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建て替えに必要な仮住まいの探し方は?選択肢と注意点を紹介

建て替えでは工事期間中に生活する仮住まいが必要です
建て替えに必要な仮住まいを、どのように探すべきかわからない方もいるかもしれません。仮住まいにはさまざまな選択肢がありますが、短期で借りられる物件を探す場合は、通常の賃貸物件を探す場合と比較して見つかりにくいでしょう。よって、仮住まいはできる限り早くから探しはじめる必要があります。

建て替え期間は、一般的に半年から1年程度といわれています。仮住まい選びは期間中の生活における満足度に大きく影響するため、できる限り生活に支障がない仮住まい先を選びたいところです。

本記事では、建て替えに必要な仮住まいの探し方と、選択肢となる仮住まい先の種類を紹介します。仮住まいに関する総合的な注意点も解説します。

建て替えに必要な仮住まいの探し方

建て替えに必要な仮住まいの探し方を紹介します
建て替えに必要な仮住まいの探し方を紹介します

建て替えに必要な仮住まいの探し方は主に3つあります。

  • 不動産ポータルサイト
  • 仮住まい探しに特化した不動産会社
  • 建て替えを依頼したハウスメーカー・工務店

それぞれ詳しく見ていきましょう。

不動産ポータルサイト

不動産ポータルサイトでは、物件検索を自宅から手軽におこなえます。数多くの賃貸情報を網羅しており、地域・家賃など重視する条件に合わせて絞り込みが可能です。サイトによっては、仮住まい需要に特化した検索条件を指定できる機能が充実していることも。

物件ごとに室内写真や間取り図、周辺環境情報が掲載されているため、初期の調査段階で候補を絞りやすいことも強みです。ただし、掲載のタイムラグにより成約済みの物件情報が未成約として掲載されている場合もあるため、注意が必要です。

不動産情報サイト アットホームでも、仮住まいにおすすめの短期賃貸物件を紹介しています。

仮住まい探しに特化した不動産会社

仮住まい探しに特化した不動産会社は、特定のニーズにマッチしたラインアップをそろえています。専門会社から探すことで、理想的な仮住まい先を選ぶことが可能です。専門会社であれば、仮住まい先として希少性が高い、学区内物件やペット飼育可の物件も見つかるかもしれません。

仮住まい先に求める条件が多い場合は、仮住まい探しに特化した不動産会社がおすすめです。

建て替えを依頼したハウスメーカー・工務店

建て替えを依頼するハウスメーカーや工務店によっては、仮住まいの手配をするオプションを提供している場合があります。提携する不動産会社や自社の仮設住宅を利用したプランを提案しており、工事スケジュールに合わせた契約期間の設定が可能です。

ただし、不動産ポータルサイトなどで探す場合と比較して、提携物件の選択肢は狭いため、希望の条件にあった物件が見つかりにくいケースもあるでしょう。

建て替えにおける仮住まい先の選択肢

建て替えにおける仮住まい先の選択肢を紹介します
建て替えにおける仮住まい先の選択肢を紹介します

建て替えにおける仮住まい先の選択肢を以下にまとめました。

  • 実家
  • 短期賃貸物件
  • マンスリーマンション
  • 社宅
  • 敷地内の仮設住宅
  • ホテル

それぞれ詳しく解説します。

実家

実家を仮住まいとして利用できる場合は、家賃、敷金・礼金が不要であり、場合によっては仮住まいに費用がかかりません。新たに仮住まい先を探す場合と比較して、費用を大幅に軽減できます。両親と相談して、了承が得られた場合は、有力な候補といえるでしょう。

短期賃貸物件

短期賃貸物件とは、数週間や数日などの短期契約が可能な賃貸住宅のこと。契約期間満了で自動的に契約が終了する「定期借家契約」で提供されることが一般的です。

そのため、工期の延長が発生した場合に、契約更新が難しい場合も。工期の延長に備えて期間を更新できる物件を選ぶか、予備の宿泊先を確保すると安心でしょう。

マンスリーマンション

マンスリーマンションは、電気・水道料込みで月額契約ができるサービスアパートメントです。家具、インターネットなどのインフラが備え付けられているケースが多いため、入居手続きのあとすぐに生活を開始できます。

ただし、短期賃貸物件と比較して賃料が高い傾向にあります。ペット可など、条件を増やすほど賃料も高くなるため、注意が必要です。

社宅

勤務先の社宅・寮を利用できる場合は、仮住まい先として有力な選択肢になります。家賃が賃貸物件の相場と比較して安くなるため、仮住まいのコストを削減できるでしょう。一般的に社宅は会社の近くにあることが多いため、通勤における利便性の高さもメリットといえるでしょう。

一方で、一般的な賃貸物件よりも多くの入居条件やルールが定められている可能性も。入居を希望する場合は、社内規定などを確認してみましょう。

敷地内の仮設住宅

敷地が広い場合は、敷地内に仮設住宅となるプレハブユニットを設置することで仮住まいができます。敷地内に仮設住宅を建設するため、大規模な引越し作業をする必要がありません。工事スケジュールに合わせて設置・撤去が可能であり、工期の延長にも柔軟に対応可能です。

また、仮設住宅の設置を建築費に組み込める場合もあります。ただし、仮設住宅はコンパクトなものが多いため、家族の人数などによっては手狭に感じる可能性もあります。

ホテル

ホテルを仮住まいとして利用方法もあります。設備などが整っていることが大きなメリットですが、毎日の宿泊費用などで総コストが高額になりやすい傾向にあります。

それぞれの特徴やライフスタイルなどを踏まえて、建て替え期間中も快適に過ごせる仮住まい先を検討しましょう。

建て替えで仮住まいが必要な期間と主な変動理由

建て替えで仮住まいが必要な期間はさまざまな要因で変動します
建て替えで仮住まいが必要な期間はさまざまな要因で変動します

建て替えで仮住まいが必要な期間の目安は、半年から1年程度です。建て替えでは家の解体工事を終えてから地盤調査、そのあとに新しい住宅を建設するため、工事期間が長くなりやすいです。さらに作業環境や天候によって工事期間が長引く可能性も。建て替えで仮住まいの期間が変動する主な理由をまとめました。

  • 家の構造・立地によって解体期間が変動した
  • 地盤調査により改良が必要になった
  • 工事中に予期せぬトラブルが発生した

それぞれ詳しく見ていきましょう。

家の構造・立地によって解体期間が変動した

建物を建て替えるには、既存住宅の解体工事が必要です。しかし、その期間は構造によって変動する可能性があります。

木造住宅の場合は、壁体や屋根材が軽量であるため、解体作業がスムーズに進みやすいです。一方で、鉄筋コンクリート造の場合は、重機や専門工具を利用したコンクリートの切断・撤去が必要であるため、解体に時間がかかりやすくなります。

また、隣家との距離が狭く、家が密集した場所にある住宅は、近隣住民のために防音・防塵対策が必要になることも。重機の稼働スペースの確保も困難であることから、工事期間が長期化しやすいでしょう。

このように、家の構造・立地によって、工事に解体工事にかかる日数は変動します。施工会社との打ち合わせ時には、時間がかかりやすい条件を考慮しながらスケジュールを建てるようにしましょう。

地盤調査により改良が必要になった

既存住宅の解体を終えたあとは、新築住宅を建設する前に、地盤調査を実施する必要があります。調査の結果、地盤の状態が悪化していることが発覚した場合は、地盤改良工事が発生するため、建て替え全体の工期に影響をおよぼします。

地盤改良工事の必要性は、周辺の地盤なども考慮して、一定の精度をもった予測が立てられます。しかし、地盤改良工事は不要と予測されていた場合でも、実際の調査結果次第では工事が必要になるケースも。地盤改良工事の発生によって工期が延びることも考慮して、仮住まいの期間を設定するといいでしょう。

一般的に、地盤改良工事にかかる日数は数日程度です。しかし、工事会社のスケジュールや悪天候などを理由に、工事が思うように進まず、1週間以上の時間を要することも考えられます。

工事中に予期せぬトラブルが発生した

建て替え工事は、全体のスケジュールにおいて予期せぬトラブルが発生する可能性があります。例えば、解体中に建材からアスベストが見つかった場合は、追加の調査や専用の除去工事が必要になります。ほかにも建築会社側のトラブルで工事の人手が不足することで、スケジュールどおりに工事が進まない可能性も考えられます。
また、大雨や大雪など悪天候が続いて工事が中断したり、騒音・振動で近隣とトラブルになるなどさまざまな要因が考えられます。

数日程度の遅れであれば問題はないかもしれません。しかし、トラブルが大きい場合や、小さなトラブルが積み重なった場合、1週間以上の遅延、ケースによっては1カ月以上も工期が遅れるおそれもあります。万が一、工期が大幅に遅れた場合は、契約書に基づいて価格交渉をおこなうか、悪質な場合は損害賠償の請求も可能です。

仮住まいの契約期間を設定する場合は、工期の遅れに対応できるよう予備日を組み込んでおくと安心でしょう。

建て替えの仮住まいに関する注意点

建て替えの仮住まいに関する注意点を解説します
建て替えの仮住まいに関する注意点を解説します

ここまでの内容を踏まえたうえで、建て替えの仮住まいに関する注意点を以下にまとめました。

  • 短期で借りられる物件は少ない
  • ペットを飼っている場合は選択肢がより狭まる
  • 仮住まいへの引越しは繁忙期を避ける
  • 必要に応じてトランクルームを借りる
  • 必要な手続きを把握する

それぞれ詳しく解説します。

短期で借りられる物件は少ない

仮住まいに適した短期契約可能な賃貸物件は、一般的な賃貸物件に比べて数が少ないことに注意が必要です。仮住まい先は半年から1年程度を目安に生活の拠点となる場所であるため、できる限り条件のいい物件を契約したいところです。しかし、物件数が限られるため、理想の仮住まい先を見つけることは難しいでしょう。

そのため、仮住まい先の条件は、ある程度の妥協が必要になるかもしれません。また、事前に示された建て替えの工期が延びるリスクも考慮して、契約期間の更新ができる物件や、再契約が可能な物件を選ぶと安心です。建て替えを計画する場合は、仮住まい先の候補を前もって探しておくといいでしょう。

ペットを飼っている場合は選択肢がより狭まる

ペットの飼育が可能な物件は、全賃貸物件の1割から2割程度といわれています。さらに、短期で借りられる物件となると、選択肢の幅は大きく狭まってしまうでしょう。また、ペットの飼育可能な物件であっても、大型犬や多頭飼育は難しいケースもあります。

ペットを連れた仮住まい先の選定は困難になりやすいことを考慮し、場合によっては、仮住まい中にペットを家族・知人、ペットホテルなどに預けることも検討しましょう。

仮住まいへの引越しは繁忙期を避ける

建て替えでは、仮住まい先への引越し、新築住宅への引越しで2回の引越し費用がかかります。そのため、引越し費用を少しでも節約するために、引越し費用が高騰しやすい繁忙期(2月から4月頃)を避けるようにしましょう。
一方で、閑散期(6月から8月頃、11月前後)に引越しすると、繁忙期と比較して、引越し費用が半分以下になることも。引越し費用を抑えられれば、建て替え全体の費用の節約につながります。

必要に応じてトランクルームを借りる

仮住まい先にすべての荷物を持ち込めない場合、荷物の一時保管場所としてトランクルームの利用がおすすめです。収納スペースが限られる物件であれば、季節用品や仮住まい先で使用しない大型家具はトランクルームに預けましょう。

トランクルームは広さによって相場が変わるため、荷物の量に応じて適切なサイズを選定しましょう。

必要な手続きを把握する

比較的短期間な仮住まいでは、必要な手続きも通常の引越しとは異なります。例えば、仮住まい期間が1年未満のケースでは、住民票の移動は任意であるため、場合によっては必要ないかもしれません。

一方で、仮住まいの場合でも必要な手続きには住所変更や光熱費、通信費などの手続きが挙げられます。郵便物が元の住所に郵送されてしまったり、光熱費、通信費を二重で支払ってしまうトラブルを避けるためにも、必要な手続きは忘れずにおこないましょう。

その他、引越しに関することは、以下を参考にしてください。

まとめ

建て替えにおける仮住まい先の確保は、工事期間中の生活を左右する重要な要素です。仮住まい先には、複数の選択肢があります。短期契約が可能な物件の場合は、希望条件に合う物件は数が限られている可能性があるため、できるだけ早い段階から情報収集を始めることが大切です。

仮住まい先をうまく選ぶことで、建て替え期間中も快適に過ごせるでしょう。場合によっては工期が延びる可能性もあるため、対応できるような仮住まい先の選定が重要です。安心して新居の完成を待つことができるように、仮住まい先の候補と探し方を理解しておきましょう。

長谷川 賢努

執筆者

長谷川 賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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