マンションに買ってはいけない階はある?階層ごとのメリット・デメリットを徹底解説

そこで今回は、マンションを買う際の階数の選び方について、それぞれのメリット・デメリットに注目しながら解説していきます。
記事の目次
マンションに買ってはいけない階はある?

結論としては、どこを選んでも一長一短のため、買ってはいけない階数が特別にあるわけではありません。ただし世帯ごとに各階数との相性は異なるため、入居後の暮らしをイメージしながら、何階に住むのが向いているのかじっくり検討しておくことが大切です。まずは各階のメリットとデメリットの双方を把握したうえで、より適した位置を選ぶようにしましょう。
マンションの各階層のメリット・デメリット

マンションの階層は、大きく分けると以下の5つの種類があります。
- 1階
- 低層階
- 中層階
- 高層階
- 最上階
建物自体の高さにもよりますが、低層階は2階~5階、中層階は6階~9階、高層階は10階以上とされるのが一般的とされています。本記事においても、この区分を基準として、それぞれの階層のメリットやデメリットなどを解説していきます。
1階の特徴

ではまず、マンションの1階の特徴から見ていきましょう。
1階のメリット
- 価格が抑えられる
- 専用庭や駐車場があるケースが多い
- 階下への配慮が不要
- エレベーター待ちや階段の上り下りが不要
- 家の出入りがしやすく荷物の運搬も楽にできる
- 災害時の避難がしやすい
- 湿気が下りてきやすく乾燥しづらい
特に1階の大きなメリットとしては、マンションのなかではもっともエントランスに近く、外出がしやすい部分にあります。通勤・通学の時間帯でもエレベーターの混雑で困ることはありませんし、帰宅時もすぐに室内に入れるので、とにかく動線がいいのが特徴です。また、1階だけ専用庭があるケースもあり、マンションでありながら一戸建てのような住み心地を味わえそうです。
1階のデメリット
- 人目が気になる
- 防犯面が心配
- 虫が多く、屋外からの騒音や排ガスが入ってきやすい
- 日当たりが比較的悪い
- 眺望が期待できない
- 結露・カビが発生しやすい
- 水害の被害を受けやすい
マンションの1階のデメリットは、道路に近い位置にあることから、プライバシーの保護など屋外からの影響が気になりやすい点です。高さがない分、外部からの視線が入りやすかったり不法侵入の心配があったり、防犯性には十分に注意しなければなりません。また災害時には避難がしやすい反面、洪水や津波などで水没するリスクが高い部分もあり、しっかりとした対策も必要です。
1階が向いている人
- 毎日の通勤や通学などで外出が多い人
- 足腰の負担をできるだけ避けたい人
- 男性を含んだ2人以上の世帯
- 小さなお子さんのいるファミリー世帯
1階は家の出入りがしやすく、バリアフリーにも長けているので、外出の多い世帯や足腰に心配のあるシニア層にも向いています。また子どもが遊んだり走ったりしても階下に足音が響くこともなく、ベビーカーでの移動もしやすいので、小さなお子さんがいるファミリーにもぴったり。1階なら価格も比較的抑えやすいため、今後の教育資金に向けて節約したい場合にもおすすめできます。一方で1階は防犯面に少し懸念になりやすい部分もあり、女性の一人暮らしよりは、なるべく男性を含む2人以上で暮らすほうが安心でしょう。
低層階の特徴

では次からは、主に2階~5階あたりの低層階における特徴を見てみましょう。
低層階のメリット
- 1階よりやや相場は高いものの価格が抑えやすい
- 階段かエレベーターか選んで上り下りできる
- 夏場の暑さを避けやすい
- 1階よりもプライバシーの保護や防犯がしやすい
- 地震などの災害時でも比較的安全
低層階の場合も、1階とほぼ同じではありますが、建物のエントランスに比較的近いので出入りがしやすいメリットがあります。低層階であれば、まだ階段での上り下りもしやすい範囲のため、エレベーター待ちがわずらわしい時にも便利でしょう。また低層階になると、上下階に各部屋があることから外気の影響を受けにくく、直射日光も避けやすい高さのため暑くなりにくいのも利点です。さらに1階に比べると道路から離れるので、外部からの視線や侵入などの心配は軽減できる一面もあります。
低層階のデメリット
- 虫が入ってきやすい
- 日当たりや風通しが悪く湿気がこもりやすい
- 生活音を気にする必要がある
低層階のデメリットも1階の場合と似たような部分はありますが、上下階に部屋がある分、生活音が気になりやすくなるのが大きな違いです。2階以上になると、どうしても上の部屋からの足音などが響きやすく、その反対の階下への配慮も求められます。1階に比べると、ご近所同士の騒音に気を付けなければならない点には注意が必要です。
低層階が向いている人
- なるべく出入りがしやすい部屋を好む人
- 夏場の暑さが苦手な人
- できるだけ価格は抑えたいものの防犯面なども気になる人
低層階の場合は、前述のような1階に近い利点はありつつも、防犯やプライバシーの保護といった部分も考慮したい人に向いています。低層階であれば、まだ比較的価格も抑えやすいので、コスト面が気になる時にも適しているでしょう。
中層階の特徴

では次に、おもに6階~9階にあたる中層階の特徴をまとめてみます。
中層階のメリット
- 価格と条件面のバランスがいい
- 虫が入りにくい
- 立地によっては風通しや日当たり、眺望のよさに期待できる
- 窓を開けやすい
中層階になると、1階を含めた低層階よりも価格相場は上がりますが、その分部屋自体の快適性や防犯性などは高まりやすい傾向にあります。ある程度の高さになるため、大きな建物に囲まれていなければ、通気や採光もしやすくなります。またマンションのなかには、風の影響を強く受けやすい高層階に限って、窓が閉めきりになっているケースも。中層階なら、基本的にはその心配はありません。さらに虫が飛行できる目安は、大体5階までといわれているので、防虫対策にも効果的です。
中層階のデメリット
- 階段での上り下りが難しい
- 混雑時にエレベーターに乗りづらい可能性がある
- 高速道路や鉄道路線沿いでは騒音が気になりやすい
やはり低層階に比べると、部屋からの出入りはしづらくなるのが難点。特に通勤・通学の時間帯では、高層階の人が一気にエレベーターを使ってしまうと、混雑して中層階からは乗りづらい場合も想定されます。また高速道路や鉄道路線沿いにあると、ちょうど中層階の高さに面しやすく、外部からの騒音が入りやすいケースもあります。
中層階が向いている人
- 価格面は多少気になるもののなるべく高さはほしい人
- 風通しや日当たり、防犯などの条件面もできるだけ気にしたい人
- 在宅勤務など、部屋の出入りが少ない人
中層階は、低層階と高層階のどちらの要素もある場所なので、ほどよい価格と条件の部屋に住みたい人におすすめです。また通勤や通学など、人が混みあいやすい時間帯の出入りがしづらい一面があり、さほど外出しない在宅勤務などの場合にも適しているでしょう。
高層階の特徴

ではここからは、大体10階以上の高さになる高層階の部屋について見ていきましょう。
高層階のメリット
- 眺望がいい
- 日当たりがいい
- 外部からの騒音が気にならない
- 虫がほぼ入ってこない
高層階になると、付近に高い建物があっても、眺めがよく採光もしやすくなるのが大きなメリットです。高さがあるので日光が入りやすく、明るく開放的な雰囲気で、洗濯物が乾きやすいのも利点でしょう。さらに地上からもかなり離れた位置にあるため、防犯性は非常に高く、外部からの騒音や虫もほとんど入ってこない快適さもあります。
高層階のデメリット
- 価格相場が上がる
- 日光や強風、地震の影響を受けやすい
- エントランスまでが遠い
- 災害時の対応が難しくなりやすい
一般的なマンションでは、階数が高いほど価格も上がるため、高層階になれば当然ながらコスト的な負担は増えやすくなります。さらに上空に近付く分、直射日光や強い風が当たりやすく、地震の揺れも大きくなる一面も。また、上階になるほどエントランスからも離れてしまうので、部屋からの出入りに時間がかかり、災害時の避難がしづらい部分もあります。
高層階が向いている人
- 予算に余裕がある人
- 部屋で過ごす時間が長い人
- 室内の心地よい雰囲気も重視したい人
高層階は価格が高くなる分、部屋の快適性にはかなり期待できます。他の階層に比べると資産価値としても高いので、ある程度の予算を確保できるのであれば、高層階が向いているでしょう。
最上階の特徴

では最後に、最上階の特徴についても整理してみましょう。
最上階のメリット
- 上からの物音がしない
- 資産価値が高い
- ルーフバルコニー付きの部屋が選べることもある
- 高級感のある特別仕様になっているケースもある
- 上空からの眺めを楽しみやすい
最上階の場合は、部屋の広さや設備が異なっていたり、大きなルーフバルコニーが付いていたりするケースも多々見られます。そのため高層階よりも、さらにグレードアップした部屋が選びやすくなるのが大きなメリットです。資産価値も高いため、例えば売却や賃貸をおこなう際にも、入居者が集まりやすい利点があります。
最上階のデメリット
- 価格が高い
- 夏は暑い
- エレベーターの待ち時間が長い
- 災害時に避難しづらい・もっとも影響を受ける
最上階になると、当然ながらコストはかかりやすく、高層階よりもさらに経済的に余裕がないと選びづらい一面もあります。さらに空に近い分、特に夏場は日光が直接当たって室温が上がりやすい部分も。また高層階よりも出入り口から遠く、災害時の影響も受けやすい点には注意が必要です。
最上階が向いている人
- ステータス感のある部屋に住みたい人
- 屋上でガーデニングや日光浴などを楽しみたい人
- 明るく開放的な雰囲気を好む人
最上階といえば、各マンションのなかでもリッチな部屋が多く、住むのに憧れる人も少なくありません。またルーフバルコニーがあれば、庭感覚で楽しむことも可能です。見晴らしのいい景色に癒されながら、心地よく暮らしたい場合におすすめできます。
階数だけではない!マンションを買う際に確認すべきポイント

ここまでに見てきた階数だけでなく、より快適な暮らしができるマンションを見つけるには、さまざまな生活環境もチェックしておく必要があります。ではここからは、マンションの建物内の設備や機能性などにおいて、十分に確認しておきたいポイントを解説していきます。
部屋の位置・向き
まず部屋の位置は、角部屋か中部屋で悩みやすいところですが、それぞれにメリットもデメリットもあります。角部屋なら窓が多い分、風通しや日当たりはよくなりますが、外気の影響を受けやすい一面があります。一方で中部屋であれば、通気や採光ができる窓は減りますが、外部に接する壁も少ないため断熱性が高いのも特徴です。
また部屋の向きも、ライフスタイルや好みに応じて選ぶのがベスト。例えば南向きは日当たりがよく室温も保ちやすい点から人気ですが、夏の暑さや日焼けが気になる一面もあります。また東向きなら、朝日は入りやすいですが昼以降だと日光が当たりづらく、反対の西向きは日照時間が比較的長いものの午後の日射しが強く感じやすい部分も。なお北向きは、他の方角に比べて日光は当たりづらいですが、光の当たり方がよく眺望もきれいで、夏場は比較的涼しい利点があります。
このように、部屋の位置や向き次第で機能性にも違いがあるため、どこなら最適なのかしっかり検討しておきましょう。
エントランスへの動線
特に規模の大きいマンションでは、入居する棟によってエントランスまでの距離が異なるケースも。エントランスに近い棟と遠い棟では、出入りする時間に意外と差が出やすく、外出が多い世帯にとってはかなり重要な要素といえます。通勤や通学の利便性に影響する可能性もあるため、こうした動線も意識してみるのがおすすめです。
エレベーターの位置
エレベーターの位置も、外出時の動線に影響する要素で、あまりに遠いと不便に感じる可能性も。ただしエレベーターに近いと便利ですが、利用中の音が気になるケースもあります。エレベーターに乗る人の話し声や、機械の稼働音などが響きやすい一面もあるので、特に音に敏感な場合には注意が必要です。
ゴミ捨て場の位置
集積所が近ければ日々のゴミ捨てには便利ですが、一方でゴミ出しに来る入居者の人通りやニオイが気になりやすい一面があります。もちろん集積所から離れればその心配はありませんが、反対にゴミ出しが億劫になってしまう可能性も考えられます。ゴミ集積所のシステムやルールなども、マンションごとに異なるので、ご自身のライフスタイルに応じて検討してみましょう。
共用施設までの距離
例えば共用施設といえば、宅配ボックスや駐車場・駐輪場などの例が挙げられますが、利用頻度の高い施設が遠いとどうしても不便に感じてしまいます。特に大規模なマンションになると、部屋の配置次第では共用施設が使いづらい可能性も。よく利用したい共用施設がある場合には、部屋との距離感もしっかりチェックしておきましょう。
このように、マンション内の条件でも、きちんと検討しておきたいポイントはいくつもあります。今回ご紹介した階数も含めて、さまざまな要素も見ながら、ご自身のライフスタイルに合ったマンションを探してみましょう。
まとめ
では最後に、マンション購入時における階数の選び方の要点や、その他にチェックしておきたいポイントなどをまとめていきます。
マンションに買ってはいけない階はある?
どの階数にも同じように、メリット・デメリットの双方があります。世帯ごとの相性の良し悪しはあるものの、どうしても買ってはならない階数があるわけではありません。まずは、どこなら理想の暮らしが叶いやすいのか見極めることが重要です。
マンションにおける階層ごとのメリットは?
まず低層階では部屋の出入りがしやすく、エレベーターを使わなくても移動がしやすいため、外出が多い場合に便利です。また中層階では、設備などの条件面とコスト面のバランスがよく、適度に低層階と高層階の利点を享受しやすいのが特徴です。さらに高層階では、通気性や採光性が高いうえに眺めがよく、心地よい環境で暮らしやすい魅力があります。
マンションを買う際に階層以外で確認すべきポイントは?
より便利に生活するうえで重視したいのは、エントランス・エレベーター・ゴミ置き場・共用施設の場所なども確認しておきたいポイントです。また部屋の配置や向き次第でも、日当たりや風通し、断熱性などの機能面は異なるため、どの方角や位置がいいのか十分にチェックしましょう。
いかがでしたか?同じマンションとはいえ、部屋のある高さによって、外出時の動線や日当たり・風通しのよさ、眺望など大きく異なります。たとえ建物自体の周辺環境や立地がよくても、選ぶ部屋次第では不便に感じてしまう可能性もあるので、部屋の階数も含めたマンション内部の利便性は十分に検討しておく必要があります。ぜひ本記事を参考に、ご自身にとってのベストな部屋を見つけてくださいね。不動産情報サイト アットホームでは、全国のエリアから中古マンション・新築マンションを探すことができますので、ぜひ活用してくださいね。
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