【令和】「別荘は買うな」その理由は?後悔する?デメリットとメリット、リスクを解説

別荘を所有することにはメリットとデメリットがあります。今回は別荘を購入すべきかを、さまざまな角度から見ていきましょう。
記事の目次
そもそも別荘とは?

別荘には大きく分けて一戸建てとリゾートマンションがあります。それぞれの特徴を述べていきます。
一戸建て
一戸建ての別荘は木造が多く、自然に囲まれた立地にあることが多いです。隣地とは一定の距離が保たれて、プライベートなスペースも確保しやすいことが特徴。騒音問題も起きにくく、庭でバーベキューなどのアクティビティを楽しめるのも魅力です。
リゾートマンション
リゾートマンションは共用部分が充実していることが多く、また管理会社が定期的に清掃や修繕をおこなってくれるのが特徴です。リゾートマンションによってはゲストルームや大浴場、カラオケなどの娯楽施設があるものもあります。
セカンドハウスとの違いは?
別荘は主に休暇を楽しむためのものであるのに対し、セカンドハウスは仕事や生活をするための2つ目の拠点を指します。セカンドハウスとして申請をして認められれば、税額の控除や特例などが認められることがあります。
別荘の所有世帯は1%未満!

別荘を所有する世帯は1%未満であり、いかに別荘を所有している世帯が少ないかがわかります。
「別荘を所有している」と聞くと、憧れを抱くかもしれません。しかし、「別荘は買うな」との主旨の意見も耳にすることがあるのではないでしょうか。
別荘に対して否定的な意見があるのはなぜでしょうか。次章で述べていきます。
「別荘は買うな」と言われる理由

別荘を持つと、いいことずくめではありません。ここでは、別荘を所有する際の注意点に触れていきます。
初期費用だけでなく維持費がかかる
別荘を所持すると、物件代金・仲介手数料・融資手数料などの初期費用だけでなく、所有し続けるにあたって管理費・修繕費・水道光熱費・火災保険料・税金その他維持費がかかってきます。
通常の住宅ローンは使えない
住宅ローンは基本的に1つしか組めません。持ち家を購入する際にローン利用し、まだ返済途中の人が、新たに別荘を購入する目的で通常の住宅ローンは組めません。別荘を購入するには、セカンドハウスローンを使って融資を受けることが一般的です。
税金がかかる
別荘を所有する場合、固定資産税・都市計画税・住民税がかかります。他にも熱海市では別荘等所有税が発生します。京都市でも導入の検討が始まっており、人気の土地に別荘を買う際には注意が必要です。
管理の手間が想像以上に大変
別荘を所有すると、思ったよりも管理の大変さにギャップを感じることがあるかもしれません。次から見ていきましょう。
虫の駆除
「久しぶりに別荘に行ったら虫だらけびっくりした」なんてエピソードもあります。別荘は自然環境が豊かなところにあることが多く、木造であれば構造的にすき間から虫が入りやすくなります。大きな羽虫やアリ、カマドウマなど、虫が苦手な人は要注意です。特に別荘周辺に水辺がある場合は、大量の虫が発生するリスクがあるでしょう。
別荘に久しぶりに行く日は虫駆除や清掃にかかりきりになるかもしれませんので、心構えと虫駆除の準備をしていきましょう。
カビ対策
別荘はカビ発生の条件が揃いやすいといわれています。とりわけ軽井沢のような湿度が高いエリアが該当しますが、風通しのよくない部屋や地下室などにも注意を払わなければなりません。無人の間でも換気扇を稼働させる、除湿器を回すなどの対策が必要です。
害獣・害鳥対策

虫だけでなく、害獣・害鳥対策が必要なことも。最近はイノシシやクマが人里におりてくることが多くなりました。ネズミやハクビシン、サルなどの獣たちが建物を荒らしたり住みついたりするケースもあります。また、リゾートマンションでは鳩がフンをして建物を汚す被害も多く、対策が必要となる可能性もあるでしょう。
水抜き
軽井沢や河口湖の別荘エリアは冬が寒く、日中の気温がマイナスになることがあります。一般的に気温がマイナス4度以下になると水道管が凍結し、破裂する事故が増えます。それを避けるためには、不凍水栓を操作して配管内の水を抜く作業が必要です。
冬場に長期で別荘を離れる際にも水抜きをする必要があるので、管理会社の方に水抜きの方法を教わるなどして自分でできるようにしておきましょう。
草刈り
自然の豊かな場所にあることが多い別荘地では、雑草もすぐ伸びます。景観の問題、虫の発生抑制、近隣に迷惑をかけないためにも定期的な草刈りが必要です。
薪の管理

別荘で薪ストーブを使用して暖を取る場合、薪を購入するか薪割りをし、薪の管理まで自分でしなければなりません。薪を売っている場所が近くになければ、遠くまで買いに行くか、配送をお願いすることになります。これらのコストも事前に計算しておきましょう。
日常生活と同様に家事は発生する
ホテルやグランピング施設で過ごすのとは違い、日常生活と同様に自分たちで食材を調達し調理しなければなりません。発生するのは食事の買い物・調理だけでなく、掃除や洗濯など家事全般です。「別荘」と聞くとどこか非日常で贅沢な暮らしを妄想しがちですが、意外と現実的な重労働は多いです。「こんなはずじゃなかった」と落胆しないように、心構えをしっかりとしておきましょう。
思ったよりも利用しない
別荘購入直後はうれしくなって何度も通いがちですが、数年経つと意外と行かなくなる人も少なくありません。特に高原エリアや高緯度の地方にある別荘エリアは、ハイシーズンの夏場は高頻度で利用しても、冬場のオフシーズンは行かなくなる傾向があります。
感情や環境の変化で不要になるケースがある

最初はどれだけ気に入った別荘だったとしても、人間誰しも飽きてしまうことはあるでしょう。また、仕事が忙しくなり行く暇がなくなったり、病気や加齢によりわざわざ遠い別荘まで出向くのが億劫になることもあるでしょう。高額をかけてせっかく手に入れた別荘が、逆に負担に感じてしまうことも。こういった側面もあることを理解しておきましょう。
手放したくても売りづらい
別荘はバブル期にブームとなり、盛んに売買がおこなわれました。しかし、バブル崩壊後の価格暴落、そして別荘ブームの終焉による購入検討者の減少で大きく需要が下がりました。
現在も大幅に値引きをしないと買い手が現れないこともありますし、古いリゾートマンションでは管理費や修繕維持費の高さから、買いたいと希望する人自体がいないケースもあります。
別荘を購入して後悔する人の特徴

いざ別荘を買ったものの「こんなはずでは…」と後悔する人もいます。別荘を購入して後悔する人には、以下のような特徴があります。
- 別荘を所有したい憧れで購入したが、明確な利用計画がない人
- 管理費用や税金など、購入後の維持費を試算していない人
- 別荘を維持していくための清掃・管理・修繕などの手間が具体的にイメージできない人
- オフシーズン中の別荘の手入れをマメにできない人
目先の憧れだけで別荘を購入するのは得策ではありません。購入した後の管理や維持費などを事前にシミュレーションし、計画をしっかりと立てたうえで検討することが、後悔しないための重要なポイントです。
別荘を購入するメリット

別荘購入の注意点を話してきましたが、別荘を所有することにはメリットもたくさんあります。
自分が望む環境に住める
別荘は通勤や通学にかかる時間を考慮しなければならない住居とは違い、利便性を考慮せずにお気に入りの場所に住むことができます。リモートワーク時のセカンドハウスとしても使えるので、リフレッシュしながら働くにも最適です。
人目を気にせずプライベート空間で過ごせる
別荘の大きなメリットのひとつは、プライベート空間でのんびりと過ごせることでしょう。ホテルや旅館もいいですが、自分たち以外の人と接することなく、人目を気にせずにゆったりとした時間を過ごせるのは別荘ならではの楽しみ方です。
急な予定変更でキャンセル料がかかったりすることもないですし、混んでいて予約がとれないこともありませんので、自分たちの都合だけで予定を組めるのもうれしいですね。
非日常空間でリフレッシュできる
いつも暮らしている環境と異なる空間で過ごすことで、心身ともにリフレッシュできます。普段の生活から離れた、非日常的な気分を味わえるでしょう。
自然に囲まれた生活ができる

森林の空気や水のせせらぎを感じながらゆっくりとした時間を過ごせます。デジタルデトックスにも最適で、森林浴をしながら読書をしたりと、都会の喧騒を離れた非日常空間ならではの過ごし方にもってこいです。
有事の避難場所にできる
地震や火災、浸水などで自宅や地域のインフラが被害を受けた時に、避難場所として別荘を利用することもできます。有事に備えて、別荘に必要なものをストックしておくのもよいでしょう。
別荘の購入が向いている人の特徴

それでは、別荘を購入するのに向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。
- 時間とお金に余裕がある人
- 老後の趣味など、何かに没頭できる空間が欲しい人
- 家族・親戚・友人との付き合いが盛んで、多くの人を招いたり貸したりできる人
- 「不自由さ」が嫌ではない人(別荘地は街の中心地から距離があることが多いため)
- いろいろな作業をマメにこなせる人
- 仕事がテレワーク中心の人
別荘の購入に向いていない人でもお伝えしたとおり、購入後の利用・管理を計画的におこなえる人が購入に向いています。
また、趣味に使える場所が欲しい人や一緒に利用したい家族がいる人も別荘購入に適しています。多くの人で分担して家事や準備をこなし、たわいもない話をするのは最高に楽しい時間です。小さいお子さんやペットがいても、周りを気にせずに過ごせます。
別荘を買って後悔しないための対策

では、別荘を買って後悔しないためにはどうすればよいのでしょうか。
近場の別荘を購入する
どれだけ素敵な場所でも、遠すぎると時間および費用の面で行くのが億劫になりがちです。少しでも長く多く利用したい場合は、住居から近いエリアの別荘がおすすめです。
人気のエリアで別荘を購入する
別荘も大事な資産です。将来売却することも視野に入れて、ニーズが高い人気エリアで別荘を購入することがおすすめです。
長野県

長野県には、軽井沢・蓼科など日本を代表する高原エリアの別荘地があります。
軽井沢は暑い夏場も涼しく過ごしやすく、木々に囲まれきれいな水辺が豊富な場所です。
温泉地でもあり、ショッピングエリア・池・公園も充実したエリアで、非常に人気の高い別荘地です。
静岡県

伊豆や熱海は首都圏から近く、海と山の両方が楽しめる、自然にあふれたエリアです。温泉や美術館、テーマパークなどのレジャー施設が多く、子どもからお年寄りまで楽しめる別荘地です。
千葉県

千葉県は鴨川・御宿・勝浦など太平洋に面した美しい海の眺望と、緑あふれる自然を体感できるエリアです。黒潮の影響で温暖なエリアで、東京湾アクアラインを利用すれば東京からも近く、ドライブにも最適な別荘地です。
かかる初期費用と維持費を試算する
別荘の購入にあたって、購入代金以外の諸経費や税金、維持にかかる管理費や固定資産税などを試算することが大切です。
家族と利用計画を立てる
別荘を購入する前に、家族と年間どれぐらい利用するのか、何日ぐらい滞在できそうかなど、別荘の利用計画を立てておくことが大切です。
別荘を持つ必然性を確認する
いつもと違う非日常空間でリフレッシュがしたいだけなのであれば、ホテルを利用した旅行やキャンプで事足りるかもしれません。なぜ別荘を持ちたいか、しっかりした理由があるのか、よく考えることが大切です。
まとめ
「別荘を買うな」に関する本記事のまとめです。
「別荘は買うな」と言われる理由は?
想定より利用頻度が低くなりがちで、維持費が高いことが挙げられます。
別荘を購入するメリットは?
別荘を持つことによって、自分の好きな場所にプライベートな空間を得られます。
別荘を買って後悔しないための対策は?
居住している場所から、近場で人気のあるエリアで別荘を購入することが大切です。
いかがでしたか?別荘はきちんと目的をもって購入することが大切です。勢いで購入してしまいほとんど利用することなく、売却に苦労することのないように注意しましょう。
立地や用途を考えて購入すれば、自宅とは異なる自分だけの空間を手に入れられます。「不動産情報サイト アットホーム」では、全国の人気エリアからリゾート物件(別荘)を探すことができますので、しっかりと物件情報を確認し、自分にとって魅力的な別荘を見つけ出してください。
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