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木造3階建ては危ない?危険と言われる理由とメリット・デメリットを紹介

木造の3階建ては設計次第で安全性が変わります
木造3階建てに対して「地震の時に倒壊リスクが高まるのではないか」「火災に気づきにくくならないか」と不安に感じる方もいることでしょう。結論を言えば、木造3階建ては一律に危ない住宅ではありません。木造3階建てに限らず、現在の住宅は建築基準法に基づいて設計されているため、一定の安全性が確保されています。一方で、より安全性を高めるためにも、デメリットとなりえることも事前に把握しておくことが重要です。

本記事では、木造3階建てが危険と言われる理由と本当に危険であるかどうかをわかりやすく解説します。記事を読むことで、木造3階建ての住宅を安心して建築できるようになるでしょう。

木造3階建てが危ないと言われる理由

木造3階建てが危ないと言われる理由を紹介します
木造3階建てが危ないと言われる理由を紹介します

木造3階建ては、都市部を中心に増えている住宅の形態です。一方で、インターネットや口コミでは危ないと言われることも多く、木造3階建てが危ないと言われる主な背景を以下にまとめました。

建物の高さから揺れの影響を受けやすい

木造3階建てが危ないと言われる理由は、建物の高さから揺れの影響を受けやすいことが挙げられます。一般的に、建物は高くなるほど重心が上がり、地震で揺れを感じやすくなります。2階建てと比べると揺れの振れ幅が大きくなる可能性があり、不安を感じる人も少なくありません。

火災に対する不安がある

木造3階建てに対する不安は、地震だけでなく火災も挙げられます。木造は燃えやすいと考えられることが多く、建物の階数が増えることで、火災時の延焼を心配する声もあります。また、3階部分を寝室にする場合、避難経路の確保が難しいのでは……という心配の声が多いようです。

木造3階建ては本当に危ない?

木造3階建ては本当に危ないかどうかを解説します
木造3階建ては本当に危ないかどうかを解説します

前途でもお伝えしましたが、現在の住宅は木造3階建てに限らず、建築基準法に基づいて設計されており、耐震基準や防火基準も厳格に定められています。地震に関しては、建物が高くなる分、揺れを感じることもあるでしょう。しかし、木造3階建ては原則として構造計算が必要であり、必要な強度が確保される仕組みです。

適切な構造計算がおこなわれていれば、法的に求められる安全性は確保されます。ただし、1階にビルトインガレージを設ける木造の3階建ては設計に注意が必要です。3階建ての場合、開口部が大きく、壁が少なくなりやすい間取りは、安全性を確保する設計が難しいでしょう。

火災に関しては、現在の住宅には内装制限や防火仕様が建築基準法で定められています。耐火構造を採用すれば、一定時間は延焼を防ぐ性能を確保できます。防火地域・準防火地域では木造の3階建ての建築が認められない時代もありましたが、現在では住宅性能の向上により、耐火構造であれば建築が可能になりました。

現在の法規制や住宅性能の水準では、木造3階建てであることを理由に危険であると断言できません。設計次第では安全性を高められるため、地震・火災の対策をすれば、できる限り不安なく生活できるでしょう。

木造3階建てのメリット

木造3階建てのメリットを紹介します
木造3階建てのメリットを紹介します

木造3階建てが一律に危ないわけではないことを踏まえ、木造3階建てを選ぶメリットを紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

狭い土地でも延床面積を確保できる

木造3階建ての大きなメリットは、限られた敷地面積でも十分な延床面積を確保できる点にあります。都市部では20坪前後のコンパクトな土地も多く、2階建てでは希望する部屋数や収納スペースを確保できないかもしれません。しかし、3階建てにすれば、建物を縦方向に広げられるため、同じ敷地でも居住スペースを増やせます。
土地価格が高いエリアでは、敷地を広げることが難しいため、建物を高くして面積を確保する方法が合理的です。家族構成やライフスタイルに合わせて、理想の部屋数を確保しやすい点が大きな魅力になります。

他の構造よりも建築費を抑えられる

木造3階建ては、同じ3階建てでも鉄骨造などと比較して建築費を抑えやすい傾向にあります。一般的に、鉄骨造は材料費や施工費が高くなりやすく、工期も長くなるケースも。一方、木造は材料の加工がしやすく、施工体制も整っているため、コスト面で有利になりやすい構造です。

3階建ては2階建てよりも建築費が上がりやすいため、できる限りコストを抑えたいところです。限られた予算のなかで延床面積を確保したい場合、木造はコストと広さのバランスがとりやすい選択肢になるでしょう。

耐震性は鉄骨造よりも高い傾向にある

木造3階建ては、条件次第では鉄骨造よりも耐震性が高くなる場合があります。一般的に、建物は軽いほど地震時に受ける力が小さくなります。木造は鉄骨造と比べて自重が軽いため、地震の揺れによる負担を抑えやすい構造です。地盤があまり強くない土地では、建物が軽いほうが地震の被害が抑えられることも。

耐震性を考えて3階建ての住宅を建築する場合は、木造は有利な選択肢になることがあります。ただし、設計内容や施工精度によって耐震性能は大きく変わる点に注意が必要です。

地盤への負担が少なく地盤改良工事が必要になりにくい

木造は鉄骨造と比較して建物の重量が軽いことから、地盤改良工事が必要になりにくいこともメリットです。建物が重いほど地盤への圧力は大きくなるため、鉄骨造は地盤の強くない土地ほど工事が発生するリスクが高くなります。一方、木造は自重が軽いため、同じ土地でも改良工事の規模を抑えられるケースも。

地盤改良工事の費用は選択する工法にもよりますが、30坪の土地で200万円以上かかる場合もあります。工事が不要になる、または必要になっても費用を抑えられれば、全体の建築費用を節約できるでしょう。

間取りの自由度が高い

木造3階建ては、間取りの自由度が高い点もメリットの一つです。木造は柱や梁の配置を柔軟に設定しやすく、家族構成やライフスタイルに合わせて設計できます。

3階建ての場合は、階ごとに用途を分けやすいことも魅力です。例えば、1階に風呂・トイレなどの水回りや玄関、2階にリビング、3階に寝室を配置するなど、生活空間を縦方向に整理できます。二世帯住宅や在宅ワークのスペースを確保したい場合にも対応しやすいでしょう。敷地条件が限られている都市部でも、工夫次第で快適な住空間を実現できる点が、木造3階建ての強みです。

日当たり・風通しを確保しやすい

木造3階建ては、周囲に建物が多い住宅密集地でも日当たりや風通しを確保しやすい点がメリットです。建物を縦方向に伸ばすことで、上階は高い位置に窓を設けられるため、光を取り込みやすくなります。2階や3階にリビングを配置すれば、明るく開放感のある空間を作れるでしょう。高い位置に窓を設ければ、風の通り道も確保できます。

隣家との距離が近いほど採光や通風の確保が難しくなるでしょう。しかし、3階建てであれば日当たり・風通しを改善できる可能性があります。木造3階建ては、都市部でも快適な住環境を実現しやすい住宅の形態です。

木造3階建てのデメリット

木造3階建てのデメリットを紹介します
木造3階建てのデメリットを紹介します

一方で、木造3階建てのデメリットは以下の通りです。それぞれ詳しく解説します。

階段の上り下りが負担になる

3階建て住宅では、生活のなかで階段を利用する機会が増えます。リビング・寝室・水回りが別の階に分かれることが多いため、日常的に上下移動が発生します。若い時期は問題にならないかもしれませんが、年齢を重ねると階段の上り下りが負担になりやすいでしょう。

そのため、木造3階建てを設計する場合は、洗濯などの家事をおこなう際の生活動線を考える必要があります。できる限り上下の移動が発生しない生活動線を考えると日常の負担が軽くなるでしょう。1階に寝室を設ける、手すりを設置するなどの対策も効果的です。

階層ごとに温度差が生まれる

木造3階建てでは、フロアごとに温度差が生じやすい点もデメリットの一つです。暖かい空気は上に、冷たい空気は下にたまりやすい性質があります。そのため、冬は1階が冷え込みやすく、夏は3階が暑くなりやすいでしょう。

また、階段で空間がつながっている間取りでは、冷暖房の効率が下がることも。階層ごとの温度差は光熱費がかさむ原因になります。そのため、夏も冬も快適に生活するには断熱性能と気密性能を高める必要があり、建築費が上昇しやすくなります。

シロアリ被害の対策が必須

木造3階建てでは、シロアリ対策が欠かせません。地面に近い基礎周辺や床下は湿気がこもりやすく、シロアリが発生しやすい環境になります。被害が進行すると、構造材が劣化し、建物の耐久性に影響を及ぼす可能性も。

現在の住宅では、防蟻処理や基礎構造の工夫などでシロアリ被害への対策がおこなわれています。しかし、効果は永久ではありません。定期的な点検や再処理が必要になるため、維持管理の手間と費用を見込んでおくことが重要です。

メンテナンス費用が割高になりやすい

木造3階建ては、2階建てと比べてメンテナンス費用が高くなりやすい傾向があります。2階以上の高さでは外壁塗装や屋根の修繕をおこなう際には、足場の設置が必要になります。3階建ては足場の規模が大きくなるため、メンテナンス費用も高くなりやすいでしょう。

建築時の費用だけでなく、10年、20年後の塗装や修繕費まで見込んだ資金計画を立てることが重要です。長期的な維持費を把握してから建設すれば、後悔のない判断につながるでしょう。

依頼できる建築会社が限られている

木造3階建ては設計や施工の難易度が高いため、対応できる建築会社が限られる場合があります。構造計算が必須となり、防火規制への対応や壁量バランスの検討など、専門的な知識と経験が求められるからです。そのため、建築会社によっては木造3階建てに対応していないことも。

実績が少ない会社に依頼すると、設計の自由度が制限されたり、構造面の説明が十分でなかったりする可能性もあります。会社選びの選択肢が限られる点は、木造3階建てを選ぶデメリットになるでしょう。

木造3階建てを建築するポイント

木造3階建てを建築するポイントを紹介します
木造3階建てを建築するポイントを紹介します

木造3階建てを建築するポイントを以下にまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。

建築基準法の規制を調べる

木造3階建てを計画する際は、事前に建築基準法の規制を調べることが重要です。土地ごとに用途地域や建ぺい率、容積率、高さ制限などが定められているため、思い描いた間取りの3階建てが建てられるとは限りません。法規制は設計内容や建築費に直接影響します。

規制を知らなければ、土地の購入や計画を立てたあとに想定外の変更を余儀なくされることも。木造3階建ての住宅を建てると決めた場合は、建築基準法の規制をすべて把握するようにしましょう。

地震に強くするなら耐震等級3を検討する

木造3階建てで地震への備えを重視するなら、耐震等級3の取得が安心して暮らすための一つの目安になります。耐震等級は1から3まであり、数字が大きいほど耐震性能が高いことを示します。耐震等級3の耐震性能は消防署や警察署など防災拠点と同等の基準です。

ただし、耐震等級3を取得するには、壁量の増加や構造補強が必要になる場合があり、建築費に影響することも。費用と耐震性能のバランスを考えながら、地震対策をどこまで重視すべきか考える必要があるでしょう。

火災が不安なら準耐火構造を採用する

木造3階建てで火災が心配な場合は、準耐火構造の採用を検討しましょう。準耐火構造は、火災が発生した際に一定時間、延焼を防ぐ性能を持ちます。壁や床、天井に耐火性能のある材料を使用し、火が広がるまでの時間を遅らせる設計です。

防火地域や準防火地域では、耐火構造の採用が義務になる場合もあります。一方で、指定がない地域でも自主的に採用できます。火災への備えを強化すれば、木造3階建てで火災が不安な方も安心できるでしょう。準耐火仕様にすれば建築費は上がりますが、火災保険料は安くなることがあるため、全体のコストを考えて選択することが重要です。

高齢者や子どもが暮らすなら転落防止対策をする

木造3階建ては高さがある住宅のため、高齢者や小さな子どもが暮らす場合は階段を中心に転落防止対策をおこなう必要があるでしょう。対策としては階段への手すりの設置や、ベビーゲートを設けることが考えられます。階段に滑り止めマットを敷くことも効果的です。同居する家族に合わせた安全対策を検討すれば、木造3階建ては安心して暮らせる住まいになります。

実績が豊富な建築会社を選ぶ

木造3階建てを建てるなら、施工実績が豊富な建築会社を選ぶことが重要です。3階建ては2階建てよりも構造計画が複雑なため、高い専門性が求められます。特にビルトインガレージを設ける場合は、耐震性の確保が難しくなるため、建築会社の設計力が問われるでしょう。そのため、過去の施工事例などを確認し、確かな実績と技術力を持った建築会社に依頼すれば、満足のいく木造3階建てを建てられる可能性が高まります。

木造3階建てに関するよくある質問

木造3階建てに関するよくある質問を以下にまとめました。

木造3階建ては地震や火災に弱い?

木造3階建ては一概に地震や火災に弱いとはいえません。耐震等級3など高い耐震等級を取得すればさらに耐震性能を確保できます。準耐火構造を採用すれば、火災に強い家を設計できるでしょう。設計次第では、災害にも強い住まいにできるでしょう。

木造3階建ての光熱費は高くなる?

木造3階建ては、階層ごとに温度差が生まれやすいため、断熱性能や気密性能が不十分な場合は光熱費が高くなる可能性があります。夏は3階が暑くなりやすく、冬は1階が冷えやすいため、該当する階層の冷暖房の使用時間が長くなることも。光熱費を抑えたい場合は、設計段階で対策を考えることが重要です。

木造3階建ての寿命は短い?

木造3階建ての寿命は、他の形態の住宅と比較して特別に短いわけではありません。適切な施工と定期的なメンテナンスがおこなわれていれば、長期的に住み続けることができます。建物の寿命は維持管理の状況で大きく左右されるため、想定される維持費を含めて資金計画を立てるようにしましょう。

まとめ

木造3階建ては危ないと言われることがありますが、多くの場合はイメージで語られているため、実際には設計内容によって異なります。地震・火災に対して不安がある場合は、個別に対策をおこなうことで解消できるでしょう。

3階建ては狭い土地でも延床面積を確保できる構造であり、さらに木造はコストを節約しやすいため、都市部で住宅を建てる際には有力な選択肢になります。実績が豊富で設計力のある建築会社に依頼すれば、安心して暮らせる住まいを実現しやすくなります。

民辻 伸也

執筆者

民辻 伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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