、新しい市区町村に転入届を出して住民票を移す必要があります。
本籍の確認方法

ここでは、本籍を確認する方法を6つ紹介します。
親族に確認する
本籍を調べるのに、もっとも手軽なのは、両親や祖父母など親族に直接聞く方法です。結婚や転籍をしていない方であれば、親と同じ本籍地になっているケースがほとんどです。
独身で実家暮らしの方や、上京して一人暮らしを始めたばかりの方の場合、親と同じ本籍地になっていることが多いです。親や親族に直接聞くだけで済むため、役所に行ったり書類を取り寄せたりする手間がかかりません。
本籍記載の住民票を取得する
本籍が記載された住民票を取得する方法もあります。役所で住民票を取得する際に「本籍記載あり」を選べば、本籍と筆頭者の氏名が印字された住民票が受け取れます。
住民票は住んでいる市区町村の役所で取得可能。また、マイナンバーカードがあればコンビニのマルチコピー機から発行できる場合もあります。
運転免許証のICチップを確認する
運転免許証を持っている方は、ICチップに記録されている本籍情報を読み取ることで確認できます。
道路交通法施行規則の改正により、2010年7月17日以降に交付された運転免許証であれば、ICチップに本籍情報が登録されています。
確認するためには、ICカードリーダーとパソコン、または対応スマートフォンの専用アプリを利用します。読み取り時には免許交付時に設定した暗証番号が必要になるため、忘れないよう記録しておきましょう。
警察署や免許センターで調べる
自宅に運転免許証のICチップを読み取る環境がない方は、最寄りの警察署や運転免許センターに出向けば本籍を確認できます。窓口に設置された専用端末に免許証をかざし、交付時に登録した暗証番号を入力すれば本籍情報が画面に表示されます。ICカードリーダーを購入したり申請書を書いたりする手間がなく、その場ですぐに本籍がわかる方法です。
マイナポータルで確認する
マイナンバーカードを持っている方は、「マイナポータル」から本籍を確認できます。マイナポータルとは、政府が運営しているオンラインサービスのことです。マイナポータルにログインし、「その他のわたしの情報」から、「戸籍関係情報」を取得でき、画面上で本籍地や筆頭者などの戸籍情報を閲覧できます。
スマートフォンやパソコンがあれば、自宅にいながら24時間いつでも調べられます。ただし、利用にはマイナンバーカードと、利用者証明用電子証明書のパスワードが必要です。そのためマイナンバーカードを持っていて、すぐに本籍を確認したい方におすすめの方法です。
戸籍証明書を取得する
本籍情報を詳しく調べたい場合は、戸籍証明書(戸籍謄本など)を取得する方法があります。戸籍証明書には本籍地と筆頭者の氏名のほか、家族構成や身分事項などの情報が詳しく記載されています。
取得する先は本籍地のある市区町村の役所が原則ですが、2024年3月1日から始まった「広域交付制度」により、本籍地以外の役所でも取得できるようになりました。
ただし、取得できるのは、本人・配偶者・直系尊属・直系卑属に限定されます(兄弟姉妹は対象外)。また、窓口での本人請求のみで、郵送・代理人による請求はできません。
本籍を変更するメリット・デメリット

ここからは、本籍を変更するメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
メリット
本籍を変更する主なメリットは以下の2つです。
戸籍謄本の取得が容易になる
本籍を今住んでいる住所の近くに移せば、戸籍謄本を取得する時間や手間を減らせます。コンビニ交付サービスを利用したり、郵送で取り寄せたりすれば本籍地が遠くても取得できますが、事前の手続きに数日程度かかることがあるため、すぐに取得したい方には不向きでしょう。
本籍を現住所と同じ市区町村に移しておけば、最寄りの役所窓口で即日受け取れるため、結婚や相続などで急に書類が必要な時も安心です。
過去の情報が引き継がれない
本籍を変更すると、情報が整理されます。もとの戸籍には離婚歴や養子縁組、認知などの記録が残りますが、本籍を他の市区町村へ変更すれば、新しい戸籍に過去の情報は記載されません。
例えば、過去に離婚を経験した方が再婚を機に本籍を変更すれば、新しい戸籍には離婚の事実が載らない状態になります。「プライバシーを守りたい」「過去の身分事項を残したくない」とお考えなら、本籍の変更を検討してみましょう。
ただし、転籍前の戸籍は除籍簿として元の本籍地の役所に保管され続けるため、相続手続きで出生から死亡までの戸籍をさかのぼる際には、除籍謄本(改製原戸籍謄本)として取得することになります。
デメリット
一方で、本籍を変更すると相続時の手続きが複雑になったり、身分証の書き換えが必要になったりするデメリットがあります
遺産相続時の手間が増える
本籍を何度も変更していると、相続が発生した時に必要な戸籍書類の取得に手間がかかります。相続手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべてさかのぼって集めなければいけません。
例えば、結婚で1回、引越しで1回、定年後に1回と3回転籍した方が亡くなった場合、相続人は最初の本籍地を含め4つの市区町村に戸籍を請求する必要があります。広域交付制度で1カ所の役所から請求できるようになりましたが、書類の数が増えることに変わりありません。
免許証やパスポートの変更手続きが必要になる
本籍を変えると、運転免許証やパスポートに登録されている情報の変更手続きが必要です。これらの身分証は本籍と内容を一致させる必要があるため、本籍の移籍後にそのまま放置していると、更新時や本人確認の際に不備を指摘される恐れがあります。
運転免許証は、マイナンバーカードを活用してオンラインで本籍を変更できるほか、警察署や運転免許センターで記載事項変更届を提出し、本籍が記載された住民票などの書類を添えて手続きする方法もあります。パスポートの場合は、本籍の都道府県が変わった場合に申請が必要です。
本籍を変更する手順

本籍を変更するためには、以下の流れに沿って転籍届を役所へ提出する必要があります。
- STEP 1新しい本籍地を決定する
- STEP 2転籍届の用紙を入手する
- STEP 3転籍届に記入し、署名・押印する
- STEP 4必要書類を準備する
- STEP 5届出場所に提出する
各ステップを詳しく見ていきましょう。
新しい本籍地を決定する
まず、新しい本籍地をどこに置くかを決めます。日本国内の実在する地番であれば、現住所や実家、思い出の土地など自由に選べます。
転籍届の用紙を入手する
次に転籍届の用紙を用意しましょう。市区町村役所の戸籍担当窓口で受け取れるほか、自治体によってはホームページからダウンロードして印刷することも可能です。
転籍届に記入し、署名・押印する
新しい本籍地が決まれば、転籍届に必要事項を記入します。転籍届には、届出人や筆頭者の氏名、現在の本籍地、新本籍地などを書き入れます。夫婦の場合は「届出人」の欄に二人とも署名する必要がありますが、押印は任意です。
必要書類を準備する
転籍届と一緒に提出する書類も準備しましょう。転籍届を提出する際は、窓口へ届け出る方の本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなど)が必要です。本人確認書類が準備できない場合は、事前に窓口で相談してみましょう。
届出場所に提出する
書類が揃えば、役所の戸籍担当窓口に提出します。提出先は現在の本籍地、新本籍地、今住んでいる場所のいずれかの市区町村役所で、土日や夜間でも時間外窓口で受け付けてもらえます(ただし、事前に開庁時間に内容確認を受けることが推奨されています)。
本籍を変更するのにおすすめのタイミング

本籍は基本的にいつでも変更できますが、生活の節目に合わせて手続きすれば手間を減らせます。ここでは、本籍を変更するおすすめのタイミングを紹介します。
引越しをする時
引越しのタイミングは、本籍を変更するよい機会です。引越しをすると住所変更で役所に行く必要があるため、転入届などと一緒に転籍届を提出すれば一度の来庁で手続きが完了します。
本籍を新居と同じ市区町村に移しておけば、今後戸籍謄本が必要になった時でも、最寄りの役所ですぐに受け取れるでしょう。
結婚をする時
結婚の手続きと合わせて、本籍を変更するのもおすすめです。結婚をする場合、婚姻届を提出する際に新しい戸籍が作られるため、夫婦の本籍地を自由に決められます。
婚姻届と同時に手続きするため別途転籍届を出す必要がなく、結婚を機にこれまで親の戸籍に入っていた方も、独立した本籍を持つことになります。
離婚をする時
離婚のタイミングも、本籍を見直す機会です。離婚届を提出すると、結婚で配偶者の戸籍に入っていた方は、元の親の戸籍に戻るか、自分で新しい戸籍を作るかを選ぶことになります。
新しい戸籍を作る場合は、本籍地を自由に決められます。なかには、「過去の婚姻記録を新しい戸籍に残したくない」との理由から、新戸籍を作ったあとにさらに別の場所へ転籍する方もいます。
本籍に関してよくある質問

最後に、本籍に関してよく寄せられる4つの質問にお答えします。
本籍とは?
本籍とは、戸籍が登録されている場所を示す住所のことです。戸籍は出生から死亡までの身分関係を記録した公的な書類で、本籍はその書類がどの市区町村に保管されているかを表しています。日本国内に実在する地番であればどこでも自由に設定でき、実際に住んでいなくても問題ありません。
本籍を変更すると何が変わる?
本籍を変更すると、新しい本籍地で戸籍が作り直されます。その際、離婚歴などの情報は新戸籍には記載されません。本籍を変更しても住所そのものは変わらないため、日常生活への影響はほとんどありませんが、運転免許証やパスポートに登録された本籍情報は書き換えが必要になります。
夫婦の本籍はどのように決める?
夫婦の本籍は、婚姻届を提出する時に二人で話し合って自由に決められます。日本国内の実在する地番であれば、二人の現住所や、夫または妻の実家、思い出の土地などどこでも登録できます。なかには皇居や遊園地などを選ぶ夫婦もいます。
本籍を変更したらパスポートの訂正は必要?
本籍の都道府県が変わった場合は、パスポートの訂正をする、記載事項変更の手続き(切替申請もしくは残存有効期間同一申請)が必要です。
例えば、東京都内で本籍を移しただけであれば手続き不要ですが、東京都から神奈川県へ転籍した場合は、この申請をしなければなりません。手続きはパスポートセンターの窓口でおこない、戸籍謄本や顔写真、所定の手数料などが必要です。
まとめ
ここまで、本籍の意味や変更するメリット・デメリット、手続きの手順などを解説してきました。
本籍は戸籍が登録されている場所を示すもので、日本国内であれば実在する地番に自由に設定できます。本籍を変更すると、戸籍謄本の取得が楽になったり過去の身分事項が整理されたりするメリットがある一方、運転免許証やパスポートの書き換えが必要になるデメリットがあります。
結婚や引越しなどを機に本籍の変更をご検討の際は、ぜひ本記事をお役立てください。
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