リフォーム一体型の住宅ローンで中古物件を購入!制度活用で理想の住まいを手に入れよう

この記事では、リフォーム一体型ローンとリフォームローンの違いや、リフォーム一体型ローンのメリットデメリット、注意点などをわかりやすく解説します。
記事の目次
リフォーム一体型住宅ローンとは?

リフォーム一体型ローンは、住宅の購入費用と同時にリフォーム費用を借り入れることができるローンです。例えば、中古住宅を購入してから内装を一新したい場合にローンを利用すると、必要な資金を手に入れることができます。リフォーム一体型ローンを活用すれば、一つのローンでまとめられるため、返済計画が立てやすくなります。
リノベーションやリフォームで利用できるローンには、住宅ローンとは別のリフォームローンもあります。では、その違いはどのような点でしょうか。
リフォーム一体型ローンとリフォームローンの違いは?

リフォーム一体型ローンと名前が似ているものに、「リフォームローン」というものがあります。どのような違いがあるのか、それぞれの違いを表にまとめました。
リフォーム 一体型ローン |
リフォーム ローン |
|
---|---|---|
金利 | 0.5%~1% | 2%~5% |
融資期間 | 最大35年 | 10年~25年 |
抵当権の設定 | 必要 | 不要 |
審査通過の難易度 | 厳しい | 通りやすい |
リフォームローンは、無担保でローンを借り入れることができます。抵当権を設定する必要がないので、もしローンの支払いができなくなった場合でも、金融機関に家を差し押さえられることはなく、抵当権の設定に必要な経費もかかりません。また借り入れ時には、築年数や住宅の状態に関わらず融資がされるので、住宅ローンの審査も比較的通りやすいです。
ただし、金利は住宅ローンよりも高めに設定されており、融資される期間も短い設定になっています。そのため、毎月の返済額が高く、ローンの期間は短くても総支払額が高くなるなどのデメリットもあります。
なお、リフォームローンは住宅購入資金での使用はできず、用途はリフォーム費用のみになります。
では、リフォーム一体型ローンではどうなるのでしょうか。次章で詳しく解説していきます。
リフォーム一体型住宅ローンのメリット

この章ではリフォーム一体型ローンのメリットをわかりやすく解説します。
リフォームローンより金利が安い
前項でも紹介したように、リフォーム一体型ローンの金利は住宅ローンの金利が適用され、変動金利で0.5%~1%ほどで融資を受けられます。一方、リフォームローンの場合は2%~5%で、それ以上の場合もあります。金利が1%でも違えば、月々の返済額も総支払額も大きく変わってきます。
例えば、リフォームのために1,500万円の借り入れをしたと仮定して、リフォーム一体型ローンを利用した時とリフォームローンを利用した時を比べてみます。金利と支払期間でどのような差が出るのでしょうか。
条件:
借り入れ 1,500万円
リフォーム一体型ローン 金利0.5% 期間35年
リフォームローン 金利2% 期間20年
毎月の 返済額 |
総支払額 | 総支払額の差額 | |
---|---|---|---|
リフォーム 一体型ローン |
3万8,937円 | 1,635万3,686円 | |
リフォーム ローン |
7万5,882円 | 1,821万1,685円 | +185万7,999円 |
シミュレーションをみてもわかるように、15年早く支払いが終わっても、金利が1.5%違うと支払総額には185万円以上の差が出ます。できれば金利は低く抑えたいですね。
リフォームローンより長く借り入れできる
リフォームローンの場合、借入期間は、10年~25年くらいの設定しかできないことが多いです。一方、リフォーム一体型ローンは住宅ローンのように、最長35年間借り入れが可能です。前項のシミュレーションからもわかるように、同じ借り入れ金額なら、返済期間が長く取れるほうが毎月の返済金額は少なくなります。金額が大きいほど、短期で返そうとすると毎月の返済金額が大きくなり家計への負荷は大きくなりますので、毎月の負担を低く抑えたい方にとっては、返済期間を長く設定できることは大きなメリットでしょう。
リフォーム一体型住宅ローンのデメリット

金利が安く、借入期間も長く設定できるリフォーム一体型ローンですが、デメリットはあるのでしょうか。この章では、リフォーム一体型ローンのデメリットをわかりやすく解説します。
抵当権がつく
リフォーム一体型ローンは、借り入れの際に抵当権を設定する必要があります。抵当権を設定すると、もし借り主が住宅ローンの支払いができなくなってしまった時には、金融機関は家を差し押さえることができ、差し押さえた家を売却して債務を回収します。これは、住宅ローンを借り入れる時も同じです。万が一の時、家が担保になるリスクがあるのが、リフォーム一体型ローンのデメリットの一つです。さらに、抵当権を設定するには費用が必要なので、リフォームローンよりも手続きにかかる費用が高くなります。
審査が厳しい
リフォーム一体型ローンを組む時にも、住宅ローンと同様、借入審査があります。低金利で長期間借りることのできるローンなので、誰でも審査に通るわけではありません。
リフォーム費用が物件価格より高い場合は審査が厳しくなる場合もありますので、ローン利用の条件についても金融機関によく確認するようにしましょう。
リフォーム一体型住宅ローンを借りる時の注意点

書類を用意する日程がタイト
リフォーム一体型ローンを借りる場合、審査の段階でリフォームの見積もりや図面などの書類が必要になります。そのため、審査前に書類の準備をしなければならず、日程がかなりタイトになります。書類の準備やローンの事前審査に時間がかかって物件の契約が延びてしまうと、他の人が先に契約してしまう可能性も。契約を急いでいる場合には、リフォーム一体型ローンの利用は、注意が必要です。
また、リフォーム一体型ローンの取り扱いに慣れていない不動産会社もなかにはあり、リフォーム一体型ローンを扱っている金融機関の知識や、適切なローンの組み方の提案などのノウハウが乏しい場合もあります。リノベーションを検討するなら、施工からローンの手続きなど、ワンストップでサポートしている企業に依頼するとスムーズに進めやすいでしょう。
取扱っている金融機関が限られる
リフォーム一体型ローンは、どの金融機関でも取扱っているわけではなく、利用できる金融機関は限られています。また、借入審査に通っても希望する金額が100%融資されるとは限りません。「ローンの金額は、リフォーム費用が物件金額の30%まで」や、「リフォーム費用は1,000万円まで」などの条件がある場合もあります。もし不足分があれば、自己資金でカバーしなければならないので、金融機関をよく比較検討し、ローンの利用条件などにも注意して選ぶようにしましょう。
リフォームの場合も住宅ローン控除が使える

住宅ローン控除は新築だけでなく、中古にも使えますが、リフォームの際にも適用できるのをご存じでしょうか。
住宅ローン控除とは、住宅を購入する際に住宅ローンを利用した場合、年末の住宅ローンの残高もしくは住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の0.7%を所得税の額から控除される制度です。
「返済期間が10年以上の住宅ローン、またはリフォームローンを組んでリフォームをすること」など、利用条件は細かく決められているため、必ずしも適用されるとは限りませんが、一度確認してみることをおすすめします。
リフォーム一体型ローンの種類

リフォーム一体型ローンはどの金融機関で取り扱いがあるのでしょうか。この章では、リフォーム一体型ローンを扱っている金融機関をご紹介します。
住宅性能向上リフォームに限定されますが、条件を満たせば当初5~10年の金利を引き下げられる特徴があります。フラット35を基準にしているので、ローンの期間は最長で35年、全期間固定金利になっています。
イオン銀行
住宅ローン・リフォーム活用プラン
リフォーム費用の借り入れや、借り換えにも対応しており、契約者特典もあるローンです。例えば、ローンを利用するとイオングループでの買い物が5%割引になるなど、イオングループの強みを活かしています。
SBI新生銀行
住宅ローン リノベーション(リフォーム)資金
住宅ローンの借り入れには諸経費がかかりますが、SBI新生銀行の場合はローン事務手数料が定額にできるプランがあります。金額も5万5,000円から16万5,000円と比較的安くできるのが特徴です。
みずほ銀行
中古住宅の購入とリフォーム一体型の住宅ローン
金利プランは、変動金利と固定金利を選ぶことができ、期間も35年間まで選択可能です。また、子育て世帯に向けたサービスも充実していて、収入の増減に合わせて返済額を変えることのできるサービスがあるのが特徴的です。大手の安心感も魅力です。
りそな銀行
りそな銀行住宅ローン リフォーム資金セット型
年間0.5%を切る低金利が特徴的なリフォーム一体型住宅ローンです。
記事のおさらい
Q:リフォーム一体型ローンとはどのようなローンですか?
A:リフォーム一体型ローンは、住宅の購入費用と同時にリフォーム費用を借り入れることができるローンです。中古住宅を購入してから内装を一新したい場合に利用すると、必要な資金を手に入れることができます。リフォーム一体型ローンを活用すれば、一つのローンでまとめられるため、返済計画が立てやすくなります。
Q:「リフォーム一体型ローン」と「リフォームローン」では何が違いますか?
A:リフォーム一体型ローンの金利は0.5%〜1%で、借入期間は最大35年です。リフォームローンの金利は2%〜5%くらいで、借入期間は10年〜25年です。リフォームローンのほうが、金利が高く借入期間が短くなります。
また、リフォームローンは抵当権の設定が不要で借入審査が通りやすいですが、リフォーム一体型ローンは抵当権の設定が必要で借入審査が厳しい傾向があります。
Q:リフォーム一体型ローンのメリットとデメリットはどのような点ですか?
A:リフォーム一体型ローンのメリットは、リフォームローンよりも低金利で借入期間が長く設定できることです。デメリットは、抵当権の設定が必要で借入審査が厳しい傾向があることです。
Q:リフォーム一体型ローンの注意点はどのような点ですか?
A:リフォーム一体型ローンは、借入審査の段階でリフォームの見積もりや図面などを提出する必要があるため事前準備がタイトなことが注意点です。また、リフォーム一体型ローンは扱っている金融機関が少ないので事前によく調べておく必要があります。
Q:住宅ローン控除はリフォーム一体型ローンにも使えますか?
A:住宅ローン控除は、リフォーム一体型ローンでも適用できます。ただし、いくつかの条件をクリアする必要があります。
まとめ
この記事では、リフォーム一体型ローンとリフォームローンの違いや、リフォーム一体型ローンのメリットデメリット、リフォーム一体型ローンを利用する際の注意点やリフォーム一体型ローンを扱っている金融機関などを紹介しました。
リフォームやリノベーションは、自己資金だけでなく借り入れを利用する方も多いでしょう。借り入れを利用する時には、リフォーム一体型ローンのメリットやデメリットに加え、住宅ローン控除の制度などもよく理解して活用してみてください。
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執筆者
長谷川賢努
AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士
大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ