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住宅ローンをネット銀行で組むデメリットは?メリットやメガバンクとの違いを解説!

住宅ローンをネット銀行で組む際のデメリットやメリットを解説します
口座の開設や住宅ローンの契約がほとんどインターネットで完結するネット銀行は徐々に普及し、今では当たり前になりました。店舗に行かなくても手続きが可能なため、利用している方も多いのではないでしょうか。しかし、ネット銀行で住宅ローンを組むとなると、安心して利用できるのか不安に思う方もいると思います。
本記事では、住宅ローンをネット銀行で組む際のデメリットをはじめ、メガバンクとの違いや共通点を解説します。メリット・デメリットを押さえ、自分に合った金融機関を選びましょう。

ネット銀行の住宅ローンの特徴

ネット銀行の住宅ローンの特徴を解説します
ネット銀行の住宅ローンの特徴を解説します

ネット銀行の住宅ローンの特徴は何でしょうか。そもそも、ネット銀行とはどういった銀行を指すのでしょうか。まずは基本的な部分を確認しましょう。

ネット銀行とは

ネット銀行とは、インターネットを通じて金融商品やサービスを提供する銀行のことです。原則として窓口を持たず、インターネットや電話ですべての手続きがおこなわれます。具体的には「イオン銀行」や「auじぶん銀行」などが挙げられるでしょう。

ネット銀行の住宅ローン

先述したネット銀行のなかには、住宅ローンを取り扱っている銀行もあります。詳しくは後述しますが、大手銀行などと比べて金利が低く、手続きもWeb上でおこなえる点が特徴です。

ネット銀行のメリット

ネット銀行で住宅ローンを組むメリットを解説します
ネット銀行で住宅ローンを組むメリットを解説します

ネット銀行で住宅ローンを借り入れるメリットは何でしょうか。詳しく見ていきましょう。

金利が低い

ネット銀行の住宅ローン金利は、大手銀行や地方銀行と比べて、低い傾向にあります。店舗がないため、運営費や人件費がかからないからです。金利が低ければ、総返済額も抑えられるため、経済的な負担も軽減されます。ネット銀行とメガバンクで3社ずつ、新規借り入れの場合の変動金利を比較してみました。

ネット銀行 メガバンク
イオン
銀行
0.38%
※物件価格の80%以内で借入れの場合
三菱UFJ
銀行
0.345%
auじぶん
銀行
0.319% 三井住友
銀行
0.475%
住信SBI
銀行
0.298%
※物件価格の80%以内で借入れの場合
みずほ
銀行
0.375%

※2024年1月5日時点
※最下限金利の場合

メガバンクは一番金利が低い三菱UFJ銀行でも0.345%。一方、ネット銀行は住信SBI銀行が一番金利が低く、0.298%と0.3%を下回っています。

同じ条件で金利だけ違う場合、返済額にどれくらい差があるのかシミュレーションしてみましょう。上表の金利差が大きい0.298%と0.475%で差を見ていきます。

<条件>
借入金額:3,000万円
返済期間:35年
返済方式:元利均等方式
金利:全期間固定

  金利0.298%の場合 金利0.475%の場合
毎月の返済額 7万5,227円 7万7,544円
利息額 159万5,202円 256万8,532円
総返済額 3,159万5,202円 3,256万8,532円

毎月の返済額は2,000円ほどしか変わりませんが、利息額を見ると、金利が高いほうが100万円近く多くなっており、総返済額もそれにともなって増えているのがわかります。2つの金利差は0.177%とごくわずかですが、長期的に見ると大きな影響を与えることがわかりますね。

Web上で契約できる

ネット銀行のメリットとして、Web上で契約できる点も挙げられます。審査や契約に必要な書類はアップロードをして提出します。平日は仕事が忙しく、銀行の営業時間内に行けない方にとっては便利でしょう。また、複数のネット銀行に事前審査を申し込み、よりよい条件のローンで契約することも可能です。
ただし、融資が実行されるまで、すべてがWeb上で完結するわけではありません。抵当権を設定する登記手続きのための面談は、対面でおこなわれることを覚えておきましょう。

抵当権とは、万一契約者が住宅ローンを返済できなくなった際、金融機関が住宅を競売にかけて、ローンの残債を回収する権利のことです。ネット銀行が指定した司法書士がこの登記手続きをおこなうため、契約時に司法書士との面談をするのが一般的です。

事前審査の結果が出るまで早い

ネット銀行の住宅ローンでは、事前審査の結果が出るまで早い傾向にあります。例えば、イオン銀行やauじぶん銀行では、最短即日回答となっています。さらに早いところだと、ソニー銀行は最短60分で回答可能だそう。一方、メガバンクである三菱UFJ銀行では最短でも翌日となっており、ネット銀行のほうが回答が早いことがわかります。審査が通るか、不安なままで過ごす期間が短く済むのは、心理的にもうれしいでしょう。

ネット銀行のデメリット

住宅ローンをネット銀行で組む際のデメリットは何があるのでしょうか
住宅ローンをネット銀行で組む際のデメリットは何があるのでしょうか

次に、ネット銀行のデメリットを見ていきましょう。

審査が厳しい傾向にある

住宅ローンをネット銀行で組む際のデメリットに、審査が厳しい傾向にある点が挙げられます。先述したように、ネット銀行の住宅ローンはWeb上で手続きをおこないます。そのため、返済能力があるか、書類のみから判断されます。

一般的な銀行であれば、融資担当者と契約者が対面で話をして、個人的な事情を判断したうえで審査がおこなわれることも。しかし、ネット銀行はそういったことがありません。また、保証会社を利用していないため、貸し倒れになった際はネット銀行すべてで責任を負わなければならないことから、より審査が厳しくなります。

対面相談できるところが限られる

ネット銀行では、対面相談できるところが限られています。例えば、auじぶん銀行では、オンライン相談が可能ですが、基本的には住宅ローン専用のコールセンターがメインとなります。わからないことや不安なことがあっても、対面で聞けない点はデメリットでしょう。また、書類に不備があったとしても、銀行から指摘を受けるまでは気付けないため、手間が増える場合もあります。

つなぎ融資に対応していないところもある

ネット銀行の住宅ローンでは、つなぎ融資に対応していないところもあります。つなぎ融資とは、注文住宅を購入する際、土地の購入代金や着工金などの費用を立て替えるローンです。自己資金が十分にあれば問題ありませんが、一般的に、1回に支払う金額は工事費用の約30%となっており、大きな負担となります。

ネット銀行では、楽天銀行が「つなぎローン」という名前で、取り扱っています。auじぶん銀行は自社で取り扱いはなく、株式会社アプラスのつなぎ融資を紹介しています。注文住宅を建てる際には、資金計画をよく練り、金融機関を検討しましょう。

住宅ローンにおけるネット銀行とメガバンクの比較

住宅ローンにおけるネット銀行とメガバンクでの共通点と相違点を見てみましょう。
住宅ローンにおけるネット銀行とメガバンクでの共通点と相違点を見てみましょう。

ネット銀行とメガバンクを比較するために、共通点と相違点をまとめてみました。それぞれ詳しくみていきましょう。

共通点

ネット銀行とメガバンクの共通点は、諸費用の合計額が変わらないところです。下表に各社の事務手数料と保証料をまとめてみました。

銀行名 手数料 保証料 備考
イオン
銀行
定率型:借入金額の2.2%(税込)
定額型:11万円(税込)
無料 定率型:最低取扱手数料22万円(税込)
定額型:0.2%借入金利に上乗せ
auじぶん
銀行
借入金額の2.2%(税込) 無料 審査の結果、保証会社を利用する場合は、保証料相当額を上乗せした金利を設定
三菱UFJ
銀行
借入金額の2.2%(税込) 無料
三井住友
銀行
借入金額の2.2%(税込) 無料

手数料は借入金額の2.2%(税込)、保証料は無料というところが多く、大きな差はありません。もちろん金融機関によっては、保証料がかかるところもあるため、事前によく確認しておきましょう。

違う点

ネット銀行とメガバンクの住宅ローンにおける違う点は何でしょうか。それは無料でつけられる「団体信用生命保険(以下、団信)」の保障内容です。団信とは、住宅ローンの契約者が死亡したり、高度障害になったりした場合、ローンの残高の返済が免除される保険です。
一般的に、住宅ローンを契約する際には、団信への加入を求められます。ネット銀行の場合、金利の上乗せをすることなく利用できる保障が豊富です。下記にauじぶん銀行と、イオン銀行の金利の上乗せなしで利用できる保障をまとめました。

銀行名 名称 保障内容
イオン
銀行
全疾病団信
住宅ローン
下記の時に住宅ローン残高の50%が保障される
・所定の悪性新生物と診断確定された時
・所定の急性心筋梗塞または脳卒中を発病し所定の状態に該当した時
・所定の手術を受けた時
・所定の肝疾患または腎疾患を発病し60日以上継続入院した時
auじぶん
銀行
がん50%
保障団信
下記の就業不能状態の時にローンの返済額を保障
・毎月のローン返済日において、所定の就業不能状態が15日を超えて継続した時
・所定の就業不能状態が1年を超えて継続した時はローン残高が0円になる

住宅ローンを組む際の心配事は、無事に完済できるかでしょう。経済的な負担なく、充実した保障をつけられると心強いですね。

ネット銀行の住宅ローンに関するよくある質問

ネット銀行の住宅ローンに関してよくある質問をまとめました。

住宅ローンの審査はどれくらいかかる?

住宅ローンの審査期間は、金融機関によっても異なりますが、ネット銀行のほうが短い傾向にあります。例えば、auじぶん銀行の場合、事前審査は申込日から数日、本審査は7〜10日となっています。イオン銀行では事前審査は3〜7日、本審査は1〜2週間程度です。一方、メガバンクでは保証会社と一緒に審査をおこなうのが一般的。また、平日の営業時間のみ手続きをするため、事前審査から本審査まで1カ月〜1カ月半ほど見ておきましょう。

ネット銀行とメガバンクのどちらがいい?

ネット銀行とメガバンクには、それぞれメリットとデメリットがあります。ご自身のニーズや状況に合った金融機関を選ぶことが大切です。例えば、返済額を抑えたいなら、金利の低いネット銀行を選ぶのも一つでしょう。一方、注文住宅の購入を考えているならば、つなぎ融資に対応していることが多いメガバンクを選ぶのも一つです。どちらがいい、悪いではなく、ご自身のニーズに合った金融機関を選ぶようにしましょう。

住宅ローンの手続きはネット銀行とメガバンクでどう違う?

住宅ローンの手続きで、ネット銀行とメガバンクに違いはありません。一般的に、契約手続きは金融機関でおこなわれますが、ネット銀行の場合は店舗がある場合は店舗、ない場合は銀行が指定した場所でおこなわれます。

ネット銀行の住宅ローンに向いている人は?

ネット銀行の住宅ローンに向いている人は以下のとおりです。

  • 平日の日中が忙しい人
  • 金利を低く抑えたい人

メガバンクでは平日の営業時間に手続きをおこなわなければならないため、「仕事が忙しく時間が取れない」という人に向いているでしょう。また、金利が返済額に影響を与えるため、金利を低く抑えたい方に向いています。

まとめ

本記事では、住宅ローンをネット銀行で組む際のデメリットを中心に、メリットやメガバンクとの違いなどを解説しました。対面相談できるところが限られていたり、審査が厳しいといったデメリットがありますが、Web上で契約ができたり、金利が低かったりといったメリットもあります。ネット銀行だからいい、悪い、ではなく、自分に合った住宅ローンを組むことが大切です。何を優先したいのかをよく考え、検討しましょう。

民辻伸也

執筆者

民辻伸也

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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