2500万円の住宅ローンはきつい?返済総額を抑える方法も紹介

住宅ローンは長期間返済が続くため、問題なく返済を継続できるか不安に思うこともあるでしょう。
本記事では2,500万円の住宅ローンを借り入れた場合の返済額や、予算を変えずに返済額を減らす方法を紹介します。
これから住宅ローンの借り入れを検討している方はぜひ最後までご覧ください!
記事の目次
2,500万円の住宅ローンはきつい?毎月の返済額シミュレーション

住宅ローンを2,500万円借り入れた場合、そもそも毎月の返済額はいくらになるのか、気になる方も多いですよね。
住宅保証機構の住宅ローンシミュレーションを使用して、2,500万円の住宅ローンを借りた時の返済額を計算してみましょう。
【返済期間別】返済額のシミュレーション
前提条件は以下のとおりです。
- 借入額 2,500万円
- 返済方法 元利均等
- 金利タイプ 固定金利1.5%
- 融資手数料・保証料は考慮なし
返済期間 | 20年 | 25年 | 30年 | 35年 |
---|---|---|---|---|
毎月 返済額 |
12万636円 | 9万9984円 | 8万6280円 | 7万6546円 |
総返済額 | 2,895万2604円 | 2,999万5049円 | 3,106万610円 | 3,214万9099円 |
返済期間20年の場合は月々の負担が10万を超えるため、収入金額によっては家計が圧迫される可能性もあるでしょう。
返済期間を25年以上に設定すれば月々の負担は抑えられますが、利息部分が大きくなるため元金に対して総返済額が増えます。
【年収別】2,500万円の住宅ローンにおける返済負担率
上記のシミュレーションをもとに2,500万円住宅ローンの返済負担率を計算すると以下のようになります。
年収 | 手取り | 返済期間ごとの返済負担率 | |||
---|---|---|---|---|---|
20年 | 25年 | 30年 | 35年 | ||
400万円 | 320万円 | 45.2% | 37.5% | 32.4% | 28.7% |
600万円 | 480万円 | 30.2% | 25.0% | 21.6% | 19.1% |
800万円 | 640万円 | 22.6% | 18.7% | 16.2% | 14.4% |
1,000万円 | 800万円 | 18.1% | 15.0% | 12.9% | 11.5% |
金融機関の住宅ローン審査基準における返済負担率の目安は30%~35%ですが、理想の返済負担率は20%~25%です。
返済負担率が高いと、収入が変動した時に住宅ローンの返済が苦しくなるリスクが高まります。
2,500万円の住宅ローンは、年収や返済期間によっては返済が苦しい可能性もあるでしょう。
住宅ローンの平均借入額・返済額はどのくらい?

「住宅ローンはどのくらい借りるのが一般的なのだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
ここからは国土交通省のデータをもとに、住宅ローン利用者の平均借入額・返済額を紹介します。
住宅ローンの平均借入額
購入した住宅種類ごとの住宅ローンの平均借入額は以下のとおりです。
住宅種類 | 平均借入額 |
---|---|
新築注文住宅 | 3,772万円 |
分譲戸建住宅 | 3,054万円 |
分譲マンション | 3,020万円 |
中古戸建 | 1,908万円 |
中古マンション | 1,492万円 |
※注文住宅の調査地域は全国、その他住宅は三大都市圏での調査
参考:国土交通省 令和4年度 住宅市場動向調査報告書(P43)
新築注文住宅を購入した場合の住宅ローン借入額がもっとも大きく、平均借入額は3,700万円を超えています。
一方、中古戸建・マンションを購入した場合の平均借入額は2,000万円未満で、新築住宅の購入時と比較すると1,000万円ほど差があります。
購入する住宅種類によって住宅ローンの平均借入額も大きく異なるのが特徴です。
住宅ローンの平均返済額
三大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)における住宅ローンの年間返済額の平均値は以下のとおりです。
年間返済額 | 毎月の返済額 | |
---|---|---|
注文住宅 | 169.1万円 | 約14.1万円 |
分譲住宅 | 137.2万円 | 約11.4万円 |
中古住宅 | 100.4万円 | 約8.4万円 |
参考:国土交通省 令和4年度住宅経済関連データ <6>住宅と家計経済 2.住居費支出割合の推移(5)住宅ローンの年間返済額の平均値、住宅ローンの年間返済額の分布
新築注文住宅や分譲住宅を購入した場合は、中古住宅購入時よりも毎月の返済負担が大きくなる傾向があります。
2,500万円の住宅ローン返済額を抑える方法

「住宅ローンの返済が不安だけど購入予算は2,500万円より下げたくない……」と悩む方も多いかもしれません。
ここからは住宅ローンの借入額を変えずに返済額をなるべく抑える方法を紹介します。
金利の低い金融機関で借り入れる
住宅ローンを借り入れる時はなるべく金利が低い金融機関で申し込むことをおすすめします。
金利が低ければ利息部分を小さくできるため、同じ借入額でも返済額を抑えられます。
金融機関によって金利タイプや返済期間ごとの適用金利が異なるので、複数の金融機関で比較・検討するとよいでしょう。
また、金融機関を選ぶ方法として、Web上で借りたい金額や自分の属性などの情報を入力すると、借りられる可能性が高い金融機関の住宅ローンを複数提案してくれるサービス「モゲチェック」を利用すると便利です。金利や総返済額などの比較もできるので、以下から一度利用してみてはいかがでしょう。
繰り上げ返済を検討する
住宅ローンの繰り上げ返済をすれば利息部分の返済を減らせるため、総返済額を抑えられます。
貯蓄や収入に余裕ができたタイミングで繰り上げ返済を検討するのがおすすめです。
ただし住宅ローン控除を利用している場合は、返済開始から10年以内に繰り上げ返済してしまうと不利になってしまう可能性もあります。
住宅ローン控除を最大限活用したい場合は、繰り上げ返済のタイミングに注意しましょう。
金利の低い住宅ローンへ借り換える
住宅ローン借り入れ後、より金利の低い住宅ローンに借り換えることで総返済額を数十万から数百万減らせるケースがあります。
毎月の返済額も抑えられるため、今後返済が苦しくなった時の選択肢として検討しておきましょう。
ただし住宅ローンの借り換えには事務手数料などのコストや手続きの手間も発生します。
借り換えによるメリットがあるか、総合的な判断が大切です。
後悔しない住宅ローン借入額の考え方

住宅ローンは長期で返済を続けるため、慎重に借入額やプランを計画することが大切です。
ここからは後悔しない住宅ローンの考え方を紹介します。
金利タイプの特徴を理解する
住宅ローンを借り入れる時は金利タイプごとのメリット・デメリットを理解し、慎重に比較することが重要です。
住宅ローンの金利タイプは主に変動金利と固定金利があり、それぞれ特徴が異なります。
金利タイプごとのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
変動 金利 |
・比較的低金利で借り入れできる ・金利が下がれば返済額も減る可能性がある |
・金利が上がると利息部分が増えて元金の返済が進まない ・金利変動の可能性があるため返済の見通しが立てにくい |
固定 金利 |
・返済額が一定になるため返済計画が立てやすい ・金利変動の影響を受けない |
・変動金利より金利が高い場合が多い ・金利が下がった場合は不利 |
また固定金利は返済期間中の金利が一切変わらない全期間固定金利と、一定期間の金利が固定の期間選択型固定金利があります。
いずれのプランもメリット・デメリットが存在するため、自分の考えやライフプランに合ったものを選びましょう。
自分の年収に合った返済期間を設定する
住宅ローンの返済期間は自分の年収やライフプランに合わせて選ぶのも大切なポイントです。
年齢によって収入が変動することを考慮して返済期間を設定する必要があります。
一般的には60歳で定年退職して収入が大きく減少する可能性があるため、返済が不安な方は定年前に完済できる期間に設定しましょう。
ただし返済期間を短くすると毎月の負担が大きくなり、教育資金や老後の貯蓄にお金を回すのが難しくなる点には注意が必要です。
返済期間が長くなるほど利息の支払い割合が大きくなります。総返済額が増えることも考慮したうえで、バランスの取れた返済期間を選びましょう。
返済負担率は手取り収入の20%~25%にする
住宅ローンを借り入れる時は返済負担率を低く設定できるプランを計画しましょう。
返済負担率が高いと将来的に毎月の返済が苦しくなるリスクが上がります。
返済金額が手取り収入の20%~25%に収まるように設定すると、教育資金など出費が増えても無理なく対応できるでしょう。
住宅ローンを組む時に注意すべきポイント

住宅ローンは長期的に返済を続けるため、無理のない返済計画を立てる必要があります。
住宅ローンを組む際に注意すべきポイントを紹介します。
これから住宅ローンを借り入れる方はチェックしておきましょう。
住宅購入以外にかかる諸費用を把握する
住宅ローンの返済計画を立てる時は、住宅購入以外にかかる諸費用を具体的に把握しておきましょう。
住宅購入時や住宅ローンの借り入れには、以下のような諸費用がかかります。
<住宅購入にかかる諸費用>
- 印紙税
- 仲介手数料
- 登記費用
- 不動産取得税
- 固定資産税精算金
- 修繕積立基金
- 火災・地震保険料
<住宅ローンにかかる諸費用>
- 頭金
- 融資手数料
- ローン保証料
- 団体信用生命保険料
住宅ローンを借り入れる際は、物件の購入費以外の費用を含めて予算を検討することが大切です。
また上記の初期費用以外にも、固定資産税や修繕積立金など毎月支払う費用も考慮しましょう。
収入や支出が大きく変動する可能性を考慮する
長期的かつ具体的なライフプランを立て、収入や支出が変動するタイミングを考えましょう。
収入や支出をできるだけ細かく計算しておくと、無理のない返済計画が立てやすくなります。
例えば、現在共働きであっても、将来妊娠や出産、子育て、親の介護などさまざまな理由で世帯収入が減る可能性も考えられます。
また子どもの進学や定年退職のタイミングでも収支が大きく変動することを頭に入れておきましょう。
将来起こりうるリスクを想定しておく
住宅ローンの返済計画を立てる時は、将来起こる可能性のあるトラブルやリスクを見込むことも大切です。
病気やケガで働けなくなり住宅ローンの返済が難しくなるケースや、万が一死別や離婚した場合のことを仮定しておきましょう。
例えば、ペアローンは一般的に金利が低くなりますが、住宅は夫婦の共有名義になるため離婚時に揉めるケースも少なくありません。
住宅ローンを組む時に今後のトラブルのことを考えるのは難しいかもしれませんが、できる限り想定しておきましょう。
まとめ
本記事では2,500万円の住宅ローンを借り入れた場合の返済額や、予算を下げずに返済額を抑える方法を紹介しました。
2,500万円の住宅ローンは年収によっては返済負担率が高くなり、返済が苦しくなる可能性があります。
予算を変えずに住宅ローン返済額を抑えるなら、低金利の住宅ローンを組む、繰り上げ返済や借り換えを検討するのがおすすめです。
住宅ローンは一般的に20~35年の長期で完済するものであり、無理のない返済計画が大切です。
自分に合った借入額・返済額を考えて住宅ローンを組みましょう。
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執筆者
長谷川賢努
AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士
大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ