エアコンの掃除方法は?自分でできる掃除方法と頻度、注意点を徹底解説!

記事の目次
掃除の前に、エアコンの主なパーツを知ろう
まずエアコン掃除をするには、どこまで自分で触っていいのか知っておく必要があります。また中身のパーツがどうなっているかわからないと、汚れを落とそうにもなかなか手を付けられないので、内部の構造から簡単に見ていきましょう。

名称 | パーツの役割 | 自分で 掃除 |
---|---|---|
本体カバー | 本体カバーは、エアコン内部の部品を覆う外側のパーツです。中にある精密装置を隠して保護する役割があります。 | ○ |
吹き出し口 | エアコンからの風を流すパーツです。内部の装置で涼しくしたり暖かくしたり空気を吹き出し口から送風することで、室温の調整ができます。 | ○ |
ルーバー | 前述の吹き出し口に付いているパーツで、室内に送り出す冷風や温風の向きを調整する役割があります。エアコンが稼働していない時には、ルーバーは閉じた状態になっているのが通常です。 | ○ |
フィルター | 本体カバーを開けると出てくる網目のパーツで、室内の空気中の汚れをキャッチする役割があります。フィルターによって、内部の精密装置にホコリなどのゴミが入るのを防ぎ、エアコンの性能を守っています。 | ○ |
熱交換器 | フィルターを取ると出てくるパーツで、アルミフィンとも呼ばれる、空気の温度を調節する装置です。薄い金属板を細かく縦に並べ、室内の空気との接触面積を増やし、冷風や温風を作りやすくする仕組みになっています。 | ✕ |
送風ファン | 熱交換器のさらに内部にあるパーツで、回転することで室内に送り出す風を作っている装置です。送風ファンによって、室外機や熱交換器に空気を流し、冷風や温風が出る仕組みになっています。また室内の空気を吸い込んで循環させる役割もあります。 | ✕ |
ドレンパン | 熱交換器のすぐ下にあるパーツで、温度調節によって発生する結露を溜める部分です。室外へつながるホースがドレンパンに接続されており、そこから溜まった水を排出する仕組みになっています。 | ✕ |
上記の表にあるように、エアコンのパーツのなかでも比較的外側にある部分は、自分で掃除することが可能です。ただしそれ以外は、精密装置に関わる部品になっているので、むやみに触ってしまうと故障してしまうケースも。そもそも簡単には取り外しができないため、エアコン掃除専門などのクリーニング業者に任せるようにしましょう。
また賃貸物件の場合、元から備え付けになっているエアコンに関しては、クリーニング業者による分解清掃をする際には事前の確認が必要です。基本的に賃貸物件の設備は、不動産オーナーの所有物なので、勝手に取り替えたり修理したりもできません。もし専門会社による本格的なメンテナンスをする時には、必ずオーナーや管理会社に連絡して、許可を得てから進めるようにしましょう。とはいえ、自分でできる簡単な掃除なら、もちろん自由にして問題ありません。
エアコンの主な汚れ

ではそもそもエアコンがなぜ汚れてしまうのか、主な原因を見ていきましょう。
外部から侵入する汚れ
- ダニ、ダニの糞
- 虫などの死骸
- 花粉・ハウスダスト
- タバコの煙やにおい
- ペットの毛
エアコンは室内の空気を取り込んで温度を調整する仕組みのため、基本的には部屋のなかで発生するゴミなどが汚れの原因になります。上記にもあるような、空気中に浮遊している目に見えない小さなチリや、人が動くことで舞うホコリなど……。本体カバーやフィルターなどである程度は防げますが、当然ながら掃除をしなければ汚れはどんどん蓄積していきます。そして外側のパーツで防ぎきれなくなると、最終的に内部にまで侵入してしまいます。普段から部屋を掃除していても、空気中の汚れを取り込んでしまう性質があります。
内部で発生する汚れ
- カビ
- 細菌
- 微生物
熱交換器によって、エアコン内部に水分が発生するため、カビ・細菌・微生物などが知らない間に繁殖してしまうケースがあります。特に熱交換器からの結露を受けるドレンパンは、こうした菌類の大きな原因になるので要注意。室外に排水する機能はありますが、流れきれずに多少の水分は残ってしまうため、水回りでよく見られる水アカやカビが発生してしまいます。さらにこれを放置していると、どんどん増える一方なので、やはり定期的にお手入れするのがベストです。
エアコン掃除をしないとどうなる?

エアコン掃除をしておかないと、単純に不衛生なだけでなく、以下のようにさまざまなリスクがあります。
効きが悪くなり電気代が上がる
なんとなく風が弱い・室温が変わった気がしないなど、エアコンの効きが悪く、設定温度を大幅に上げたり下げたりした経験はありませんか?こうした冷暖房効率が下がっている場合、エアコン内部の汚れが原因でうまく装置が稼働していないケースがあります。当然ながら極端な設定温度にしてしまうとその分の電力もかかりやすくなり、電気代は高くなってしまいます。汚れはエアコンの性能を下げる原因になりかねないため、こまめに掃除することが大切です。
健康に悪影響をおよぼす
汚れが付着したままエアコンを動かしていると、内部に溜まったチリやゴミも一緒に送風されてしまうことがあります。さらに先ほども出てきたようなカビや微生物などが繁殖していると、そうした菌類の胞子がエアコンから発生してしまい、場合によっては健康被害を引き起こす可能性も。このようなハウスダストは、アレルギーや感染症の原因になる危険があるため注意が必要です。またエアコンの汚れは悪臭にもつながり、やはり衛生的にもよくありません。
故障する
汚れによってうまくエアコンが稼働しないまま使っていると、余計な負荷がかかってしまい、故障の原因になるケースがあります。前述のように、エアコンの効きが悪いと風量や設定温度を強めてしまうため、その分消耗してしまいます。性能が下がった状態にしていると、単純に使いづらいだけでなく、エアコンを壊してしまうリスクもあるので要注意です。
エアコン掃除の頻度は年に1、2回

例えばフィルターや吹き出し口などの簡単にお手入れできる場所なら、1カ月に1~3回は掃除しておくのがおすすめ。あまり使わない時期なら1カ月に1回掃除をすると、エアコンの内部まで汚れが入り込むのを防げます。
なお本格的な清掃なら、やはりオフシーズンになる4月~5月や、10月~11月にするのがベストです。冬場や夏場に使い込んだ分、汚れもかなり溜まってしまいます。毎日エアコンを付けるような季節が落ち着いたら、手ごわい汚れになってしまう前にクリーニング業者などに依頼をしてメンテナンスするようにしましょう。ちなみにエアコンクリーニングの費用は、一般的な家庭用機器なら、1万円~1万5,000円程度が目安です。
エアコンの掃除方法と必要なモノ【パーツ別】
ここからは具体的なエアコンの掃除方法を見ていきますが、ご紹介するのは、あくまでよくあるタイプの一例です。メーカーや種類によってお手入れの仕方は異なるので、必ずお使いの機器の取り扱い説明書を確認してみてください。やり方を誤ってしまうと故障の原因になる可能性もあるので、事前にしっかりとチェックしておきましょう。
フィルターの掃除方法

エアコンのフィルターは、本体カバーを開けると簡単に外せます。またホコリやゴミが溜まりやすい部分でもありますし、目詰まりしやすいパーツなので、重点的にキレイにしておくのがおすすめです。
用意するアイテム
- 掃除機
- タオル
- 中性洗剤(食器用洗剤など)
- 歯ブラシ
掃除手順

フィルターの場合、ホコリがかなり溜まっているケースも多く、まずはエアコンに付けた状態で掃除機を使って汚れを取ります。汚れが付着したまま取り外すと、周りにゴミが舞ってしまいます。もし床にホコリが落ちるのが気になる時には、新聞紙などを敷いておくのもよいでしょう。そしてある程度の汚れが取り除けたら、エアコンから外して水洗いへ。基本は歯ブラシなどでこするだけでも問題ないですが、特に汚れがひどい時には、水で薄めた洗剤を使う方法もあります。最終的に汚れが落ちたら、乾いたタオルで水気を取り、その後しっかりと干すのが重要。濡れたままだとカビや故障の原因になりかねないので、完全に乾かします。
吹き出し口の掃除方法
吹き出し口は、取り外しや分解ができる部分ではないので、基本的に簡単に拭き掃除する程度でOKです。
用意するアイテム
- ハンディモップ
- 雑巾
- 中性洗剤(食器用洗剤など)
- 割り箸、キッチンペーパー、輪ゴム
掃除手順

ホコリなどの汚れが付きやすいパーツのため、ハンディモップや雑巾で拭き取ってキレイにしていきます。どうしても拭き掃除だけで取れない汚れがある時には、洗剤を薄めてこすって落としましょう。なお洗剤や水を使った際には、必ず乾拭きをしてしっかりと水気をなくします。また割り箸に輪ゴムでキッチンペーパーを巻き付けた、お手入れ用の棒を用意すると、細かく汚れを取りやすく便利でおすすめです。
ルーバーの掃除方法
ルーバーは、取り外しができる場合とできない場合があります。手で動かしても取れない時には、そのままエアコンに付いた状態で掃除しましょう。ルーバーについても、簡単な拭き掃除が基本です。
用意するアイテム
- ハンディモップ
- 雑巾
- 中性洗剤(食器用洗剤など)
- 割り箸、キッチンペーパー、輪ゴム
掃除手順

ルーバーの掃除も、吹き出し口のお手入れ方法とほぼ同じです。もし本体から外せる場合には、エアコンから取って汚れを拭き取ったほうが、よりキレイにできます。また外せない場合には、エアコンに付いたまま拭き掃除をしますが、この際には内部にある精密装置に触ってしまわないように、慎重に汚れを取り除きます。
本体カバーの掃除方法
本体カバーも、そのまま壁付けになった状態で、拭き掃除をするだけで問題ありません。水やカビが溜まるパーツではなく、ホコリやゴミなどが付着する程度なので、そうした目に見える汚れを取っていくイメージです。
用意するアイテム
- 掃除機
- ハンディモップ
- 雑巾
掃除手順

本体カバーは、特に天面が汚れの溜まりやすい部分です。一度掃除機で大きめのゴミを吸ってから、ハンディモップや雑巾で細かい汚れを取っていくと、周りにホコリが舞いにくくなります。また本体カバーを開けた裏側も汚れが付いている場合があるので、こちらは乾いた雑巾などで拭いていきましょう。
自分でエアコン掃除する時の注意点

エアコンは精密機器なので、とにかく粗雑に扱わないことが大前提。さまざまな危険を防ぐためにも、次のような点には注意して掃除をするようにしましょう。
必ず電源を切りコンセントを抜く
ここまでに見てきた掃除手順では、すべて最初に電源を切っています。どのパーツに関しても、掃除をする前に必ず電源を落とすようにしましょう。エアコン本体のお手入れ機能を使う場合は別ですが、感電などの危険を防ぐためにも、あらかじめコンセントは抜いておきます。
エアコンクリーナーの使い方に気をつける
最近では、エアコンの熱交換器や送風ファンなど内部まで掃除ができるスプレークリーナーも市販されていますが、使い方には要注意。クリーナーを使うことで、逆にカビや汚れを蓄積させてしまうケースもあります。スプレーしたあとの洗浄液が残ってしまうこともあり、サビや故障の原因になる可能性も。そもそもエアコンの機種によっては、取扱説明書で使用を禁止している場合もあります。使い方を誤ると危険なので、使用する際にはこうしたリスクがあることも頭に入れておきましょう。
水を直接吹きかけない
パソコンやスマートフォンなどと同様に、エアコンも繊細な精密機器のため、場合によっては水が入り込むことで壊れる可能性があります。例えばフィルターなら、必ずエアコンから外してから、水洗いするようにしましょう。間違っても、霧吹きなどで水を吹きかけるのはNGです。
説明書にあるお手入れ方法に従う
機種によって操作方法や機能はさまざまで、お手入れ方法も異なります。掃除をする際には取扱説明書を見て、その内容に沿った方法で進めましょう。また取扱説明書に記載のないお手入れ方法は、清掃のプロであるクリーニング業者に任せるのが無難です。
自分でエアコンを分解しない
たとえ分解できそうだったとしても、自力でやるのは避けてください。そこから正しく組み直せる保証はありませんし、誤って取り付けた状態で稼働させてしまうと、大きな事故につながる可能性があります。安全を確保するためにも、通常取り外せるパーツ以外は触らないようにしましょう。
この記事のまとめ
エアコンの主な汚れは?
室内から吸い込むハウスダスト(ホコリ、ゴミ、ダニ、ペットの毛など)や、内部の結露から発生する菌類(カビ、細菌、微生物)が大きな原因です。
自分で掃除できるエアコンパーツは?
エアコンの本体カバー、吹き出し口、ルーバー(風向き調整のパーツ)、フィルターの4つです。フィルターは簡単に外せるので、本体から取って洗浄することも可能。ルーバーは機種によりますが、本体カバーや吹き出し口はそのまま拭き掃除するのが基本です。
エアコン掃除しないとどうなる?
エアコン性能の低下により、電気代が高くなったり故障時期が早まったりします。また汚れた空気が出続けることからアレルゲンなどの物質を室内で増やし、場合によっては健康被害をもたらす可能性もあります。
エアコンの掃除方法は?
自分で掃除できるパーツなら、できるだけ水気が残らないように拭き掃除をします。フィルターは汚れが落ちにくいので、取り外して水洗いしますが、必ず完全に乾かしましょう。それ以外は、清掃のプロであるクリーニング業者に掃除を依頼してお手入れします。
エアコンの掃除頻度は?
自分で掃除できるパーツは、1カ月に1~2回ほどお手入れするのが目安。クリーニング会社に任せる部分は、年2回程度、エアコンを使わない時期に依頼するのがおすすめです。
エアコンは日々の暮らしに欠かせない存在だからこそ、いつでも快適に使えるようにしておくことが大切。定期的にメンテナンスをしていないと、いざエアコンを付けてみた時にうまく稼働しなかったり壊れていたりする可能性もあります。特に夏場は、エアコンがないと熱中症などの体調不良を引き起こす場合もあり、急に故障してしまったら何かと不便です。快適かつ健康な毎日のためにも、日頃からきちんとエアコンのお手入れをしておきましょう。
物件を探す