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住宅ローンの融資実行日はいつ?当日までの流れと準備・注意点を解説

住宅の購入には数千万円以上のお金がかかるため、住宅ローンを借り入れて購入することが一般的です。住宅ローンの融資実行日を把握して、必要な準備を整えておくと、スムーズな資金の受け取りや引き渡しが可能になります。

本記事では、融資実行日のタイミングや当日の流れなどを解説します。事前に知っておくべきポイントを押さえ、住宅ローンの手続きを進めましょう。

住宅ローンの融資実行日とは

住宅ローンの融資実行日の概要を解説します
住宅ローンの融資実行日の概要を解説します

住宅ローンの融資実行日とは、金融機関から住宅ローンの貸付金が実際に振り込まれる日のことです。融資実行日に、金融機関から売主や建築会社などの指定口座へ資金が送金され、正式にローンの借り入れが開始されます。融資実行日までに、必要書類の提出や登記手続きの準備をしなければならないため、事前にスケジュールを確認してスムーズに手続きを進めましょう。

融資実行日は物件の引き渡し日が多い

住宅ローンの融資実行日は、物件の引き渡し日に設定されることが一般的です。売主への支払いが完了しなければ物件の所有権移転ができません。そのため、融資実行と引き渡しを同じ日に設定することでスムーズな取引が可能になります。融資実行日に、金融機関から売主の口座へ住宅ローンの資金が振り込まれ、司法書士が登記手続きをおこなうと正式に物件が買主のものとなります。

注文住宅は建物竣工日に融資実行される

注文住宅の場合、住宅ローンの融資実行日は建物竣工日に設定されます。なぜなら、物件が完成し、引き渡しのタイミングで正式に資金が必要になるからです。

ただし、注文住宅では土地の購入時や工事の進捗に応じて3~4回に分割して費用を支払うことが一般的です。

住宅ローンの融資実行日の前に資金が必要になるケースがあるため、費用が支払えない際は「つなぎ融資」を利用する必要があります。

ただし、つなぎ融資は住宅ローンと比較して金利が高く手数料がかかるため、利用をするべきか慎重に検討しましょう。

住宅ローンの融資実行日までの流れ

住宅ローンの融資実行日までの流れを解説します
住宅ローンの融資実行日までの流れを解説します

住宅ローンの融資実行日は、購入する物件の引き渡しに直結する大切な日です。まずは、融資実行日までの流れを解説します。融資実行日までスムーズに進めるためにも、事前に全体の流れを把握し、必要な準備を整えておきましょう。

注文住宅を購入した場合の流れ

注文住宅を購入した場合は、以下のステップで進めます。

  • STEP 1予算を決める
  • STEP 2住みたい土地を決める
  • STEP 3土地を購入する
  • STEP 4施工会社を決める
  • STEP 5家のデザインを決める
  • STEP 6住宅ローンの事前審査を受ける
  • STEP 7工事請負契約の締結をする
  • STEP 8住宅ローン・団体信用生命保険の申し込みをする
  • STEP 9住宅ローンの本審査を受ける
  • STEP 10つなぎ融資を受ける
  • STEP 11融資実行・物件の引き渡し

注文住宅は、自分で土地とデザインを決める必要があるため、すでに建物が完成している建売住宅と比較して時間がかかるケースが多いです。また、当初の予定よりも初期費用が高額になる可能性もあるため、融資実行日までに支払う費用を確認しながら進めましょう。

注文住宅以外の家を購入した場合の流れ

建売住宅やマンションを購入した場合は、以下のステップで進めます。

  • STEP 1予算を決める
  • STEP 2住みたい土地を決める
  • STEP 3条件に合った物件を探す
  • STEP 4売買契約の締結をする
  • STEP 5住宅ローン・団体信用生命保険の申し込みをする
  • STEP 6住宅ローンの本審査を受ける
  • STEP 7融資実行・物件の引き渡し

注文住宅と異なり、家を一からつくる必要がないため、融資実行日まで比較的スムーズに進みます。融資実行日は書類などを揃えておかなければならないため、住宅ローンの本審査に通過したら早めに準備しておきましょう。

住宅ローンの融資実行日までに準備しておくこと

住宅ローンの融資実行日までに準備しておくことを把握しましょう
住宅ローンの融資実行日までに準備しておくことを把握しましょう

住宅ローンの融資実行日は、金融機関から指定される必要書類の提出や登記手続きをおこないます。スケジュールの遅れが発生した際、物件の引き渡しが遅れてしまうため、余裕を持って準備を進めることが大切です。では、住宅ローンの融資実行日までに準備しておくことを解説します。

必要な書類を揃えておく

住宅ローンの融資実行日までに、下記の書類を揃えましょう。

  • 住民票の写し
  • 顔写真付きの本人確認書類
  • 登記識別情報
  • 実印
  • 印鑑登録証明書(2通)
  • 銀行の通帳

登記識別情報とは、不動産の名義変更をした際に登記所から通知される書類のことです。不動産を管轄する法務局の窓口やオンラインで受け取ることができます。実印を紛失した際は改印手続きが必要になるため、早めに準備に取りかかりましょう。また、追加で委任状が必要ですが、司法書士が用意してくれるため問題ありません。

司法書士に登記手続きを依頼する

融資実行日は、金融機関は融資の担保として所有権移転登記と同時に、抵当権設定登記をします。
登記手続きは専門知識が必要なため、司法書士に登記手続きをしてもらうように依頼しましょう。司法書士のスケジュールによっては自分の予定と合わず、融資実行日が遅れる可能性もあるため、早めに相談しておくことが大切です。

住宅ローンの融資実行日は何をする?

住宅ローンの融資実行日の流れを解説します
住宅ローンの融資実行日の流れを解説します

住宅ローンの融資実行日は、以下のステップで進めます。

  • STEP 1金融機関で本人確認と書類の確認をする
  • STEP 2融資が実行される
  • STEP 3登記手続きをする
  • STEP 4物件の鍵と書類の引き渡しがされる

融資実行日は、金融機関や不動産会社との連携が必要です。平日しか予約ができないため、仕事がある方は早めにスケジュールを調整しましょう。住宅ローンの融資実行日の流れを解説します。

STEP1.金融機関で本人確認と書類の確認をする

融資実行のために、金融機関で本人確認と書類の確認をします。指定の場所に出向き、買主の本人確認書類を提示し、金銭消費貸借契約書や抵当権設定に関する書類の内容を再確認します。返済期限や利息の有無、返済方法などが記載されているため、見落としがないように慎重にチェックしましょう。

STEP2.融資が実行される

本人確認と書類に不備がなければ、金融機関が融資金を契約者の口座へ振り込みます。融資金は、一度契約者の口座に振り込まれてから、売主や不動産会社、ハウスメーカーなどの指定口座へ送金されます。ただし、融資実行はネット銀行であっても数分~数十分かかる場合があり、手続きが混雑している際は1時間以上かかるケースもあるため注意しましょう。

STEP3.登記手続きをする

送金が完了すると登記手続きが進められます。司法書士が法務局に足を運び、所有権移転登記と抵当権設定登記を進めます。手続きが完了するまで30分〜1時間程度の時間がかかるため、そのあとに予定がある場合は余裕を持ちましょう。

STEP4.物件の鍵と書類の引き渡しがされる

登記手続きが終わると、物件の鍵や関連書類などが渡されます。建築確認済証や設計図、保証書などの重要書類を受け取るため、紛失しないようにファイルや書類ケースなどを持っていくと安心です。すべての手続きが完了すると、いよいよ新生活がスタートします。

住宅ローンの融資実行日までの注意点

住宅ローンの融資実行日までの注意点を押さえましょう
住宅ローンの融資実行日までの注意点を押さえましょう

住宅ローンの融資実行日をスムーズに迎えるために、注意すべきポイントがいくつかあります。特に、自己資金の準備不足やスケジュールの調整ミス、審査の不具合などが発生すると、融資を受けられない恐れがあるため注意しましょう。では、融資実行日までに気をつけるべき注意点を解説します。

融資実行日を早めることはできない

注文住宅の場合、融資実行日の前に資金が必要になるケースがあるため、早めに融資を受けたい方も多いでしょう。しかし、住宅ローンの融資実行日は、金融機関や売買契約のスケジュールに基づいて決められるため、融資実行日を早めることはできません。資金が支払えない場合は、つなぎ融資を検討することをおすすめします。

融資実行日の直前の転職は避ける

住宅ローンの融資実行日が近づいているタイミングでの転職は避けましょう。なぜなら、融資実行前に勤務先や収入の状況を最終確認することがあるからです。転職によって収入が不安定と判断されると、条件が変更される可能性があります。試用期間中や転職直後は勤続年数が短く、審査基準を満たさなくなるケースがあるため、もし転職の予定がある場合は、融資実行後にしましょう。

信用情報に傷がつく行動はしない

住宅ローンの融資実行日までに、信用情報に傷がつくような行動は避けましょう。融資実行前に再審査をした際、信用情報に問題があると融資が停止される恐れがあります。例えば、クレジットカードやローンの延滞、新規の借り入れなどが信用情報に影響を与える行為に該当します。融資が実行されるまでは、いつも以上に慎重な金銭管理を心がけましょう。

融資実行日が引き渡し日に間に合わない場合もある

住宅ローンの融資実行日が、物件の引き渡し日に間に合わないケースもあります。原因は、金融機関の手続きや審査の進捗、必要書類の不備、登記手続きの遅れなどが挙げられます。

特に、月末や繁忙期は金融機関の手続きが集中し、通常より時間がかかることも多いです。予定していた融資実行日より遅れると、資金の支払いなど想定外の出来事が発生する可能性があるため、その際はつなぎ融資などの対応策を検討しましょう。

融資実行日は平日しか指定できない

住宅ローンの融資実行日は、金融機関の営業日にあたる平日しか指定できません。なぜなら、融資実行には銀行の振込処理や登記手続きなどが必要になるため、土日や祝日ではできないからです。

物件の引き渡し日が土日や祝日に設定されている場合は、事前に不動産会社や司法書士と調整し、直前の平日に融資実行日を設定する必要があります。

まとめ

住宅ローンの融資実行日は、物件の引き渡しや支払いに関わる重要な日です。スケジュールの遅れや手続きの不備を防ぐには、必要書類の準備、自己資金の入金、金融機関などの連携を把握することが大切です。本記事で紹介したポイントを参考に、万全の準備を整え、安心して住宅ローンの融資実行日を迎えましょう。

民辻 伸也

執筆者

民辻 伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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