【専門家監修】注文住宅を建てる時の決めることリストを完全解説

「どの段階で何を決めればよいのかわからない」とお悩みの方は少なくないでしょう。
実際、注文住宅では決めることが多岐にわたるため、全体像を把握しておかなければ、
家づくりで失敗するおそれがあります。
この記事では、注文住宅を建てる時の決めることリストを紹介します。
リストを作成する際の注意点も解説しているので、家づくりの参考にしてください。
記事の目次
注文住宅の決めることリスト│準備期間

準備期間に注文住宅の決めることリストは以下のとおりです。
- 資金計画
- 住宅ローン
- エリア・土地
- 理想の住宅のイメージ
- スケジュール
- 施工会社
それぞれの項目を見ていきましょう。
資金計画
まずは、注文住宅の資金計画を立てます。資金計画を立てる際のコツは、予算を決める前に現状の収支を洗い出すことです。収支を洗い出せば、注文住宅にかけられる予算の推計ができ、資金計画が立てやすくなります。土地から購入する場合は、土地と建物の配分も決めておきましょう。
住宅ローン
資金計画を立てたあとは、住宅ローンのシミュレーションや事前審査の申し込みです。住宅ローンのシミュレーションは、金融機関のホームページにある借入シミュレーションでおこなえます。また、事前審査は金融機関に直接足を運ぶか、金融機関のホームページから申し込む方法があります。
エリア・土地
注文住宅を建てるエリアや敷地面積の希望を決めて、不動産会社やハウスメーカーに土地探しを依頼します。エリアを決める際は、通勤・通学のアクセスや周辺にスーパーなどの商業施設があるかどうかを確認しましょう。また、防犯面を確認するために、昼間だけでなく夜にも周辺を確認することをおすすめします。
注文住宅を建てる土地を探すコツは、下記の記事を参考にしてください。
理想の住宅のイメージ
自分が住みたい理想の家のイメージを考えます。間取りや部屋数、内装など、住みたい家のイメージを膨らませましょう。また、家族が増えることでのライフステージの変化や、生活動線を意識することも忘れてはいけません。インターネットやSNSなどで建てたい家の情報を収集すれば、よりイメージが湧きやすくなるでしょう。
スケジュール
注文住宅をスムーズに進めるために、いつまでに新居に住み始めたいのかスケジュールをあらかじめ立てておきます。例えば、新年度に向けて4月までには住み始めたい、年内中に住み始めたいなど、希望の時期に合わせてスケジューリングをしましょう。立てたスケジュールを逆算していくことで、家づくりをスムーズに進められます。
注文住宅にかかる期間について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
施工会社
建築を依頼する工務店・ハウスメーカー・建築会社を選びます。自分に合った施工会社を選ぶためには、できるだけ多くの住宅展示場やモデルハウスに直接足を運び、担当者から話を聞きましょう。候補を2〜3社程度まで絞れれば、プランニングや見積もりを出してもらい、比較検討したうえで施工会社を決定します。
工務店で建築する際に意識する点や、ハウスメーカー・建築会社との違いを知りたい方は、次の記事をチェックしてください。
注文住宅の決めること・やることリスト│契約から着工まで

施工会社との工事請負契約の締結から着工までに、注文住宅の決めること・やることリストは次のとおりです。
- 間取り
- 内装
- 水回り
- 電気配線
- 設備
- 外装
- 工事前の近隣への挨拶
- 地鎮祭・上棟式
それぞれ詳しく見ていきましょう。
間取り
住み心地のよい家を実現するために、理想の間取りをプランニングします。家族で十分に話し合い、重視する条件やこだわりを洗い出すことで、暮らしやすい間取りが設計できます。また、施工会社には多くの事例や参考プランが用意されているため、プランニングに迷った場合は活用してみましょう。
注文住宅でおすすめの間取りや失敗しないためのポイントは、以下の記事を参考にしてください。
内装
注文住宅で決める内装には、主に以下が挙げられます。
- 壁紙
- 床材
- 建具
自分が住みたい家のイメージに合わせて、それぞれのカラーや材質を決めます。なかなか決められない場合は、施工会社に提案してもらったり、SNSやインターネットの施工事例を参考にしたりするとよいでしょう。
水回り
生活するうえで、水回りの配置は重要なポイントです。水回りが点在していると、洗濯や掃除、料理のたびに行き来が増えます。その結果、生活動線が悪くなります。また、水漏れや詰まりのリスクを回避するためにも、水回りの位置を意識して設計しましょう。
電気配線
注文住宅では、コンセントやTVジャック、電話配管などの電気配線を決められます。自身の生活スタイルや、家具・家電の配置に合わせて配置すると使いやすくなるでしょう。また、位置だけでなく高さや電源容量の希望も相談できます。
設備
注文住宅の設備を決めることも重要なステップです。施工会社によっては、基本的な設備を1つにまとめて標準仕様にしている場合が多く、セットで注文することで1つずつ選ぶ手間が省けます。もちろん、それぞれの設備を個別に選ぶことも可能なため、「浴室は性能のよいものを選びたい」「最新式のトイレを採用したい」などの希望がある場合は、予算に気をつけて設備を選びましょう。
外装
注文住宅で決める外装には、主に次のものが挙げられます。
- 外壁
- 屋根
- 玄関ドア
- 郵便ポスト
- 塀・フェンス
- 庭
外装はデザインも重要ですが、家が長持ちするようメンテナンス性や耐久性にも気を配らなければいけません。
工事前の近隣への挨拶
注文住宅の工事が始まると、近隣の住民に騒音や振動などで迷惑をかけることがあります。そのため、着工までに近隣住民へ挨拶回りをおこないましょう。基本的には、両隣や向かい3軒、裏の家などに挨拶するのがおすすめです。
また、施工会社のなかには、責任者や担当者が一緒に挨拶回りをしてくれることがあるため、1人で挨拶をするのが不安な場合は相談してみましょう。
地鎮祭・上棟式
注文住宅の着工前に地鎮祭をおこなうケースがあります。地鎮祭は、工事の安全祈願や住み始めてからの厄払いのためにおこないます。
また、家が上棟したタイミングで上棟式をおこなうケースもあるでしょう。上棟式は施工を担当している職人を労う意味があり、差し入れやご祝儀を用意する必要があります。
注文住宅の決めること│着工から完成まで

注文住宅の着工から完成までに注文住宅の決めること・やることリストは、次のとおりです。
- 現場見学
- 内覧会
- 家具・家電
- 火災保険・家財保険・地震保険の加入
- 引越し会社・引越し日
- ライフラインの契約
- 住所変更手続き
この段階で決めること、やるべきことをひとつずつ見ていきましょう。
現場見学
工事の着工後は、工事現場を定期的に見学して進捗状況を確認しましょう。ただし、いきなり見学に行くと危険なケースがあるため、事前に担当者や現場監督に連絡を入れておく必要があります。現場見学では、希望のプランが工事に反映しているのか、順調に進んでいるのか、などを確認します。
内覧会
建物が完成したあとは、施工会社の立会いのもとで、設計プランと実物に相違がないかをチェックする内覧会がおこなわれます。内覧会では、内装の傷や汚れ、設備、建具の建て付けなどを確認します。内覧会で気になる点があれば、遠慮なく担当者に伝えて引き渡しまでに補修してもらいましょう。
家具・家電
完成した住宅に搬入する、家具や家電を決めます。大型の家具・家電によっては、扉の大きさや廊下の幅、階段の手すりにより搬入できないケースが考えられます。そのため、事前に住宅の寸法を測り、家のサイズに合った家具・家電を選びましょう。
火災保険・家財保険・地震保険の加入
新居にかける保険の手続きも忘れずにおこないましょう。火災保険は建物を対象にした火事や落雷、水災や雪災などに備えた保険です。
家財保険は家財を対象にした保険で、地震保険は地震が起きた時に保険金が支払われる保険です。各保険は保険代理店や金融機関などで加入できます。家の立地や生活スタイルに合わせて、無駄のない保険プランを選ぶことが重要です。
引越し会社・引越し日
引越し会社と引越し日は早めに決めておきましょう。引越し会社は、複数社に相見積もりを取ることで費用を抑えられます。また、年度末に引越しをおこなう場合、早めに引越しを依頼しなければ予約が取れないおそれがあります。
引越しに関する詳しい情報が知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
ライフラインの契約
引越し後、すぐに生活を始めるために、ライフラインの契約を早めにおこなう必要があります。ライフラインの契約は、Webや電話でおこなえます。
なかでも、インターネットの開通には数週間以上かかるケースがあるため、生活にインターネットが欠かせない方は余裕を持って手続きをおこないましょう。
住所変更手続き
引越し後は速やかに住所変更をおこなわなければいけません。住民票や免許証、金融機関など、住所変更手続きが必要な先を、あらかじめまとめておくとよいでしょう。
注文住宅の決めることリストを作成する注意点

ここからは、注文住宅の決めることリストを作成する際の、注意点を紹介します。
余裕のあるスケジュールを組む
注文住宅の決めることリストを作成する際は、ゆとりのあるスケジュールを組むことが重要です。注文住宅では不測の事態が起こる可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールを組むことで安心して進められるでしょう。
こだわりたい点は優先順位を決めておく
こだわりたいポイントの優先順位を決めておくことも、注意点のひとつです。要望をすべて叶えようとしても、予算の関係で難しい場合があります。こだわりたいポイントの優先順位を決めておけば、優先順位が高い順に費用をかけることができ、スムーズな家づくりができるでしょう。
迷ったら信頼できるプロに相談する
注文住宅では、間取りや設備、材質や外構、住宅ローンや保険など、決めることが多岐にわたります。決めることに迷った場合は、信頼できるプロに相談することがおすすめです。施工会社や設計士、ファイナンシャルプランナーなど、迷っている分野の専門家からサポートを受けましょう。
注文住宅の決めることリストのまとめ

注文住宅の決めることリストに関する、今回の記事を振り返ります。
注文住宅の決めることリスト│準備期間
注文住宅の準備期間で決めることは、次のとおりです。
- 資金計画
- 住宅ローン
- エリア・土地
- 理想の住宅のイメージ
- スケジュール
- 施工会社
事前準備は注文住宅を建てるうえで重要なポイントです。妥協せず十分に時間をかけるとよいでしょう。
注文住宅の決めること・やることリスト│計画から着工まで
注文住宅の計画から着工までに決めることリストは以下のとおりです。
- 間取り
- 内装
- 水回り
- 電気配線
- 設備
- 外装
- 工事前の近隣への挨拶
- 地鎮祭・上棟式
契約から着工の段階では、主に家の内容や中身を決める場面が増えます。優先順位を決めて、スムーズに進められるようにしましょう。
注文住宅の決めること・やることリスト│着工から完成まで
着工から完成までに決めることリストは次のとおりです。
- 現場見学
- 内覧会
- 家具・家電
- 火災保険・家財保険・地震保険の加入
- 引越し会社・引越し日
- ライフラインの契約
- 住所変更手続き
この時期は、注文住宅の最終段階です。計画通りに引越しができるよう、最後まで気を抜かずに手続きを進めましょう。
注文住宅では決めることが多く、計画段階から決めることリストを作成しておかなければ、完成時期に間に合わなくなるおそれがあります。注文住宅では、進めるステップによって何を決めるのかが異なるため、この記事のリストを参考に後悔のない家づくりを実現しましょう。
注文住宅を建てる